TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024112326
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-21
出願番号2021074462
出願日2021-04-26
発明の名称有機エレクトロルミネッセンス素子、有機エレクトロルミネッセンス表示装置及び電子機器
出願人出光興産株式会社
代理人弁理士法人樹之下知的財産事務所
主分類H05B 33/12 20060101AFI20240814BHJP(他に分類されない電気技術)
要約【課題】正孔輸送帯域を構成する有機層の数を減らしても、高効率で発光させることができる有機EL素子の提供。
【解決手段】発光領域5は第一のホスト材料及び第一の発光性化合物を含む第一の発光層51と、第二のホスト材料及び第二の発光性化合物を含む第二の発光層52とを含み、正孔輸送帯域6は1又は複数の有機層を含み、正孔輸送帯域6中の少なくとも1つの有機層は発光領域5と直接接する第一の有機層51であり、第一の有機層51は正孔輸送帯域材料を含み、正孔輸送帯域6は陽極3及び発光領域5と直接接し、第一のホスト材料の三重項エネルギーT1(H1)と第二のホスト材料のT1(H2)とが(数1)を満たし、正孔輸送帯域材料のイオン化ポテンシャルIp(HT)と第一の発光性化合物のIp(D1)とが(数1X)を満たす有機EL素子1。
T1(H1)>T1(H2)…(数1)
Ip(D1)-Ip(HT)<-0.05eV…(数1X)
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
陽極と、
陰極と、
前記陽極及び前記陰極の間に配置された発光領域と、
前記陽極及び前記発光領域の間に配置された正孔輸送帯域と、を有し、
前記発光領域は、第一の発光層及び第二の発光層を含み、
前記第一の発光層及び前記第二の発光層の一方が、前記発光領域において前記陽極側に配置され、
前記正孔輸送帯域は、前記陽極及び前記発光領域と、直接、接し、
前記正孔輸送帯域は、1又は複数の有機層を含み、
前記正孔輸送帯域中の少なくとも1つの有機層は、前記発光領域と直接接する第一の有機層であり、
前記第一の有機層は、正孔輸送帯域材料を含み、
前記第一の発光層は、第一のホスト材料と、最大ピーク波長が500nm以下の発光を示す第一の発光性化合物と、を含み、
前記第二の発光層は、第二のホスト材料と、最大ピーク波長が500nm以下の発光を示す第二の発光性化合物と、を含み、
前記第一のホスト材料と前記第二のホスト材料とは互いに異なり、
前記第一の発光性化合物と前記第二の発光性化合物とが、互いに同一であるか、又は異なり、
前記第一のホスト材料の三重項エネルギーT

(H1)と前記第二のホスト材料の三重項エネルギーT

(H2)とが、下記数式(数1)の関係を満たし、
前記第一の有機層が含有する前記正孔輸送帯域材料のイオン化ポテンシャルIp(HT)と、前記第一の発光層が含有する前記第一の発光性化合物のイオン化ポテンシャルIp(D1)とが、下記数式(数1X)の関係を満たす、
有機エレクトロルミネッセンス素子。


(H1)>T

(H2) …(数1)
Ip(D1)-Ip(HT)<-0.05eV …(数1X)
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記第一の有機層が含有する前記正孔輸送帯域材料のイオン化ポテンシャルIp(HT)と、前記第一の発光層が含有する前記第一の発光性化合物のイオン化ポテンシャルIp(D1)とが、下記数式(数1Y)の関係を満たす、
有機エレクトロルミネッセンス素子。
Ip(D1)-Ip(HT)<-0.07eV …(数1Y)
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記正孔輸送帯域中の前記有機層は、共通の正孔輸送帯域材料として、いずれも、前記正孔輸送帯域材料を含む、
有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項4】
請求項3に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記共通の正孔輸送帯域材料のイオン化ポテンシャルIp(HTX)と、前記第一の発光層が含有する前記第一の発光性化合物のイオン化ポテンシャルIp(D1)とが、下記数式(数2X)の関係を満たす、
有機エレクトロルミネッセンス素子。
Ip(D1)-Ip(HTX)<-0.05eV …(数2X)
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記正孔輸送帯域は、前記第一の有機層と、前記第一の有機層と前記陽極との間に配置された第二の有機層とを含み、
前記第二の有機層は、さらに前記正孔輸送帯域材料とは異なる第二の正孔輸送帯域材料を含有する、
有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項6】
請求項5に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記第二の有機層は、前記陽極と直接接する、
有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項7】
請求項5に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記正孔輸送帯域は、前記第一の有機層と、前記第二の有機層と、前記第二の有機層と前記陽極との間に配置された第三の有機層とを含み、
前記第三の有機層は、さらに前記正孔輸送帯域材料とは異なる第三の正孔輸送帯域材料を含有する、
有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記第一の有機層は、前記正孔輸送帯域材料と、前記正孔輸送帯域材料とは異なる第一の正孔輸送帯域材料と、を含有する、
有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項9】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記正孔輸送帯域が、前記正孔輸送帯域材料とは異なる材料を含有しない、
有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記第一の発光層が含有する前記第一の発光性化合物の三重項エネルギーT

(D1)が2.1eV以上である、
有機エレクトロルミネッセンス素子。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子、有機エレクトロルミネッセンス表示装置及び電子機器に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」という場合がある。)は、携帯電話及びテレビ等のフルカラーディスプレイへ応用されている。有機EL素子に電圧を印加すると、陽極から正孔が発光層に注入され、また陰極から電子が発光層に注入される。そして、発光層において、注入された正孔と電子とが再結合し、励起子が形成される。このとき、電子スピンの統計則により、一重項励起子が25%の割合で生成し、及び三重項励起子が75%の割合で生成する。
有機EL素子の性能向上を図るため、例えば、特許文献1及び2においては、複数の発光層を積層させることについて検討がなされている。また、特許文献3には、有機EL素子の性能向上を図るため、2つの三重項励起子の衝突融合により一重項励起子が生成する現象(以下、Triplet-Triplet Fusion=TTF現象と称する場合がある。)が記載されている。
有機EL素子の性能としては、例えば、輝度、発光波長、色度、発光効率、駆動電圧、及び寿命が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2007-294261号公報
米国特許出願公開2019/280209号明細書
国際公開第2010/134350号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子は、陽極と陰極の間に複数層の発光層を備えて形成される有機エレクトロルミネッセンス素子において、複数の材料の混合物で形成され、且つ主成分が異なる隣り合う発光層を備え、この隣り合う発光層は、陽極側に位置する発光層の電子移動度をホール移動度で除した値が、陰極側に位置する発光層の電子移動度をホール移動度で除した値より大きい組み合わせからなり、上記の隣り合う発光層において、陽極側に位置する発光層の電子移動度が、陰極側に位置する発光層の電子移動度より大きいことを特徴とする。
しかしながら、特許文献1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子のように陽極と発光層との間に配置される正孔輸送帯域を構成する有機層の数を減らすと(省層化すると)、発光層へのホール供給量が低下し、発光効率が低下するおそれがある。しかしながら、特許文献1においては、ホール供給量の低下について認識されていない。
【0005】
本発明の目的は、正孔輸送帯域を構成する有機層の数を減らしても、高効率で発光させることができる有機エレクトロルミネッセンス素子、当該有機エレクトロルミネッセンス素子を搭載した電子機器、有機エレクトロルミネッセンス表示装置、及び当該有機エレクトロルミネッセンス表示装置を搭載した電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、有機エレクトロルミネッセンス素子であって、陽極と、陰極と、前記陽極及び前記陰極の間に配置された発光領域と、前記陽極及び前記発光領域の間に配置された正孔輸送帯域と、を有し、前記発光領域は、第一の発光層及び第二の発光層を含み、前記第一の発光層及び前記第二の発光層の一方が、前記発光領域において前記陽極側に配置され、前記正孔輸送帯域は、前記陽極及び前記発光領域と、直接、接し、前記正孔輸送帯域は、1又は複数の有機層を含み、前記正孔輸送帯域中の少なくとも1つの有機層は、前記発光領域と直接接する第一の有機層であり、前記第一の有機層は、正孔輸送帯域材料を含み、前記第一の発光層は、第一のホスト材料と、最大ピーク波長が500nm以下の発光を示す第一の発光性化合物と、を含み、前記第二の発光層は、第二のホスト材料と、最大ピーク波長が500nm以下の発光を示す第二の発光性化合物と、を含み、前記第一のホスト材料と前記第二のホスト材料とは互いに異なり、前記第一の発光性化合物と前記第二の発光性化合物とが、互いに同一であるか、又は異なり、前記第一のホスト材料の三重項エネルギーT

(H1)と前記第二のホスト材料の三重項エネルギーT

(H2)とが、下記数式(数1)の関係を満たし、前記発光領域において、前記正孔輸送帯域材料のイオン化ポテンシャルIp(HT)と、前記第一の発光層が含有する前記第一の発光性化合物のイオン化ポテンシャルIp(D1)とが、下記数式(数1X)の関係を満たす、有機エレクトロルミネッセンス素子が提供される。


(H1)>T

(H2) …(数1)
Ip(D1)-Ip(HT)<-0.05eV …(数1X)
【0007】
本発明の一態様によれば、前述の本発明の一態様に係る有機エレクトロルミネッセンス素子を搭載した電子機器が提供される。
【0008】
本発明の一態様によれば、有機エレクトロルミネッセンス表示装置であって、互いに対向して配置された陽極及び陰極を有し、青色画素としての青色有機EL素子、緑色画素としての緑色有機EL素子及び赤色画素としての赤色有機EL素子を有し、前記青色有機EL素子は、前記陽極と前記陰極との間に配置された第一の発光層及び第二の発光層を有する青色発光領域を有し、前記第一の発光層及び前記第二の発光層の一方が、前記青色発光領域において前記陽極側に配置され、前記緑色有機EL素子は、前記陽極と前記陰極との間に配置された緑色発光層を有し、前記赤色有機EL素子は、前記陽極と前記陰極との間に配置された赤色発光層を有し、前記青色有機EL素子、前記緑色有機EL素子及び前記赤色有機EL素子は、前記青色有機EL素子の前記青色発光領域、前記緑色有機EL素子の前記緑色発光層及び前記赤色有機EL素子の前記赤色発光層のそれぞれと、前記陽極との間において、当該青色有機EL素子、当該緑色有機EL素子及び当該赤色有機EL素子に亘って共通して設けられた正孔輸送帯域を有し、前記正孔輸送帯域は、前記青色有機EL素子の前記青色発光領域中の前記第一の発光層又は前記第二の発光層と、直接、接し、前記正孔輸送帯域は、1又は複数の有機層を含み、前記正孔輸送帯域における前記有機層の内、少なくとも1以上の有機層が、正孔輸送帯域材料を含み、前記第一の発光層は、第一のホスト材料と、最大ピーク波長が500nm以下の発光を示す第一の発光性化合物と、を含み、前記第二の発光層は、第二のホスト材料と、最大ピーク波長が500nm以下の発光を示す第二の発光性化合物と、を含み、前記第一のホスト材料と前記第二のホスト材料とは互いに異なり、前記第一の発光性化合物と前記第二の発光性化合物とが、互いに同一であるか、又は異なり、前記第一のホスト材料の三重項エネルギーT

(H1)と前記第二のホスト材料の三重項エネルギーT

(H2)とが、下記数式(数1)の関係を満たし、前記青色有機EL素子の前記青色発光領域において、前記正孔輸送帯域材料とのイオン化ポテンシャルIp(HT)と、前記第一の発光層が含有する前記第一の発光性化合物のイオン化ポテンシャルIp(D1)とが、下記数式(数1X)の関係を満たす、有機エレクトロルミネッセンス表示装置が提供される。


(H1)>T

(H2) …(数1)
Ip(D1)-Ip(HT)<-0.05eV …(数1X)
【0009】
本発明の一態様によれば、前述の本発明の一態様に係る有機エレクトロルミネッセンス表示装置を搭載した電子機器が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、正孔輸送帯域を構成する有機層の数を減らしても、高効率で発光させることができる有機エレクトロルミネッセンス素子、当該有機エレクトロルミネッセンス素子を搭載した電子機器、有機エレクトロルミネッセンス表示装置、及び当該有機エレクトロルミネッセンス表示装置を搭載した電子機器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

出光興産株式会社
固体潤滑被膜、摺動部材及び固体潤滑被膜の製造方法
4日前
個人
プリコート工法
1か月前
東レ株式会社
表面処理装置
25日前
イビデン株式会社
配線基板
5日前
イビデン株式会社
配線基板
4日前
イビデン株式会社
配線基板
22日前
株式会社小糸製作所
車両用灯具
1か月前
個人
出力アップ 電磁調理器について
11日前
イビデン株式会社
プリント配線板
1か月前
シャープ株式会社
照明装置
4日前
日本信号株式会社
通信装置
1か月前
イビデン株式会社
プリント配線板
1か月前
イビデン株式会社
配線基板
1か月前
イビデン株式会社
プリント配線板
1か月前
イビデン株式会社
プリント配線板
2か月前
イビデン株式会社
配線基板
1か月前
イビデン株式会社
プリント配線板
19日前
イビデン株式会社
配線基板
1か月前
オムロン株式会社
電子機器
1か月前
オムロン株式会社
電子機器
1か月前
栗田工業株式会社
電子機器
1か月前
イビデン株式会社
プリント配線板
19日前
日産自動車株式会社
電子機器
2か月前
株式会社ダイヘン
高周波電力供給システム
2か月前
ダイハツ工業株式会社
シートヒータ
2か月前
株式会社ダイヘン
高周波電力供給システム
2か月前
株式会社ダイヘン
高周波電力供給システム
2か月前
株式会社ダイヘン
高周波電力供給システム
2か月前
TDK株式会社
複合電子部品
1か月前
TDK株式会社
複合電子部品
27日前
株式会社クラベ
コード状ヒータと面状ヒータ
15日前
日東電工株式会社
集合体シート
1か月前
株式会社ダイヘン
緩み防止器具
1か月前
TDK株式会社
取付部材
2か月前
シャープ株式会社
発光駆動回路
1か月前
沖電気工業株式会社
物品保管ユニット
1か月前
続きを見る