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公開番号
2024121336
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-06
出願番号
2023028381
出願日
2023-02-27
発明の名称
ポリエステル系フィルム
出願人
三菱ケミカル株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
C08J
5/18 20060101AFI20240830BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】
低リタデーション特性を有し、かつ、室温における耐屈曲性にも優れるポリエステル系フィルムを提供することにある。
【解決手段】
延伸固有複屈折が0.0350以下である樹脂組成物(X)を主成分として含み、長手方向(MD)及び幅方向(TD)それぞれの折り曲げヒステリシスロスの平均値が0.20以下である、ポリエステル系フィルムである。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
延伸固有複屈折が0.0350以下である樹脂組成物(X)を主成分として含み、
長手方向(MD)及び幅方向(TD)それぞれの折り曲げヒステリシスロスの平均値が0.20以下である、ポリエステル系フィルム。
続きを表示(約 750 文字)
【請求項2】
融解エンタルピーが、5~50J/gである、請求項1に記載のポリエステル系フィルム。
【請求項3】
複屈折が、0.01000以下である、請求項1に記載のポリエステル系フィルム。
【請求項4】
面内リタデーションが、500nm以下である、請求項1に記載のポリエステル系フィルム。
【請求項5】
150℃、30分間加熱したときの熱収縮率が、長手方向(MD)と幅方向(TD)のいずれも-10~10%である、請求項1に記載のポリエステル系フィルム。
【請求項6】
前記樹脂組成物(X)が、少なくとも1種のジカルボン酸成分と少なくとも1種のジオール成分との重縮合によって得られるポリエステル成分を含有し、前記ジオール成分としてビスフェノールA及び1,4-シクロヘキサンジメタノールを含む、請求項1に記載のポリエステル系フィルム。
【請求項7】
前記樹脂組成物(X)が、ポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンテレフタレート以外の樹脂を含む、請求項1に記載のポリエステル系フィルム。
【請求項8】
全ジオール成分中に、前記ビスフェノールAを5~50モル%含有し、前記1,4-シクロヘキサンジメタノールを50~95モル%含有する、請求項6に記載のポリエステル系フィルム。
【請求項9】
前記樹脂組成物(X)が、さらに、ポリカーボネート成分を含有する、請求項6に記載のポリエステル系フィルム。
【請求項10】
前記ポリエチレンテレフタレート以外の樹脂として、ポリアリレートを含有する、請求項7に記載のポリエステル系フィルム。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリエステル系フィルムに関する。
続きを表示(約 1,500 文字)
【背景技術】
【0002】
ポリエステルは、耐熱性、耐候性、機械的強度、透明性、耐薬品性、ガスバリア性などの性質に優れており、かつ、価格的にも入手し易いことから、汎用性が高く、現在、飲料・食品用容器や包装材、成形品、フィルムなどに広く利用されている樹脂である。ポリエステル樹脂の主なものはポリエチレンテレフタレートであり、機械特性、耐薬品性などに優れていて幅広い用途があるが、耐屈曲性などに難点がある。
【0003】
一方で、近年、電子機器などの小型化、軽量化に伴い、フレキシブル基板やフレキシブルプリント回路が用いられる傾向にある。その流れに伴い、ディスプレイ用途においてもフレキシブル性の要求が高まり、復元性に優れ、繰り返しの折り曲げ耐性(耐屈曲性)に優れるフィルムが強く求められている。
【0004】
また、液晶ディスプレイ、タッチパネル、OLED(Organic Light Emitting Diode)等の各種光学用部材として用いられるフィルムには、例えば、偏光下において、光干渉に伴う干渉色や虹ムラの発生を抑制できることが求められる。
かかる問題に対する解決策として、リタデーションを特定の範囲に制御する方法が挙げられるが、フィルムの異方性を低くして、長手方向(MD)と幅方向(TD)の物性バランスを保つことができる点で、フィルムのリタデーションを低く制御することが望ましい。
【0005】
例えば特許文献1には、量産性に優れており、繰り返し折り曲げた後に折りたたみ部分で表示される画像に乱れを生じるおそれがない折りたたみ型ディスプレイの提供のために、折りたたみ部にクラックが発生することのない、折りたたみ型ディスプレイ用ポリエステルフィルムが開示されている。
【0006】
特許文献2には、折りたたみ型ディスプレイ用ポリエステルフィルムとして、高温領域で折りたたみ部に折り跡が発生することのないフィルムが開示されている。
【0007】
また、特許文献3には、ポリエステルフィルムの応力に対するひずみ率および結晶化度を特定の範囲に調整することにより、柔軟性と外観特性とを同時に向上させ得るポリエステルフィルムおよびこれを含むフレキシブルディスプレイ装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2021-9349号公報
国際公開第2021-215349号公報
特開2021-66882号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1~3に開示されるポリエステルフィルムでは、室温における耐屈曲性が不十分な場合があり、また、光干渉に伴う干渉色や虹ムラの発生を抑制しつつ、フィルムの長手方向(MD)と幅方向(TD)の物性バランスを保つためにフィルムのリタデーションを低く制御することは検討されていない。
【0010】
特に、特許文献1に開示されているフィルムは、長手方向(MD)の耐屈曲性には優れているものの、幅方向(TD)の耐屈曲性が不十分であるため、フィルムの方向によって折り曲げ特性の制約を受けることになり、ディスプレイの製造工程や加工工程において、その都度、フィルムの方向を揃えて製造する必要があるなど、作業負荷が増大する場合がある。また、リタデーションが高いため、干渉を防止することはできても、フィルムの異方性を低くすることができず、上述のように、折り曲げ方向による折り曲げ特性などに差が生じ、ディスプレイによっては適用が困難な場合がある。
(【0011】以降は省略されています)
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