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公開番号
2024115489
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-08-26
出願番号
2023034095
出願日
2023-02-14
発明の名称
トラクタに連結する長いも収穫機
出願人
株式会社苫米地技研工業
代理人
主分類
A01D
25/04 20060101AFI20240819BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約
【課題】長いもが後方に向けて浮上する際に発生する土圧による擦り傷を減少させる土圧軽減自転コンベヤ装置に係る。
【解決手段】トラクタの後部にトップリンクと左右のロアリンクから構成する3点リンクによって連結する装着フレームに機枠体を連結し、機枠体に刃体、掘り取り板、振動板からなる掘り取り刃体の支持バーを連結し、機枠体は三点リンクによって昇降可能に構成し、掘り取り体を長いもの下端部へ鋤きこみ、周囲の栽培土とともにブロック状に抱持して、後方に向けて浮上させながら掘り取る収穫機において、掘り取り板の上面に自転コンベヤ装置を載置して、長いもが後方に向けて浮上する際に発生する土圧を軽減することを特徴としたトラクタに連結する長いも収穫機である。自転コンベヤ装置は複数列の横ローラの上面に無端ベルトをかけ渡して、その先端部を上方に折りたたみ自在に形成し、無端ベルト内の侵入土砂を容易に排除可能とした。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
トラクタの後部にトップリンクと左右のロアリンクから構成する3点リンクによって連結する装着フレームと、その装着フレームには機枠体を連結し、機枠体には刃体と掘り取り板と振動板とからなる掘り取り刃体の支持バーを連結するとともに、その機枠体は三点リンクによって昇降可能に構成し、
前記した掘り取り刃体を生育した長いもの下端部へ鋤きこみ、長いもの周囲の栽培土とともにブロック状に抱持して、後方に向けて浮上させながら、長いもを掘り取る収穫機において、前記掘り取り板の上面に自転コンベヤ装置を載置して、長芋が後方に向けて浮上する際に発生する土圧を自転コンベヤ装置が受けて回動し軽減することを特徴としたトラクタに連結する長いも収穫機
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【請求項2】
前記自転コンベヤ装置は支持フレームに対して複数列の横ローラ設置し、その上面に無端ベルトをかけ渡してなり、前記支持フレームの先端部を上方に折りたたみ自在に形成し、無端ベルト内の侵入土砂を容易に排除可能とした請求項1記載のトラクタに連結する長いも収穫機
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラクタの後部に連結して、掘り取り刃体を生育した長いもの下端部へ鋤きこみ、長いもの周囲の栽培土とともにブロック状に抱持して、後方に向けて浮上させる収穫機に関するもので、特に長いもが後方に向けて浮上する際に発生する土圧による擦り傷を減少させる土圧軽減自転コンベヤ装置に係る。
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【背景技術】
【0002】
長いもの収穫装置は、従来から種々提案されている。生育した長いもは地下に向けて1メートル前後の深さに成長し、成長した長いもの収穫作業時に長いもは折れやすく且つ外周面の肌は擦り傷が付きやすい特性がある。また掘り取り刃体を生育した長いもの下端部へ鋤きこみ、長いもの周囲の栽培土とともにブロック状に抱持して、後方に向けて浮上させながら、長いもを掘り取ろうとした収穫機としては同一出願による特開2006-25601公報が提案されている。
前記公報は『トラクタの後部に連結され、長いもの両側部の栽培土をトラクタの前進に従って掘り起こす一対の鋤部材と、前記1対の鋤部材の中央下部に回動自在に連結され、前部が刃部を形成し後部が上方に傾斜して配設された掘取り刃体とを有する長いも堀取り装置において、前記掘取り刃体と鋤部材との連結が1対の連結バーによって支持されものであり、前記連結バーの一端が前記鋤部材の下端に固着され、かつ、前記連結バーの他端が前記掘取り刃体の裏面に設けられた支軸に回動自在に装着されるとともに、前記連結バーが前記掘り取り刃体の裏面に完全に隠れるように配設されることを特徴とする長いも堀取り装置』の構成が開示される。その効果は、トラクタが長いも掘取り装置を牽引する際に受ける掘削土からの背圧抵抗が軽減されるので、比較的小さなトラクタでも牽引が可能となるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2006-25601公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した第1引例は、近年普及している大型の100~150クラスの大馬力トラクタによる高速作業に適するものである。しかし、成長した長いもの底部に鋤き込まれた掘り取り刃体は前記長いもを後方に摺動する際に、特に硬質な土壌や粘土質の時には、栽培土ブロックを圧縮し、その背圧が栽培土ブロックを崩して長芋の表面に擦り傷をつけ、また折損する場合があり、栽培農家に経済的損失を与えていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は前記した長芋の擦り傷や折損を軽減するために、トラクタの後部にトップリンクと左右のロアリンクから構成する3点リンクによって連結する装着フレームと、その装着フレームには機枠体を連結し、機枠体には刃体と掘り取り板と振動板とからなる掘り取り刃体の支持バーを連結するとともに、その機枠体は三点リンクによって昇降可能に構成し、前記した掘り取り刃体を生育した長いもの下端部へ鋤きこみ、長いもの周囲の栽培土とともにブロック状に抱持して、後方に向けて浮上させながら、長いもを掘り取る収穫機において、前記掘り取り板の上面に自転コンベヤ装置を載置して、長芋が後方に向けて浮上する際に発生する土圧を前記自転コンベヤ装置が受けて回動し軽減することを特徴としたトラクタに連結する長いも収穫機を提供する
また、前記長いも収穫機の自転コンベヤ装置は支持フレームに対して複数列の横ローラ設置し、その上面に無端ベルトをかけ渡してなり、前記支持フレームの先端部を上方に折りたたみ自在に形成し、無端ベルト内の侵入土砂を容易に排除可能とした構成である。
【発明の効果】
【0006】
以上のように掘り取り刃体の刃部が長いもの下端への刺さり込み栽培土ブロックを形成しながら後方へ浮上させる際に発生する背圧や周辺の圧縮土圧は自転コンベヤ装置のベルト摺動によって軽減し、長いもの擦り傷を減少するので生産性と品質が向上した。また、無端コンベヤの支持フレームの先端部を折り畳み自在としたので万が一の滞留した土砂は短時間に容易に掃き出すことが出来て圃場作業性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
は本発明を実施した作業状態を示す側面図
は一部を省略した平面図
は長いもを掘削進行する正面図
は掘り取り掘削部の昇降説明図
はトップリンク支持ユニット断面図
はトップリンク支持ユニットの斜視図
はクリーナの駆動説明図
は振動板の駆動説明図
は従来の掘り取り説明図
は自転コンベヤ装置の斜視図
は自転コンベヤ装置の先端回動部の説明図
は自転コンベヤ装置の先端部折りたたみ状態図
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施形態は、トラクタの後部にトラクタの後部にトップリンクと左右のロアリンクから構成する3点リンクによって連結する装着フレームと、その装着フレームには機枠体を連結し、機枠体には刃体と掘り取り板と振動板とからなる掘り取り刃体の支持バーを連結するとともに、その機枠体は三点リンクによって昇降可能に構成し、前記した掘り取り刃体を生育した長いもの下端部へ鋤きこみ、長いもの周囲の栽培土とともにブロック状に抱持して、後方に向けて浮上させながら、長いもを掘り取る収穫機において、前記掘り取り板の上面に自転コンベヤ装置を載置して、長芋が後方に向けて浮上する際に発生する土圧を自転コンベヤ装置が受けて回動し軽減することを特徴としたトラクタに連結する長いも収穫機であって、前記自転コンベヤ装置は支持フレームに対して複数列の横ローラ配置し、その上面に無端ベルトをかけ渡してなり、その先端部を上方に折りたたみ自在に形成し、無端ベルト内の侵入土砂を容易に排除可能とした構成である。
【実施例】
【0009】
図1において、1は乗用4輪トラクタの後部を示す。このトラクタの後部に3点リンク2によって掘り取り部23を支承する機枠体3の前部を連結してなる。12は装着フレームを示し、中央頂部にトップブラケット4を設けて、機枠体3の前方両側に固着した支軸6を支点として前後方向に回動可能に支持される。7はトップリンク支持ユニットで4のトップブラケットを支承する。トップブラケット4の前方にはトラクタに対して公知のトップリンク46が連結されている。8は断面縦長の支持バーを示して機枠体3左右の下方に向けて取り付けられている。一対の支持バー8の下端部には後方に向けて傾斜した掘り取り部23が設置されている。掘り取り部23の掘り取り刃体9は、その先端には刃体10を設け、その中間部には自転コンベヤ装置49を設け、さらにその後半部には振動板11を設けて第2油圧モーター22によって微振動される。19はクリーナを示し、掘り取り刃体9が後方にせり上げた栽培土ブロックの上面部を左右に排除して長いもの首を突出させるものである。クリーナ19は第1モーター18によって進行方向に直行して左右に揺動する。
24はリフトシリンダで支軸6を支点として、その伸縮によって装着枠12に対して機枠体3に支持された掘り取り刃体9の姿勢を昇降するものである。特に地中内の掘り取り部23を地上に持ち上げて、その地上高を確保するためのものである。
44はトラクタに装備された油圧アームを示し、25のロアリンクを上下に昇降するものである。45は機枠体3の後方に設けたリフトステイを示し、装着フレーム12の頂部とに24のリフトシリンダを介して連結される。49は自転コンベヤ装置で掘り取り刃体9を形成する刃体10と振動板11の間に設置される掘り取り板9-1の上部に設けられて、それらの表面が同一面に形成される。従って土中の長いもを収穫する際はまず、刃体10が長いもの下側に挿入されて進行し、栽培土ブロックを形成しながら浮上を始め、49の自転コンベヤ装置の無端ベルト50が栽培土の土圧を受けて自転して上昇する。この時無端ベルト50の回転が土圧を軽減し、さらに振動板11の振動によって栽培土ブロックが解されて、浮上した長いもの首は突出されて作業者が把持する。
図2は本発明の一部を省略した平面図であり、46はトップリンクで25はロアリンクを示し三点リンクを構成し、トップリンク46は装着フレーム12のトップブラケット7に連結されて、ロアリンク25は機枠体3の前方両側に連結される。5はトラクタの後部に設けているPTO出力軸を示し、油圧ポンプ18を直接に駆動するもので、17のホースを設けて掘り取り部側の油圧モーターに伝動される。油圧ポンプ18は第1モーター18と第2モーター22を駆動する。第1モーター18は19のクリーナを左右に揺動する手段に連結される。第2の油圧モーター22は掘り取り体9の後半部の振動板11を振動させる。49の自転コンベヤ装置は支持バー8の内側で前後に渡って配置される。20は横軸-1、47は横軸―2を示し前記の機枠体3に横設される。21はパイプ軸で横設した横軸-1、横軸―2に対して摺動可能に構成されている。
【0010】
図3は長いもを掘削進行する正面図を示す。掘り取り刃体9の両側部には縦長断面の支持バー8の下端部が固着されている。支持バー8の基部は21のパイプ軸に固着される。パイプ軸21は20の横軸―1を摺動可能に形成される。掘り取り刃体9は先端に刃体10が設けられ、49の自転コンベヤ装置とともに後部が上方に向けて傾斜され、さらに後端は微振動される振動板11が連結される。15はスライドシリンダを示し、一端は機枠体3の側部に固着され、他方はパイプ軸21に連結され、このパイプ軸21の下部に掘り取り部23を設けて所望に応じて左右にスライドする。7はトップリンク支持ユニットを示しシェアボールト32を介して装着フレームの頂部に配置される。シェアボールト32は垂直方向に1本配置される。31は長いもを示し、掘り取り刃体9の推進と、左右の支持バー8の掘削によってブロック状の栽培土と共に上昇する状態である。掘り取り刃体9は支持バー8により支持され、スライドシリンダ15の伸縮により横軸―1を摺動して長いもの中心位置に合わせる。
図4は掘り取り掘削部の昇降説明図である。トラクタ後部の3点リンク2によって機枠体3と掘り取り部23全体が上下に昇降し、24のリフトシリンダの伸縮によって装着フレーム12にたいして掘り取り部23がさらに回動しながら上昇して掘り取り刃体9が地上に抜けて一定の地上高を有する。この時、トラクタの機種やメーカーによって地上高が足りない場合はトップリンク支持ユニット7のトップブラケット4をさらに後方に回動させてトップリンク46の支点を後方に移動させると良い。
図5はトップリンク支持ユニット7の作用説明図で、図6はトップリンク支持ユニット7の斜視図であり、合わせて構成を説明すると、43は台座ボックスで側面の断面がL字状で装着フレーム12の頂部に溶着されて、基軸39によって支持ケース42を回動自在に支承する。6はトップブラケットで42の支持ケースに対して横ピン40によって回動自在に支承される。41はストッパピンで支持ケース42に対して摺動自在に取り付けられて、トップブラケット6が前後に移動するときは抜いて、前後の位置が決まった時に挿入するとストッパになる。32は台座ボックス43の底板と支持ケース42の底板49とを固着したシェアボールトを示す。シェアボールト32は装着フレーム12頂部に垂直方向に1本配置し、その破断強度は機体枠の破損寸前に切断するように設定されている。43はあたり面―1でトップブラケット6が前面に倒された時の位置固定面である。図5の48はあたり面―2でトップブラケット6が後方に倒された時の位置固定面である。シェアボールト32は予め、掘り取り掘削部23及びリフトシリンダ24に、岩石などの衝撃力が発生したとき、機体枠の横軸の破損強度に対する強度よりも幾分弱く設定する。従って地下に埋設される岩石に掘り取り部23が衝突したときは機体枠やリフトシリンダ24よりもシェアボールト32が先に切断されて機体の破損は保護される。万が一シェアボールト32が切断された時、障害物の岩石を取り除いて、トップリンク46を操作して、シェボールト32を交換するだけで復元する。
図7はクリーナ19の駆動説明図を示す。前記した第1油圧モーター18の出力軸に取り付けた駆動スプロケット29は適宜減速された従動スプロケット34を回転する。クリーナ19の掻き棒38は支点軸37のボス軸36に回転自在に支持される。38の掻き棒は従動スプロケット34に繋いだ連結ロッド35によって左右に搖動されて、掘り取り時に浮上する栽培土の表面を左右に掃いて長いもの首を突出させる。
図8振動板11の駆動説明図を示したもので、11は振動板の後面である。22は第2油圧モーターを示し、前記した油圧ポンプ18より伝導される17のホースによって連結される。前記した第2油圧モーターは27のステイに固着されて、偏心軸26の回転により連結棒28を介して振動板11を上下に振動させる。クリーナ19と振動板11はトラクタ側に装備された油圧ポンプ18からホースを介して伝動されている。
図9は従来の掘り取り説明図である。8の支持バーに支承された掘り取り刃体9は先端の刃体10と、中間部の掘り取り板9-1と後半部の振動板11とからなり、トラクタの進行によって長芋とともに栽培土ブロックが摺動し浮上する状態図である。従来のものでは硬質な土質や長芋の成長が大きな場合は掘り取り刃体9の摺動反力によって背圧が発生して栽培土ブロックが崩壊し長芋の表面に擦り傷が発生する場合があり、時には折損することがあった。
図10は本発明の自転コンベヤ装置の斜視図を示し、10は刃体で、49は自転コンベヤ装置で11は振動板を示している。自転コンベヤ装置49は支持フレーム52に複数列の横ローラ51を配置して、止めネジ54によって回転自在に固着されて、その外周に無端ベルト50をかけ渡して成る。
図11は自転コンベヤ装置49の先端回動部の説明図を示し、52の支持フレームに横ローラを適宜数配列し、その先端部は左右に回動リンク53を介して連結して折りたたみ可能である。55は土砂カバーで土中内の掘り取り時に混入する土砂を排除するものである。しかし長時間の土中での使用により土砂が混入して滞留される。
図12は自転コンベヤ装置49の先端折りたたみ説明図である。前記した無端ベルト50の内部に土砂混入時は、この先端部の折り畳みにより無端ベルト50を開放して容易に清掃することが出来る。
【産業上の利用可能性】
(【0011】以降は省略されています)
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