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公開番号2024109116
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-13
出願番号2024013682
出願日2024-01-31
発明の名称ポリマーブラシシートの製造方法
出願人国立大学法人京都大学
代理人弁理士法人とこしえ特許事務所
主分類C08F 2/00 20060101AFI20240805BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】分子量の高い高分子鎖により構成されたポリマーブラシ層を有するポリマーブラシシートを製造するための方法を提供すること。
【解決手段】基材上に、ポリマーブラシ層が形成されてなるポリマーブラシシートを製造する方法であって、前記基材の少なくとも一方の面に、重合開始基を導入する工程と、目付量が100g/m2以下であるセルロースを主成分とする支持体を、前記基材の重合開始基を導入した面の少なくとも一部に接触させた状態で、モノマーを表面開始ラジカル重合により重合する工程とを備える、ポリマーブラシシートの製造方法を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
シート状の基材上に、ポリマーブラシ層が形成されてなるポリマーブラシシートを製造する方法であって、
前記基材の少なくとも一方の面に、重合開始基を導入する工程と、
目付量が100g/m

以下であるセルロースを主成分とする支持体を、前記基材の重合開始基を導入した面の少なくとも一部に接触させた状態で、モノマーを表面開始ラジカル重合により重合する工程とを備える、ポリマーブラシシートの製造方法。
続きを表示(約 520 文字)【請求項2】
前記支持体の厚みが、1~1,000μmである請求項1に記載のポリマーブラシシートの製造方法。
【請求項3】
前記支持体が、セルロースを主成分とする繊維状の不織布からなる多孔質膜である請求項1または2に記載のポリマーブラシシートの製造方法。
【請求項4】
前記支持体の面積透過率が、50%以下である請求項1または2に記載のポリマーブラシシートの製造方法。
【請求項5】
前記基材の厚みが0.1~1,000μmである請求項1または2に記載のポリマーブラシシートの製造方法。
【請求項6】
前記支持体を、前記重合開始基を導入した基材と、該基材とは別の基材との間に挟んだ状態にて、前記モノマーを表面開始ラジカル重合により重合する請求項1または2に記載のポリマーブラシシートの製造方法。
【請求項7】
ポリマーブラシ層を有する部材の製造方法であって、
請求項1または2に記載の方法により得られたポリマーブラシシートを、部材の表面に貼り付けることにより、部材の表面にポリマーブラシ層を形成する、ポリマーブラシ層を有する部品の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、シート状の基材上に、ポリマーブラシ層が形成されてなるポリマーブラシシートの製造方法に係り、さらに詳しくは、分子量の高い高分子鎖により構成されたポリマーブラシ層を有するポリマーブラシシートの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
各種部材の改質方法として、その末端に部材表面に対し吸着または反応しうる基を有するポリマーを部材表面に作用させることで、物理的または化学的に結合したポリマー層を部材表面に形成する方法が知られている。また、部材表面に付与した重合性基を起点としてモノマーを重合させることで、部材表面からグラフトしたポリマー層を形成する方法も知られている。
【0003】
近年、1990年代に発展したリビングラジカル重合の技術を利用して基板上に高密度にグラフトされる、いわゆる「濃厚ポリマーブラシ」が研究されている。この濃厚ポリマーブラシでは、高分子鎖が1~4nm間隔の高密度で基板上にグラフトされる。このような濃厚ポリマーブラシにより基材表面を改質し、低摩擦性、タンパク質吸着抑制、サイズ排除特性、親水性、撥水性などの特徴を付与することができる(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2008-133434号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の技術においては、低摩擦性等の各種特性を付与する部材表面に対し、直接、ポリマーブラシ層を形成するものであり、そのため、形状が複雑である等の形状的な理由や、狭小である等のスペース的な理由、化学的あるいは物理的な理由等により、ポリマーブラシ層の形成が難しい部材の表面に対し、ポリマーブラシ層を形成することができないという課題や、ポリマーブラシ層を形成することができたとしても、所望の分子量が得られないという課題があった。
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、各種部材や部品に対し貼り付け可能なポリマーブラシシートであって、分子量の高い高分子鎖により構成されたポリマーブラシ層を有するポリマーブラシシートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者等は、シート状の基材上に、ポリマーブラシ層が形成されてなるポリマーブラシシートを製造する際に、基材の少なくとも一方の面に、重合開始基を導入し、かつ、目付量が特定の範囲にあるセルロースを主成分とする支持体を、基材の重合開始基を導入した面の少なくとも一部に接触させた状態で、モノマーを表面開始ラジカル重合により重合することにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、以下の事項に関する。
[1]シート状の基材上に、ポリマーブラシ層が形成されてなるポリマーブラシシートを製造する方法であって、
前記基材の少なくとも一方の面に、重合開始基を導入する工程と、
目付量が100g/m

以下であるセルロースを主成分とする支持体を、前記基材の重合開始基を導入した面の少なくとも一部に接触させた状態で、モノマーを表面開始ラジカル重合により重合する工程とを備える、ポリマーブラシシートの製造方法。
[2]前記支持体の厚みが、1~1,000μmである[1]に記載のポリマーブラシシートの製造方法。
[3]前記支持体が、セルロースを主成分とする繊維状の不織布からなる多孔質膜である[1]または[2]に記載のポリマーブラシシートの製造方法。
[4]前記支持体の面積透過率が、50%以下である[1]~[3]のいずれかに記載のポリマーブラシシートの製造方法。
[5]前記基材の厚みが0.1~1,000μmである[1]~[4]のいずれかに記載のポリマーブラシシートの製造方法。
[6]前記支持体を、前記重合開始基を導入した基材と、該基材とは別の基材との間に挟んだ状態にて、前記モノマーを表面開始ラジカル重合により重合する[1]~[5]のいずれかに記載のポリマーブラシシートの製造方法。
[7]ポリマーブラシ層を有する部材の製造方法であって、
[1]~[6]のいずれかに記載の方法により得られたポリマーブラシシートを、部材の表面に貼り付けることにより、部材の表面にポリマーブラシ層を形成する、ポリマーブラシ層を有する部品の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、シート状の基材上に、分子量の高い高分子鎖により構成されたポリマーブラシ層を有するポリマーブラシシートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、実施例14で得られたポリマーブラシシートのポリマーブラシ層を、倍率20倍で観察して得られた光学顕微鏡写真である。
図2(A)は、比較例2で得られたポリマーブラシシートのポリマーブラシ層を、倍率20倍で観察して得られた光学顕微鏡写真であり、図2(B)は、比較例2で得られたポリマーブラシシートのポリマーブラシ層を、倍率100倍で観察して得られた光学顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のポリマーブラシシートの製造方法は、
シート状の基材上に、ポリマーブラシ層が形成されてなるポリマーブラシシートを製造する方法であって、
前記基材の少なくとも一方の面に、重合開始基を導入する工程と、
目付量が100g/m

以下であるセルロースを主成分とする支持体を、前記基材の重合開始基を導入した面の少なくとも一部に接触させた状態で、モノマーを表面開始ラジカル重合(あるいは、表面開始リビングラジカル重合、以下、同様。)により重合する工程とを備えるものである。
(【0011】以降は省略されています)

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