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公開番号
2025050485
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-04
出願番号
2023159309
出願日
2023-09-24
発明の名称
有機廃棄物から即効性有機肥料を製造する方法
出願人
個人
代理人
個人
主分類
B09B
3/45 20220101AFI20250327BHJP(固体廃棄物の処理;汚染土壌の再生)
要約
【課題】有機廃棄物から有機肥料を発酵製造する前処理物及びその処理方法の提供。
【解決手段】汚泥、生ゴミ、及び動物又は人間の排泄物を含む有機廃棄物を、おが屑、木くず、わら、もみ殻、枝、樹皮、木チップ、乾燥草類を含む平均粒径10mm±5mm長の破砕粉体を主成分とする植物性セルロース基質材を過熱蒸気反応分解促進剤としての配合の下に、過熱蒸気反応で300℃以下の低温で分解処理され、炭素率50%を超えない過熱蒸気での前処理済み有機廃棄物であって、好気性発酵によって即効性有機肥料を製造する発酵時間を非前処理物の発酵時間の二分の一以下にする。
【選択図】図8
特許請求の範囲
【請求項1】
汚泥、生ゴミ、及び動物又は人間の排泄物を含む有機廃棄物を、おが屑、木くず、わら、もみ殻、枝、樹皮、木チップ、乾燥草類を含む平均粒径10mm±5mm長の破砕粉体を主成分とする植物性セルロース基質材を過熱蒸気反応分解促進剤としての配合の下に、過熱蒸気反応で300℃以下の低温で分解処理され、炭素率50%を超えない、過熱蒸気での前処理済みであることを特徴とする有機廃棄物。
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【請求項2】
前記前処理工程での過熱蒸気反応処理を反応炉の処理能力に応じて複数回繰り返し、前記有機廃棄物及びセルロース基質材中の高分子化合物を分解してなる請求項1記載の有機廃棄物。
【請求項3】
前記請求項1又は2に記載の過熱蒸気での前処理物に、上記セルロース基質材を容量比2:1から1:2の割合で混合して調整し、発酵分解作用を有する微生物を下記の群から1以上選択し、過熱蒸気反応処理回数に応じて20日から45日の期間発酵処理することを特徴とする有機肥料の製造方法。
記
細菌: Bacillus subtilis;Bacillus stearothermophilus;Clostridium thermocellum、
カビ: Aspergillus oryzae;Aspergillus niger;Aspergillus fumigatus;Chaetomium thermophile;Humicola lanuginosa;Rhizopus javanicus、
酵母: Candida glabrata;Debaryomyces hansenii;Hansenula anomala;Pichia membranaefaciens;Rhodotorula glutinis;Saccharomyces cerevisiae
放線菌: Actinobifida dichotom;Streptomyces griseus;Streptomyces thermophilus;Thermoactinomyces vulgaris;Thermomonospora glaucusglaucus及びMonascus sp.からなる。
【請求項4】
前記前処理工程での過熱蒸気反応処理を反応炉の処理能力に応じて複数回繰り返し、前記有機廃棄物中の高分子たんぱく質及びセルロース基質材の発酵分解性を高め、非前処理有機廃棄物に比して発酵時間を二分の一以下とする請求項1記載の有機肥料の製造方法。
【請求項5】
発酵処理されて得られる有機肥料が土壌分析法で陽イオン交換容量(CEC)80me/100g以上の肥効を有する請求項1記載の有機肥料の製造方法。
【請求項6】
前処理済み有機廃棄物が上記セルロース基質材を牛舎床に敷き詰め、採取した牛糞で、炭素率50%以下であって、得られる有機肥料の肥効が土壌分析法で陽イオン交換容量(CEC)100me/100g以上である請求項1又は2記載の有機肥料の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、過熱蒸気反応を利用して前処理した有機廃棄物およびそれを発酵処理して即効性有機肥料を製造する方法に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)
【背景技術】
【0002】
有機肥料とは施肥後即効性がなく、土中での微生物での分解により30~40日後効き始める遅効性のものがほとんどである。近年、化学肥料の高騰のため、市中に増大する有機廃棄物を有効利用して即効性有機肥料を製造することが要望されている。そこで、有機廃棄物にほぼ等量のおがくず、わら、もみ殻等のセルロース基質材を加え、これに有機物を発酵分解する微生物を加え、水分調整しつつ、発酵処理する技術が提案され(特許文献1)、食品に由来する廃棄物や下水処理施設から排出される汚泥から有機肥料を製造されている。しかしながら、この方法では、有機廃棄物の発酵分解に時間を要するため、有機肥料が得られるまでに4カ月もの期間が必要になる。また、この長い発酵処理には悪臭の発散があり、環境への影響が問題となるので、都市近郊では処理できない。
【0003】
そこで、本発明者は有機廃棄物中のタンパク及びセルロース等の高分子化合物を分解し、後段における発酵処理を迅速に行うことができるように、15~40気圧かつ200~250℃の高温高圧の亜臨界処理を行う方法が提案するに至っている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
PCT/JP98/02655号公報
特開2018-70386号公報
特開2010-216748号公報
特開2015-223542号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記亜臨界状態での反応ではわずかに150℃、15気圧、処理時間20分で有用微生物による発酵に適した粒子状の低分子有機物に転換されるものの、反応温度200℃を超えると、有機物の分解が進みすぎ、有機物の炭化率が高くなることを見出した。その上、亜臨界水反応装置は高価であって、バッチ式を採用する必要があり、処理能力に限界がある。すなわち、亜臨界状態での前処理設備では1台で多くて5トン/日の汚泥処理ができるか否かであって、近年の要求である、1事業所8時間稼働で100トン/日の処理を目指すには程遠い。
【0006】
そこで、本発明者は、低温で過熱蒸気反応処理された有機廃棄物が発酵処理を促進するに好ましい物性を有することを見出した。すなわち、1)後段の発酵処理に適合させるには、有機物の適度な分解に制御しつつ炭化率を50%以下に抑える必要があること。他方、2)バッチ式亜臨界圧力容器での処理では、亜臨界反応で分解が進み過ぎてセルロース基質材との併用の下で発酵処理するには適当でないことを知った。本発明はかかる知見に基づき、鋭意研究の結果、亜臨界前処理法に代わる処理法で処理された発酵処理を促進できる有機廃棄物、それを用いて有機肥料を発酵製造する時間を短縮できる処理方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は上記1)の要望に応えるために鋭意研究の結果、過熱蒸気を用いて低温処理した有機廃棄物が高温高圧下の亜臨界状態のバッチ式前処理物よりも、セルロース基質材との併用の下での発酵処理を促進するにが適当であることを見出した。過熱蒸気は従来主と300℃を超える高温下に高含水汚泥の乾燥手段及び炭化手段として利用されているに過ぎず、発酵処理の前処理として利用されていない(特許文献3、特許文献4)が、その反応機構(図4及び図5)に着目すると、圧力容器内の高圧下の亜臨界水の反応と違って、含水率に伴って150℃から300℃の過熱蒸気反応温度領域では、過熱蒸気反応による有機廃棄物の適度な低温分解処理が実現でき、発酵処理の前処理として炭素化率を抑制しつつセルロース基質材との併用の下で有機物の分解の前処理に適当であることは驚くべきことであった。すなわち、蒸気反応炉において、過熱蒸気と有機廃棄物とを、攪拌しながら、有機廃棄物の内部温度を300℃以下に抑制しつつ過熱蒸気反応を行うと、効率よく脱水が行われ、有機廃棄物の炭化率が50%以下に抑制されるだけでなく、セルロース基質材との併用の下での発酵処理が加速されるとともに、脱臭、殺菌され、無害化した有機肥料が従来の発酵処理の半分以下の期間で製造されることを見出した。
【0008】
本発明は、高価で処理能力の小さな亜臨界水処理に比して廉価で処理能力大きい過熱蒸気を利用してセルロース基質材との併用の下で発酵処理に適切な処理を達成することができるという発見に鑑み、本発明はなされたもので、発酵処理時間を短縮可能な前処理物として、
汚泥、生ゴミ、及び動物又は人間の排泄物を含む有機廃棄物を、おが屑、木くず、わら、もみ殻、枝、樹皮、木チップ、乾燥草類を含む平均粒径10mm±5mm長の破砕粉体を主成分とする植物性セルロース基質材を過熱蒸気反応分解促進剤としての配合の下に、過熱蒸気反応で300℃以下の低温で分解処理され、炭素率50%を超えない過熱蒸気での前処理済み有機廃棄物(図8)を提供するものである。
【0009】
本発明にかかる前処理済み有機廃棄物は、過熱蒸気反応処理条件により適切な有機肥料を製造する発酵時間が変化する。したがって、反応炉の処理能力に応じて、または使用用途(牛舎床敷設材として用いるときは一回又は二回処理、有機肥料作成のためには3回以上処理を繰り返すのが好ましい)に応じて、処理回数を決めるのが適当である。処理済み有機廃棄物を過熱蒸気反応促進剤として繰り返し用いることができる。
【0010】
次いで、本発明は前記セルロース基質材を過熱蒸気反応分解促進剤としての配合の下に、過熱蒸気反応で300℃以下の低温で分解処理され、炭素率50%を超えない前処理済み有機廃棄物は、上記セルロース基質材を容量比2:1から1:2の割合で混合して調整し、発酵分解作用を有する微生物を下記の群から1以上選択し、従来のものに比し、従来の2分の1の期間発酵処理することを特徴とする有機肥料の製造方法を提供するものでもある。
記
細菌: Bacillus subtilis;Bacillus stearothermophilus;Clostridium thermocellum、
カビ: Aspergillus oryzae;Aspergillus niger;Aspergillus fumigatus;Chaetomium thermophile;Humicola lanuginosa;Rhizopus javanicus、
酵母: Candida glabrata;Debaryomyces hansenii;Hansenula anomala;Pichia membranaefaciens;Rhodotorula glutinis;Saccharomyces cerevisiae、
放線菌: Actinobifida dichotom;Streptomyces griseus;Streptomyces thermophilus;Thermoactinomyces vulgaris;Thermomonospora glaucus及びMonascus sp.からなる。。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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