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公開番号2024111535
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-19
出願番号2023016103
出願日2023-02-06
発明の名称最適配電網切替手順算出システム及び最適配電網切替手順算出方法
出願人株式会社明電舎
代理人園田・小林弁理士法人
主分類G06N 10/60 20220101AFI20240809BHJP(計算;計数)
要約【課題】電力損失を最小に抑えつつ、ある配電網から最適な配電網までの切替手順を算出することが可能な最適配電網切替手順算出システム及び最適配電網切替手順算出方法を提供する。
【解決手段】評価関数生成部4は、各種制約条件40と入力された配電網の開閉状態データ41から「一定回数の切替手順で到達できる範囲」で、電力損失を最小にする配電網(の開閉器の開閉状態)を算出するための評価関数を生成する。配電網算出部5は、上記生成した評価関数を量子コンピュータに渡す。配電網最適判定部6は、量子コンピュータによる最適化処理の収束を判定する。配電網差分抽出部7は、最適化処理が収束したと判定された場合、前回との差分(一定回数の切替手順)を抽出する。切替手順構築部9は、収束したと判定された場合に、一定回数の切替手順をつなぎ合わせて初期状態から最適解までの切替手順を構築し、最適配電網及び切替手順を出力する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
量子コンピュータを用いて複数の開閉器を有する配電網の最適化を行う最適配電網切替手順算出システムであって、
複数の制約条件を算出する制約条件算出部と、
前記制約条件算出部により算出された前記複数の制約条件と、入力された前記配電網が有する前記複数の開閉器における開閉状態とに基づいて、1回の切り替えで到達できる範囲で電力損失を最小にする配電網を算出するための評価関数を生成する評価関数生成部と、
前記評価関数生成部により生成された前記評価関数を前記量子コンピュータに渡し、電力損失を最小に抑える最適配電網を算出させる配電網算出部と、
前記量子コンピュータによって算出された新たな配電網の電力損失と、これより1回前に算出された配電網の電力損失とを比較し、前記新たな配電網の電力損失が前記1回前に算出された配電網の電力損失よりも小さいか否かに基づいて、前記量子コンピュータによる最適化処理が収束したか否かを判定する配電網最適判定部と、
前記配電網最適判定部によって前記量子コンピュータによる最適化処理が収束していないと判定された場合に、前記新たな配電網の前記複数の開閉器における開閉状態と前記1回前に算出された配電網の前記複数の開閉器における開閉状態との差分を、一定回の切替手順として抽出する配電網差分抽出部と、
前記配電網最適判定部で電力損失が収束したと判定された場合に、前記配電網差分抽出部によって抽出された前記複数の開閉器における開閉状態の差分に基づいて、初期状態から最適解までの前記複数の開閉器の切替手順を構築して出力する切替手順構築部と、
を備えることを特徴とする最適配電網切替手順算出システム。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
前記評価関数生成部は、前記量子コンピュータに対して、n回(n>1)の切り替えで到達できる範囲で電力損失を最小にする配電網を算出させるように前記評価関数を生成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の最適配電網切替手順算出システム。
【請求項3】
前記評価関数生成部は、前記量子コンピュータによる最適解の算出と同時に、k回(1≦k≦n、n>1)の切替手順算出と制約条件の確認とを行うことで評価関数を算出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の最適配電網切替手順算出システム。
【請求項4】
前記評価関数生成部は、前記量子コンピュータに対して、n回(n>1)の切り替えで到達できる範囲で電力損失を最小にする配電網を探索させることを繰り返し、前記n回の切り替えでは電力損失がさらに小さくなる配電網が見つからなくなった場合に、さらに、n+1回、n+2回、…m回(m>n)の切り替えまで探索範囲を拡げて、電力損失を最小にする配電網を算出させるように評価関数を算出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の最適配電網切替手順算出システム。
【請求項5】
量子コンピュータを用いて複数の開閉器を有する配電網の最適化を行う最適配電網切替手順算出方法であって、
複数の制約条件を算出すること、
前記算出された前記複数の制約条件と、入力された前記配電網が有する前記複数の開閉器における開閉状態とに基づいて、1回の切り替えで到達できる範囲で電力損失を最小にする配電網を算出するための評価関数を生成すること、
前記生成された評価関数を前記量子コンピュータに渡し、電力損失を最小に抑える最適配電網を算出させることと、
前記量子コンピュータによって算出された新たな配電網の電力損失と、これより1回前に算出された配電網の電力損失とを比較し、前記新たな配電網の電力損失が前記1回前に算出された配電網の電力損失よりも小さいか否かに基づいて、前記量子コンピュータによる最適化処理が収束したか否かを判定すること、
前記量子コンピュータによる最適化処理が収束していないと判定された場合に、前記新たな配電網の前記複数の開閉器における開閉状態と前記1回前に算出された配電網の前記複数の開閉器における開閉状態との差分を、一定回の切替手順として抽出すること、
前記電力損失が収束したと判定された場合に、前記抽出された前記複数の開閉器における開閉状態の差分に基づいて、初期状態から最適解までの前記複数の開閉器の切替手順を構築して出力すること、
を含むことを特徴とする最適配電網切替手順算出方法。
【請求項6】
前記評価関数は、前記量子コンピュータに対して、n回(n>1)の切り替えで到達できる範囲で電力損失を最小にする配電網を算出させるように生成される、
ことを特徴とする請求項5に記載の最適配電網切替手順算出方法。
【請求項7】
前記評価関数は、前記量子コンピュータによる最適解の算出と同時に、k回(1≦k≦n、n>1)の切替手順算出と制約条件の確認とを行うことで算出される、
ことを特徴とする請求項5に記載の最適配電網切替手順算出方法。
【請求項8】
前記評価関数は、一定回数の切替手順として、前記量子コンピュータに対して、n回(n>1)の切り替えで到達できる範囲で電力損失を最小にする配電網を探索させることを繰り返し、前記n回の切り替えでは電力損失がさらに小さくなる配電網が見つからなくなった場合に、さらに、n+1回、n+2回、…m回(m>n)の切り替えまで探索範囲を拡げて、電力損失を最小にする配電網を算出させるように生成される、
ことを特徴とする請求項5に記載の最適配電網切替手順算出方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、最適配電網切替手順算出システム及び最適配電網切替手順算出方法に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来、配電網を構築するには、配電線を区分開閉器により複数の区間に分割し、それぞれの区間を隣接する他の区間と開閉器により接続したり切断したりすることで、通過電流の許容値に収めたり、規定された電圧に保持する等の制約条件を満たすように、最適なネットワーク構成となるような組み合わせを求める。
【0003】
特許文献1には、開閉器で区切られた区間をブロック、複数の開閉器の開閉状態を任意の整数a、bとして{a,b}の2値変数で表し、電力損失の評価関数を2値変数を用いて定式化し、アニーリングマシンへ適用して電力損失が少ない開閉器の組み合わせによる供給経路を求める技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第6736787号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、いくつか解決すべき問題点は含んでいるものの、量子コンピュータを用いることにより最適な配電網の算出は高速で行うことが可能である。しかしながら、実際の利用場面を考えた場合、最適な配電網を算出できたとしても、現在の配電網から最適な配電網まで、「停電を起こさない」、「各需要点が複数の供給源とつながらない」といった条件を満たしながら、どのように切り替えて行くのかの手順が示されなければ、配電網を最適な状態にまで変更することはできないという問題がある。
【0006】
そこで本発明は、電力損失を最小に抑えつつ、ある配電網から最適な配電網までの切替手順を算出することが可能な最適配電網切替手順算出システム及び最適配電網切替手順算出方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明の最適配電網切替手順算出システムは、量子コンピュータを用いて複数の開閉器を有する配電網の最適化を行う最適配電網切替手順算出システムであって、複数の制約条件を算出する制約条件算出部と、前記制約条件算出部により算出された前記複数の制約条件と、入力された前記配電網が有する前記複数の開閉器における開閉状態とに基づいて、1回の切り替えで到達できる範囲で電力損失を最小にする配電網を算出するための評価関数を生成する評価関数生成部と、前記評価関数生成部により生成された前記評価関数を前記量子コンピュータに渡し、電力損失を最小に抑える最適配電網を算出させる配電網算出部と、前記量子コンピュータによって算出された新たな配電網の電力損失と、これより1回前に算出された配電網の電力損失とを比較し、前記新たな配電網の電力損失が前記1回前に算出された配電網の電力損失よりも小さいか否かに基づいて、前記量子コンピュータによる最適化処理が収束したか否かを判定する配電網最適判定部と、前記配電網最適判定部によって前記量子コンピュータによる最適化処理が収束していないと判定された場合に、前記新たな配電網の前記複数の開閉器における開閉状態と前記1回前に算出された配電網の前記複数の開閉器における開閉状態との差分を、一定回の切替手順として抽出する配電網差分抽出部と、前記配電網最適判定部で電力損失が収束したと判定された場合に、前記配電網差分抽出部によって抽出された前記複数の開閉器における開閉状態の差分に基づいて、初期状態から最適解までの前記複数の開閉器の切替手順を構築して出力する切替手順構築部と、を備えることを特徴とする。
但し、ここでいう量子コンピュータはアニーリングマシン、汎用量子コンピュータのどちらかを限定するものではなく、汎用量子コンピュータの場合は、量子近似最適化アルゴリズムなどの組合せ最適化アルゴリズムによる導出を意味するものとする。
【0008】
また、本発明の最適配電網切替手順算出方法は、量子コンピュータを用いて複数の開閉器を有する配電網の最適化を行う最適配電網切替手順算出方法であって、複数の制約条件を算出すること、前記算出された前記複数の制約条件と、入力された前記配電網が有する前記複数の開閉器における開閉状態とに基づいて、1回の切り替えで到達できる範囲で電力損失を最小にする配電網を算出するための評価関数を生成すること、前記生成された評価関数を前記量子コンピュータに渡し、電力損失を最小に抑える最適配電網を算出させることと、前記量子コンピュータによって算出された新たな配電網の電力損失と、これより1回前に算出された配電網の電力損失とを比較し、前記新たな配電網の電力損失が前記1回前に算出された配電網の電力損失よりも小さいか否かに基づいて、前記量子コンピュータによる最適化処理が収束したか否かを判定すること、前記量子コンピュータによる最適化処理が収束していないと判定された場合に、前記新たな配電網の前記複数の開閉器における開閉状態と前記1回前に算出された配電網の前記複数の開閉器における開閉状態との差分を、一定回の切替手順として抽出すること、前記電力損失が収束したと判定された場合に、前記抽出された前記複数の開閉器における開閉状態の差分に基づいて、初期状態から最適解までの前記複数の開閉器の切替手順を構築して出力すること、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、電力損失を最小に抑えつつ、ある配電網から最適な配電網までの切替手順を算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の実施形態による最適配電網切替手順算出システム1の構成を示すブロック図である。
本発明の実施形態による最適配電網算出部1-1の構成を示すブロック図である。
本実施形態による最適配電網算出部1-1での制約条件算出動作を説明するためのフローチャートである。
本実施形態による最適配電網算出部1-1での配電網のネットワーク解析を説明するための概念図である。
本実施形態による最適配電網算出部1-1での配電網の木構造の抽出方法におけるブロック間の関係のみに着目した場合の木構造を示す概念図である。
本実施形態による最適配電網算出部1-1での配電網の木構造の抽出方法の説明するための概念図である。
本実施形態による最適配電網算出部1-1の配電網の木構造の抽出方法の説明するための概念図である。
本実施形態による最適配電網算出部1-1での配電網全体から抽出した木構造と各ブロック内での木構造との対応関係を示す概念図である。
本実施形態による最適配電網算出部1-1での電力損失の算出方法を説明するための概念図である。
本実施形態による最適配電網算出部1-1での次数削減条件の算出で用いる制約項を示す概念図である。
本実施形態による切替手順構築動作を説明するためのフローチャートである。
本実施形態において、1回の切り替えによる開閉動作(実施例1)を説明するための概念図である。
本実施形態において、2回の切り替えによる開閉動作(実施例2)を説明するための概念図である。
本実施形態において、可変切替回数による逐次探索動作(実施例4)を説明するためのフローチャートである。
本実施形態において、配電網差分抽出部7における実施例2での差分イメージを説明するための概念図である。
本実施形態において、配電網差分抽出部7における実施例2でのk個の切替手順動作を説明するための概念図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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