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公開番号
2024107656
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-08-09
出願番号
2023011692
出願日
2023-01-30
発明の名称
有機性廃棄物の処理装置
出願人
株式会社下瀬微生物研究所
代理人
個人
主分類
B09B
3/38 20220101AFI20240802BHJP(固体廃棄物の処理;汚染土壌の再生)
要約
【課題】攪拌装置の攪拌体と収容容器の周壁部との間における有機性廃棄物の噛み込み等のトラブルを防ぎメンテナンス性を向上させ得る有機性廃棄物の処理装置を提供する。
【解決手段】収容容器2と、収容部加熱手段Hと、攪拌装置3とを備える。攪拌装置3は、攪拌シャフト31と複数の攪拌羽根33とを有する。攪拌羽根33は、支持軸部34と、攪拌体35とを有する。攪拌体35は、送り面36a,36b,37a,37bと、周壁対向面36c,37cとを有する。送り面は、攪拌シャフト31の回転方向に対向する位置に設けられ、攪拌シャフト31の軸方向に対する有機性廃棄物の送り量を調節する。周壁対向面は、収容容器2の周壁部21の内周面ISに対向し、内周面ISと離間する位置に設けられる。周壁対向面には、周壁対向面から内周面ISに向かって突出し、周壁対向面よりも小さな面積で内周面ISに当接するスクレーパ部39が設けられる。
【選択図】図5
特許請求の範囲
【請求項1】
有機性廃棄物を収容する収容部を有する収容容器と、前記収容部を加熱する収容部加熱手段と、前記収容部で前記有機性廃棄物を攪拌する攪拌装置とを含み、微生物を利用して前記有機性廃棄物の有機成分を分解させる有機性廃棄物の処理装置であって、
前記収容容器は、筒状の周壁部と、前記周壁部の開口端を塞ぐ一対の端壁部とを有し、
前記一対の端壁部のいずれか一方は、生成物排出口を有し、
前記攪拌装置は、前記一対の端壁部に両端部が支持される攪拌シャフトと、前記攪拌シャフトの軸方向に所定間隔をもって取り付けられるとともに前記攪拌シャフトから放射状に延びる複数の攪拌羽根とを有し、
前記攪拌羽根は、前記攪拌シャフトに取り付けられる支持軸部と、前記支持軸部の先端部に取り付けられる攪拌体とを有し、
前記攪拌体は、前記攪拌シャフトの回転方向に対向する位置に設けられるとともに前記攪拌シャフトの軸方向に対する前記有機性廃棄物の送り量を調節する送り面と、前記周壁部の内周面に対向するとともに前記内周面と離間する位置に設けられる周壁対向面とを有し、
前記周壁対向面には、前記周壁対向面から前記内周面に向かって突出するとともに前記周壁対向面よりも小さな面積で前記内周面に当接するスクレーパ部が設けられている、
ことを特徴とする有機性廃棄物の処理装置。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
前記スクレーパ部のうち前記周壁部の前記内周面に当接する部分は、前記攪拌シャフトの軸方向に延びる直線状に形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の有機性廃棄物の処理装置。
【請求項3】
前記収容容器の前記周壁部は、断面半円状で山型の上側曲面部材と、断面半円状で谷型の下側曲面部材と、前記上側曲面部材の下端と前記下側曲面部材の上端とを接続する断面直線状の一対の中間平面部材とを有し、
前記下側曲面部材が、前記周壁部の下部を構成し、
前記下側曲面部材の内周半径は、前記スクレーパ部の回転半径よりも大きく設定され、
前記スクレーパ部は、前記周壁部の前記内周面の下端部のみ当接するように構成した、
ことを特徴とする請求項2に記載の有機性廃棄物の処理装置。
【請求項4】
前記攪拌体は、金属板から成る複数の要素部材を溶接することによって形成され、
前記要素部材は、前記支持軸部の先端部が挿通される第1孔部を有するとともに前記攪拌体の外壁の一部を形成する第1外部要素部材と、前記支持軸部の先端部が挿通される第2孔部を有するとともに前記攪拌体の内部に配置される内部要素部材とを含み、
前記支持軸部の先端部は、前記第1孔部を形成する壁面と前記第2孔部を形成する壁面とを支持した状態で前記第1外部要素部材と溶接されている、
ことを特徴とする請求項3に記載の有機性廃棄物の処理装置。
【請求項5】
前記送り面は、前記攪拌シャフトの第1の回転方向における前面側に設けられる第1送り面と、前記第1の回転方向とは逆側の第2の回転方向における前面側に設けられる第2送り面とを有し、
前記第1送り面は、前記第1の回転方向に対して傾斜状の平面に形成され、
前記第2送り面は、弧状の曲面に形成され、
前記攪拌シャフトが前記第1の回転方向に回転された場合、前記収容部の前記有機性廃棄物は、前記第1送り面により前記生成物排出口に送られるように構成され、
前記攪拌シャフトが前記第2の回転方向に回転された場合、前記収容部の前記有機性廃棄物は、前記第2送り面により前記生成物排出口に送られない状態を保持して攪拌されるように構成され、
前記スクレーパ部は、前記支持軸部の長手方向中心線を通るとともに前記攪拌シャフトの軸方向に延びるように配置され、
前記スクレーパ部を境界として前記第1の回転方向の側に前記第1送り面が配置され、
前記スクレーパ部を境界として前記第2の回転方向の側に前記第2送り面が配置されている、
ことを特徴とする請求項2~4のいずれか1項に記載の有機性廃棄物の処理装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機性廃棄物の処理装置に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、有機性廃棄物を発酵乾燥処理する処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の処理装置は、有機性廃棄物を収容する収容部を有する収容容器(攪拌槽)と、収容部を加熱する加熱ジャケット(加温装置)と、収容部で有機性廃棄物を攪拌する攪拌装置とを備えている。
【0003】
攪拌装置は、収容容器の一対の端壁部に支持される攪拌シャフト(回転軸)と、攪拌シャフトに設けられる攪拌羽根とを有している。収容容器の一方の端壁部には、有機性廃棄物が処理されてできた生成物を排出するための生成物排出口(取出し口)が設けられている。攪拌羽根は、攪拌シャフトに取り付けられる支持軸部(通気管)と、支持軸部の先端に取り付けられる攪拌体(羽根体)とを有している。攪拌体は、断面形状が三角形のものと平行四辺形のものがあり、一端側の平行四辺形状の攪拌体を除いてそれらが交互に配置されている。攪拌シャフトが第1の回転方向へ回転する場合には、有機性廃棄物は生成物排出口の方へ送られる。また攪拌シャフトが第1の回転方向とは逆側の第2の回転方向へ回転する場合には、有機性廃棄物は決まった方向へ移動することがなく攪拌される。これにより、攪拌シャフトの回転方向によって有機性廃棄物の動きを制御することができる。特許文献1の処理装置では、攪拌体は、攪拌シャフトの回転方向に対向する位置に送り面を有している。これにより、攪拌体のうち、収容容器の周壁部の内周面に対向する位置に設けられる周壁対向面は、三角形や平行四辺形の形状となるので、支持軸部の直径に対して大きな面積を有していた。
【0004】
特許文献1のような処理装置では、加熱ジャケットで加熱される収容容器の周壁部の内周面に、有機性廃棄物の付着が生じやすい。そこで、従来、収容容器の周壁部の内周面における有機性廃棄物の焦げ付きを防止するために、攪拌羽根の攪拌体の部分を掻き取りスクレーパとした処理装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2の処理装置は、掻き取りスクレーパによって、収容容器の周壁部の内周面に付着した有機性廃棄物を掻き取ることができる。これにより、付着した有機性廃棄物の焦げ付きを防止し、付着物により加熱ジャケットの熱の伝達量が低下して加熱効率が低下する不都合を防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平11-106277号公報
特開2008-64345号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1のような送り面を有する攪拌体を、特許文献2のような掻き取りスクレーパとして使用する場合、攪拌体の周壁対向面を収容容器の周壁部の内周面に当接させる必要があった。周壁対向面は大きな面積を有していたため、攪拌体の周壁対向面を適切な接触強度で収容容器の周壁部の内周面に当接させることが難しかった。これにより、製造時およびメンテナンス作業時における接触強度の調整作業が煩雑になるという問題点があった。
【0007】
また、掻き取りスクレーパとして使用する従来の攪拌体は、大きな面積の周壁対向面を有していたので、攪拌体と収容容器の周壁部との間に有機性廃棄物が噛み込み易いという問題点があった。噛み込みが多く発生することにより、その解消のために多くのメンテナンス作業時間を必要としていた。
【0008】
また、従来の処理装置では、攪拌体は金属製のブロックで形成されていた。支持軸部の先端と攪拌体の表面とが溶接により結合されていた。このため、攪拌体と収容容器の周壁部との間に有機性廃棄物が噛み込むと、その衝撃で支持軸部から攪拌体が脱落しやすいという問題点があった。
【0009】
本発明は、上記実情を考慮してなされたものであり、その目的は、攪拌装置の攪拌体と収容容器の周壁部との間における有機性廃棄物の噛み込み等のトラブルを防ぎメンテナンス性を向上させ得る有機性廃棄物の処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の課題を解決するために本明細書に開示する発明は、以下のように構成されている。すなわち、第1の発明は、有機性廃棄物を収容する収容部を有する収容容器と、前記収容部を加熱する収容部加熱手段と、前記収容部で前記有機性廃棄物を攪拌する攪拌装置とを含み、微生物を利用して前記有機性廃棄物の有機成分を分解させる有機性廃棄物の処理装置であって、前記収容容器は、筒状の周壁部と、前記周壁部の開口端を塞ぐ一対の端壁部とを有し、前記一対の端壁部のいずれか一方は、生成物排出口を有し、前記攪拌装置は、前記一対の端壁部に両端部が支持される攪拌シャフトと、前記攪拌シャフトの軸方向に所定間隔をもって取り付けられるとともに前記攪拌シャフトから放射状に延びる複数の攪拌羽根とを有し、前記攪拌羽根は、前記攪拌シャフトに取り付けられる支持軸部と、前記支持軸部の先端部に取り付けられる攪拌体とを有し、前記攪拌体は、前記攪拌シャフトの回転方向に対向する位置に設けられるとともに前記攪拌シャフトの軸方向に対する前記有機性廃棄物の送り量を調節する送り面と、前記周壁部の内周面に対向するとともに前記内周面と離間する位置に設けられる周壁対向面とを有し、前記周壁対向面には、前記周壁対向面から前記内周面に向かって突出するとともに前記周壁対向面よりも小さな面積で前記内周面に当接するスクレーパ部が設けられている。
(【0011】以降は省略されています)
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