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公開番号2024106894
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-08
出願番号2023011376
出願日2023-01-27
発明の名称バイオマス燃焼灰の処理方法及びセメント原料の製造方法
出願人住友大阪セメント株式会社
代理人弁理士法人大谷特許事務所
主分類B09B 3/80 20220101AFI20240801BHJP(固体廃棄物の処理;汚染土壌の再生)
要約【課題】バイオマス燃焼灰からより効率的にアルカリ含有鉱物を除去することができる、バイオマス燃焼灰の処理方法及びセメント原料の製造方法を提供する。
【解決手段】アルカリ含有鉱物を含むバイオマス燃焼灰、アルカリ土類金属化合物、及び水を混合して水熱処理することと、水熱処理の後に前記バイオマス燃焼灰、前記アルカリ土類金属化合物、及び水を含む混合物から前記バイオマス燃焼灰を分離して、前記バイオマス燃焼灰から前記アルカリ含有鉱物を除去することと、を含む、バイオマス燃焼灰の処理方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
アルカリ含有鉱物を含むバイオマス燃焼灰、アルカリ土類金属化合物、及び水を混合して水熱処理することと、水熱処理の後に前記バイオマス燃焼灰、前記アルカリ土類金属化合物、及び水を含む混合物から前記バイオマス燃焼灰を分離して、前記バイオマス燃焼灰から前記アルカリ含有鉱物を除去することと、を含む、バイオマス燃焼灰の処理方法。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
前記アルカリ土類金属化合物が、塩化カルシウム、水酸化カルシウム、塩化マグネシウム、炭酸マグネシウム、及び、塩基性炭酸マグネシウムの中から選択される少なくとも一種以上である、請求項1に記載のバイオマス燃焼灰の処理方法。
【請求項3】
100℃以上300℃以下で前記水熱処理を行う、請求項1または請求項2に記載のバイオマス燃焼灰の処理方法。
【請求項4】
前記バイオマス燃焼灰、アルカリ土類金属化合物(A)、及び、水を混合して水熱処理(A)を行うことと、
水熱処理(A)の後の前記前記バイオマス燃焼灰、前記アルカリ土類金属化合物(A)、及び、水を含む混合液から前記バイオマス燃焼灰を回収することと、
回収された前記バイオマス燃焼灰、アルカリ土類金属化合物(B)、及び、水を混合して水熱処理(B)を行うことと、
水熱処理(B)の後に前記バイオマス燃焼灰、前記アルカリ土類金属化合物(B)、及び水を含む混合物から前記バイオマス燃焼灰を分離して、前記バイオマス燃焼灰から前記アルカリ含有鉱物を除去することと、を含む、請求項1または請求項2に記載のバイオマス燃焼灰の処理方法。
【請求項5】
前記アルカリ土類金属化合物(A)が、塩化カルシウム、水酸化カルシウム、塩化マグネシウム、炭酸マグネシウム、及び、塩基性炭酸マグネシウムの中から選択される少なくとも一種以上であり、
前記アルカリ土類金属化合物(B)が、塩化カルシウム、水酸化カルシウム、塩化マグネシウム、炭酸マグネシウム、及び、塩基性炭酸マグネシウムの中で、前記アルカリ土類金属化合物(A)以外の化合物の中から選択される少なくとも一種以上である、請求項4に記載のバイオマス燃焼灰の処理方法。
【請求項6】
アルカリ含有鉱物を含むバイオマス燃焼灰、アルカリ土類金属化合物、及び水を混合して水熱処理することと、水熱処理の後に前記バイオマス燃焼灰、前記アルカリ土類金属化合物、及び水を含む混合物から前記バイオマス燃焼灰を分離して、前記バイオマス燃焼灰から前記アルカリ含有鉱物を除去することと、を含む、セメント原料の製造方法。
【請求項7】
前記アルカリ土類金属化合物が、塩化カルシウム、水酸化カルシウム、塩化マグネシウム、炭酸マグネシウム、及び、塩基性炭酸マグネシウムの中から選択される少なくとも一種以上である、請求項6に記載のセメント原料の製造方法。
【請求項8】
100℃以上300℃以下で前記水熱処理を行う、請求項6または請求項7に記載のセメント原料の製造方法。
【請求項9】
前記バイオマス燃焼灰、アルカリ土類金属化合物(A)、及び、水を混合して水熱処理(A)を行うことと、
水熱処理(A)の後の前記前記バイオマス燃焼灰、前記アルカリ土類金属化合物(A)、及び、水を含む混合液から前記バイオマス燃焼灰を回収することと、
回収された前記バイオマス燃焼灰、アルカリ土類金属化合物(B)、及び、水を混合して水熱処理(B)を行うことと、
水熱処理(B)の後に前記バイオマス燃焼灰、前記アルカリ土類金属化合物(B)、及び水を含む混合物から前記バイオマス燃焼灰を分離して、前記バイオマス燃焼灰から前記アルカリ含有鉱物を除去することと、を含む、請求項6または請求項7に記載のセメント原料の製造方法。
【請求項10】
前記アルカリ土類金属化合物(A)が、塩化カルシウム、水酸化カルシウム、塩化マグネシウム、炭酸マグネシウム、及び、塩基性炭酸マグネシウムの中から選択される少なくとも一種以上であり、
前記アルカリ土類金属化合物(B)が、塩化カルシウム、水酸化カルシウム、塩化マグネシウム、炭酸マグネシウム、及び、塩基性炭酸マグネシウムの中で、前記アルカリ土類金属化合物(A)以外の化合物の中から選択される少なくとも一種以上である、請求項9に記載のセメント原料の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、バイオマス燃焼灰の処理方法に関する。また、本発明は、バイオマス燃焼灰を用いたセメント原料の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
木質チップ等を燃焼処理した際に発生する燃焼灰(主灰、飛灰、混合灰等、以下、単に「バイオマス燃焼灰」と称する)は、セメント原料として有効利用される。
バイオマス燃焼灰には、アルカリ成分を含む化合物等が多量に含まれる。バイオマス燃焼灰をそのままセメント原料に用いると、アルカリ成分がセメント焼成時に悪影響を及ぼす可能性があるとともに、得られるセメントが品質に劣る虞がある。このため、バイオマス燃焼灰をセメント原料として用いる場合には、アルカリ成分等を水洗処理等によって予め除去することが一般的である。
【0003】
バイオマス燃焼灰中には、水溶性のアルカリ含有化合物のほか、難水溶性のアルカリ含有化合物が含まれる場合がある。具体的に、アルカリ成分の一部は、アルカリ長石(正長石や微斜長石)、斜長石(曹長石や灰長石)、準長石等の難水溶性のアルカリ含有鉱物として存在する。セメント原料としてより高品質なバイオマス燃焼灰を得るためには、これらのアルカリ含有鉱物を除去し、バイオマス燃焼灰中のアルカリ成分を更に低減することが求められる。
【0004】
特許文献1には、二酸化炭素を含む水を用いてアルカリ含有鉱物を含む燃焼灰を洗浄することにより、アルカリ含有鉱物を分解して燃焼灰から除去することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2020-158321号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、バイオマス燃焼灰からより効率的に難水溶性のアルカリ含有鉱物を除去することができる、バイオマス燃焼灰の処理方法及びセメント原料の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らが検討した結果、バイオマス燃焼灰をアルカリ土類金属化合物と混合して水熱処理することにより、難水溶性のアルカリ含有鉱物が分解されて水に溶出し、バイオマス燃焼灰から分離除去することができることを見出した。
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、以下の[1]~[10]を提供する。
[1]アルカリ含有鉱物を含むバイオマス燃焼灰、アルカリ土類金属化合物、及び水を混合して水熱処理することと、水熱処理の後に前記バイオマス燃焼灰、前記アルカリ土類金属化合物、及び水を含む混合物から前記バイオマス燃焼灰を分離して、前記バイオマス燃焼灰から前記アルカリ含有鉱物を除去することと、を含む、バイオマス燃焼灰の処理方法。
[2]前記アルカリ土類金属化合物が、塩化カルシウム、水酸化カルシウム、塩化マグネシウム、炭酸マグネシウム、及び、塩基性炭酸マグネシウムの中から選択される少なくとも一種以上である、[1]に記載のバイオマス燃焼灰の処理方法。
[3]100℃以上300℃以下で前記水熱処理を行う、[1]または[2]に記載のバイオマス燃焼灰の処理方法。
[4]前記バイオマス燃焼灰、アルカリ土類金属化合物(A)、及び、水を混合して水熱処理(A)を行うことと、水熱処理(A)の後の前記前記バイオマス燃焼灰、前記アルカリ土類金属化合物(A)、及び、水を含む混合液から前記バイオマス燃焼灰を回収することと、回収された前記バイオマス燃焼灰、アルカリ土類金属化合物(B)、及び、水を混合して水熱処理(B)を行うことと、水熱処理(B)の後に前記バイオマス燃焼灰、前記アルカリ土類金属化合物(B)、及び水を含む混合物から前記バイオマス燃焼灰を分離して、前記バイオマス燃焼灰から前記アルカリ含有鉱物を除去することと、を含む、[1]~[3]のいずれかに記載のバイオマス燃焼灰の処理方法。
[5]前記アルカリ土類金属化合物(A)が、塩化カルシウム、水酸化カルシウム、塩化マグネシウム、炭酸マグネシウム、及び、塩基性炭酸マグネシウムの中から選択される少なくとも一種以上であり、前記アルカリ土類金属化合物(B)が、塩化カルシウム、水酸化カルシウム、塩化マグネシウム、炭酸マグネシウム、及び、塩基性炭酸マグネシウムの中で、前記アルカリ土類金属化合物(A)以外の化合物の中から選択される少なくとも一種以上である、[4]に記載のバイオマス燃焼灰の処理方法。
【0009】
[6]アルカリ含有鉱物を含むバイオマス燃焼灰、アルカリ土類金属化合物、及び水を混合して水熱処理することと、水熱処理の後に前記バイオマス燃焼灰、前記アルカリ土類金属化合物、及び水を含む混合物から前記バイオマス燃焼灰を分離して、前記バイオマス燃焼灰から前記アルカリ含有鉱物を除去することと、を含む、セメント原料の製造方法。
[7]前記アルカリ土類金属化合物が、塩化カルシウム、水酸化カルシウム、塩化マグネシウム、炭酸マグネシウム、及び、塩基性炭酸マグネシウムの中から選択される少なくとも一種以上である、[6]に記載のセメント原料の製造方法。
[8]100℃以上300℃以下で前記水熱処理を行う、[6]または[7]に記載のセメント原料の製造方法。
[9]前記バイオマス燃焼灰、アルカリ土類金属化合物(A)、及び、水を混合して水熱処理(A)を行うことと、水熱処理(A)の後の前記前記バイオマス燃焼灰、前記アルカリ土類金属化合物(A)、及び、水を含む混合液から前記バイオマス燃焼灰を回収することと、回収された前記バイオマス燃焼灰、アルカリ土類金属化合物(B)、及び、水を混合して水熱処理(B)を行うことと、水熱処理(B)の後に前記バイオマス燃焼灰、前記アルカリ土類金属化合物(B)、及び水を含む混合物から前記バイオマス燃焼灰を分離して、前記バイオマス燃焼灰から前記アルカリ含有鉱物を除去することと、を含む、[6]~[8]のいずれかに記載のセメント原料の製造方法。
[10]前記アルカリ土類金属化合物(A)が、塩化カルシウム、水酸化カルシウム、塩化マグネシウム、炭酸マグネシウム、及び、塩基性炭酸マグネシウムの中から選択される少なくとも一種以上であり、前記アルカリ土類金属化合物(B)が、塩化カルシウム、水酸化カルシウム、塩化マグネシウム、炭酸マグネシウム、及び、塩基性炭酸マグネシウムの中で、前記アルカリ土類金属化合物(A)以外の化合物の中から選択される少なくとも一種以上である、[9]に記載のセメント原料の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、バイオマス燃焼灰からより効率的に難水溶性のアルカリ含有鉱物を除去することができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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