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公開番号2024104360
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-05
出願番号2023008517
出願日2023-01-24
発明の名称洗掘防止部材、これを設置する設置方法および洗掘防止方法
出願人五洋建設株式会社
代理人個人,個人
主分類E02D 27/52 20060101AFI20240729BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】水底に構築される基礎構造物の周囲に隙間なく設置可能な洗掘防止部材、これを設置する設置方法および洗掘防止方法を提供する。
【解決手段】
この洗掘防止部材10は、洗掘防止のため基礎構造物5の周囲の水底に設置されるもので、多数の石材を収容する矩方体状の石材収容部11と、圧縮により閉じられる空洞状の複数の被圧縮部12a~12eと、複数の被圧縮部を圧縮し閉じて石材収容部を基礎構造物の外周に追従して変形するように絞り込むための絞り込み機構25と、を備え、石材収容部は隔壁13,13aにより区切られた複数の区画部11a~11fから構成され、複数の被圧縮部のそれぞれは、隣接する区画部間に位置し、石材収容部が基礎構造物の周囲の水底近傍に配置された状態で絞り込み機構により隣接する区画部間の各被圧縮部が閉じられることで石材収容部が絞り込まれて基礎構造物の外周5aに隙間なく接する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
洗掘防止のため基礎構造物の周囲の水底に設置される洗掘防止部材であって、
多数の石材を収容する矩方体状の石材収容部と、
圧縮により閉じられる空洞状の複数の被圧縮部と、
前記複数の被圧縮部を圧縮し閉じて前記石材収容部を基礎構造物の外周に追従して変形するように絞り込むための絞り込み機構と、を備え、
前記石材収容部は隔壁により区切られた複数の区画部から構成され、
前記複数の被圧縮部のそれぞれは、隣接する前記区画部間に位置し、
前記石材収容部が前記基礎構造物の周囲の水底近傍に配置された状態で前記絞り込み機構により前記隣接する区画部間の前記各被圧縮部が閉じられることで前記石材収容部が絞り込まれて前記基礎構造物の外周に隙間なく接するように構成された洗掘防止部材。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記被圧縮部は、前記隣接する区画部間において平面形状が前記基礎構造物側に一辺を有しかつ前記基礎構造物の反対側に頂点を有する略三角形状に構成され、前記圧縮により前記一辺が閉じられる請求項1に記載の洗掘防止部材。
【請求項3】
前記絞り込み機構は、前記石材収容部の一端および他端の前記基礎構造物側にそれぞれ固定された第1および第2の一対のロープ保持部材と、前記第1および第2の一対のロープ保持部材に保持されてそれぞれ互いに反対方向に引っ張り可能な少なくとも2本の絞り込み用ロープと、を備え、前記絞り込み用ロープをそれぞれ一方向とその反対方向とに引っ張ることで前記石材収容部を絞り込む請求項1に記載の洗掘防止部材。
【請求項4】
前記絞り込み機構は、前記絞り込み用ロープが引っ張られて前記石材収容部が絞り込まれた後に緩む方向に移動することを規制するロープ移動規制機構を備える請求項3に記載の洗掘防止部材。
【請求項5】
前記石材収容部は、繊維製、樹脂製または鋼製の網状部材から構成され、矩方体状に保たれるように構成される請求項1に記載の洗掘防止部材。
【請求項6】
前記複数の被圧縮部は、前記隔壁に設けられた拘束部材により前記閉じられる方向と反対方向に開かないように拘束されかつ上下方向に開かないように拘束されている請求項1に記載の洗掘防止部材。
【請求項7】
前記拘束部材は、前記被圧縮部内に横方向および縦方向に配置された繊維材料または樹脂材料から構成される請求項5に記載の洗掘防止部材。
【請求項8】
前記被圧縮部は圧縮変形容易部材から構成される請求項1に記載の洗掘防止部材。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかに記載の洗掘防止部材を設置する設置方法であって、
前記洗掘防止部材の吊り上げおよび吊り下げを行う吊り装置と、前記絞り込み機構の絞り込み用ロープを引っ張る引張装置と、前記吊り装置と前記引張装置とを配置した吊具本体と、を有する洗掘防止部材設置装置を準備し、
前記吊具本体を前記基礎構造物の上部に載置して前記洗掘防止部材設置装置を設置するステップと、
前記吊り装置により前記洗掘防止部材を水底近傍まで吊り下げるステップと、
前記引張装置により前記絞り込み用ロープを引っ張ることで前記洗掘防止部材を絞り込むステップと、を含み、
前記絞り込みにより前記洗掘防止部材を前記基礎構造物の外周に隙間なく接するようにして水底に設置する洗掘防止部材の設置方法。
【請求項10】
前記吊り装置により前記洗掘防止部材を水底までいったん吊り下げてから所定高さまで浮かせた状態にした後に、前記絞り込み用ロープの引っ張りを行う請求項9に記載の洗掘防止部材の設置方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、基礎構造物の周囲に設置される洗掘防止部材、この洗掘防止部材を設置する設置方法および洗掘防止方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
洋上風力発電設備の施工において、図1のように、モノパイル5などの基礎構造物が海底Sに打設等により構築されると、基礎構造物の周りの流れが変化し、流速の増加や渦の発生によって、基礎構造物の周囲の地盤が洗掘される洗掘現象が発生することがある。特に、洋上風力発電設備のモノパイル5は直径が10m程度と大きく、流れの変化が大きいため洗掘が発生する可能性が高くなるので、洗掘防止対策が重要となる。欧州では、洗掘現象の防止のため海底に石材を直接投入し、フィルター層やアーマー層と呼ばれる層を構築している。
【0003】
特許文献1は、水中基礎から離した状態で吊り降ろした洗掘防止部材を、水底で水中基礎に密着させて設置できる洗掘防止部材設置用装置の提供を目的とし、洗掘防止部材設置用装置を、塔状の水中基礎を囲うように所定の離隔を持たせた枠材と、枠材を吊り下げる設置用天秤と、移動手段である回動支持部とで構成する。枠材は上段枠材と下段枠材からなる2段構造であり、回動支持部は下段枠材とヒンジ部を介して連結されて枠材の外側方向に張出す。回動支持部の外側の先端部付近と設置用天秤とは、上段枠材の外側に設けた滑車を介して線材で接続される。洗掘防止部材は回動支持部の外側の先端部付近に吊り下げられ、線材によって回動支持部を回動させることで、洗掘防止部材を枠材の外側から内側方向に向けて移動させることを開示する(要約)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021-21204号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
国内においては石材を直接投入することによって発生する濁りによる環境問題や欧州のように石材投入用の専用船が無いことなどの理由から欧州と同様の構造や施工方法を採用することが困難である。そこで、国内の防波堤などで利用されているキョーワ株式会社から販売のフィルターユニットや前田工繊株式会社から販売のパワフルユニット(登録商標)などの洗掘防止部材(ロックバッグ)をモノパイルの周りに設置する方法がある。しかし、洗掘防止部材の平面形状は円形のものが大半であるため、かかる洗掘防止部材を円形のモノパイルの外周に接するように配置しても以下の問題点が発生する。
【0006】
図2(a)(b)のモノパイルおよびその周囲を示す上面図およびb-b線方向の断面図に示すように、円形のモノパイル5に対し円形状の複数の洗掘防止部材1a~1d,1,・・・をモノパイル5の外周5aに接するように配置すると、モノパイル5の外周5aと洗掘防止部材1a,1bおよび1c,1dとの間にそれぞれ隙間2が生じてしまう。また、洗掘防止部材1a,1bおよび1c,1d同士が重なり合うことによって隙間3が生じる。隙間2,3は、隣接する2つの洗掘防止部材1a~1d,1,・・・においてそれぞれ生じる。かかる隙間は、洗掘防止のためには限りなく少ない方が有効であり、洗掘防止部材をモノパイル5の外周に隙間ができるだけ低減するように配置することが必要である。また、特許文献1は、円形の複数の洗掘防止部材を水中基礎の周囲に設置するが、その図4(a)に示される設置形態は、上記図2(a)と同様である。
【0007】
本発明は、上述のような従来技術の問題に鑑み、水底に構築されるモノパイルのような基礎構造物の周囲に隙間なく設置可能な洗掘防止部材、これを設置する設置方法および洗掘防止方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための洗掘防止部材は、洗掘防止のため基礎構造物の周囲の水底に設置される洗掘防止部材であって、
多数の石材を収容する矩方体状の石材収容部と、圧縮により閉じられる複数の被圧縮部と、前記複数の被圧縮部を圧縮し閉じて前記石材収容部を基礎構造物の外周に追従して変形するように絞り込むための絞り込み機構と、を備え、
前記石材収容部は隔壁により区切られた複数の区画部から構成され、前記複数の被圧縮部のそれぞれは、隣接する前記区画部に接合され、
前記石材収容部が前記基礎構造物の周囲の水底近傍に配置された状態で前記絞り込み機構により前記隣接する区画部間の前記各被圧縮部が閉じられることで前記石材収容部が絞り込まれて前記基礎構造物の外周に隙間なく接するように構成されたものである。
【0009】
この洗掘防止部材によれば、洗掘防止部材の石材収容部が基礎構造物の周囲の水底近傍に配置された状態で、絞り込み機構により隣接する区画部間に位置する各被圧縮部が圧縮されて閉じられることで石材収容部が基礎構造物の外周に追従して変形するように絞り込まれて基礎構造物の外周に限りなく隙間が無い状態で密着する。これにより、洗掘防止部材を基礎構造物の周囲に隙間なく設置することができる。
【0010】
上記洗掘防止部材において、前記被圧縮部は、前記隣接する区画部間において平面形状が前記基礎構造物側に一辺を有しかつ前記基礎構造物の反対側に頂点を有する略三角形状に構成され、前記圧縮により前記一辺が閉じられるようにすることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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