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公開番号2024103619
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-01
出願番号2024087472,2022541297
出願日2024-05-29,2022-01-25
発明の名称食酢及びその製造方法
出願人株式会社Mizkan Holdings
代理人個人,個人
主分類C12J 1/00 20060101AFI20240725BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】従来に比べてより高い粘度を有する食酢及びその製造方法を提供することを目的として、
【解決手段】本食酢は、水溶性多糖類であるPS1(Glc:Gal:Man:GlcA=6.0:5.0~6.5:0.05~0.4:0.05~0.4)及び/又はPS2Glc:Rha:Man:GlcA=4.0:1.5~2.5:0.05~0.4:0.05~0.4)を含む。本方法は、S1及びS2の2つの発酵工程を備え、S1は、第1の培地において、アセトバクター属、グルコノバクター属、コザキア属、コマガタエイバクター属及びグルコンアセトバクター属から選択される酢酸菌を培養して、PS1及びPS2から選択される水溶性多糖類を含む第1培養物を得る発酵工程であり、S2は、第1培養物を含む第2の培地において、アセトバクター属、グルコノバクター属、コザキア属、コマガタエイバクター属及びグルコンアセトバクター属から選択される酢酸菌を培養して、酢酸及び前記水溶性多糖類を含む第2培養物を得る発酵工程である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
水溶性多糖類である下記PS1及び/又は下記PS2を含むことを特徴とする食酢。
PS1:構成糖がグルコース、ガラクトース、マンノース及びグルクロン酸であり、その構成比が6.0:5.0~6.5:0.05~0.4:0.05~0.4である水溶性多糖類
PS2:構成糖がグルコース、ラムノース、マンノース及びグルクロン酸であり、その構成比が4.0:1.5~2.5:0.05~0.4:0.05~0.4である水溶性多糖類
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
粘度が1000mPa・s以上、且つ、酸度0.5%以上である請求項1に記載の食酢。
【請求項3】
前記PS1の濃度が5.2g/L以上、又は、前記PS2の濃度が3.5g/L以上である請求項1又は2に記載の食酢。
【請求項4】
下記S

及び下記S

の2つの発酵工程を備えることを特徴とする食酢の製造方法。


:第1の培地において、アセトバクター属に属する酢酸菌、グルコノバクター属に属する酢酸菌、コザキア属に属する酢酸菌、コマガタエイバクター属に属する酢酸菌、及び、グルコンアセトバクター属に属する酢酸菌から選択される酢酸菌を培養して、下記PS1及び下記PS2から選択される水溶性多糖類を含む第1培養物を得る発酵工程


:前記第1培養物を含む第2の培地において、アセトバクター属に属する酢酸菌、グルコノバクター属に属する酢酸菌、コザキア属に属する酢酸菌、コマガタエイバクター属に属する酢酸菌及びグルコンアセトバクター属に属する酢酸菌から選択される酢酸菌を培養して、酢酸及び前記水溶性多糖類を含む第2培養物を得る発酵工程
PS1:構成糖がグルコース、ガラクトース、マンノース及びグルクロン酸であり、その構成比が6.0:5.0~6.5:0.05~0.4:0.05~0.4である水溶性多糖類
PS2:構成糖がグルコース、ラムノース、マンノース及びグルクロン酸であり、その構成比が4.0:1.5~2.5:0.05~0.4:0.05~0.4である水溶性多糖類
【請求項5】
前記発酵工程S

で用いる前記酢酸菌と、前記発酵工程S

で用いる前記酢酸菌と、が共通する請求項4に記載の食酢の製造方法。
【請求項6】
前記第2の培養物は、粘度が1000mPa・s以上であり、且つ、酸度4%以上である請求項4又は5に記載の食酢の製造方法。
【請求項7】
前記第1の培地が、フルクトースを含む請求項4乃至6のうちのいずれかに記載の食酢の製造方法。
【請求項8】
前記第1の培地が、フルクトース及びグルコースのうちの少なくともフルクトースを含み、
フルクトース及びグルコースの合計を100質量%とした場合のフルクトースの割合R
FRU
が50質量%を超えて100質量%以下である請求項4乃至7のうちのいずれかに記載の食酢の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、食酢及びその製造方法に関する。更に詳しくは、高い粘度を有する食酢及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来、ある種の酢酸菌により生産される多糖類が食品に粘稠性を与えることが知られている。下記特許文献1には、粘稠物質を生産する発酵工程と、得られた培養物を酢酸発酵させることで粘稠な食酢を得る方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開昭62-044164号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、酸味と粘性とを有する食品として、例えば、タレ、ソース、ドレッシング、ケチャップ等の粘稠性を有する液体調味料が知られる。これらの粘稠性液体調味料は、一般に酸味と粘性とのバランスが求められる。そこで、これらの粘稠性液体調味料の調製にあたって、その酸味を付与するために食酢が利用され得る。しかしながら、食酢は一般に低粘度の食品であり、酸味を増大させることはできても、粘度を増大させることにおいては寄与させることが難しく、粘稠性液体調味料においては粘度を低下させる因子となりがちである。
他方、別途の増粘剤等の添加による粘度増大も可能であるが、近年、添加物を利用することなく食品製造することが求められるケースが増えているという実情がある。また、上記特許文献1にも記載される通り、食酢を後添加によって増粘させることは技術的に困難であり、食酢を事後的に増粘させることは難しい。
この点、上記のような要求に対し、上記特許文献1に開示された技術を利用することが可能である。即ち、特許文献1に開示された方法により得られる粘稠な食酢を利用することが考えられる。しかしながら、特許文献1の実施例に示される通り、この技術で得られる食酢の粘度は700mPa・s程であり、これ以上に高い粘度を有する食酢の生産には至っていない実情がある。
【0005】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、従来に比べてより高い粘度を有する食酢及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
即ち、本発明は、以下に示される。
[1]水溶性多糖類である下記PS1及び/又は下記PS2を含むことを特徴とする食酢。
PS1:構成糖がグルコース、ガラクトース、マンノース及びグルクロン酸であり、その構成比が6.0:5.0~6.5:0.05~0.4:0.05~0.4である水溶性多糖類
PS2:構成糖がグルコース、ラムノース、マンノース及びグルクロン酸であり、その構成比が4.0:1.5~2.5:0.05~0.4:0.05~0.4である水溶性多糖類
[2]粘度が1000mPa・s以上、且つ、酸度0.5%以上である上記[1]に記載の食酢。
[3]前記PS1の濃度が5.2g/L以上、又は、前記PS2の濃度が3.5g/L以上である上記[1]又は[2]に記載の食酢。
[4]下記S

及び下記S

の2つの発酵工程を備えることを特徴とする食酢の製造方法。


:第1の培地において、アセトバクター属に属する酢酸菌、グルコノバクター属に属する酢酸菌、コザキア属に属する酢酸菌、コマガタエイバクター属に属する酢酸菌、及び、グルコンアセトバクター属に属する酢酸菌から選択される酢酸菌を培養して、下記PS1及び下記PS2から選択される水溶性多糖類を含む第1培養物を得る発酵工程


:前記第1培養物を含む第2の培地において、アセトバクター属に属する酢酸菌、グルコノバクター属に属する酢酸菌、コザキア属に属する酢酸菌、コマガタエイバクター属に属する酢酸菌及びグルコンアセトバクター属に属する酢酸菌から選択される酢酸菌を培養して、酢酸及び前記水溶性多糖類を含む第2の培養物を得る発酵工程
PS1:構成糖がグルコース、ガラクトース、マンノース及びグルクロン酸であり、その構成比が6.0:5.0~6.5:0.05~0.4:0.05~0.4である水溶性多糖類
PS2:構成糖がグルコース、ラムノース、マンノース及びグルクロン酸であり、その構成比が4.0:1.5~2.5:0.05~0.4:0.05~0.4である水溶性多糖類
[5]前記発酵工程S

で用いる前記酢酸菌と、前記発酵工程S

で用いる前記酢酸菌と、が共通する上記[4]に記載の食酢の製造方法。
[6]前記第2の培養物は、粘度が1000mPa・s以上であり、且つ、酸度4%以上である上記[4]又は[5]に記載の食酢の製造方法。
[7]前記第1の培地が、フルクトースを含む上記[4]乃至[6]のうちのいずれかに記載の食酢の製造方法。
[8]
前記第1の培地が、フルクトース及びグルコースのうちの少なくともフルクトースを含み、
フルクトース及びグルコースの合計を100質量%とした場合のフルクトースの割合R
FRU
が50質量%を超えて100質量%以下である上記[4]乃至[7]のうちのいずれかに記載の食酢の製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明の食酢によれば、食酢自体が高い粘度を有するため、粘稠性液体調味料として利用した場合に、食品に対して優れた付着性を発揮させることができる。また、酸味を有する粘稠性液体調味料の原料として利用できる。即ち、粘度低下を抑制しつつ、酸味や食酢の風味を付与することができる食品原料として利用できる。
本発明の食酢の製造方法によれば、1000mPa・s以上且つ酸度4以上の食酢を製造できる。また、1000mPa・s以上且つ酸度4以上の食酢を効率的に製造できる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[1]食酢
本発明の食酢は、水溶性多糖類であるPS1及び/又はPS2を含むことを特徴とする。
【0009】
上記「PS1」は、その構成糖比が、グルコース:ガラクトース:マンノース:グルクロン酸=6.0:5.0~6.5:0.05~0.4:0.05~0.4の多糖類であり、ヘテロ多糖類である。即ち、構成糖がグルコース、ガラクトース、マンノース及びグルクロン酸であり、その構成比は、6.0:5.0~6.5:0.05~0.4:0.05~0.4である。また、PS1は、水溶性を示すため、本食酢内に水溶されて含有され、水溶性多糖類である。更に、PS1は、酸性を呈し、酸性多糖類である。
本食酢内へのPS1の含有は、後述する方法により可能である。即ち、発酵工程S

及び発酵工程S

の2つの工程を経ることで可能となる。この方法については後述する。
【0010】
本食酢にPS1が含まれる場合、その濃度は限定されないが、5.2g/L以上であることが好ましい。この濃度は、6.3g/L以上がより好ましく、7.0g/L以上が更に好ましく、9.0g/L以上がより更に好ましく、12.0g/L以上が特に好ましい。PS1が5.2g/L以上含まれることにより、酸度0.5%以上且つ粘度1000mPa・s以上を達することができる。
一方、その上限値は限定されず、多く含まれるほど好ましいが、通常50g/L以下であり、45g/L以下でもよく、35g/L以下でもよく、25g/L以下でもよく、20g/L以下でもよい。
尚、PS1の濃度は、後述の実施例に示す方法により測定される。
(【0011】以降は省略されています)

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