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公開番号2024110107
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-15
出願番号2023014476
出願日2023-02-02
発明の名称ウナギ目魚類の養殖方法
出願人国立大学法人 宮崎大学,山田水産株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類A01K 61/10 20170101AFI20240807BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約【課題】低コストで歩留まりを向上させることができるウナギ目魚類の養殖方法を提供する。
【解決手段】所定以上の期間で淡水である飼育水にて飼育していたウナギ目魚類を、所定以上の期間で所定塩分濃度の飼育水にて馴致させる馴致工程と、馴致工程の後に、淡水である飼育水に戻して飼育する復帰飼育工程と、を備える。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
所定以上の期間で淡水である飼育水にて飼育していたウナギ目魚類を、所定以上の期間で所定塩分濃度の飼育水にて馴致させる馴致工程と、
前記馴致工程の後に、淡水である飼育水に戻して飼育する復帰飼育工程と、
を備えることを特徴とするウナギ目魚類の養殖方法。
続きを表示(約 530 文字)【請求項2】
前記馴致工程は、3から5週間の期間で行われることを特徴とする請求項1に記載のウナギ目魚類の養殖方法。
【請求項3】
前記馴致工程で用いられる飼育水は、海水と淡水が混合されて構成され、海水が全体量の50%以上含まれていることを特徴とする請求項1に記載のウナギ目魚類の養殖方法。
【請求項4】
前記馴致工程で用いられる飼育水は、海水であることを特徴とする請求項1に記載のウナギ目魚類の養殖方法。
【請求項5】
前記馴致工程は、全体量の50%~80%の割合で海水が含まれる前記海水と淡水が混合されて構成される飼育水である飼育水で飼育される第1海水飼育と、前記第1海水飼育の育成水よりも海水の割合の大きい飼育水で飼育される第2海水飼育と、を含むことを特徴とする請求項1に記載のウナギ目魚類の養殖方法。
【請求項6】
前記復帰飼育工程は、少なくとも2ヶ月以上行われることを特徴とする請求項1に記載のウナギ目魚類の養殖方法。
【請求項7】
前記馴致工程は、0.5gから13gまでの稚魚に対して行われることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のウナギ目魚類の養殖方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ウナギ目魚類の養殖方法に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【0002】
従来からニホンウナギ等のウナギ目魚類の養殖が行われているが、ニホンウナギは淡水魚であることから、その養殖は淡水の流水池や養鰻設備(例えば、特許文献1参照。)などで行われてきた。ウナギの養殖では、成長優良個体や成長不良個体が生じ、成長不良個体は相対的に成長が不良であり、その他の成長優良個体が出荷サイズまで成長する頃に、出荷サイズに満たない。そのため、従来のウナギ養殖では、成長不良個体は処分するか、通常よりも長期間にわたる飼育期間を経ることにより、根気強く出荷サイズまで成長させるという対応がとられている。
【0003】
特に1970年代に入ってからは、ニホンウナギの養殖に必須な天然シラスウナギの漁獲量は激減しており、食品としてのウナギの価格は高騰傾向にあり、成長不良個体を処分するという対応は適切ではないものの、長期間にわたる飼育はコストがかかり、価格高騰に影響してしまうという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
実願昭61-110771号(実開昭63-15773号)のマイクロフィルム(第4頁、第1図参照)
特開2019-180374号公報(第4頁、第1図参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、成長不良個体の成長を促進させ、これまでより短い飼育期間で出荷サイズまで成長させる、つまり歩留まりを向上させる試みが従来から行われてきた。例えば、特許文献2に記載の養鰻設備は、曝気装置に加えて、飼育水に酸素バブルを供給する酸素バブル供給装置を備え、飼育水中の酸素量を増やすことで、成長不良個体の成長を促しているが、設備の導入コストが高く、普及の障壁となる虞があり、低コストで歩留まりを向上させることができる方法が望まれている。
【0006】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、低コストで歩留まりを向上させることができるウナギ目魚類の養殖方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明のウナギ目魚類の養殖方法は、
所定以上の期間で淡水である飼育水にて飼育していたウナギ目魚類を、所定以上の期間で所定塩分濃度の飼育水にて馴致させる馴致工程と、
前記馴致工程の後に、淡水である飼育水に戻して飼育する復帰飼育工程と、
を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、ウナギ目魚類は、一時的に海水を含む飼育水に馴致させた後に淡水に戻されると、淡水のみで飼育した場合に比べて、摂餌量が増大して成長が促進され、成長不良個体を、これまでより短い飼育期間で出荷サイズまで成長させることができる。つまり、馴致工程に必要な海水を用意できさえすればよく、低コストで歩留まりを向上させることができる。
【0008】
前記馴致工程は、3から5週間の期間で行われることを特徴としている。
この特徴によれば、馴致工程が3から5週間行われた場合に、特にその後の復帰飼育工程での摂餌量の増大が顕著に示された。
【0009】
前記馴致工程で用いられる飼育水は、海水と淡水が混合されて構成され、海水が全体量の50%以上含まれていることを特徴としている。
この特徴によれば、海水が全体量の50%以上含まれている飼育水を用いた場合に、特にその後の復帰飼育工程での摂餌量の増大が顕著に示された。
【0010】
前記馴致工程で用いられる飼育水は、海水であることを特徴としている。
この特徴によれば、海水である飼育水を用いた場合に、特にその後の復帰飼育工程での体重・体長の増大が顕著に示された。
(【0011】以降は省略されています)

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