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公開番号2024102554
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-31
出願番号2023006523
出願日2023-01-19
発明の名称扁平梁
出願人株式会社フジタ
代理人個人,個人
主分類E04B 1/21 20060101AFI20240724BHJP(建築物)
要約【課題】扁平梁の張出し部に貫通孔や埋設物が存在する場合でも、貫通孔等との干渉を防止しながら所定の定着長を確保することのできる扁平梁を提供すること。
【解決手段】柱幅部10と張出し部20とを備え、張出し部20に上下方向に延びる貫通孔21が設けられている扁平梁30であり、鋼製で筒状の繋ぎ材50の上方に、第1Aリング体61と第1Bリング体62が相互に積層した状態でその一部が嵌め込まれ、第1Aリング体61と第1Bリング体62には、上端主筋を構成する第1分割上端主筋63と第2分割上端主筋64がそれぞれ溶接接合され、第1Aリング体61、第1Bリング体62、及び繋ぎ材50により管状ユニット70が形成され、貫通孔21に対して管状ユニット70が配設されている。
【選択図】図6A
特許請求の範囲【請求項1】
柱の幅よりも広幅に形成され、前記柱の幅に相当する柱幅部と、前記柱から張出す張出し部とを備える、鉄筋コンクリート製の扁平梁において、前記張出し部に上下方向に延びる貫通孔が設けられている、扁平梁であって、
鋼製で筒状の繋ぎ材の上方に、第1Aリング体と第1Bリング体が相互に積層した状態で少なくとも一部が嵌め込まれ、前記第1Aリング体には、前記張出し部の上端主筋を構成する第1分割上端主筋の端部が溶接接合され、前記第1Bリング体には、前記張出し部の上端主筋を構成する第2分割上端主筋の端部が溶接接合されており、
前記第1Aリング体、前記第1Bリング体、及び前記繋ぎ材により、管状ユニットが形成され、
前記貫通孔に対して前記管状ユニットが配設されていることを特徴とする、扁平梁。
続きを表示(約 2,200 文字)【請求項2】
前記繋ぎ材の下方に、第2Aリング体と第2Bリング体が相互に積層した状態で少なくとも一部が嵌め込まれ、前記第2Aリング体には、前記張出し部の下端主筋を構成する第1分割下端主筋の端部が溶接接合され、前記第2Bリング体には、前記張出し部の下端主筋を構成する第2分割下端主筋の端部が溶接接合されており、
前記第1Aリング体、前記第1Bリング体、及び前記繋ぎ材に加えて、さらに前記第2Aリング体と前記第2Bリング体により前記管状ユニットが形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の扁平梁。
【請求項3】
前記張出し部において、前記上端主筋と前記下端主筋の長手方向に間隔を置いて複数の前記貫通孔が設けられており、
前記第1分割上端主筋と第2分割上端主筋が、相互に直交する方向に延びており、
前記第1分割下端主筋と第2分割下端主筋が、相互に直交する方向に延びていることを特徴とする、請求項2に記載の扁平梁。
【請求項4】
前記張出し部において、1つの前記貫通孔が設けられており、
前記第1分割上端主筋と第2分割上端主筋が、平面視において前記張出し部の長手方向に連続するように延びており、
前記第1分割下端主筋と第2分割下端主筋が、平面視において前記張出し部の長手方向に連続するように延びていることを特徴とする、請求項2に記載の扁平梁。
【請求項5】
柱の幅よりも広幅に形成され、前記柱の幅に相当する柱幅部と、前記柱から張出す張出し部とを備える、鉄筋コンクリート製の扁平梁において、前記張出し部に埋設物が埋設されている、扁平梁であって、
鋼製で筒状もしくは中実の繋ぎ材の上方に、第1Aリング体と第1Bリング体が相互に積層した状態で少なくとも一部が嵌め込まれ、前記第1Aリング体には、前記張出し部の上端主筋を構成する第1分割上端主筋の端部が溶接接合され、前記第1Bリング体には、前記張出し部の上端主筋を構成する第2分割上端主筋の端部が溶接接合されており、
前記第1Aリング体、前記第1Bリング体、及び前記繋ぎ材により、管状ユニットが形成され、前記管状ユニットが前記埋設物の手前に配置され、
前記第1分割上端主筋と第2分割上端主筋が、相互に直交する方向に延びていることを特徴とする、扁平梁。
【請求項6】
前記繋ぎ材の下方に、第2Aリング体と第2Bリング体が相互に積層した状態で少なくとも一部が嵌め込まれ、前記第2Aリング体には、前記張出し部の下端主筋を構成する第1分割下端主筋の端部が溶接接合され、前記第2Bリング体には、前記張出し部の下端主筋を構成する第2分割下端主筋の端部が溶接接合されており、
前記第1Aリング体、前記第1Bリング体、及び前記繋ぎ材に加えて、さらに前記第2Aリング体と前記第2Bリング体により前記管状ユニットが形成され、
前記第1分割下端主筋と第2分割下端主筋が、相互に直交する方向に延びていることを特徴とする、請求項5に記載の扁平梁。
【請求項7】
前記繋ぎ材の外周面には、側方に張り出す留め具が設けられており、
相互に積層している前記第1Aリング体と前記第1Bリング体が、前記繋ぎ材の上方の外周面に嵌まり込んだ状態で、前記留め具に係止されており、
相互に積層している前記第2Aリング体と前記第2Bリング体が、前記繋ぎ材の下方の外周面に嵌まり込んだ状態で、前記第2Aリング体と前記第2Bリング体の一部が前記繋ぎ材に溶接接合されていることを特徴とする、請求項2又は6に記載の扁平梁。
【請求項8】
前記繋ぎ材の外周面には、側方に張り出す留め具が設けられており、
前記第1Aリング体と前記第1Bリング体のいずれか一方の上に他方が載置され、双方の当接箇所の少なくとも一部が溶接接合され、前記第1Aリング体と前記第1Bリング体の少なくとも一方が前記繋ぎ材の上方の外周面に嵌まり込んだ状態で、前記留め具に係止されており、
前記第2Aリング体と前記第2Bリング体のいずれか一方の上に他方が載置され、双方の当接箇所の少なくとも一部が溶接接合され、前記第2Aリング体と前記第2Bリング体の少なくとも一方が前記繋ぎ材の下方の外周面に嵌まり込んだ状態で、前記繋ぎ材に溶接接合されていることを特徴とする、請求項2又は6に記載の扁平梁。
【請求項9】
前記繋ぎ材の外周面には、側方に張り出す留め具が設けられており、
前記第1Aリング体と前記第1Bリング体の双方の当接面が相互に噛み合う嵌合構造を備え、双方の当接箇所の少なくとも一部が溶接接合され、前記第1Aリング体と前記第1Bリング体の少なくとも一方が前記繋ぎ材の上方の外周面に嵌まり込んだ状態で、前記留め具に係止されており、
前記第2Aリング体と前記第2Bリング体の双方の当接面が相互に噛み合う嵌合構造を備え、双方の当接箇所の少なくとも一部が溶接接合され、前記第2Aリング体と前記第2Bリング体の少なくとも一方が前記繋ぎ材の下方の外周面に嵌まり込んだ状態で、前記繋ぎ材に溶接接合されていることを特徴とする、請求項2又は6に記載の扁平梁。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、扁平梁に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
室内空間の有効利用の観点から梁せいを低くしようとすると、梁の性能が低下することから、この性能低下を補うべく、梁幅を柱幅よりも大きくする施工が行われる場合があり、このように柱幅よりも大きな幅の梁は扁平梁やワイドビームと称されている。集合住宅等においては、バルコニー側に扁平梁を設けることにより開けた空間を形成して建築物に付加価値を付与でき、高さ制限のある地域においては、各階に扁平梁を適用することにより建築物全体の高さを低くして所定階数の建築物の施工が可能になるなど、扁平梁を適用することによる効果は極めて高い。柱の幅よりも広幅に形成される扁平梁は、柱の幅に相当する柱幅部と、柱から張り出す張出し部とを備えている。
【0003】
ところで、例えばバルコニー側に張り出すように扁平梁が設けられることにより、扁平梁の上記張出し部における柱の近傍には、柱に沿って設置される雨樋や、避難孔となる人通孔等が上下方向に貫通する、貫通孔が設けられる場合が往々にしてある。また、貫通孔以外にも何らかの埋設物が埋設される場合もある。張出し部における柱の近傍領域においても、柱幅部と同様のピッチで上端主筋や下端主筋といった梁主筋が配筋されるのが一般的であるが、張出し部における柱の近傍に上記する貫通孔や埋設物がある場合には、貫通孔等に干渉し得る梁主筋を配筋できないといった課題がある。
【0004】
そこで、このように梁主筋が貫通孔等に干渉する場合は、梁主筋を貫通孔等の手前で斜め方向に折り曲げて柱へ定着させる措置が講じられるが、一般に大径の梁主筋の斜め方向への折り曲げ加工には手間がかかること、このように斜め方向へ折り曲げられた梁主筋を柱の内部に延ばした場合に、柱の内部にある柱主筋や、扁平梁の柱幅部の梁主筋等と錯綜し、柱の内部におけるコンクリートの充填不良を来すといった課題があって好ましくない。尚、貫通孔等の手前で梁主筋を切断すると、梁主筋が必要とする定着長を確保できないことから、そもそもこのような対策を講じることはできない。
【0005】
以上のことから、扁平梁の張出し部に上下方向に延びる貫通孔や埋設物が存在する場合でも、張出し部における梁主筋を折り曲げ加工することなく貫通孔等との干渉を防止しながら、所定の定着長を確保することのできる扁平梁が望まれる。
【0006】
ここで、特許文献1には、柱と、柱に架設されて、上下方向に貫通する貫通孔を備えている扁平梁とを有する、柱梁構造が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2015-21254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載の柱梁構造を形成する扁平梁も、上下方向に貫通する貫通孔を備えているものの、扁平梁の張出し部における梁主筋と貫通孔との干渉を防止する手段に関する記載は一切ない。
【0009】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、扁平梁の張出し部に上下方向に延びる貫通孔や埋設物が存在する場合でも、張出し部における梁主筋を折り曲げ加工することなく貫通孔等との干渉を防止しながら、所定の定着長を確保することのできる、扁平梁を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成すべく、本発明による扁平梁の一態様は、
柱の幅よりも広幅に形成され、前記柱の幅に相当する柱幅部と、前記柱から張出す張出し部とを備える、鉄筋コンクリート製の扁平梁において、前記張出し部に上下方向に延びる貫通孔が設けられている、扁平梁であって、
鋼製で筒状の繋ぎ材の上方に、第1Aリング体と第1Bリング体が相互に積層した状態で少なくとも一部が嵌め込まれ、前記第1Aリング体には、前記張出し部の上端主筋を構成する第1分割上端主筋の端部が溶接接合され、前記第1Bリング体には、前記張出し部の上端主筋を構成する第2分割上端主筋の端部が溶接接合されており、
前記第1Aリング体、前記第1Bリング体、及び前記繋ぎ材により、管状ユニットが形成され、
前記貫通孔に対して前記管状ユニットが配設されていることを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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