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公開番号2024120900
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-05
出願番号2024060949,2020509033
出願日2024-04-04,2018-08-15
発明の名称精製された間葉系幹細胞エキソソームおよびその使用
出願人ザ チルドレンズ メディカル センター コーポレーション
代理人弁理士法人葛和国際特許事務所
主分類C12N 5/0775 20100101AFI20240829BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】治療上有効な間葉系幹細胞エキソソームを提供する。
【解決手段】本明細書に提供されるのは、間葉系幹細胞(MSC)から単離されたエキソソームである。かかる単離されたエキソソームは、夾雑物を実質的に含まず、様々な疾患(例えば、BPDなどの肺疾患)の処置において治療的に活性である。単離されたMSCエキソソームは、本明細書に記載の1以上のタンパク質マーカーによって同定される。かかるMSCエキソソームを精製する方法も提供される。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
単離された間葉系幹細胞(MCS)エキソソームであって、
(i)単離されたMSCエキソソームは、FLT1、PLAUR、MME、CDH2、SLC16A3、CDH13、ITGB5、ITGA11、APP、GPC6、IGSF8、IRP2、TSPAN9、DAG1、SLC38A2、SLC12A8、GJA1、ITGA1、PLXNB2、SLC16A1、およびPROCRからなる群から選択される1以上のマーカーを含む;
(ii)単離されたMSCエキソソームは、線維芽細胞エキソソームと比較して濃縮された1以上のマーカーを含み、該1以上のマーカーは、PTk7、CD109、SLC1A5、ITGA3、ITGA2、BSG、DPP4、ATP1A1、FAP、VASN、IGF2R、およびCD82からなる群から選択される;および/または
(iii)単離されたMSCエキソソームは、線維芽細胞エキソソームと比較して濃縮された1以上のマーカーを含み、該1以上のマーカーは、RCN1、RAP1B、GDF15、FLT1、OLFML3、PLOD2、PSMA4、PAPPA、INHBA、SPOCK1、HSPB1、LOXL4、POLD3、CALU、IGFBP4、C4B、TINAGL1、SULF1、TPM3、AHNAK、CALR、RRAS2、PFKP、およびCOL16A1からなる群から選択される、
前記MCSエキソソーム。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
FLT1、PLAUR、MME、CDH2、SLC16A3、CDH13、ITGB5、ITGA11、APP、GPC6、IGSF8、IRP2、TSPAN9、DAG1、SLC38A2、SLC12A8、GJA1、ITGA1、PLXNB2、SLC16A1、およびPROCRからなる群から選択される1以上のマーカーを含む、請求項1に記載のMSCエキソソーム。
【請求項3】
線維芽細胞エキソソームと比較して濃縮された1以上のマーカーを含み、該1以上のマーカーが、PTk7、CD109、SLC1A5、IGTA3、ITGA2、BSG、DPP4、ATP1A1、FAP、VASN、IGF2R、およびCD82からなる群から選択される、請求項1に記載のMSCエキソソーム。
【請求項4】
線維芽細胞エキソソームと比較して濃縮された1以上のマーカーを含み、該1以上のマーカーが、RCN1、RAP1B、GDF15、FLT1、OLFML3、PLOD2、PSMA4、PAPPA、INHBA、SPOCK1、HSPB1、LOXL4、POLD3、CALU、IGFBP4、C4B、TINAGL1、SULF1、TPM3、AHNAK、CALR、RRAS2、PFKPおよびCOL16A1からなる群から選択される、請求項1に記載のMSCエキソソーム。
【請求項5】
FLOT1、CD9、およびCD63からなる群から選択される1以上のマーカーをさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の単離されたMSCエキソソーム。
【請求項6】
MSC馴化培地から単離されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の単離されたMSCエキソソーム。
【請求項7】
MSCが、ホウォートンゼリーまたは骨髄からのものである、請求項1~6のいずれか一項に記載の単離されたMCSエキソソーム。
【請求項8】
非エキソソームタンパク質夾雑物を実質的に含まない、請求項1~7のいずれか一項に記載の単離されたMSCエキソソーム。
【請求項9】
約30~150nmの直径を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の単離されたMSCエキソソーム。
【請求項10】
免疫調節活性を有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の単離されたMSCエキソソーム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本出願は、2017年8月15日に出願された米国仮出願番号62/545,610に対して35 U.S.C.§119(e)下の利益を主張する。該出願は「精製された間葉系幹細胞エキソソームおよびその使用」と題され、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
政府の支援
本発明は、NIHによって授与された助成金番号RO1 HL085446、RO1 HL055454、およびT32 HD007466の下で政府の支援を受けて行われた。政府は本発明に一定の権利を有する。
続きを表示(約 4,100 文字)【背景技術】
【0002】
背景
種々の臓器(例えば、肺)における間葉系幹/間質細胞(MSC)の治療能力は、それらのセクレトーム(例えば、それらが放出するエキソソーム)に含まれることが示されている。MSCエキソソーム処置の有益な特性は、心筋梗塞、腎障害、アレルギーと同様の免疫調節状態、神経保護を含む、多くの疾患モデルでも報告されている。しかしながら、粗いエキソソーム単離技術は、分析の特性解析が不十分であるため、MSCエキソソームの治療効果が低下し、バイオアベイラビリティが低下し、調製物が非エキソソーム材料で汚染されることがよくある。
【発明の概要】
【0003】
概要
本明細書に提供されるのは、精製されたMSCエキソソーム(例えば、ヒト臍帯ホウォートンゼリーまたは骨髄由来)の特性解析である。本明細書に記載の精製方法を使用して、肺疾患(例えば、気管支肺異形成症(BPD))に治療的な有効性をもたらすMSCエキソソームが単離され、かかる精製されたMCSエキソソームに関連するマーカーが同定される。さらに本明細書に提供されるのは、精製されたMSCエキソソームを使用して肺疾患(例えば、BPD)を処置する方法である。いくつかの態様において、MSCエキソソームのボーラス用量は、肺疾患(例えば、BPD)の重症度を低減するのに有効である。
【0004】
したがって、本開示のいくつかの側面は、単離された間葉系幹細胞(MCS)エキソソームを提供し、ここで、(i)単離されたMSCエキソソームは、FLT1、PLAUR、MME、CDH2、SLC16A3、CDH13、ITGB5、ITGA11、APP、GPC6、IGSF8、IRP2、TSPAN9、DAG1、SLC38A2、SLC12A8、GJA1、ITGA1、PLXNB2、SLC16A1、およびPROCRからなる群から選択される1以上のマーカーを含む;(ii)単離されたMSCエキソソームは、線維芽細胞エキソソームと比較して濃縮された1以上のマーカーを含み、該1以上のマーカーは、PTk7、CD109、SLC1A5、ITGA3、ITGA2、BSG、DPP4、ATP1A1、FAP、VASN、IGF2R、およびCD82からなる群から選択される;および/または(iii)単離されたMSCエキソソームは線維芽細胞エキソソームと比較して濃縮された1以上のマーカーを含み、該1以上のマーカーは、RCN1、RAP1B、GDF15、FLT1、OLFML3、PLOD2、PSMA4、PAPPA、INHBA、SPOCK1、HSPB1、LOXL4、POLD3、CALU、IGFBP4、C4B、TINAGL1、SULF1、TPM3、AHNAK、CALR、RRAS2、PFKP、およびCOL16A1からなる群から選択される。
【0005】
いくつかの態様において、単離されたMSCエキソソームは、FLT1、PLAUR、MME、CDH2、SLC16A3、CDH13、ITGB5、ITGA11、APP、GPC6、IGSF8、IRP2、TSPAN9、DAG1、SLC38A2、SLC12A8、GJA1、ITGA1、PLXNB2、SLC16A1、およびPROCRからなる群から選択される1以上のマーカーを含む。
いくつかの態様において、単離されたMSCエキソソームは、線維芽細胞エキソソームと比較して濃縮された1以上のマーカーを含み、該1以上のマーカーは、PTk7、CD109、SLC1A5、IGTA3、ITGA2、BSG、DPP4、ATP1A1、FAP、VASN、IGF2R、およびCD82からなる群から選択される。
いくつかの態様において、単離されたMSCエキソソームは、線維芽細胞エキソソームと比較して濃縮された1以上のマーカーを含み、該1以上のマーカーは、RCN1、RAP1B、GDF15、FLT1、OLFML3、PLOD2、PSMA4、PAPPA、INHBA、SPOCK1、HSPB1、LOXL4、POLD3、CALU、IGFBP4、C4B、TINAGL1、SULF1、TPM3、AHNAK、CALR、RRAS2、PFKPおよびCOL16A1からなる群から選択される。
【0006】
いくつかの態様において、単離されたMSCエキソソームは、FLOT1、CD9、およびCD63からなる群から選択される1以上のマーカーをさらに含む。
いくつかの態様において、単離されたMSCエキソソームは、MSC馴化培地から単離されている。いくつかの態様において、MSCは、ホウォートンゼリーまたは骨髄からのものである。いくつかの態様において、単離されたMSCエキソソームは、非エキソソームタンパク質夾雑物を実質的に含まない。いくつかの態様において、単離されたMSCエキソソームは、約30~150nmの直径を有する。いくつかの態様において、単離されたMSCエキソソームは免疫調節活性を有する。
さらに本明細書に提供されるのは、本明細書に記載の単離されたMSCエキソソームを含む医薬組成物である。いくつかの態様において、医薬組成物は二次薬剤をさらに含む。いくつかの態様において、二次薬剤は、肺サーファクタント、ステロイド、抗酸化剤、または吸入された一酸化窒素である。いくつかの態様において、医薬組成物は薬学的に許容し得る担体をさらに含む。
【0007】
本開示の他の側面は、肺疾患を処置する方法を提供し、該方法は、有効量の単離された間葉系幹細胞(MSC)エキソソームまたは本明細書に記載の医薬組成物を、これを必要とする対象に投与することを含む。
いくつかの態様において、対象はヒト対象である。いくつかの態様において、ヒト対象は妊娠37週前に生まれている。いくつかの態様において、ヒト対象は妊娠26週前に生まれている。いくつかの態様において、対象は過酸素症に誘発された肺損傷を有する。いくつかの態様において、対象には酸素が投与されていたか、または対象に人工呼吸器が取り付けられていた。いくつかの態様において、対象は気管支肺異形成症(BPD)を発症しているか、または発症するリスクがある。いくつかの態様において、対象は過酸素症に誘発された肺高血圧症を有する。いくつかの態様において、対象は末梢肺動脈リモデリングを示す。いくつかの態様において、対象は肺において炎症を有する。
【0008】
いくつかの態様において、対象は4週齢未満である。いくつかの態様において、対象は3~18歳である。いくつかの態様において、対象は成人である。
いくつかの態様において、単離されたMSCエキソソームは、ボーラス用量で対象に投与される。いくつかの態様において、単離されたMSCエキソソームは、繰り返し対象に投与される。
いくつかの態様において、単離されたMSCエキソソームは、肺機能を改善する。いくつかの態様において、単離されたMSCエキソソームは、肺構造を回復する。いくつかの態様において、単離されたMSCエキソソームは、肺線維症を低減する。いくつかの態様において、単離されたMSCエキソソームは、肺における炎症を低減する。いくつかの態様において、単離されたMSCエキソソームは、末梢肺動脈リモデリングを低減する。
【0009】
いくつかの態様において、単離されたMSCエキソソームは、生後1時間以内に投与される。いくつかの態様において、単離されたMSCエキソソームは、生後1月以内に投与される。
いくつかの態様において、単離されたMSCエキソソームは、静脈内または鼻腔内に投与される。いくつかの態様において、単離されたMSCエキソソームは、対象の肺または気管に投与される。いくつかの態様において、単離されたMSCエキソソームは、吸入によって投与される。いくつかの態様において、単離されたMSCエキソソームは、エアロゾルで投与される。いくつかの態様において、単離されたMSCエキソソームは、ネブライザーを使用して投与される。いくつかの態様において、単離されたMSCエキソソームは、気管内チューブを使用して投与される。
いくつかの態様において、対象は哺乳動物である。いくつかの態様において、哺乳動物はヒトである。いくつかの態様において、哺乳動物は齧歯類の動物である。いくつかの態様において、齧歯類の動物はマウスまたはラットである。
【0010】
単離された間葉系幹細胞(MSC)エキソソームおよび本明細書に記載の医薬組成物は、肺疾患を処置するための医薬の製造においても使用され得る。
本開示の他の側面は、間葉系幹細胞(MSC) エキソソームを単離する方法を提供し、該方法は、イオジキサノール(IDX)クッション勾配を使用してMSC馴化培地を分画すること、および、非エキソソームタンパク質夾雑物を実質的に含まない画分を収集することを含む。いくつかの態様において、MSC馴化培地は、分画前に濃縮される。いくつかの態様において、MSC馴化培地は、タンジェント流濾過を介して濃縮される。いくつかの態様において、分画することは、MSC馴化培地をIDX クッション勾配上で浮遊させることおよび超遠心分離することを含む。
本明細書に記載の単離の方法を使用して単離されたMSCエキソソームもまた提供される。
上記の概要は、本明細書に開示された技術の態様、利点、特徴、および使用のいくつかを非限定的に例示することを意図している。 本明細書に開示される技術の他の態様、利点、特徴、および使用は、詳細な説明、図面、例、および特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
(【0011】以降は省略されています)

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