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公開番号2024103592
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-01
出願番号2024086754,2021503775
出願日2024-05-29,2019-07-22
発明の名称ガラス強化フルオロポリマー組成物
出願人エージーシー ケミカルズ アメリカズ,インコーポレイテッド
代理人個人,個人,個人
主分類C08L 29/10 20060101AFI20240725BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】ガラス強化フルオロポリマー組成物の提供。
【解決手段】ガラス強化フルオロポリマー組成物は、高い曲げ強度を有し、第1のフルオロポリマーと、第2のフルオロポリマーと、ガラス繊維とを有する。第1のフルオロポリマーは、当該ガラス強化フルオロポリマー組成物の100重量部に対して、60から99重量部の量で存在する。第2のフルオロポリマーは、(1)カルボキシ-および/または無水物-官能化パーフルオロアルコキシコポリマー、(2)カルボキシ-および/または無水物-官能化ポリ(エチレンco-テトラフルオロエチレン)コポリマー、ならびに(3)これらの組み合わせから選定される。第2のフルオロポリマーは、当該ガラス強化フルオロポリマー組成物の100重量部に対して、0.5から39.5重量部の量で存在する。ガラス繊維は、当該ガラス強化フルオロポリマー組成物の100重量部に対して、0.5から39.5重量部の量で存在する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
改善された曲げ強度を有するガラス強化フルオロポリマー組成物であって、
A 当該ガラス強化フルオロポリマー組成物の100重量部に対して、60から99重量部の量で存在する、第1のフルオロポリマーと、
B カルボキシ-および/または無水物-官能化パーフルオロアルコキシコポリマー、カルボキシ-および/または無水物-官能化ポリ(エチレンco-テトラフルオロエチレン)コポリマー、およびこれらの組み合わせから選定された、第2のフルオロポリマーであって、
当該ガラス強化フルオロポリマー組成物の100重量部に対して、0.5から39.5重量部の量で存在する、第2のフルオロポリマーと、
C 当該ガラス強化フルオロポリマー組成物の100重量部に対して、0.5から39.5重量部の量で存在する、ガラス繊維と、
を有する、ガラス強化フルオロポリマー組成物。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記第2のフルオロポリマーは、前記カルボキシ-および/または無水物-官能化パーフルオロアルコキシコポリマーを有する、請求項1に記載のガラス強化フルオロポリマー組成物。
【請求項3】
前記カルボキシ-および/または無水物-官能化パーフルオロアルコキシコポリマーは、テトラフルオロエチレンおよびカルボン酸基の単位を有する、請求項1または2に記載のガラス強化フルオロポリマー組成物。
【請求項4】
前記カルボン酸基は、イタコン酸無水物、シトラコン酸無水物、およびこれらの組み合わせから形成される、請求項3に記載のガラス強化フルオロポリマー組成物。
【請求項5】
前記第2のフルオロポリマーは、前記カルボキシ-および/または無水物-官能化ポリ(エチレンco-テトラフルオロエチレン)コポリマーを有する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のガラス強化フルオロポリマー組成物。
【請求項6】
前記カルボキシ-および/または無水物-官能化ポリ(エチレンco-テトラフルオロエチレン)コポリマーは、テトラフルオロエチレンおよびエチレンの単位、ならびにカルボン酸基を有し、
前記カルボン酸基は、イタコン酸無水物、シトラコン酸無水物、およびこれらの組み合わせで形成される、請求項5に記載のガラス強化フルオロポリマー組成物。
【請求項7】
前記第2のフルオロポリマーは、当該ガラス強化フルオロポリマー組成物の100重量部に対して、5から20重量部の量で存在し、
前記ガラス繊維は、当該ガラス強化フルオロポリマー組成物の100重量部に対して、15から35重量部の量で存在する、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のガラス強化フルオロポリマー組成物。
【請求項8】
前記ガラス繊維は、5から20μmの直径、5から100μmの全長を有し、必要な場合、0.5から1.5g/mlのバルク密度を有し、
前記第1のフルオロポリマーは、パーフルオロアルコキシポリマー、ポリ(エチレンco-テトラフルオロエチレン)、ポリビニリデンフルオライド、フッ素化エチレンピロピレン、およびこれらの組み合わせから選定され、
前記第1のフルオロポリマーは、当該ガラス強化フルオロポリマー組成物の100重量部に対して、80から95重量部の量で存在する、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のガラス強化フルオロポリマー組成物。
【請求項9】
前記ガラス繊維は、処理されておらず、必要な場合、シランを含まない、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のガラス強化フルオロポリマー組成物。
【請求項10】
前記第2のフルオロポリマーを含まない比較組成物よりも、ASTM D790-10を用いて定められる曲げ強度が15から40%大きく、
前記第2のフルオロポリマーを含まない比較組成物よりも、ASTM D790-10を用いて定められる曲げ弾性率が25から60%大きく、
前記第2のフルオロポリマーを含まない比較組成物よりも、ASTM D95-10を用いて定められる圧縮強度が10から25%大きく、
前記第2のフルオロポリマーを含まない比較組成物よりも、ASTM D95-10を用いて定められる圧縮弾性率が40から70%大きく、または
前記第2のフルオロポリマーを含まない比較組成物よりも、ASTM D638-10を用いて定められる引張弾性率が80から125%大きい、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のガラス強化フルオロポリマー組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本願は、2018年7月23日に出願された米国仮出願第62/701,952号の優先権の利益を主張するものであり、これは、本願の参照として取り入れられる。
続きを表示(約 2,600 文字)【0002】
本開示は、全般に、ガラス強化フルオロポリマー組成物に関する。特に、本開示は、第1のフルオロポリマーと、特定の第2のフルオロポリマーと、ガラス繊維とを有する組成物に関する。本組成物は、第2のフルオロポリマーを含まない比較組成物と比べて、高い曲げ強度を示す。
【背景技術】
【0003】
例えば、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマー、およびエチレン/テトラフルオロエチレンコポリマーのようなフルオロポリマーは、いくつか例を挙げると、半導体産業および自動車産業のような各種分野で使用されている。フルオロポリマーは、優れた熱抵抗性、化学的耐性、耐候性、ガスバリア特性等を有するが、多くの物質に対するこれらの密着性は、不十分である。例えば、合成樹脂、金属、金属酸化物、ガラス、およびセラミックスのような各種材料と接合するためには、一般に、フルオロポリマーの表面をコロナ放電処理またはナトリウムエッチング処理に暴露し、その後、接合のための接着材が付与されるという方法が使用される。そのような接合方法は、プロセスが煩雑で、生産性が低い点で問題がある。さらに別の方法では、各種化学薬品により材料が予備処理されるが、そのような化学薬品は高価である上、製造時間および複雑性が追加されてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
また、ガラスで強化されたフルオロポリマーが知られており、これは、フルオロポリマーに対する密着性を高めるため、表面処理されたガラス繊維を有する。しかしながら、フルオロポリマーの化学的性質のため、ガラス繊維の表面を処理する際の、商業的に利用できる選択肢は限られている。通常、ガラス繊維は、シランまたはシラン系化学物質で表面処理される。これらの表面処理は、通常、製造プラントの内部で行う必要があり、特定の化学物質に整合するようにカスタマイズする必要がある。また、これらの表面処理の利用は、通常、製造プロセスの工程数が多くなり、複雑性が高まり、これにより、コストおよびサイクル時間が上昇する。従って、改善の機会が残っている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の他の利点は、添付図面を考慮して、以下の詳細な説明を参照することにより、さらに理解されるため、容易に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1は、実施例に示した組成物1および比較組成物1乃至3の23℃での歪み(%)の関数としての応力(PSI)の線グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本開示では、ガラス強化フルオロポリマー組成物が提供される。本ガラス強化フルオロポリマー組成物は、高い曲げ強度を有し、第1のフルオロポリマーと、第2のフルオロポリマーと、ガラス繊維とを有する。第1のフルオロポリマーは、ガラス強化フルオロポリマー組成物の100重量部に対して、60から99重量部の量で存在する。第2のフルオロポリマーは、(1)カルボキシ-および/または無水物-官能化パーフルオロアルコキシコポリマー、(2)カルボキシ-および/または無水物-官能化ポリ(エチレン-co-テトラフルオロエチレン)コポリマー、ならびに(3)これらの組み合わせから選定される。第2のフルオロポリマーは、ガラス強化フルオロポリマー組成物の100重量部に対して、0.5から39.5重量部の量で存在する。ガラス繊維は、ガラス強化フルオロポリマー組成物の100重量部に対して、0.5から39.5重量部の量で存在する。
【0008】
本開示では、ガラス強化フルオロポリマー組成物が提供される。これは、以降「組成物」と記載される。本組成物は、これに限られるものではないが、車両用の燃料ホース、車両用の燃料タンク、産業ホースおよびタンク、食品生産用ホース、耐候性フィルム、化学的耐性ライニングなど、いかなる産業に使用されてもよい。また、本組成物は、化学的耐性、高電気絶縁性、耐候性、難燃性、低誘電率、撥水および撥油性、高バリア特性、非付着性、および/または高耐熱性、またはこれらの組み合わせの1または2以上の特性が要求される用途に利用されてもよい。
【0009】
(第1のフルオロポリマー)
第1のフルオロポリマーは、従来から知られるものであってもよい。例えば、第1のフルオロポリマーは、PFA(パーフルオロアルコキシポリマー)、FEP(フッ素化エチレンプロピレン)、PTFE(ポリ(テトラフルオロエチレン))、PVDF(ポリビニリデンフルオライド)、PVF(ポリビニルフルオライド)、ETFE(ポリ(エチレンco-テトラフルオロエチレン))、ECTFE(ポリ(エチレンco-クロロトリフルオロエチレン))、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)、FFKM(パーフルオロエラストマー)、FKM(クロロトリフルオロエチレンビニリデンフルオライド)、およびこれらの組み合わせから選択されてもよい。ある実施形態では、第1のフルオロポリマーは、パーフルオロアルコキシコポリマー、ポリ(エチレンco-テトラフルオロエチレン)、ポリビニリデンフルオライド、フッ素化エチレンピロピレン、およびこれらの組み合わせから選択される。別の実施形態では、これらの全てのフルオロポリマーは、他の1または2以上を除き、個々に使用されることが想定される。さらに別の実施形態では、第1のフルオロポリマーは、前述のポリマーの任意の一つであり、あるいはPFA、ETFE、PVDF、FEP、およびこれらの組み合わせから選定される。また、前述のポリマーの任意の2または3以上のコポリマーも使用可能であることが想定される。
【0010】
第1のフルオロポリマーは、組成物の100重量部に対して、60から99重量部の量で存在する。各種実施形態では、第1のフルオロポリマーは、組成物の100重量部に対して、65から95、70から90、75から85、80から85、80から90、85から95、80から95、または85から99の重量部の量で存在する。別の実施形態では、前述の値の間の全ての値および範囲が明示的に考慮される。
(【0011】以降は省略されています)

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