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公開番号
2024127849
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-20
出願番号
2024034558
出願日
2024-03-07
発明の名称
直列積層型全固体二次電池
出願人
国立大学法人京都大学
代理人
弁理士法人三枝国際特許事務所
主分類
H01M
10/0585 20100101AFI20240912BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】低温(特に室温)においても、全固体二次電池を提供する。
【解決手段】少なくとも集電体、正極活物質層及び固体電解質層を備えるセルを直列に2個以上積層した直列積層型全固体二次電池であって、
(1)第1集電体上に、正極活物質層、固体電解質層及び第2集電体をこの順に備えるセルを直列に2個以上積層している、又は
(2)第1集電体、正極活物質層、固体電解質層及び第2集電体をこの順に備えるセルを直列に2個以上積層している、
直列積層型全固体二次電池。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
少なくとも集電体、正極活物質層及び固体電解質層を備えるセルを直列に2個以上積層した直列積層型全固体二次電池であって、
(1)第1集電体上に、正極活物質層、固体電解質層及び第2集電体をこの順に備えるセルを直列に2個以上積層している、又は
(2)第1集電体、正極活物質層、固体電解質層及び第2集電体をこの順に備えるセルを直列に2個以上積層している、
直列積層型全固体二次電池。
続きを表示(約 710 文字)
【請求項2】
前記正極活物質層は、正極活物質から構成される、請求項1に記載の直列積層型全固体二次電池。
【請求項3】
前記正極活物質層が、イオンビームアシスト蒸着膜又は原子ビームアシスト蒸着膜である、請求項1又は2に記載の直列積層型全固体二次電池。
【請求項4】
前記正極活物質中の正極活物質が、岩塩型結晶構造を有する、請求項1又は2に記載の直列積層型全固体二次電池。
【請求項5】
前記正極活物質層を構成する正極活物質が、リチウム含有遷移金属酸化物、バナジウム酸化物又はモリブデン酸化物である、請求項1又は2に記載の直列積層型全固体二次電池。
【請求項6】
前記リチウム含有遷移金属酸化物におけるリチウムの含有量が、リチウム含有リン酸遷移金属化合物を構成する遷移金属1モルに対して、1.1~2.0モルである、請求項5に記載の直列積層型全固体二次電池。
【請求項7】
前記正極活物質層を構成する正極活物質結晶が配向している、請求項1又は2に記載の直列積層型全固体二次電池。
【請求項8】
前記正極活物質層の膜厚が0.1~100μmである、請求項1又は2に記載の直列積層型全固体二次電池。
【請求項9】
前記(1)を満たし、前記第1集電体が銅から構成される、請求項1又は2に記載の直列積層型全固体二次電池。
【請求項10】
前記セルが、前記正極活物質層と隣接して、さらに、導電性中間層を備える、請求項9に記載の直列積層型全固体二次電池。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、直列積層型全固体二次電池に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)
【背景技術】
【0002】
薄膜型全固体リチウムイオン電池は、高い安全性を有する小型軽量な電池であり、生体用デバイスやICチップ等への応用が期待されている。なかでも、リチウム含有酸化物を正極活物質として機能させるには、リチウムイオン伝導パスを形成するために、リチウム含有酸化物を高度に結晶化させる必要がある。その代表的な正極材料であるLiCoO
2
(LCO)は、合成温度の違いにより、高温相(HT-LCO)と低温相(LT-LCO)とがある。このうち、正極活物質として適してするのはHT-LCOであり、HT-LCOの結晶化のために600℃程度の基板加熱が必要である(例えば、非特許文献1~2参照)。
【0003】
しかしながら、このような高温での成膜プロセスを行うと、シリコン電子デバイス等への組み込み等の障害となるほか、基板、負極、固体電解質等の材質及び構造を制限してしまう。
【0004】
そこで、低温(特に室温)において、全固体二次電池を製造できれば、層間の反応を抑制することができるため、多層構造の全固体二次電池である直列積層型全固体二次電池を製造することも可能である。
【0005】
しかしながら、高温に加熱した基材上への形成あるいは高温アニール処理などの高温処理によらず、リチウム含有酸化物を直接結晶として基板上に形成することも、物理蒸着(真空蒸着、DCスパッタ法、パルスレーザーデポジション(PLD)、エアロゾルデポジション(AD))や化学蒸着等で試みられている。これらの手法は、いわゆるリチウム全固体電池を実現する手法としても期待されている。しかし、現状は実用化には至っていない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
T. Ohnishi and K. Takada, Appl. Phys. Express 5 (2012) 055502.
X. Zhu, Z. Guo, G. Du, P. Zhang, H. Liu, Surface & Coatings Technology, 204 (2010) 1710-1714.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記のような課題を解決しようとするものであり、低温(特に室温)においても、全固体二次電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記問題点を解決するために鋭意検討した結果、特定の構造の直列積層型全固体二次電池は、低温(特に室温)においても、全固体二次電池を提供することができることを見出した。これらの知見に基づいて、本発明者らは、さらに研究を重ね、本発明を完成させた。即ち、本発明は以下の態様を包含する。
【0009】
項1.少なくとも集電体、正極活物質層及び固体電解質層を備えるセルを直列に2個以上積層した直列積層型全固体二次電池であって、
(1)第1集電体上に、正極活物質層、固体電解質層及び第2集電体をこの順に備えるセルを直列に2個以上積層している、又は
(2)第1集電体、正極活物質層、固体電解質層及び第2集電体をこの順に備えるセルを直列に2個以上積層している、
直列積層型全固体二次電池。
【0010】
項2.前記正極活物質層は、正極活物質から構成される、項1に記載の直列積層型全固体二次電池。
(【0011】以降は省略されています)
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