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公開番号
2024089627
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-07-03
出願番号
2023192163
出願日
2023-11-10
発明の名称
多環芳香族化合物
出願人
国立大学法人京都大学
,
エスケーマテリアルズジェイエヌシー株式会社
代理人
弁理士法人特許事務所サイクス
主分類
C07F
5/02 20060101AFI20240626BHJP(有機化学)
要約
【課題】有機EL素子等の有機デバイス用材料として有用な新規化合物を提供する。
【解決手段】式(1)、式(2)、または式(3)で表される多環芳香族化合物;
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2024089627000202.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">55</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">170</com:WidthMeasure> </com:Image>
(A環~F環、H環は置換もしくは無置換のアリール環、Z
C
は=C(-R
C
)-(R
C
は水素または置換基)、X
1
~X
4
は>N-R
NX
(R
NX
はアリール)>O、または>Sであり、ただし、X
1
~X
4
の少なくとも1つは式(X)で表される構造であり、R
N
は置換基、Yは単結合またはH環とL
I
とを最短でつなぐ原子数が1もしくは2である2価の基、L
I
は2価の基である。)
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
式(1)、式(2)、または式(3)で表される多環芳香族化合物;
TIFF
2024089627000191.tif
54
170
式(1)、式(2)、および式(3)中、
A環、B環、C環、D環、E環、F環、およびG環はそれぞれ独立して置換もしくは無置換のアリール環または置換もしくは無置換のヘテロアリール環であり、Z
C
はそれぞれ独立して=C(-R
C
)-または=N-であり、R
C
はそれぞれ独立して水素または置換基であり、
X
1
、X
2
、X
3
、およびX
4
はそれぞれ独立して>N-R
NX
、>O、>C(-R
CX
)
2
、>Si(-R
IX
)
2
、>S、または>Seであり、R
NX
は水素、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり、R
CX
およびR
IX
はそれぞれ独立して水素、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり、2つのR
CX
は互いに結合して環を形成していてもよく、2つのR
IX
は互いに結合して環を形成していてもよく、R
NX
、R
CX
およびR
IX
はそれぞれ連結基または単結合により、当該R
NX
、R
CX
またはR
IX
を含むX
1
、X
2
、X
3
、またはX
4
が結合する環の1つまたは2つと結合していてもよく、
ただし、式(1)においては、X
1
およびX
2
からなる群より選択される少なくとも1つは式(X)で表される構造であり、式(2)においては、X
1
、X
2
、X
3
、およびX
4
からなる群より選択される少なくとも1つは式(X)で表される構造であり、式(3)においては、X
1
およびX
3
からなる群より選択される少なくとも1つは式(X)で表される構造であり、
式(X)中、H環は置換もしくは無置換のアリール環または置換もしくは無置換のヘテロアリール環であり、R
N
は置換基であり、Yは単結合またはH環とL
I
とを最短でつなぐ原子数が1もしくは2である2価の基であり、L
I
は2価の基であり、
式(1)、式(2)、および式(3)の各式におけるアリール環およびヘテロアリール環からなる群より選択される少なくとも1つは、少なくとも1つのシクロアルカンで縮合されていてもよく、当該シクロアルカンは少なくとも1つの置換基で置換されていてもよく、当該シクロアルカンにおける少なくとも1つの-CH
2
-は-O-で置き換えられていてもよく、
式(1)、式(2)、および式(3)の各式において、少なくとも1つの水素は重水素で置き換えられていてもよく、少なくとも1つの窒素は窒素-15(
15
N)で置き換えられていてもよく、少なくとも1つの硫黄は硫黄-33(
33
S)、硫黄-34(
34
S)または硫黄-36(
続きを表示(約 3,100 文字)
【請求項2】
式(X)が式(X-1)で表される、請求項1に記載の多環芳香族化合物;
TIFF
2024089627000192.tif
32
170
式(X-1)中、
H環は置換もしくは無置換のアリール環または置換もしくは無置換のヘテロアリール環であり、
I環は置換もしくは無置換のアリール環、置換もしくは無置換のヘテロアリール環、置換もしくは無置換のシクロアルカン環または置換もしくは無置換のシクロアルケン環であり、
R
N
は置換基であり、
Yは単結合または単結合またはH環とI環とを最短でつなぐ原子数が1もしくは2である2価の基である。
【請求項3】
式(X)が式(X-1-1)で表される、請求項2に記載の多環芳香族化合物;
TIFF
2024089627000193.tif
33
170
式(X-1-1)中、
R
N
は置換または無置換のアリール、置換または無置換のヘテロアリール、置換または無置換のアルキル、置換または無置換のシクロアルキルであり、
Yは単結合、>C(-R
CY
)
2
、>N-R
NY
、>O、>Si(-R
IY
)
2
、>PR
PY
、>P(=O)R
POY
、>S、>SO、>SO
2
、>Se、置換または無置換のオルトアリーレン、置換または無置換のオルトヘテロアリーレン、置換または無置換のアルキレン、置換または無置換のシクロアルキレン、置換または無置換のアルケニレン、置換または無置換のシクロアルケニレンであり、R
NY
は水素、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり、R
CY
およびR
IY
はそれぞれ独立して水素、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり、2つのR
CY
は互いに結合して環を形成していてもよく、2つのR
IY
は互いに結合して環を形成していてもよく、R
PY
およびR
POY
はそれぞれ独立して、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり、
Zはそれぞれ独立して=C(-R
Z
)-または=N-であり、R
Z
は水素または置換基である。
【請求項4】
Zがいずれも=C(-R
Z
)-であり、Yが単結合、>C(-R
CY
)
2
、>O、>S、または置換または無置換の1,2-フェニレンである、請求項3に記載の多環芳香族化合物。
【請求項5】
Yが単結合である、請求項4に記載の多環芳香族化合物。
【請求項6】
式(1)においては、X
1
およびX
2
のいずれも式(X)で表される構造であり、式(2)においては、X
1
、X
2
、X
3
、およびX
4
からなる群より選択される少なくとも2つは式(X)で表され、式(3)においては、X
1
およびX
3
のいずれも式(X)で表される構造である、請求項1に記載の多環芳香族化合物。
【請求項7】
式(1)で表される、請求項1に記載の多環芳香族化合物。
【請求項8】
式(1-a)または式(1-b)で表される、請求項7に記載の多環芳香族化合物;
TIFF
2024089627000194.tif
56
170
式(1-a)および式(1-b)中、
Z
C
はそれぞれ独立して、-C(-R
C
)=または-N=であり、
R
C
は、それぞれ独立して、水素または置換基であり、
Lは>N-R
NL
、>O、>C(-R
CL
)
2
、>S、または>Seであり、R
NL
は水素、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり、R
CL
は水素、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり、2つのR
CL
は互いに結合して環を形成していてもよく、
X
1
およびX
2
は、それぞれ式(1)におけるX
1
、X
2
と同義であり、
式(1-a)および式(1-b)の各式におけるアリール環およびヘテロアリール環からなる群より選択される少なくとも1つは、少なくとも1つのシクロアルカンで縮合されていてもよく、当該シクロアルカンは少なくとも1つの置換基で置換されていてもよく、当該シクロアルカンにおける少なくとも1つの-CH
2
-は-O-で置き換えられていてもよく、
式(1-a)および式(1-b)の各式において、少なくとも1つの水素は重水素で置き換えられていてもよく、少なくとも1つの窒素は窒素-15(
15
N)で置き換えられていてもよく、少なくとも1つの硫黄は硫黄-33(
33
S)、硫黄-34(
34
S)または硫黄-36(
36
S)で置き換えられていてもよく、少なくとも1つの酸素は酸素-17(
17
O)または酸素-18(
18
O)で置き換えられていてもよく、少なくとも1つの炭素は炭素-13(
13
C)で置き換えられていてもよく、少なくとも1つのホウ素はホウ素-11(
11
B)で置き換えられていてもよい。
【請求項9】
下記いずれかの式で表される、請求項8に記載の多環芳香族化合物;
TIFF
2024089627000195.tif
226
170
TIFF
2024089627000196.tif
227
170
TIFF
2024089627000197.tif
153
170
式中、Meはメチル、tBuはt-ブチル、Adは1-アダマンチル、Dは重水素である。
【請求項10】
式(2)で表される、請求項1に記載の多環芳香族化合物。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、多環芳香族化合物に関する。本発明はまた、上記多環芳香族化合物を用いた有機電界発光素子、有機電界効果トランジスタおよび有機薄膜太陽電池などの有機デバイス、並びに、表示装置および照明装置に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、電界発光する発光素子を用いた表示装置は、省電力化や薄型化が可能なことから、種々研究され、さらに、有機材料から成る有機電界発光素子は、軽量化や大型化が容易なことから活発に検討されてきた。特に、光の三原色の1つである青色や緑色などの発光特性を有する有機材料の開発、および正孔、電子などの電荷輸送能(半導体や超電導体となる可能性を有する)を備えた有機材料の開発については、高分子化合物、低分子化合物を問わずこれまで活発に研究されてきた。
【0003】
有機EL素子は、陽極および陰極からなる一対の電極と、当該一対の電極間に配置され、有機化合物を含む一層または複数の層とからなる構造を有する。有機化合物を含む層には、発光層や、正孔、電子などの電荷を輸送または注入する電荷輸送/注入層などがあるが、これらの層に適当な種々の有機材料が開発されている。
【0004】
その中で、特許文献1および2では、ホウ素を含有する多環芳香族化合物が、有機電界発光素子等の材料として有用であることが開示されている。この多環芳香族化合物を含有する有機電界発光素子は、良好な外部量子効率を有することが報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2015/102118号
国際公開第2018/212169号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、有機EL素子に用いられる材料としては種々の材料が開発されているが、有機EL素子用材料の選択肢を増やすために、従来とは異なる化合物からなる材料の開発が望まれている。
本発明は有機EL素子等の有機デバイス用材料として有用な新規化合物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討し、特許文献1および2に記載の化合物と同様にホウ素を含む構造を有する化合物において、さらに高効率で長寿命の有機EL素子の製造を可能とする多環芳香族化合物が得られることを見出し、本発明を完成させた。すなわち本発明は、以下のような多環芳香族化合物、さらには以下のような多環芳香族化合物を含む有機デバイス用材料等を提供する。
【0008】
<1> 式(1)、式(2)、または式(3)で表される多環芳香族化合物;
TIFF
2024089627000001.tif
55
170
【0009】
式(1)、式(2)、および式(3)中、
A環、B環、C環、D環、E環、F環、およびG環はそれぞれ独立して置換もしくは無置換のアリール環または置換もしくは無置換のヘテロアリール環であり、Z
C
はそれぞれ独立して=C(-R
C
)-または=N-であり、R
C
はそれぞれ独立して水素または置換基であり、
X
1
、X
2
、X
3
、およびX
4
はそれぞれ独立して>N-R
NX
、>O、>C(-R
CX
)
2
、>Si(-R
IX
)
2
、>S、または>Seであり、R
NX
は水素、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり、R
CX
およびR
IX
はそれぞれ独立して水素、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり、2つのR
CX
は互いに結合して環を形成していてもよく、2つのR
IX
は互いに結合して環を形成していてもよく、R
NX
、R
CX
およびR
IX
はそれぞれ連結基または単結合により、当該R
NX
、R
CX
またはR
IX
を含むX
1
、X
2
、X
3
、またはX
4
が結合する環の1つまたは2つと結合していてもよく、
ただし、式(1)においては、X
1
およびX
2
からなる群より選択される少なくとも1つは式(X)で表される構造であり、式(2)においては、X
1
、X
2
、X
3
、およびX
4
からなる群より選択される少なくとも1つは式(X)で表される構造であり、式(3)においては、X
1
およびX
3
からなる群より選択される少なくとも1つは式(X)で表される構造であり、
式(X)中、H環は置換もしくは無置換のアリール環または置換もしくは無置換のヘテロアリール環であり、R
N
は置換基であり、Yは単結合またはH環とL
I
とを最短でつなぐ原子数が1もしくは2である2価の基であり、L
I
は2価の基であり、
式(1)、式(2)、および式(3)の各式におけるアリール環およびヘテロアリール環からなる群より選択される少なくとも1つは、少なくとも1つのシクロアルカンで縮合されていてもよく、当該シクロアルカンは少なくとも1つの置換基で置換されていてもよく、当該シクロアルカンにおける少なくとも1つの-CH
2
-は-O-で置き換えられていてもよく、
式(1)、式(2)、および式(3)の各式において、少なくとも1つの水素は重水素で置き換えられていてもよく、少なくとも1つの窒素は窒素-15(
15
N)で置き換えられていてもよく、少なくとも1つの硫黄は硫黄-33(
33
S)、硫黄-34(
34
S)または硫黄-36(
36
S)で置き換えられていてもよく、少なくとも1つの酸素は酸素-17(
17
【0010】
<2> 式(X)が式(X-1)で表される、<1>に記載の多環芳香族化合物;
TIFF
2024089627000002.tif
31
170
式(X-1)中、
H環は置換もしくは無置換のアリール環または置換もしくは無置換のヘテロアリール環であり、
I環は置換もしくは無置換のアリール環、置換もしくは無置換のヘテロアリール環、置換もしくは無置換のシクロアルカン環または置換もしくは無置換のシクロアルケン環であり、
R
N
は置換基であり、
Yは単結合または単結合またはH環とI環とを最短でつなぐ原子数が1もしくは2である2価の基である。
(【0011】以降は省略されています)
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