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公開番号2024107515
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-09
出願番号2023011471
出願日2023-01-30
発明の名称コークス炉の監視装置
出願人JFEスチール株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C10B 29/08 20060101AFI20240802BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】コークス炉に対して工事を行うことなく炉締めスプリングの長さを測定することができ、しかも、装置全体としてメンテナンス性の良好なコークス炉の監視装置を提供する。
【解決手段】炉壁11と、炉壁11の両側に配置されたバックステー12と、炉壁11の上部に設置された上部クロスタイロッド13と、上部クロスタイロッド13における押出機4側の端部に取り付けられた上部クロスタイロッドスプリング14と、上部タイロッドスプリング14の両側のそれぞれに設けられた上部ばね受け部15、16とを備えたコークス炉1の監視装置3であって、一方の上部ばね受け部15と他方のばね受け部16とを一緒に撮影する撮影装置26と、撮影装置26によって撮影された画像データに基づいて一方の上部ばね受け部15と他方のばね受け部16との間の距離を測定する解析装置27とを備えている。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
コークス炉の炉長方向に延びる炉壁と、前記炉長方向で前記炉壁の両側に配置されたバックステーと、前記炉壁の上部に設置されており、前記炉長方向に延びる上部クロスタイロッドと、前記炉長方向で前記上部クロスタイロッドの両端部のうち、前記コークス炉の押出機側の端部に取り付けられた上部クロスタイロッドスプリングと、前記上部クロスタイロッドスプリングの両側のそれぞれに設けられたばね受け部とを備え、前記ばね受け部のうち、前記炉長方向で前記上部クロスタイロッドスプリングを挟んで前記コークス炉の外側の一方のばね受け部は前記外側への移動が阻止されており、前記炉長方向で前記上部クロスタイロッドスプリングを挟んで前記コークス炉の内側の他方のばね受け部は前記上部クロスタイロッドスプリングの弾性力によって前記バックステーに押し付けられるコークス炉の監視装置であって、
前記一方のばね受け部と前記他方のばね受け部とを一緒に撮影する撮影装置と、
前記撮影装置によって撮影された画像データに基づいて前記一方のばね受け部と前記他方のばね受け部との間の距離を測定する解析装置とを備えている
コークス炉の監視装置。
続きを表示(約 520 文字)【請求項2】
前記撮影装置は、前記押出機に設けられている請求項1に記載のコークス炉の監視装置。
【請求項3】
前記撮影装置は、前記コークス炉の炭化室からコークスを押し出すために、前記炭化室に前記押出機が停止しているときに、前記一方のばね受け部と前記他方のばね受け部とを一緒に撮影する請求項2に記載のコークス炉の監視装置。
【請求項4】
前記撮影装置は、前記一方のばね受け部と前記他方のばね受け部とを一緒に照らす照明装置を更に備えている請求項1に記載のコークス炉の監視装置。
【請求項5】
前記撮影装置の画角は予め決まっている請求項1に記載のコークス炉の監視装置。
【請求項6】
前記撮影装置の高さと、水平面に対する前記撮影装置の撮影角度との少なくとも一方を調整する調整装置を更に備えている請求項1に記載のコークス炉の監視装置。
【請求項7】
前記距離が予め設定された上限値以上である場合、あるいは、前記距離が予め設定された下限値以下である場合に、警告を発する警告手段を更に備えている請求項1ないし6のいずれか一項に記載のコークス炉の監視装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、コークス炉の監視装置に関し、特に、コークス炉の炉壁の締め付けを監視する装置に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
コークス炉の長寿命化に資する管理方法の一つとして、炉締め管理がある。炉締め管理とは、コークス炉の炉長方向に炉壁を締め付ける炉締めスプリングの弾性力つまり炉締め力を適切な水準に維持することを意味している。具体的には、炉壁を締め付けるために圧縮されている状態の炉締めスプリングの長さを測定し、その長さに基づいて炉締め力の調整を行う。
【0003】
炉締めスプリングの設置環境は、高温、粉塵等の悪環境になっているため、圧縮状態の炉締めスプリングの長さを測定するセンサ等を炉締めスプリングの近傍に設置することは、センサの動作環境の点で適していない。そのため、炉締めスプリングの長さの測定および炉締めスプリングの長さの調整は人手に頼らざるを得ない場合がある。人手によって炉締めスプリングの長さの測定および調整を行うと、それらの精度に個人差が生じる可能性があり、また、悪環境で炉締めスプリングの長さの測定および調整を行うため、安全性の点で懸念がある。
【0004】
そこで、炉壁を締め付けている圧縮状態の炉締めスプリングの長さを測定する装置が従来検討されている。特許文献1には、実施例1として、コークス炉の炭化室からコークスを押し出す押出機が停止したときに、炉締めスプリングの両側の押さえ板同士の間にシリンダを配置してシリンダのストロークの変位を測定する測定装置が記載されている。当該測定装置は測定したシリンダストロークの変位に基づいて炉締めスプリングの長さを測定するようになっている。また、特許文献1には、実施例2として、炉締めスプリングの両側の押さえ板のうちの一方に支持突起を一体に取り付け、押出機が停止したときに、支持突起にシリンダを押し当ててシリンダのストロークの変位を測定する測定装置が記載されている。当該測定装置は、実施例1の装置と同様に、測定したシリンダストロークの変位に基づいて炉締めスプリングの長さを測定するようになっている。さらに、特許文献1には、実施例3として、押出機が停止したときに、支持突起にレーザー距離計のレーザーを照射することによって炉締めスプリングの長さを測定する非接触タイプの測定装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平3-264807号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の実施例1ないし3では、悪環境でシリンダを使用した測定装置や非接触タイプの測定装置を使用することになるため、それらの測定装置に故障や不具合が生じる可能性がある。また、コークス炉には、多数の炉締めスプリングが設置されている。そのため、いずれかの炉締めスプリングの長さを測定するときや、測定しているときに、測定装置に故障や不具合が生じると、悪環境で測定装置のメンテナンスをせざるを得ない可能性がある。更に、高所かつ高温環境下での作業となるため、安全性に問題がある。すなわち、装置全体としてメンテナンス性が悪い。また、特許文献1の実施例2や実施例3の装置では、コークス炉に設置されている全ての炉締めスプリングの押さえ板に支持突起を設置しなければならず、作業負荷が高い。
【0007】
本発明は上述した課題を解決するためになされたものであり、コークス炉に対して工事を行うことなく炉締めスプリングの長さを測定することができ、しかも、装置全体としてメンテナンス性の良好なコークス炉の監視装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の目的を達成するために、
[1]コークス炉の炉長方向に延びる炉壁と、前記炉長方向で前記炉壁の両側に配置されたバックステーと、前記炉壁の上部に設置されており、前記炉長方向に延びる上部クロスタイロッドと、前記炉長方向で前記上部クロスタイロッドの両端部のうち、前記コークス炉の押出機側の端部に取り付けられた上部クロスタイロッドスプリングと、前記上部クロスタイロッドスプリングの両側のそれぞれに設けられたばね受け部とを備え、前記ばね受け部のうち、前記炉長方向で前記上部クロスタイロッドスプリングを挟んで前記コークス炉の外側の一方のばね受け部は前記外側への移動が阻止されており、前記炉長方向で前記上部クロスタイロッドスプリングを挟んで前記コークス炉の内側の他方のばね受け部は前記上部クロスタイロッドスプリングの弾性力によって前記バックステーに押し付けられるコークス炉の監視装置であって、前記一方のばね受け部と前記他方のばね受け部とを一緒に撮影する撮影装置と、前記撮影装置によって撮影された画像データに基づいて前記一方のばね受け部と前記他方のばね受け部との間の距離を測定する解析装置とを備えているコークス炉の監視装置。
[2]前記撮影装置は、前記押出機に設けられている上記の[1]に記載のコークス炉の監視装置。
[3]前記撮影装置は、前記コークス炉の炭化室からコークスを押し出すために、前記炭化室に前記押出機が停止しているときに、前記一方のばね受け部と前記他方のばね受け部とを一緒に撮影する上記の[2]に記載のコークス炉の監視装置。
[4]前記撮影装置は、前前記一方のばね受け部と前記他方のばね受け部とを一緒に照らす照明装置を更に備えている上記の[1]に記載のコークス炉の監視装置。
[5]前記撮影装置の画角は予め決まっている上記の[1]に記載のコークス炉の監視装置。
[6]前記撮影装置の高さと、水平面に対する前記撮影装置の撮影角度との少なくとも一方を調整する調整装置を更に備えている上記の[1]に記載のコークス炉の監視装置。
[7]前記距離が予め設定された上限値以上である場合、あるいは、前記距離が予め設定された下限値以下である場合に、警告を発する警告手段を更に備えている上記の[1]ないし[6]のいずれかに記載のコークス炉の監視装置。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、撮影装置によって撮影された画像データに基づいて炉締めスプリングの両側に配置された一方のばね受け部と他方のばね受け部との間の距離を測定する。前記距離は上部タイロッドスプリングの長さであるため、本発明によれば、上述したように、コークス炉に対して工事を行うことなく、上部タイロッドスプリングの長さを測定することができる。そして、上部タイロッドスプリングの長さに基づいてコークス炉の炉締め管理を行うことができる。また、本発明の監視装置には、悪環境で動作する箇所はほぼないため、故障や不具合が生じ難い。そのため、装置全体としてメンテナンス性が良好になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の実施形態に係るコークス炉の一例を示す図である。
炉壁の一例を示す斜視図である。
図2に示すA矢視図である。
炉壁の一部を拡大して示す図である。
監視装置の構成の一例を示す図である。
監視装置による一対の上部ばね受け部の撮影条件を説明するための図である。
炭化室からコークスを押し出すために、炭化室と互いに隣接する予め設定された位置に押出機が停止している状態を示す図である。
画像処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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