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公開番号2025091899
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-19
出願番号2023207432
出願日2023-12-08
発明の名称嫌気性処理方法
出願人株式会社クボタ
代理人個人,個人
主分類B09B 3/65 20220101AFI20250612BHJP(固体廃棄物の処理;汚染土壌の再生)
要約【課題】圃場で発生する収穫残渣を、資源として効率的に活用できる嫌気性処理方法を提供する。
【解決手段】圃場で生じた収穫残渣を含む原料をメタン発酵させ、前記メタン発酵で生じるバイオガスをエネルギー源として利用する嫌気性処理方法であって、前記収穫残渣を複数の圧縮成型体の状態で其々の含水量を異ならせて保管し、前記バイオガスの需要情報に基づいて、前記圧縮成型体のうち何れかの含水量の圧縮成型体を選択して前記メタン発酵に供給する嫌気性処理方法。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項１】
圃場で生じた収穫残渣を含む原料をメタン発酵させ、前記メタン発酵で生じるバイオガスをエネルギー源として利用する嫌気性処理方法であって、
前記収穫残渣を複数の圧縮成型体の状態で其々の含水量を異ならせて保管し、
前記バイオガスの需要情報に基づいて、前記圧縮成型体のうち何れかの含水量の圧縮成型体を選択して前記メタン発酵に供給する嫌気性処理方法。
続きを表示（約 460 文字）【請求項２】
圃場で生じた収穫残渣を含む原料をメタン発酵させ、メタン発酵で生じる発酵残渣を圃場に還元する嫌気性処理方法であって、
前記収穫残渣を複数の圧縮成型体の状態で其々の含水量を異ならせて保管し、
前記発酵残渣の需要情報に基づいて、前記圧縮成型体のうち何れかの含水量の圧縮成型体を選択して前記メタン発酵に供給する嫌気性処理方法。
【請求項３】
圧縮成型機で前記収穫残渣の圧縮成型体を成型する前後の何れかに前記収穫残渣に加水するか水量を変えることにより、前記圧縮成型体の含水量を異ならせる請求項１または２記載の嫌気性処理方法。
【請求項４】
（請求項３の従属）
予め求めた前記圧縮成型体の含水率と保管条件と前記メタン発酵に要する時間の関係を利用して、前記圧縮成型体のうち何れかの含水量の圧縮成型体を選択する請求項３記載の嫌気性処理方法。
【請求項５】
前記保管条件が、少なくとも前記圧縮成型体の保管時の期間を含む請求項４記載の嫌気性処理方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、圃場で生じた収穫残渣を含む原料をメタン発酵させ、前記メタン発酵で生じるバイオガスをエネルギー源として利用する嫌気性処理方法に関する。
続きを表示（約 1,700 文字）【背景技術】
【０００２】
従来、稲の収穫作業で生じた大量の稲わらは、有機肥料として圃場の土にすき込まれ、或いは、圃場で焼却処分されている。しかし、すき込まれた稲わらが土壌中において嫌気雰囲気で分解されることで発生するメタンや、焼却により生じる二酸化炭素は、地球温暖化に及ぼす影響が大きな温室効果ガスであるため、大量の稲わらの処理方法が課題となっている。このような課題は、稲わらに限らず、麦わらなどを含む圃場で収穫した穀類の収穫後に生じる農業廃棄物（本明細書では「収穫残渣」と記す。）に共通する。
【０００３】
特許文献１には、１０ｍｍ～１００ｍｍの断片に破砕された藁を、発酵液中でメタン発酵し、バイオガスを回収すると共に、発酵後の前記藁を消化液中から回収して敷料として利用することを特徴とするメタン発酵方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
特許第５５６７７１８号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
特許文献１に開示されたメタン発酵方法は、バイオマス資源の有効利用という観点で非常に好ましい技術であるが、稲わらや麦わらなどを含む圃場で発生する大量の収穫残渣を効率的に処理するという観点でさらなる工夫の余地があった。
【０００６】
本発明の目的は、圃場で発生する収穫残渣を、資源として効率的に活用できる嫌気性処理方法を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
上述の目的を達成するため、本発明による嫌気性処理方法の第一の特徴構成は、圃場で生じた収穫残渣を含む原料をメタン発酵させ、前記メタン発酵で生じるバイオガスをエネルギー源として利用する嫌気性処理方法であって、前記収穫残渣を複数の圧縮成型体の状態で其々の含水量を異ならせて保管し、前記バイオガスの需要情報に基づいて、前記圧縮成型体のうち何れかの含水量の圧縮成型体を選択して前記メタン発酵に供給する点にある。
【０００８】
バイオガスの需要量と原料との整合を図るという観点でメタン発酵に要する時間が重要となる。メタン発酵プロセスには酸生成段階とメタン生成段階が含まれる。酸生成段階では、生分解性高分子有機物が低分子有機物に加水分解され、低分子有機物が酸発酵される。メタン生成段階では、酸発酵物から水素や酢酸が生成され、さらにメタンが生成される。そのため、得られた収穫残渣を直ちにメタン発酵させてもメタンガスが生成されるまでに一定の時間を要することとなり、また収穫残渣の発生時期に制約があるなど、バイオガスの需要量との関係においてメタン発酵プロセスに適切に原料を供給する必要があるためである。
【０００９】
本願発明者らは鋭意試験研究を重ねた結果、含水量を異ならせて収穫残渣を保管することにより、其々の加水分解の程度を異ならせることができ、その結果メタン発酵に要する時間を調整することができるとの新知見を得た。新知見に基づけば、バイオガスの需要量の少ない時期には主に加水分解の程度の浅い収穫残渣をメタン発酵に供給することで、バイオガスの発生量を抑制し、バイオガスの需要量の多い時期には、主に加水分解の程度の深い収穫残渣をメタン発酵に供給することで、バイオガスの発生量を増加させることができるようになる。そして、バイオガスの需要量の少ない時期を、収穫残渣の加水分解に要する時間に充当することで、バイオガスの需要量の多い時期に加水分解の程度の深い収穫残渣をメタン発酵に供給することができるようになる。
【００１０】
同第二の特徴構成は、圃場で生じた収穫残渣を含む原料をメタン発酵させ、メタン発酵で生じる発酵残渣を圃場に還元する嫌気性処理方法であって、前記収穫残渣を複数の圧縮成型体の状態で其々の含水量を異ならせて保管し、前記発酵残渣の需要情報に基づいて、前記圧縮成型体のうち何れかの含水量の圧縮成型体を選択して前記メタン発酵に供給する点にある。
（【００１１】以降は省略されています）

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