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公開番号2024130369
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-30
出願番号2023040048
出願日2023-03-14
発明の名称シリコーングリース組成物
出願人信越化学工業株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C10M 169/00 20060101AFI20240920BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】耐摩耗性を低下することなく、高摩擦性を向上させた、且つ保存安定性の良いシリコーングリース組成物を提供することを目的とする
【解決手段】
(A)基油としてのシリコーン油:55~95質量%
(B)リチウム石鹸系増ちょう剤:2~35質量%
(C)酸化亜鉛粉:0.1~10質量%
(D)表面処理シリカ:0.1~10質量%
を含むものであることを特徴とするシリコーングリース組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
(A)基油としてのシリコーン油:55~95質量%
(B)リチウム石鹸系増ちょう剤:2~35質量%
(C)酸化亜鉛粉:0.1~10質量%
(D)表面処理シリカ:0.1~10質量%
を含むものであることを特徴とするシリコーングリース組成物。
続きを表示(約 370 文字)【請求項2】
前記(D)の表面処理シリカが、(C





Si(OH)

で表面処理されたシリカである請求項1記載のシリコーングリース組成物。
【請求項3】
前記(A)のシリコーン油が、全有機基のうち4~6mol%がフェニル基である請求項1記載のシリコーングリース組成物。
【請求項4】
前記シリコーングリース組成物の25℃における混和ちょう度が290~380の範囲である請求1記載のシリコーングリース組成物。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載のシリコーングリース組成物の製造方法であって、少なくとも3本ロールミルにてせん断をかける工程を含むことを特徴とするシリコーングリース組成物の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコーングリース組成物に関する。詳しくは、高い摩擦係数と優れた耐摩耗性を要求される潤滑部、具体的にはクラッチやトルクリミッタ機構の潤滑部等に好適に使用できるシリコーングリース組成物に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
地球の環境問題を考慮して自動車の軽量化が実施されてきており、それに伴って従来よりも多様な箇所にクラッチやトルクリミッタ機構の適用が行われてきている。グリース組成物が使用されているクラッチまたはトルクリミッタ機構のうち、もっともトルクが大きく、使用条件の厳しい箇所は、自動車のエンジンスタータのクラッチである。
【0003】
エンジンスタータのクラッチは、クラッチアウタとクラッチインナ、クラッチアウタの回転をクラッチインナへ伝達するためにクラッチアウタとクラッチインナとの間に形成されたくさび状空間に配置されたローラ、ローラをくさび状空間の狭い方に付勢するためのスプリングで構成される。クラッチアウタが回転するとローラはくさび状空間の狭い方に移動し、クラッチアウタとクラッチインナの間に挟まることでクラッチインナへ回転が伝達される(トルク伝達状態)。従ってこの箇所に使用されるグリース組成物は、クラッチアウタとクラッチインナとローラが滑らないように高い摩擦係数が求められる。
【0004】
これまでに、摩擦係数0.18以上の基油としてシリコーン油を含むオーバーランニングクラッチ用グリース(特許文献1)や、所定割合のフェニル基又はメチル基を有するオルガノポリシロキサンを基油としたグリース組成物(特許文献2、3)、所定の動粘度を有するジメチルシリコーン基油を1~40重量%の割合で含む基油と、金属酸化物の微粒子と、増ちょう剤とを含むトラクショングリース組成物(特許文献4)が知られている。シリコーン油は摩擦係数が高く、シリコーン油の表面張力は20~25dyn/cm

と他の油に比べ小さいため、潤滑膜を形成しにくく、そして境界潤滑状態に成り易いという特徴がある。
【0005】
また、クラッチインナの回転速度がクラッチアウタに比べて高くなると、ローラはスプリングを圧縮しながらくさび状空間の広い方へ自動的に移動するので回転は伝達されなくなる(トルク非伝達状態)。この際クラッチアウタ、クラッチインナ、ローラの間で相対回転が発生するので滑り状態となる。従ってこの箇所に使用されるグリース組成物は、耐摩耗性も求められる。
【0006】
更には、シリコーン油と、ジウレア系増ちょう剤と、金属酸化物を含むシリコーン組成物(特許文献5)においては、増ちょう剤のジウレアは、基油中での反応で得られるが、所望する混和ちょう度に調整するのが難しく、また分離しやすい欠点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開平3-004036号公報
特開平5-230486号公報
特開平6-279777号公報
特開2003-176489号公報
特開2015-151516号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
既述のとおり、近年の自動車の軽量化に伴い、クラッチやトルクリミッタ機構も小型化、軽量化が求められ、使用条件も過酷化している。特にトルク伝達性については、より厳しい使用条件でも十分にトルクを伝達することが求められるので、グリース組成物にはより高い摩擦係数が要求される。クラッチやトルクリミッタ機構には、同時に、耐摩耗性も要求される。また、グリース組成物には分離しにくい保存安定性も要求される。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、耐摩耗性を低下することなく、高摩擦性を向上させた、且つ保存安定性の良いシリコーングリース組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明では、下記に示すような特徴を有するシリコーングリース組成物を提供するものである。
すなわち、本発明では、
(A)基油としてのシリコーン油:55~95質量%
(B)リチウム石鹸系増ちょう剤:2~35質量%
(C)酸化亜鉛粉:0.1~10質量%
(D)表面処理シリカ:0.1~10質量%
を含むものであることを特徴とするシリコーングリース組成物を提供する。
【0010】
このようなシリコーングリース組成物であれば、耐摩耗性を低下することなく、高摩擦性を向上させた、且つ保存安定性の良いものとなる。
(【0011】以降は省略されています)

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