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公開番号2024135721
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-04
出願番号2023046551
出願日2023-03-23
発明の名称焼却残渣処分場、焼却残渣処分方法
出願人株式会社安藤・間,国立大学法人九州大学
代理人弁理士法人 武政国際特許商標事務所
主分類B09B 3/20 20220101AFI20240927BHJP(固体廃棄物の処理;汚染土壌の再生)
要約【課題】本願発明の課題は、従来技術が抱える問題を解決することであり、すなわち、処分領域を区画割りする壁体によって廃棄物の処分量が減ずることを抑えることができる焼却残渣処分場と焼却残渣処分方法を提供することである。
【解決手段】本願発明の焼却残渣処分場は、焼却残渣の処分場であって、複数のプレキャストブロックが積み上げられた区画壁を備えたものである。処分領域は、区画壁によって2以上の処分区画に分割される。プレキャストブロックは、搬入された焼却残渣、セメント、及び水を混錬したブロック材料に振動を与えた後に硬化させることで製造される。処分区画には、焼却残渣にセメント及び水を添加して混練した塑性混練物を層状に敷き均すとともに、塑性混練物の表面に対して面振動を与えたうえで硬化させることができる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
焼却残渣の処分場であって、
複数のプレキャストブロックが積み上げられた区画壁を、備え、
処分領域が、前記区画壁によって2以上の処分区画に分割され、
前記プレキャストブロックは、搬入された前記焼却残渣、セメント、及び水を混錬したブロック材料に振動を与えた後に硬化させることで製造され、
前記処分区画には、前記焼却残渣にセメント及び水を添加して混練した非流動性の塑性混練物を層状に敷き均すとともに、層状の該塑性混練物の表面に対して面振動を与えたうえで硬化させることができる、
ことを特徴とする焼却残渣処分場。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記プレキャストブロックのうち前記塑性混練物が接触する面には、不透水性の保護マットが密着して貼付された、
ことを特徴とする請求項1記載の焼却残渣処分場。
【請求項3】
焼却残渣処分場で焼却残渣を処分する方法であって、
複数のプレキャストブロックを積み上げて区画壁を構築し、該区画壁によって処分領域を2以上の処分区画に分割する区画割工程と、
前記焼却残渣処分場に搬入された前記焼却残渣に、セメント及び水を添加して混練することで、非流動性の塑性混練物を生成する混練物生成工程と、
前記処分区画に、前記塑性混練物を層状に敷き均すことで塑性層を形成する塑性層形成工程と、
前記塑性層の表面に対して面振動を与えることで、前記焼却残渣の粒子の周囲にセメント及び水を浸透させて流動性の塑性流体層を形成し、該塑性流体層が硬化した固化層を形成する固化層形成工程と、を備え、
前記プレキャストブロックは、前記焼却残渣処分場に搬入された前記焼却残渣、セメント、及び水を混錬したブロック材料に振動を与えた後に硬化させることで製造された、
ことを特徴とする焼却残渣処分方法。
【請求項4】
前記ブロック材料を型枠内に投入し、該ブロック材料の表面に対して面振動を与え、所定時間経過して硬化した前記プレキャストブロックを得るプレキャストブロック製造工程を、さらに備え、
前記区画割工程では、前記プレキャストブロック製造工程で得られた前記プレキャストブロックを積み上げて前記区画壁を構築する、
ことを特徴とする請求項3記載の焼却残渣処分方法。
【請求項5】
前記塑性層形成工程と前記固化層形成工程を繰り返し行うことによって、前記処分区画で上下に重なる複数段の前記固化層を形成する、
ことを特徴とする請求項3記載の焼却残渣処分方法。
【請求項6】
前記固化層の表面に、複数本の帯状又は棒状の補強材を敷設する補強工程を、さらに備え、
前記補強材の一端は、前記プレキャストブロックのうち前記固化層が接触する面に連結され、
上段における前記塑性層形成工程では、下段の前記補強材の上に前記塑性混練物を敷き均す、
ことを特徴とする請求項5記載の焼却残渣処分方法。
【請求項7】
前記区画割工程では、所定高の前記区画壁を構築し、該区画壁の頂部又は略頂部まで前記固化層が形成されると、該固化層の上面に上段の該区画壁を構築し、
また前記区画割工程では、下段の前記区画壁とは異なる平面配置で、上段の前記区画壁を構築する、
ことを特徴とする請求項5記載の焼却残渣処分方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本願発明は、廃棄物焼却残渣の処分に関するものであり、より具体的には、処分しようとする廃棄物焼却残渣を利用してブロックを製造し、そのブロックで区画割された処分場と、この処分場で廃棄物焼却残渣を処分する方法に関するものである。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
近年、国や自治体を中心とする様々な取り組みによって、我が国の廃棄物の排出量は減少傾向にある。それでも年間4億トンを超える大量の廃棄物が排出されており、処分場の確保はやはり大きな問題である。廃棄物の内訳をみると、約4,200万トンの一般廃棄物、約3.9億トンの産業廃棄物が排出されており、産業廃棄物が全体の9割近くを占めている。
【0003】
産業廃棄物や一般廃棄物は、資源化されるものと処分されるものに大別され、処分されるものはさらに焼却されるものとそうでないものに分けられる。例えば一般廃棄物の場合、処分される廃棄物は焼却施設に直接送られるものと、中間処理施設に送られるものに分かれ、中間処理施設で生じた処理残渣のうち焼却されるものは改めて焼却施設に送られる。そして、中間処理施設で生じた処理残渣のうち焼却されないものと、焼却施設で生じた焼却残渣は、最終処分場に送られる。
【0004】
最終処分場に送られる一般廃棄物、産業廃棄物ともにその大部分を焼却残渣が占めており、現状の最終処分場はいわば「灰捨て場」の様相を呈している。他方、令和3年に環境省は我が国における最終処分場の残余年数を21.4年と報告している。したがって、廃棄物のうち特に焼却残渣を、如何に効率的に埋立処分するかが喫緊の課題といえる。
【0005】
焼却残渣は、主灰と飛灰に区別される。焼却施設の炉の底などで集めたものが主灰(ボトムアッシュ)であり、集塵装置で集めたものやボイラーなどに付着したものが飛灰(フライアッシュ)である。飛灰は、主灰に対して約1/3程度しか排出されないが、主灰に比べてダイオキシン類や、鉛、亜鉛、カドミウムといった重金属などを多く含む。そのため、焼却残渣を最終処分場で埋立処分する前に、飛灰に液体キレート剤を添加する処理を行っている。液体キレート剤との化学結合によって、飛灰中の重金属イオンが環境中に溶出しにくくなるわけである。
【0006】
一般廃棄物の焼却残渣は一般廃棄物最終処分場で埋立処分され、産業廃棄物の廃棄物は管理型の最終処分場で埋立処分されることが多い。一般廃棄物最終処分場も「管理型」の最終処分場に分類されるもので、この管理型最終処分場は、処分場からの浸出水や周辺地下水などが省令で定める基準を満たすように維持管理しなければならない。さらに、管理型最終処分場を廃止するためには、場内で集められた保有水の水質が、2年以上にわたって所定の排水基準等に適合していると認められることが必要とされている。そのため、管理型最終処分場では、直接地山の上に焼却残渣等を埋め立てることはなく、図10に示すように、地山の上に遮水シートを敷設し、さらに保護層(砂や土砂)を設置したうえで、焼却残渣等を埋め立てている。また図10に示すように、準好気性と呼ばれる埋立方式を採用することによって、埋立地内の水分を排水管で除去し、埋立地内で発生したガスをガス抜き管で排除することもある。
【0007】
ところが、図10のような対策を施したとしても、必ずしも省令基準を満たすとはいえず、処分場からの浸出水をある程度貯留し、これを水処理したうえで排出しているのが現状である。つまり、多くの管理型最終処分場は維持管理さえ難しい状況にあり、廃止に至るまでには20~30年かかるといわれ、極めて長い期間最終処分場として運営しなければならない。したがって、浸出水の排出処理など維持管理にかかる費用がかさむうえ、跡地として上空利用するまでに相当な期間を要することとなる。
【0008】
また、跡地利用の面では別の問題もある。管理型最終処分場で埋立処分するものの大部分は焼却残渣であることは既に述べたとおりである。焼却残渣は無機物であり、二酸化炭素などのガスが発生することは考え難いが、現実には焼却残渣の中には燃え残りのものもあり、これが原因でガスを発生させる可能性がある。通常、ガスの発生は長期間に渡って生じるもので、例えば最終処分場を跡地利用した後にガスが発生すると、その発生分だけ跡地は沈下することになり、跡地上に建てた施設や構造物に影響を及ぼすことになる。
【0009】
さらに、従来の管理型最終処分場には、処分場の空間利用の面でも問題がある。管理型最終処分場に運ばれた焼却残渣は、例えば50cm層に敷き均され、ブルドーザなどの重機によって転圧される。既述のとおり、飛灰は液体キレート剤の添加処理がされているので、当初はある程度湿気を帯びているが、その後乾燥すれば飛散しやすい状態になる。そのため、飛散防止対策を施す必要があり、図10や図11に示すように転圧後の焼却残渣の上には中間覆土が設置される。中間覆土は5~6層積み重ねた焼却残渣の上に設置されるものであるため、焼却残渣が露出する期間が生ずる。そこで昨今では、日々の埋立作業後に覆土を行う即日覆土(デイリーカバー)が主流になっている。
【0010】
中間覆土や即日覆土を設置するということは、その分焼却残渣が埋立できないことを意味している。既述したように令和3年時点で最終処分場の残余年数は21.4年であり、残された処分領域を有効に活用することが極めて重要である。そのため、中間覆土や即日覆土を省略することのできる処分技術が切望されていた。
(【0011】以降は省略されています)

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