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公開番号2024103552
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-01
出願番号2024084015,2018226845
出願日2024-05-23,2018-12-03
発明の名称少なくとも1つのポリマーとリチウムイオン伝導性粒子とを含むリチウムイオン伝導性複合材料、および前記複合材料からのリチウムイオン伝導体の製造方法
出願人ショット アクチエンゲゼルシャフト,SCHOTT AG
代理人アインゼル・フェリックス=ラインハルト,個人,個人,個人
主分類H01B 1/06 20060101AFI20240725BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】従来達成可能なものよりも本質的により高い粒子充填度を有する、少なくとも1つのポリマーとリチウムイオン伝導性粒子とを含むリチウムイオン伝導性複合材料を提供する。
【解決手段】前記課題は、少なくとも1つのポリマーとリチウムイオン伝導性粒子とを含むリチウムイオン伝導性複合材料であって、前記粒子が少なくとも0.7の球形度Ψを有し、前記複合材料は、粒径分布の多分散度指数PIが0.7未満である際に少なくとも20体積%の粒子を含有するか、または前記複合材料は、粒径分布の多分散度指数PIが0.7から1.2未満の範囲である際に少なくとも30体積%の粒子を含有するか、または前記複合材料は、粒径分布の多分散度指数PIが1.2を上回る際に少なくとも40体積%の粒子を含有する、前記リチウムイオン伝導性複合材料によって解決される。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
少なくとも1つのポリマーとリチウムイオン伝導性粒子とを含むリチウムイオン伝導性複合材料であって、
前記粒子が少なくとも0.7の球形度Ψを有し、且つ
前記複合材料は、粒径分布の多分散度指数PIが0.7未満である際に少なくとも20体積%の前記粒子を含有するか、または
前記複合材料は、粒径分布の多分散度指数PIが0.7から1.2未満の範囲である際に少なくとも30体積%の前記粒子を含有するか、または
前記複合材料は、粒径分布の多分散度指数PIが1.2を上回る際に少なくとも40体積%の前記粒子を含有することを特徴とする、
前記リチウムイオン伝導性複合材料。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記ポリマーが、以下の化合物:
・ ポリエチレンオキシド、
・ ポリエチレンオキシドの誘導体、
・ ポリビニルブチラール
を含むことを特徴とする、請求項1に記載のリチウムイオン伝導性複合材料。
【請求項3】
前記ポリマーが、少なくとも1つのリチウムイオン伝導性化合物、殊にリチウムイオン伝導性化合物としてのリチウムビストリフルオロメタンスルホンイミダートを含有することを特徴とする、請求項1または2に記載のリチウムイオン伝導性複合材料。
【請求項4】
前記粒子が少なくとも1つのリチウムイオン伝導性化合物から、殊に少なくとも以下のリチウムイオン伝導性化合物:
・ リチウムランタンジルコネート(LLZO)、
・ リチウムアルミニウムチタンホスフェート(LATP)、
・ ガーネット型結晶構造を有する化合物、
・ NaSIConと同形の結晶構造を有する化合物
からなることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載のリチウムイオン伝導性複合材料。
【請求項5】
前記粒子が、平均粒径0.02μm~100μm、好ましくは0.2μm~2μmおよび/または5μm~70μmを有することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載のリチウムイオン伝導性複合材料。
【請求項6】
前記ポリマーと前記粒子との間の、リチウムイオン伝導性についての界面抵抗が、前記粒子の表面改質に基づき低減されていることにより、リチウムイオン伝導性が、前記ポリマーと前記粒子との間の界面抵抗が低減されていない比較可能な複合材料の場合よりも高いことを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載のリチウムイオン伝導性複合材料。
【請求項7】
前記粒子が、噴霧か焼を用いて、特にパルス反応器法を使用して製造されたものであることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項に記載のリチウムイオン伝導性複合材料。
【請求項8】
リチウムイオン伝導体の製造方法であって、請求項1から7までのいずれか1項に記載の複合材料を、殊に高められた温度および/または高められた圧力の作用下で焼結することを特徴とする、前記方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つのポリマーとリチウムイオン伝導性粒子とを含むリチウムイオン伝導性複合材料、および前記複合材料からのリチウムイオン伝導体の製造方法に関する。
続きを表示(約 4,100 文字)【背景技術】
【0002】
近年、リチウムイオン電池およびリチウム電池は、殊にエネルギー密度が高いこと、メモリ効果がないこと、並びに電圧の降下が非常に遅いことに基づき、殊に電子素子のために、または電気自動車の分野においてますます重要となってきている。リチウムイオン電池およびリチウム電池は一般に、上記の分野のための蓄電池媒体として使用される再充電可能な電池タイプの系列である(二次電池タイプとも称される)。
【0003】
リチウムイオン電池もしくはリチウム電池は、基本的に3つの主構造単位、つまり、アノード(負電極)、カソード(正電極)並びにその両電極間に配置され、稼働(充電または放電)中にリチウムイオンの移動をもたらす非水電解質からなる。リチウムイオン電池の場合、アノードは通常、グラファイトに基づき、リチウムイオンは充電の際にそこに挿入され、放電の際にそこから脱離される。これに対し、リチウム電池の場合、元素リチウムがアノードとして使用される。
【0004】
現在のところ、市販のリチウムイオン電池において、リチウム塩が有機溶剤中で溶解されている電解質が主に使用される。ただし、これらのリチウムイオン電池は、誤った使用または過度の負荷の際に自己破壊し、極端な場合には発火しかねないという欠点を有する。
【0005】
これらの問題を解決するために、近年、殊にいわゆるリチウム固体電池が研究されており、それは有機に基づく液体の電解質マトリックスが、やはりリチウムイオン伝導性の固体で置き換えられている。その際、固体電解質は電池システム中で一般に種々の位置で使用されることができ、一方ではセパレータとして、電極間に導入されて不所望の短絡から保護し、そのことによりシステム全体の機能性を保証する純粋な固体電解質の使用が考えられる。このために、固体電解質を、一方または両方の電極上の層として施与して、または自立式の膜としてのいずれかで、電池に組み込むことができる。他方で、電極活物質と配合することが考えられる。この場合、固体電解質は、電池が放電または充電されているかに依存して、関連する電荷担体(リチウムイオンおよび電子)が電極材料へ、および伝導性電極へ、向かうもしくはそこから離れる輸送をもたらす。
【0006】
原理的に、固体電解質は、ポリマー電解質もしくは多価電解質であってよい。前者の場合、液体電解質と類似して、リチウム系の支持塩は固体のポリマーマトリックス中で溶解される(多くの場合、このためにポリエチレンオキシドが用いられる)。2番目のものは、ポリマーの多官能価のリチウム塩である。ポリマー電解質と多価電解質との両者の電解質は、液体に基づく電解質と類似して、通常は元素リチウムに対して不十分な化学的安定性および電気化学的安定性しか有さず、ひいてはリチウム電池中での使用にはむしろ適さない。しかし、選択的に、従来使用されている有機系の液体電解質の置き換えとして、純粋な無機の固体イオン伝導体を使用することも考えられる。リチウムイオン伝導性の観点で、酸化物系(例えばガーネット型構造を有するリチウム伝導性混合酸化物)、リン酸塩系および硫化物系のリチウムイオン伝導性材料が特に有望であると議論されている。それらの特定の態様は、元素リチウムに対して十分な化学的安定性および電気化学的安定性を有する。従って、それらはリチウム電池内で使用するために適している。しかしながら、これは、純粋な無機の固体イオン伝導体の分類からの他の代表物については当てはまらない。従って、いずれにせよ、リチウム電池内の固体電解質としての相応の材料の可用性は、個々のケースにおいて個別に検証されるべきである。リチウム伝導性固体のための三番目の態様はいわゆるハイブリッド電解質であり、これは、無機のリチウムイオン伝導性材料製の粒子が、ポリマー電解質または多価電解質からなるリチウム伝導性ポリマーマトリックス中に組み込まれている複合材料である。特定のハイブリッド電解質の態様も、元素リチウムに対して十分な化学的安定性および電気化学的安定性を示し、且つ、リチウム電池中で使用される能力を有する。
【0007】
純粋な無機のリチウムイオン伝導性固体電解質の中で、硫化物組成物であるLi-S-PおよびLi
2
S-P
2

5
-P
2

5
は場合により、保護ガス下で出発材料を粉砕し引き続き(同様に通常は保護ガス下で)温度処理することによって製造される。Li-P-Sガラスセラミックの製造は、米国特許出願公開第2005/0107239号明細書(US20050107239 A1)、米国特許出願公開第2009/159839号明細書(US2009159839 A)、特開2008-120666号公報の文献内に記載されている。Li
2
S-P
2

5
-P
2

5
は、A.Hayashi et al., Journal of Non-Crystalline Solids 355(2009)1919-1923に記載されるとおり、粉砕プロセスを介しても、溶融を介しても製造できる。Li
2
S-B
2

3
-Li
4
SiO
4
の系によるガラスセラミックも、溶融経路および引く続く急冷を介して製造できるが、ただし、この工程段階は空気の遮断下で実施されなければならない(米国特許出願公開第2009/011339号明細書(US2009011339 A)およびY.Seino et al., Solid State Ionics 177(2006)2601-2603参照)。到達可能なリチウムイオン伝導率は、室温で2×10
-4
~6×10
-3
S/cmである。注意すべきは、硫化物のリチウムイオン伝導性固体電解質の場合、保護ガス下での製造、および場合により手間のかかる粉砕が、それらの製造を高価にしかねないことである。さらに、多くの場合、保護ガス下または少なくとも無水の環境下での取り扱いおよび保管も、特定の環境下でのリチウム電池の製造にとっては不利であることがある。
【0008】
これに対し、酸化物系に基づく固体リチウムイオン伝導体は、より容易な、ひいては好都合な製造およびより高い化学安定性を特徴とする。NASICON(ナトリウム超イオン伝導体)に類似の結晶構造を有する、結晶層を有するリン酸塩系組成物が主に知られている。一般にこれはガラスセラミックであり、その際、まず出発ガラスが溶融され、熱成形(例えばキャスティング)される。出発ガラスは、第2の段階において、直接(「バルクのガラスセラミック」)または粉末(「焼結ガラスセラミック」)のいずれかとしてセラミック化される。セラミック化の際、相応に選択された温度・時間に則って、制御された結晶化を行うことができ、それはリチウムイオン伝導性について最適化されたガラスセラミックの構造の調節を可能にする。それによって、10倍より大きなオーダーで伝導性の改善が達成され得る。米国特許出願公開第2003/0205467号明細書(US20030205467 A1)の文献は、P
2

5
、TiO
2
、SiO
2
、M
2

3
(M=AlまたはGa)およびLi
2
Oからの、主結晶相Li
(1+x)
(Al,Ga)
x
Ti
(2-x)
(PO
4

3
(0<x≦0.8)を有するガラスセラミックの製造を記載している。結晶化後、イオン伝導率0.6~1.5×10
-3
S/cmが達成された。出発ガラスは結晶化に非常に敏感であり、且つ制御されない結晶化を回避するために金属板上で急冷されなければならない。このことは、成形の可能性およびガラスセラミック中の構造の制御を制限する。
【0009】
米国特許第6030909号明細書(US6030909)および米国特許第6485622号明細書(US6485622)の文献ではさらに、GeO
2
およびZrO
2
がガラスセラミック中に導入されている。GeO
2
はガラス化領域を広げ、且つ結晶化傾向を低下させる。しかしながら実際には、この良い効果は、ゲルマニウムの原料価格が高いことにより制限される。これに対し、ZrO
2
は結晶化の強化をもたらす。これらの文献内で挙げられている出発ガラスは制御されない結晶化傾向があり、適した出発ガラスを得るためには通常、急冷しなければならない。
【0010】
Xuらは、Electrochem. Commun., 6(2004)1233-1237内、もしくはMaterials Letters, 58(2004),3428-3431内で、同様に5.7×10
-4
~6.8×10
-4
S/cmの高い伝導率を有するLi
2
O-Cr
2

3
-P
2

5
ガラスセラミックを記載している。しかしながら、これらの出発ガラスも、強い結晶化傾向ゆえに急冷されなければならない。
(【0011】以降は省略されています)

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