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公開番号2024106504
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-08
出願番号2023010785
出願日2023-01-27
発明の名称ポリエステル組成物およびその製造方法ならびに不織布、水処理用分離膜
出願人東レ株式会社
代理人
主分類C08G 63/672 20060101AFI20240801BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】 不織布へ加工した際に有機不純物の溶出抑制を示すポリエステル組成物を提供する。
【解決手段】 重量平均分子量が7000以上25000以下のポリアルキレングリコールおよびモル質量が40g/mol以上90g/mol以下のアルカリ金属化合物および/またはモル質量が40g/mol以上90g/mol以下のアルカリ土類金属化合物を含有するポリエステル組成物であって、ポリアルキレングリコールの結合率が70%以上であるポリエステル組成物により解決される。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
重量平均分子量が7000以上25000以下のポリアルキレングリコールと、
モル質量が40g/mol以上90g/mol以下のアルカリ金属化合物および/またはモル質量が40g/mol以上90g/mol以下のアルカリ土類金属化合物と、
を含有するポリエステル組成物であって、
ポリアルキレングリコールの結合率が70%以上である、ポリエステル組成物。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記アルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物の含有量が、以下の式を満たす、請求項1に記載のポリエステル組成物。
0.30≦X/P≦2.50 ・・・式
ここで、Xはアルカリ金属化合物中のアルカリ金属量(mol)とアルカリ土類金属化合物中のアルカリ土類金属量(mol)の合計(mol)であり、Pはポリアルキレングリコール量(mol)である。
【請求項3】
前記ポリエステル組成物に対する前記ポリアルキレングリコールの含有量が2質量%以上14質量%以下である、請求項1または2に記載のポリエステル組成物。
【請求項4】
前記アルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物が、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属の水酸化物である、請求項1または2に記載のポリエステル組成物。
【請求項5】
前記ポリエステル組成物を構成する全ジカルボン酸残成分に対してテレフタル酸残基が87.5mol%以上99.0mol%以下である、請求項1または2に記載のポリエステル組成物。
【請求項6】
前記ポリエステル組成物を構成する全ジカルボン酸成分に対してイソフタル酸残基が1.0mol%以上12.5mol%以下である、請求項1または2に記載のポリエステル組成物。
【請求項7】
複数のジカルボン酸および/またはそのエステル形成性誘導体、あるいは複数のアルキレングリコールの重縮合反応を行うポリエステル組成物の製造方法であって、
重量平均分子量が7000以上25000以下のポリアルキレングリコールと、
モル質量が40g/mol以上90g/mol以下のアルカリ金属化合物および/またはモル質量が40g/mol以上90g/mol以下のアルカリ土類金属化合物と、
が混合処理された混合物を、前記複数のジカルボン酸および/またはそのエステル形成性誘導体、あるいは複数のアルキレングリコールのエステル化反応、エステル交換反応または重縮合反応開始時に添加し、ポリアルキレングリコールの結合率を70%以上とする工程を含む、ポリエステル組成物の製造方法。
【請求項8】
請求項1または2に記載のポリエステル組成物により構成される、不織布。
【請求項9】
請求項8に記載の不織布を含む、水処理用分離膜。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、不織布へ加工した際に有機不純物の溶出抑制を示すポリエステル組成物およびその製造方法に関するものである。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
浄水場での水処理に用いられる精密濾過膜、限外濾過膜や、海水淡水化に用いられる逆浸透膜の基材(支持体)として、ポリエステルスパンボンド不織布が好適に用いられている。このような用途に用いられる場合、一般に、ポリエステルスパンボンド不織布上に微細多孔形成性の高分子溶液をコーティングし、その後溶液を除去して高分子成分を凝固させることで不織布上に濾過膜(分離膜)を形成させる。
【0003】
例えば、特許文献1では、2層以上の不織布シートが積層加工により一体化されてなる不織布であって、沸騰水中で5分間処理した後の沸騰水カール高さが特定の範囲である不織布が提案されている。そして、この不織布によれば、優れた製膜性、優れた加工性、機械的強度を有する不織布が得られる旨、記載されている。
【0004】
特許文献2では、ポリエステルを主成分とする熱可塑性樹脂からなる長繊維不織布であって、前記ポリエステルの少なくとも一部に1,2-プロパンジオール由来の成分が特定量含有されている長繊維不織布が提案されている。そして、この長繊維不織布によれば、耐摩耗性と強度に優れた長繊維不織布が得られること、長繊維不織布同士の接着性に優れ、膜形成後のカールを抑えた逆浸透膜等に好適な膜基材が得られることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2016-29221号公報
特開2018-138704号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の水処理用途、すなわち、飲料水を得る目的でポリエステルスパンボンド不織布を基材(支持体)とした濾過膜(分離膜)を用いる場合、濾過精製後の溶液中の水質に一定の指標が設けられている。中でも有機不純物量を示す全有機体炭素(TOC:Total Organic Carbon)量が「水の汚れ」を示す指標の一つとして用いられる。一般に、TOC量は、水道水の水質の基準項目として、3.0mg/mL以下が規定されているため、支持体から溶出されるTOC量はその基準値(3.0mg/L)よりもさらに低い量が求められる。
【0007】
しかしながら、特許文献1や2で提案された技術は、融点制御成分のみを共重合したポリエチレンテレフタレートを鞘成分とした芯鞘型複合繊維を用いたスパンボンド不織布であり、TOC量は規定値以下とすることができるものの、スパンボンド不織布と分離膜との接着性に改善の余地があり、TOC量の制御と膜剥離強度の向上の両立が十分には得られていない。
【0008】
そこで、本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、TOC量の低減と高い膜剥離強度の両立可能な不織布を得ることができる、ポリエステル組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記目的を達成するべく、国際公開第2019/146660号や特開2006-299424号公報に開示された、ポリエチレングリコールを共重合した長繊維不織布が分離膜支持体に適用できるかどうか試みた。しかしながら、これらの長繊維不織布は、条件によってはTOCが従来のものより増加してしまうという知見を得た。そこで、さらに鋭意検討を重ねた結果、ポリエステル組成物が、ポリエチレングリコールおよびアルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物を含有するものであり、後述される結合率が一定以上であることにより、TOC量を極めて低い水準に制御可能であり、膜剥離強度の向上が可能であることを見出した。
【0010】
本発明は、これら知見に基づいて完成に至ったものであり、本発明によれば、以下の発明が提供される。
(【0011】以降は省略されています)

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