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公開番号2024105133
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-06
出願番号2023009711
出願日2023-01-25
発明の名称函体の据付方法
出願人東亜建設工業株式会社
代理人清流国際弁理士法人,個人,個人
主分類E02D 23/00 20060101AFI20240730BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】簡易な方法でありながら函体の据付作業時に函体が波浪によって過大に動揺するリスクを効果的に低減できる函体の据付方法を提供する。
【解決手段】施工対象海域の有義波周期に対して長周期側に所定時間ずらした目標周期を設定する。施工対象海域に浮かせた函体10の上に重量増加装置1を設置して、函体10の重心位置Gよりも函体10および重量増加装置1の一体物20の合成重心位置Qを高くする。この際、函体10に対する重量増加装置1の配置と重量増加装置1の重量を、一体物20の動揺の固有周期が設定した目標周期以上の長さになり、かつ、一体物20の合成重心位置QからメタセンターMまでの距離である一体物20のメタセンター高さが、函体10を水底Bに据付けるまでの函体10の喫水の5%以上となる条件にする。そして、重量増加装置1を設置した函体10を下方移動させて水底Bに据付ける。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
施工対象海域に浮かせた状態の函体の中空部に水を注入することにより、前記函体を下方移動させて水底に据付ける函体の据付方法において、
前記施工対象海域の有義波周期に対して長周期側に所定時間ずらした目標周期を設定し、
前記施工対象海域に浮かせた状態の前記函体の上に重量増加装置を設置した状態にして、前記函体の重心位置よりも前記函体および前記重量増加装置の一体物の合成重心位置を高くするに際して、
前記函体に対する前記重量増加装置の配置と前記重量増加装置の重量を、前記一体物の動揺の固有周期が前記目標周期以上の長さになり、かつ、前記一体物の合成重心位置からメタセンターまでの距離である前記一体物のメタセンター高さが前記函体を水底に据付けるまでの前記函体の喫水の5%以上となる条件にすることを特徴とする函体の据付方法。
続きを表示(約 550 文字)【請求項2】
前記施工対象海域の有義波周期に対して長周期側に4秒以上ずらした前記目標周期を設定する請求項1に記載の函体の据付方法。
【請求項3】
前記重量増加装置として箱体を設置して、前記箱体に複数の重量調整材を収容した状態にする請求項1または2に記載の函体の据付方法。
【請求項4】
前記重量増加装置としてタンクを設置して、前記タンクに水を収容した状態にする請求項1または2に記載の函体の据付方法。
【請求項5】
前記函体を下方移動させるにつれて、注入ホースにより前記タンクに水を注入して貯水量を増加させる請求項4に記載の函体の据付方法。
【請求項6】
前記函体の上に昇降機を設置し、前記昇降機の上に前記重量増加装置を設置する請求項1または2に記載の函体の据付方法。
【請求項7】
前記函体を下方移動させるにつれて、前記函体に対して前記重量増加装置を前記昇降機によって上昇させる請求項6に記載の函体の据付方法。
【請求項8】
前記函体の位置合わせに使用するワイヤロープが挿通可能な構造の支持台を、前記函体の上に設置し、前記支持台の上に前記重量増加装置を設置する請求項1または2に記載の函体の据付方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、函体の据付方法に関し、さらに詳しくは、簡易な方法でありながら函体の据付作業時に函体が波浪によって過大に動揺するリスクを効果的に低減できる函体の据付方法に関するものである。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
護岸や防波堤の構築に使用されるケーソン等の函体の据付作業では、施工対象海域に浮かせた状態の函体を水中に沈み込ませる過程で、施工対象海域の波浪の影響により函体が動揺する。函体の動揺の固有周期が施工対象海域の有義波周期に近いと函体の動揺は比較的大きくなり、函体の動揺の固有周期と施工対象海域の有義波周期とが一致すると函体が共振して過大に動揺するおそれがある。函体が大きく動揺する状況では、安全性の観点から据付作業を中断する必要があり、工期の遅れにつながる。
【0003】
従来技術として、流体が非充満状態で収容された大きなタンクを函体の上に設置して、函体が動揺して傾斜した際には、タンクの中で流体を函体の傾斜方向下側に向かって流動させることによって、函体の動揺を抑制する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この方法は、函体の上に函体の上面部と同程度の大きなタンクを設置する必要があるため、タンクの製造や函体に対するタンクの設置作業に比較的手間がかかるという課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2018-135727号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、簡易な方法でありながら函体の据付作業時に函体が波浪によって過大に動揺するリスクを効果的に低減できる函体の据付方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するための本発明の函体の据付方法は、施工対象海域に浮かせた状態の函体の中空部に水を注入することにより、前記函体を下方移動させて水底に据付ける函体の据付方法において、前記施工対象海域の有義波周期に対して長周期側に所定時間ずらした目標周期を設定し、前記施工対象海域に浮かせた状態の前記函体の上に重量増加装置を設置した状態にして、前記函体の重心位置よりも前記函体および前記重量増加装置の一体物の合成重心位置を高くするに際して、前記函体に対する前記重量増加装置の配置と前記重量増加装置の重量を、前記一体物の動揺の固有周期が前記目標周期以上の長さになり、かつ、前記一体物の合成重心位置からメタセンターまでの距離である前記一体物のメタセンター高さが前記函体を水底に据付けるまでの前記函体の喫水の5%以上となる条件にすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、施工対象海域の有義波周期に対して長周期側に所定時間ずらした目標周期を設定する。そして、施工対象海域に浮かせた状態の函体の上に重量増加装置を設置した状態にして、函体の重心位置よりも函体および重量増加装置の一体物の合成重心位置を高くした状態にする。この際、函体に対する重量増加装置の配置と重量増加装置の重量を、函体および重量増加装置の一体物の動揺の固有周期が目標周期以上の長さになる条件にすることで、施工対象海域において函体および重量増加装置の一体物が共振して過大に動揺するリスクを効果的に低減できる。さらに、一体物の合成重心位置の高さを過度に高くすると一体物の安定性は低くなるが、函体に対する重量増加装置の配置と重量増加装置の重量を、一体物のメタセンター高さが、函体を水底に据付けるまでの函体の喫水の5%以上になる条件にすることで、据付作業時の一体物の安定性を確保できる。それ故、簡易な方法でありながら、函体の据付作業時に函体が過大に動揺するリスクを効果的に低減でき、函体の据付作業をより安全に行うには有利になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の函体の据付方法において、函体の上に重量増加装置として重錘が設置されている状況を平面視で例示する説明図である。
本発明の函体の据付方法において、函体の上に重量増加装置として重錘が設置されていて、函体を水底に向かって下方移動させる以前の状況を縦断面視で例示する説明図である。
図2の状況から函体の中空部に水を注入して、函体を水底付近まで下方移動させた状況を縦断面視で例示する説明図である。
重量増加装置を設置した函体と重量増加装置を設置していない函体のそれぞれの有義波周期と函体の有義振幅との関係を例示するグラフ図である。
本発明の函体の据付方法において、函体の上に重量増加装置として箱体が設置されている状況を縦断面視で例示する説明図である。
本発明の函体の据付方法において、函体の上に重量増加装置としてタンクが設置されている状況を縦断面視で例示する説明図である。
本発明の函体の据付方法において、重量増加装置として函体の上に設置された昇降機の上に重錘が設置されている状況を縦断面視で例示する説明図である。
本発明の函体の据付方法において、重量増加装置として函体の上に設置された支持台の上に重錘が設置されている状況を縦断面視で例示する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の函体の据付方法を図に示した実施形態に基づいて説明する。
【0010】
図1~図3に例示するように、本発明の函体10の据付方法は、施工対象海域に浮かせた状態の函体10の中空部11に水Wを注入することにより、函体10を下方移動させて水底Bに据付ける施工に採用できる。図1に例示するように、この実施形態では、既設の構造体50の側方に函体10を据付ける場合を例示している。図面では、函体10の長さ方向(長手方向)をX方向、函体10の幅方向をY方向、上下方向をZ方向として示している。
(【0011】以降は省略されています)

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