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公開番号2024141709
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-10
出願番号2023053501
出願日2023-03-29
発明の名称熱可塑性樹脂組成物の処理方法及び熱可塑性樹脂組成物の処理システム
出願人大阪瓦斯株式会社
代理人弁理士法人R&C
主分類B09B 3/60 20220101AFI20241003BHJP(固体廃棄物の処理;汚染土壌の再生)
要約【課題】有機溶媒を用いたり、生分解性樹脂に対して熱可塑性でんぷん以外に新たに添加物を添加したりすることなく、高効率でメタンを生成することができる、熱可塑性樹脂組成物の処理方法及び処理システムを実現することにある。
【解決手段】生分解性樹脂と熱可塑性でんぷんとから成る熱可塑性樹脂組成物を、溶媒を水として分解槽内で120℃以上の温度にて加水分解して、前記熱可塑性樹脂組成物の分解物を含む分解液を得る分解工程を含む熱可塑性樹脂組成物の処理方法。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
生分解性樹脂と熱可塑性でんぷんとから成る熱可塑性樹脂組成物を、溶媒を水として分解槽内で120℃以上の分解温度にて分解して、前記熱可塑性樹脂組成物の分解物を含む分解液を得る分解工程を含む、熱可塑性樹脂組成物の処理方法。
続きを表示(約 840 文字)【請求項2】
前記分解液を、メタン菌が存在するメタン発酵槽内で20℃以上60℃以下の温度にて処理するメタン発酵工程を含む、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物の処理方法。
【請求項3】
前記分解温度が120℃以上170℃以下である、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物の処理方法。
【請求項4】
前記分解工程の前に、前記生分解性樹脂と前記熱可塑性でんぷんとを混練して前記熱可塑性樹脂組成物を得る混練工程を含む、請求項1~3の何れか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物の処理方法。
【請求項5】
前記混練工程において、前記生分解性樹脂と前記熱可塑性でんぷんの比率を40:60~95:5として混練する、請求項4に記載の熱可塑性樹脂組成物の処理方法。
【請求項6】
前記分解液は水のみを前記溶媒とする、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物の処理方法。
【請求項7】
前記分解工程において、前記熱可塑性樹脂組成物1.0質量部に対して、0.30質量部以上20質量部以下の水を混合する、請求項6に記載の熱可塑性樹脂組成物の処理方法。
【請求項8】
前記生分解性樹脂と前記熱可塑性でんぷんの合計量は、前記熱可塑性樹脂組成物の80質量%以上を占める、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物の処理方法。
【請求項9】
前記生分解性樹脂は、ポリエステル系生分解性樹脂、特にPLA、PBS、PBAT又はPHAから選択され、少なくともこれらの樹脂が単独及び/又は複数含まれている請求項1~3の何れか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物の処理方法。
【請求項10】
生分解性樹脂と熱可塑性でんぷんとから成る熱可塑性樹脂組成物を、溶媒を水として分解槽内で120℃以上の分解温度にて分解して分解液を得る分解装置を含む、熱可塑性樹脂組成物の処理システム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性樹脂組成物の処理方法及び熱可塑性樹脂組成物の処理システムに関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来のプラスチックに代わる材料に関する研究開発が、近年盛んに行われている。その中でも、再生可能資源で作られたポリ乳酸(PLA)を主成分とする生分解性プラスチックは、微生物の力で分解されるため、環境に優しいバイオマスプラスチックである。バイオマスプラスチックでは、分解されにくい従来のプラスチックに代わり、レジ袋の材料として使用されたり、人体に吸収され得る特徴を活かして溶ける縫合糸などの医療用材料として用いられたりされている。
【0003】
近年、石油資源の急激な高騰によりバイオマス燃料への需要がますます高まっており、再生可能資源で作られたポリ乳酸等のバイオマスプラスチックを、メタン発酵によりメタンを含むバイオガスへ変換する試みが注目されている。
【0004】
特許文献1には、ポリ乳酸を,ポリ乳酸の1質量部に対して0.20質量部以上20質量部未満の水(液体)の共存下において,温度200℃未満で処理することにより,ポリ乳酸のモノマー化反応以外の反応を抑制しつつ,モノマー乳酸を回収することを特徴とする処理方法が開示されている。
【0005】
特許文献2には、生分解性酵素、緩衝剤、有機溶媒及び水を含有する分解液中で生分解性樹脂を分解する工程後に分解液をメタン発酵させる工程を含む、メタンガスの生成方法が開示されている。このメタンガスの生成方法では、有機溶媒のSP値(Hildebrand溶解度パラメータ)を8.5未満であるか又は11.5を超える値とし、分解液中の有機溶媒の含有率(体積含率)を1.0%よりも多く15%未満とすることで、乳酸を含む生分解性樹脂から効率よくメタンガスを生成することができることが記載されている。
【0006】
特許文献3には、ポリ乳酸と、脂肪族ポリエステル樹脂と、ポリ乳酸を可塑化するための可塑剤と、エポキシ基を有する増粘性ポリマーとで構成されたポリ乳酸樹脂組成物が開示されており、このポリ乳酸樹脂組成物を用いて可溶化試験を行っている。その結果として、ポリ乳酸80質量部に対してポリブチレンサクシネートアジペート5.0質量部加えて混練したポリ乳酸樹脂組成物を用いて可溶化試験を行った場合等には、経過時間144時間(6日間)で90%以上のメタン化率を達成したことが記載されており、メタン化反応を効率的に進行させることができるポリ乳酸樹脂組成物の作製に成功している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2006-274231号公報
特許第5696971号
特許第5674294号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の処理方法では、ポリ乳酸の加水分解に伴い酸が発生し、容器の腐食が起きて、分解液中に容器由来の不純物が混入することが想定されていなかった。そのため、特許文献1に記載の方法で処理した分解液を用いて乳酸からメタンガスを生成する際に、効率的にメタンガスを生成できない虞があった。
また、特許文献2に記載のメタンガスの生成方法は、生分解性酵素、緩衝材及び有機溶媒を使用して分解液を生成している。そのため、分解液生成時のコストが高くなる虞がある。また、分解液がメタン発酵槽に投入された際に、緩衝材及び有機溶媒が消化液に悪影響を及ぼす可能性があった。
さらに、特許文献3に記載のポリ乳酸樹脂組成物には、ポリブチレンサクシネートやポリブチレンサクシネートアジペート等の軟質樹脂の他にも可塑剤、増粘剤、アンチブロッキング剤やスリップ剤が添加されており、これらの添加剤がメタン化反応に及ぼす影響を無視することができなかった。また、メタン発酵槽に炭酸アンモニウムも投入されており、メタン発酵槽内がメタン発酵にとって適切なpHでない状態が発生する結果、メタン発酵を効率的に行うことができない虞があった。
【0009】
本発明の目的は、有機溶媒を用いないとともに、生分解性樹脂に対して熱可塑性でんぷん以外に新たに添加する添加物の量及びメタン発酵槽に投入される炭酸アンモニウム等の添加物の量を低減又は不要として、高効率でメタンを生成することができる、熱可塑性樹脂組成物の処理方法を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の熱可塑性樹脂組成物の処理方法の特徴構成は、
生分解性樹脂と熱可塑性でんぷんとから成る熱可塑性樹脂組成物を、溶媒を水として分解槽内で120℃以上の分解温度にて分解して、前記熱可塑性樹脂組成物の分解物を含む分解液を得る分解工程を含む点にある。
(【0011】以降は省略されています)

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