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公開番号
2024118460
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-08-30
出願番号
2024023426
出願日
2024-02-20
発明の名称
積層シート、建材、電子デバイス、移動体内外装
出願人
東レ株式会社
代理人
主分類
H05K
9/00 20060101AFI20240823BHJP(他に分類されない電気技術)
要約
【課題】外観を損なわず成型性・折り曲げ性を備え、障害物での電磁波の減衰を抑制させる積層シートを提供する。
【解決手段】少なくとも、表面抵抗率が1.0×10
9
Ω/□以上1.0×10
12
Ω/□以下のA層と、厚みが1.0μm以上1.0×10
3
μm以下かつ24GHzで測定した際の複素比誘電率の虚部が1.0×10
-4
以上2.0×10
-1
以下であるB層を有し、24GHzのS21(透過減衰量)をS11(反射減衰量)で割った値が0.000以上0.900以下である積層シート。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
少なくとも、表面抵抗率が1.0×10
9
Ω/□以上1.0×10
12
Ω/□以下のA層と、厚みが1.0μm以上1.0×10
3
μm以下かつ24GHzで測定した際の複素比誘電率の虚部が1.0×10
-4
以上2.0×10
-1
以下であるB層を有し、24GHzのS21(透過減衰量)をS11(反射減衰量)で割った値が0.000以上0.900以下である積層シート。
続きを表示(約 800 文字)
【請求項2】
B層が、複素比誘電率の実部が2.5以上20.0以下のB1層を有する、請求項1に記載の積層シート。
【請求項3】
B層が、ガラス転移温度(Tg)50度以上150度以下かつ結晶化度が0%以上20%以下のB2層を有する、請求項2に記載の積層シート。
【請求項4】
B1層とB2層が別の層であり、B1層とB2層が交互に5層以上積層したユニットを含む、請求項3に記載の積層シート。
【請求項5】
10cm×10cmの領域に関して厚みを100点評価した際、平均値との誤差が±31%以下である点が80点以上存在する、請求項1から4のいずれかに記載の積層シート。
【請求項6】
流れ方向10点×幅方向2点の領域から5mmおきに20個のサンプルを採取し、それぞれのサンプル断面にて0.5mmおきに5点ずつ前記B層の厚みを評価した際、平均値との誤差が±31%以下である点が80点以上存在する、請求項1から4のいずれかに記載の積層シート。
【請求項7】
A層が典型金属元素の酸化物を含む、請求項1から4のいずれかに記載の積層シート。
【請求項8】
A層がアルミニウム(Al)と亜鉛(Zn)を含む、請求項7に記載の積層シート。
【請求項9】
B層とA層とが隣接しており、当該A層1層に含まれる全てのAl元素の原子数に対する、B層とA層との界面からA層の中間位置までの間に存在するAlの原子数比率が50%超過である、請求項8に記載の積層シート。
【請求項10】
10cm×10cmの領域に関してA層の表面抵抗率を20点評価した際の標準偏差を、平均値で割った値(T値)が0.0以上2.0以下である、請求項1から4のいずれかに記載の積層シート。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、障害物での電磁波の減衰を抑制させる積層シートに関する。
続きを表示(約 3,300 文字)
【背景技術】
【0002】
ミリ波帯域の電磁波の利用が広がる中、高周波電磁波特有の減衰の大きさ、直進性の高さのために、通信範囲が狭いことが課題となっている。
【0003】
例えば窓ガラスではメタマテリアルにより電磁波の減衰を抑制し、さらに電磁波の向きを操作することで通信範囲を最適化するといった技術が開示されている(特許文献1、2)。また熱線反射層が設けられた窓ガラスでは熱線反射層での電磁波の反射による減衰が発生することから、熱線反射層の電磁波透過性を高める技術も知られている(特許文献3)。特許文献4には、電波を遮蔽してしまうガラスなどの構造物に誘電体を貼り付けることで透過率を向上させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2012/008551号
特開2002-171120号公報
国際公開第2013/122181号
国際公開第2021/093719号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら特許文献1、2に示したようなメタマテリアル技術は形成されたパターンが変形するような折り曲げや成型は行えず、また透明性が要求される場合にはパターンが可視光線透過率の低下を引き起こすなどして外観を損なうという課題があった。また特許文献3に記載の技術は熱線反射層の電磁波透過率を高めるものであり、ガラスでの反射による電磁波減衰を抑えることはできていなかった。特許文献4に記載の技術は貼り付ける誘電体が非常に厚いため、平坦な構造物以外に用いることはできなかった。
【0006】
以上の背景を踏まえ、本発明では外観を損なわず成型性・折り曲げ性を備え、障害物での電磁波の減衰を抑制させる積層シートを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の好ましい一態様は次の構成からなる。
(1)少なくとも、表面抵抗率が1.0×10
9
Ω/□以上1.0×10
12
Ω/□以下のA層と、厚みが1.0μm以上1.0×10
3
μm以下かつ24GHzで測定した際の複素比誘電率の虚部が1.0×10
-4
以上2.0×10
-1
以下であるB層を有し、24GHzのS21(透過減衰量)をS11(反射減衰量)で割った値が0.000以上0.900以下である積層シート。
(2)B層が、複素比誘電率の実部が2.5以上20.0以下のB1層を有する、(1)に記載の積層シート。
(3)B層が、ガラス転移温度(Tg)50度以上150度以下かつ結晶化度が0%以上20%以下のB2層を有する、(1)または(2)に記載の積層シート。
(4)B1層とB2層が別の層であり、B1層とB2層が交互に5層以上積層したユニットを含む、(3)に記載の積層シート。
(5)10cm×10cmの領域に関して厚みを100点評価した際、平均値との誤差が±31%以下である点が80点以上存在する、(1)から(4)のいずれかに記載の積層シート。
(6)流れ方向10点×幅方向2点の領域から5mmおきに20個のサンプルを採取し、それぞれのサンプル断面にて0.5mmおきに5点ずつ前記B層の厚みを評価した際、平均値との誤差が±31%以下である点が80点以上存在する、(1)から(5)のいずれかに記載の積層シート。
(7)A層が典型金属元素の酸化物を含む、(1)から(6)のいずれかに記載の積層シート。
(8)A層がアルミニウム(Al)と亜鉛(Zn)を含む、(7)に記載の積層シート。
(9)B層とA層とが隣接しており、当該A層1層に含まれる全てのAl元素の原子数に対する、B層とA層との界面からA層の中間位置までの間に存在するAlの原子数比率が50%超過である、(7)または(8)に記載の積層シート。
(10)10cm×10cmの領域に関してA層の表面抵抗率を20点評価した際の標準偏差を、平均値で割った値(T値)が0.0以上2.0以下である、(1)から(9)のいずれかに記載の積層シート。
(11)A層の表面抵抗率をR[Ω/□]、B層の複素比誘電率の実部をPとしたとき、以下の式を満たすA層とB層とを有する、(1)から(10)のいずれかに記載の積層シート。
【0008】
0.1≦P/Log
10
(R+1)≦5.0
(12)厚みが1.0μm以上1.0×10
3
μm以下かつ24GHzで測定した際の複素比誘電率の虚部が1.0×10
-4
以上2.0×10
-1
以下である層を有し、かつ走査型広がり抵抗顕微鏡(SSRM)での抵抗値の比が0.0091以上110以下である層対を有している積層シート。
(13)少なくとも、後述するA’層と、厚みが1.0μm以上1.0×10
3
μm以下かつ24GHzで測定した際の複素比誘電率の虚部が1.0×10
-4
以上2.0×10
-1
以下であるB層を有し、24GHzのS21(透過減衰量)をS11(反射減衰量)で割った値が0.000以上0.900以下である積層シート。
A’層は、厚みが50nm~450nmであり、絶縁性のポリマーと導電性フィラーを有する層、金属酸化物層、および金属フッ化物層より選ばれる1種の層である。
(14)表面抵抗率が1.0×10
9
Ω/□以上1.0×10
12
Ω/□以下かつ最表層でないA層と、前記A層と隣接する層とを有し、前記A層と前記A層に隣接する層との1つの界面を基準に走査型広がり抵抗顕微鏡(SSRM)で抵抗値を評価した際、界面からA層側に50nmぶん評価した抵抗値(r1)と、界面から隣接する層側に50nmぶん評価した抵抗値(r2)について、r1/r2の値が0.0083~120である積層シート。
(15)(1)から(14)のいずれかに記載の、ウィンドウフィルム用積層シート。
(16)(1)から(14)のいずれかに記載の積層シートを有する、建材。
(17)(1)から(14)のいずれかに記載の積層シートを有する、電子デバイス。
(18)(1)から(14)のいずれかに記載の積層シートを有する、移動体内外装。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、外観を損なわず成型性・折り曲げ性を備え、障害物での電磁波の減衰を抑制させる積層シートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
積層シートの全体厚みを測定する際の測定点の一例を模式的に示す俯瞰図である。
積層シートのサンプル面積が小さい場合における積層シートの全体厚みを測定する際の測定点の一例を模式的に示す俯瞰図である。
積層シートのB層厚みを測定する際における、積層シートからの測定サンプル切り出し箇所の一例を示す俯瞰図である。なお図中のXは長手方向、YはXと直角となる方向である。
積層シートのB層厚みを測定する際における測定箇所の一例を示す断面図である。なお図中のXは長手方向、Zは厚み方向である。
積層シートのA層とA層と隣接する層の抵抗率を測定する際における測定箇所の一例を示す断面図である。
電磁波透過性を評価する際の位置関係をレーダーの横から見た際の模式図である。
電磁波透過性を評価する際の位置関係をレーダーの後ろから見た際の模式図である。
好ましい延伸倍率の範囲を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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