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公開番号2024120113
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-04
出願番号2021075782
出願日2021-04-28
発明の名称熱剥離型粘着剤、物品および剥離方法
出願人国立大学法人九州大学
代理人個人
主分類C09J 133/04 20060101AFI20240828BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】剥離前(加熱処理前)においては十分な粘着力を有し、かつ、比較的短時間の加熱処理で粘着力が低下する熱剥離型粘着剤を提供すること。
【解決手段】側鎖および/または末端に、加熱および冷却により可逆的に解離および結合が可能な動的共有結合を含む(メタ)アクリル系ポリマーを含む熱剥離型粘着剤。また、被着体と、この被着体に付着した上記熱剥離型粘着剤と、を含む物品。また、上記物品を加熱する加熱工程を含む、剥離方法。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
(メタ)アクリル系ポリマーを含む熱剥離型粘着剤であって、
前記(メタ)アクリル系ポリマーは、側鎖および/または末端に、加熱および冷却により可逆的に解離および結合が可能な動的共有結合を含む、熱剥離型粘着剤。
続きを表示(約 1,800 文字)【請求項2】
請求項1に記載の熱剥離型粘着剤であって、
前記動的共有結合は、ジスルフィド結合である、熱剥離型粘着剤。
【請求項3】
請求項1または2に記載の熱剥離型粘着剤であって、
以下[剥離強度の測定]の手順で求められる剥離強度S0およびS1から、R=S1/S0で定義される熱剥離指数Rが0.5以下である、熱剥離型粘着剤。
[剥離強度の測定]
(1)ポリイミドフィルムの表面に、当該熱剥離型粘着剤を用いて、乾燥膜厚30μmの粘着層を形成して、粘着テープを作製する。
(2)SUS304板に前記粘着テープの粘着層を貼りつけて1MPaの圧力で圧着したサンプル1と、前記サンプル1を140℃で30秒間加熱したサンプル2とを準備する。
(3)前記サンプル1およびサンプル2を、それぞれ、室温で30分間静置する。その後、各サンプルの粘着テープを300mm/minの速度で180°剥離して荷重-変位曲線を取得する。
(4)(3)で得られた前記サンプル1の荷重-変位曲線から求められる剥離強度をS0とし、(3)で得られた前記サンプル2の荷重-変位曲線から求められる剥離強度をS1とする。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の熱剥離型粘着剤であって、
当該熱剥離型粘着剤を、25℃下、ねじりモードで粘弾性測定したときの、周波数0.1rad/sにおける貯蔵弾性率をG'

(0.1)、周波数1rad/sにおける貯蔵弾性率をG'

(1)、周波数100rad/sにおける貯蔵弾性率をG'

(100)としたとき、
G'

(100)/G'

(0.1)が5~300であり、
G'

(1)が1×10

Pa以下である、熱剥離型粘着剤。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の熱剥離型粘着剤であって、
当該熱剥離型粘着剤を140℃で30秒間加熱したものを、25℃下、ねじりモードで粘弾性測定したときの、周波数0.1rad/sにおける貯蔵弾性率をG'

(0.1)、周波数1rad/sにおける貯蔵弾性率をG'

(1)、周波数100rad/sにおける貯蔵弾性率をG'

(100)としたとき、
G'

(100)/G'

(0.1)が5未満であり、
G'

(1)が1×10

Pa超である、熱剥離型粘着剤。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の熱剥離型粘着剤であって、
当該熱剥離型粘着剤を、25℃下、ねじりモードで粘弾性測定したときの、周波数0.1rad/sにおける貯蔵弾性率をG'

(0.1)とし、
当該熱剥離型粘着剤を140℃で30秒間加熱したものを、25℃下、ねじりモードで粘弾性測定したときの、周波数0.1rad/sにおける貯蔵弾性率をG'

(0.1)としたとき、
G'

(0.1)/G'

(0.1)の値が5以上である熱剥離型粘着剤。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の熱剥離型粘着剤であって、
前記(メタ)アクリル系ポリマーのガラス転移温度が-60~0℃である、熱剥離型粘着剤。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の熱剥離型粘着剤であって、
前記(メタ)アクリル系ポリマーの数平均分子量が2000~100000である、熱剥離型粘着剤。
【請求項9】
被着体と、前記被着体に付着した請求項1~8のいずれか1項に記載の熱剥離型粘着剤と、を含む物品。
【請求項10】
請求項9に記載の物品における前記熱剥離型粘着剤を前記被着体から剥離する剥離方法であって、
前記物品を加熱する加熱工程を含む、剥離方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、熱剥離型粘着剤、物品および剥離方法に関する。より具体的には、加熱および冷却により可逆的に解離および結合が可能な動的共有結合を含む(メタ)アクリル系ポリマーを主剤として含む熱剥離型粘着剤などに関する。
続きを表示(約 1,200 文字)【背景技術】
【0002】
加熱により粘着力が低下し、被着体から剥がしやすくなる粘着剤、すなわち熱剥離型粘着剤を開発する試みが知られている。熱剥離型粘着剤は、例えば、被着体と粘着剤の分別回収に資すると考えられる。また、熱剥離型粘着剤は、様々な工業製品の製造における仮固定材として好ましく用いられると考えられる。
【0003】
熱剥離型粘着剤は、通常、熱に応答して粘着力低下が起こる、物理的または化学的な「仕掛け」を含む。
【0004】
特許文献1には、粘着性高分子材料に賦形を施してなる自己復元性粘着材が記載されている。特許文献1の記載によれば、この自己復元性粘着材は、加熱によって被着体に対する粘着力が低下し、被着体を損傷させることなく容易に被着体から剥離することが可能であり、かつ、繰返し使用性に優れる。
【0005】
特許文献2には、熱、衝撃及び超音波からなる群から選択した少なくとも1種の刺激により気体を発生する気体発生剤を含有する接着性物質が記載されている。この接着性物質において、気体発生剤から発生した気体は、接着性物質外へ放出されて接着性物質は発泡しない。また、気体発生剤から発生した気体は、被着体から接着性物質の接着面の少なくとも一部を剥がし接着力を低下させる。
【0006】
特許文献3には、アジド化合物を含有する粘着剤が、熱剥離型粘着剤として機能しうる旨が記載されている。アジド化合物は、紫外線を照射することにより分解して窒素ガスを放出する。よって、アジド化合物を含有する粘着剤を用いて接着した接着面に紫外線を照射すると、アジド化合物が分解して窒素ガスを放出する。放出された窒素ガスは、接着面の一部を剥がし接着力を低下させると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2013-112689号公報
特開2003-231867号公報
特開2003-147280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
熱剥離型粘着剤は「粘着剤」である以上、剥離前(加熱処理前)においては十分な粘着力を有することが好ましい。また、熱剥離型粘着剤の設計として、剥離したいときにできるだけ短時間の加熱処理で粘着力が低下することが好ましい。
【0009】
今回、発明者らは、剥離前(加熱処理前)においては十分な粘着力を有し、かつ、比較的短時間の加熱処理で粘着力が低下する熱剥離型粘着剤を提供することを目的として、検討を行った。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、検討を通じ、以下に提供される発明を完成させた。
(【0011】以降は省略されています)

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