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公開番号
2024094012
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-07-09
出願番号
2022210710
出願日
2022-12-27
発明の名称
限外ろ過膜及び限外ろ過膜の製造方法
出願人
東レ株式会社
代理人
弁理士法人栄光事務所
主分類
B01D
71/06 20060101AFI20240702BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【課題】ゼラチン溶液を高濃縮可能な限外ろ過膜を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、ゼラチンを含むゲル層と熱可塑性樹脂を含む支持層とを有する限外ろ過膜であって、純水透過係数が0.10m/h/bar以上0.30m/h/bar以下である、限外ろ過膜に関する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
ゼラチンを含むゲル層と熱可塑性樹脂を含む支持層とを有する限外ろ過膜であって、
純水透過係数が0.10m/h/bar以上、0.30m/h/bar以下である、限外ろ過膜。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
前記ゲル層の純水透過係数が0.14m/h/bar以上、0.38m/h/bar以下であり、
前記支持層の重量平均分子量40000のデキストランの阻止率Rが40%以上、80%以下である、
請求項1に記載の限外ろ過膜。
【請求項3】
前記ゲル層の表面自由エネルギーΔGgelが50mJ/m
2
以上、90mJ/m
2
以下である、
請求項1または2に記載の限外ろ過膜。
【請求項4】
前記ゲル層のろ過比抵抗αが1×10
13
m/kg以上、1×10
14
m/kg以下である、
請求項1~3のいずれか1項に記載の限外ろ過膜。
【請求項5】
前記支持層がフッ化ビニリデン樹脂を含む熱可塑性樹脂からなる、
請求項1~4のいずれか1項に記載の限外ろ過膜。
【請求項6】
前記ゲル層に接する前記支持層の表面において、単位表面積あたり表面孔数を、前記表面の孔径の平均値で除した値Xが30~100個/μm
2
/nmである、
請求項1~5のいずれか1項に記載の限外ろ過膜。
【請求項7】
前記ゲル層は前記支持層の一方の面に接するように配置され、
前記支持層は、前記ゲル層が接する前記一方の面に、長径d
1
と短径d
2
とを有する開口部を備え、
前記開口部の長径d
1
と短径d
2
との比d
1
/d
2
の平均値が1.1以上、1.4以下であり、
前記比d
1
/d
2
の標準偏差が0.3以下であり、
前記短径の平均d
2ave
が5nm以上、15nm以下である、
請求項1~6のいずれか1項に記載の限外ろ過膜。
【請求項8】
前記支持層が中空糸膜である、
請求項1~7のいずれか1項に記載の限外ろ過膜。
【請求項9】
前記ゲル層に接する前記中空糸膜の面が外表面である、
請求項8に記載の限外ろ過膜。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の限外ろ過膜の製造方法であって、
前記支持層によって、重量平均分子量Mwが10,000以上、360,000以下を満たすゼラチンを含有するゼラチン溶液を、前記支持層の臨界圧力以上、臨界圧力の4倍以下の膜間差圧でろ過することで前記ゲル層を形成するゲル層形成工程を備える、
限外ろ過膜の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゼラチン溶液の濃縮に用いられる限外ろ過膜及び該限外ろ過膜の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
発酵、医薬、食品飲料製造の分野においては、溶液から有用物を取り出す手段として乾燥が用いられる。また、乾燥の前に溶液を濃縮することで、乾燥にかかる時間およびエネルギーを削減することができる。例えば、特許文献1には、分画分子量(MWCO:Molecular Weight Cut Off)50kDa以下の限外ろ過膜を用いて、ゼラチン溶液を濃縮することが開示されている。また、特許文献2には、クロスフローろ過システムを用いてゼラチン溶液を濃縮することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2014-100110号公報
特表2021-516685号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ゼラチンなどの高分子は広い分子量分布を有しており、このように広い分子量分布を持つ物質を濃縮するための限外ろ過膜は、その分布の中の下限と一致する分画分子量を有することが理想的である。しかしながら、市販の限外ろ過膜の種類は限られているので、分子量分布の下限に一致する分画分子量を持つ限外ろ過膜を選択することは困難である。よって、通常は、分子量分布の下限よりも小さい分画分子量を持つ限外ろ過膜を用いる。
【0005】
ところが、分離膜の透水性能と分画性能はトレードオフの関係にあるため、分離膜の分画分子量が小さいほど、透水性は低い。つまり、広い分子量分布を持つ物質を濃縮するには、溶液中に大きな分子量を持つ物質も含まれているにもかかわらず、透水性の低い膜を用いることになる。さらに、濃縮が進行するほど、膜の供給側(つまり濃縮側)の浸透圧が高くなるので、溶液が分離膜を透過しにくくなる。その結果、得られる濃度には限界があった。
【0006】
本発明は、高濃度の濃縮が可能な限外ろ過膜を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題に対して、発明者らは鋭意検討する中で、ゼラチンを含むゲル層と熱可塑性樹脂を含む支持層とを有する限外ろ過膜が、ゼラチン溶液に対する透水性能と阻止性能とを両立できることを見出し、本願の発明に至った。
【0008】
上記目的を達成するため、本発明は、以下のゲル層が被覆された限外ろ過膜とその製造方法を提供する。
[1]ゼラチンを含むゲル層と熱可塑性樹脂を含む支持層とを有する限外ろ過膜であって、純水透過係数が0.10m/h/bar以上、0.30m/h/bar以下である、限外ろ過膜。
[2]前記ゲル層の純水透過係数が0.14m/h/bar以上、0.38m/h/bar以下であり、前記支持層の重量平均分子量40000のデキストランの阻止率Rが40%以上、80%以下である、[1]に記載の限外ろ過膜。
[3]前記ゲル層の表面自由エネルギーΔGgelが50mJ/m
2
以上、90mJ/m
2
以下である、[1]または[2]に記載の限外ろ過膜。
[4]前記ゲル層のろ過比抵抗αが1×10
13
m/kg以上1×10
14
m/kg以下である、[1]~[3]のいずれか1つに記載の限外ろ過膜。
[5]前記支持層がフッ化ビニリデン樹脂を含む熱可塑性樹脂からなる、[1]~[4]のいずれか1つに記載の限外ろ過膜。
[6]前記ゲル層に接する前記支持層の表面において、単位表面積あたり表面孔数を、前記表面の孔径の平均値で除した値Xが30~100個/μm
2
/nmである、[1]~[5]のいずれか1つに記載の限外ろ過膜。
[7]前記ゲル層は前記支持層の一方の面に接するように配置され、前記支持層は、前記ゲル層が接する前記一方の面に、長径d
1
と短径d
2
とを有する開口部を備え、前記開口部の長径d
1
と短径d
2
との比d
1
/d
2
の平均値が1.1以上1.4以下であり、前記比d
1
/d
2
の標準偏差が0.3以下であり、前記短径の平均d
2ave
が5nm以上、15nm以下である、[1]~[6]のいずれか1つに記載の限外ろ過膜。
[8]前記支持層が中空糸膜である、[1]~[7]のいずれか1つに記載の限外ろ過膜。
[9]前記ゲル層に接する前記中空糸膜の面が外表面である、[8]に記載の限外ろ過膜。
[10][1]~[9]のいずれか1つに記載の限外ろ過膜の製造方法であって、前記支持層によって、重量平均分子量Mwが10,000以上、360,000以下を満たすゼラチンを含有するゼラチン溶液を、前記支持層の臨界圧力以上、臨界圧力の4倍以下の膜間差圧でろ過することで前記ゲル層を形成するゲル層形成工程を備える限外ろ過膜の製造方法。
[11]前記ゲル層形成工程において、原液の粘度μfとろ過液の粘度μpの比がμf/μp>1.5であるとき、原液の流速vfとろ過液の流速vpの流速比が0.02≦vp/vf≦0.3となるようにゼラチン溶液をクロスフローろ過する、[10]に記載の限外ろ過膜の製造方法。
[12]前記ゲル層形成工程において、前記原液の粘度μ
f
が1.5mPa・s以上である、[11]に記載の限外ろ過膜の製造方法。
[13]前記ゲル層形成工程において、前記原液のゼラチン濃度が1wt%以上、10wt%以下である、[11]または[12]に記載の限外ろ過膜の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明の限外ろ過膜は、支持層およびゼラチンを含むゲル層を有することで、ゼラチンを阻止しつつ、ゼラチン溶液を高濃縮可能な透水性を有する限外ろ過膜を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、本発明の一実施形態にかかるゼラチンの製造方法の一例(工程概略図)である。
図2は、本発明の一実施形態にかかる限外ろ過膜モジュールの概略断面図である。
図3は、本発明の限外ろ過膜モジュールが適用される運転装置の一形態を示す、概略フロー図である。
図4は、ゼラチン溶液の粘度の測定方法を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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