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公開番号
2024148509
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-18
出願番号
2023061695
出願日
2023-04-05
発明の名称
トンネルの出来形管理方法および装置
出願人
株式会社フジタ
代理人
個人
主分類
E21D
9/00 20060101AFI20241010BHJP(地中もしくは岩石の削孔;採鉱)
要約
【課題】トンネルの3次元形状の計測作業の作業効率の向上を図りトンネルの出来形の管理を効率よく行なう。
【解決手段】トンネル2の天端部近傍の周壁面2Bに、トンネル2の長手方向に沿って主索18を張設すると共に、主索18に沿って移動する自走式移動体12を設け、トンネル2の3次元形状を計測して3次元形状データを生成する3次元レーザースキャナー14を自走式移動体12に取り付け、自走式移動体12を主索18に沿って移動させ、3次元レーザースキャナー14による3次元形状の計測を行ない、3次元レーザースキャナー14で計測された3次元形状データと、トンネル2の設計データとに基づいてトンネル2の出来形の管理を行なうための管理情報を生成するようにした。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
トンネルの天端部近傍の周壁面に、前記トンネルの長手方向に沿って主索を張設すると共に、前記主索に沿って移動する自走式移動体を設け、
前記自走式移動体を前記主索に沿って移動させ、前記自動式移動体が備える3次元レーザースキャナーにより前記トンネルの3次元形状データの生成を行ない、
前記3次元形状データと、前記トンネルの設計データとに基づいて前記トンネルの出来形の管理を行なうための管理情報を生成する、
ことを特徴とするトンネルの出来形管理方法。
続きを表示(約 980 文字)
【請求項2】
前記管理情報は、前記3次元形状データに基づく前記トンネルの断面図と、前記設計データに基づく前記トンネルの断面図とを比較した画像情報を含む、
ことを特徴とする請求項1記載のトンネルの出来形管理方法。
【請求項3】
前記トンネルの所定箇所に基準ターゲットを配置し、
前記3次元レーザースキャナーは前記基準ターゲットを計測することで前記トンネルの基準点を取得し、
前記管理情報の生成に先立って、前記3次元形状データは、前記3次元レーザースキャナーの機械中心を原点とする機械座標系から前記基準点を原点とする前記トンネルの現地座標系に変換される変換処理がなされる、
ことを特徴とする請求項1または2記載のトンネルの出来形管理方法。
【請求項4】
掘削されたトンネルの天端部近傍の周壁面に前記トンネルの長手方向に沿って張設された主索に沿って移動する自走式移動体と、
前記自走式移動体に取り付けられ、前記トンネルの3次元形状を計測して3次元形状データを生成する3次元レーザースキャナーと、
前記3次元形状データと、前記トンネルの設計データとに基づいて前記トンネルの出来形の管理を行なうための管理情報を生成する情報処理装置と、
を備えることを特徴とするトンネルの出来形管理装置。
【請求項5】
前記自走式移動体は、
前記自走式移動体を前記主索に沿って移動させる駆動部と、
遠隔制御装置と無線回線を介して通信可能に構成された通信部と、
前記遠隔制御装置から前記無線回線を介して前記通信部に与えられた制御指令に基づいて前記駆動部を制御する制御部とを備える、
ことを特徴とする請求項4記載のトンネルの出来形管理装置。
【請求項6】
前記主索は、前記トンネルの長手方向に間隔をおいた前記周壁面に取着された一対のブラケット間に張設され、
前記一対のブラケットのうちの一方のブラケットに、前記主索の一端を固定し、前記一対のブラケットのうちの他方のブラケットに、前記主索の他端の繰り出しおよび巻き取りを可能としたリール部が設けられている、
ことを特徴とする請求項4または5記載のトンネルの出来形管理装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、山岳地などにおけるトンネルの出来形管理方法および装置に関する。
続きを表示(約 4,600 文字)
【0002】
従来から山岳地の岩盤を掘削して車両や鉄道が通る空間を構築するためにトンネル工事が行われている。
この場合、3次元レーザースキャナーを用いて掘削後あるいは一次覆工後のトンネルの3次元形状を計測し、その計測結果からトンネルの断面形状を演算し、計測された断面形状と設計された断面形状とを比較してトンネルの出来形を評価し、その評価結果に基づいて掘削作業の修正を行なうなどしてトンネルの施工を管理することが開示されている(特許文献1参照)。
また、一次覆工後に掘削した空間内にアーチ状のコンクリート(二次覆工)を構築し、3次元レーザースキャナーによりトンネルの3次元形状を計測し、その計測結果からトンネルの出来形を評価している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第5631512号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このようなトンネルの3次元形状の計測に際しては、作業員が手作業で3次元レーザースキャナーを架台と共に運搬してトンネルの床面上に配置したり、あるいは、3次元レーザースキャナーを搭載した車両(自動車)を作業員が手作業で操縦して床面上を移動させ配置したりしている。
一方、施工中のトンネルの床面上には、掘削を行なうための重機や掘削で排出されたずりを運搬するためのコンベヤが設置されていたり、あるいは、ずりを運搬するための運搬車両が走行するため、トンネルの床面上のスペースは限られたものとなっている。
そのため、限られたスペースにおいて、3次元レーザースキャナーの移動や配置に伴う手間暇がかかる作業を行わざるを得ず作業効率が低下しており、トンネルの3次元形状の計測作業の効率化を図る上で改善の余地がある。
本発明は前記事情に鑑み案出されたもので、本発明の目的は、トンネルの3次元形状の計測作業の作業効率の向上を図りトンネルの出来形の管理を効率よく行なう上で有利なトンネルの出来形管理方法および装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した目的を達成するために、本発明の一実施の形態は、トンネルの天端部近傍の周壁面に、前記トンネルの長手方向に沿って主索を張設すると共に、前記主索に沿って移動する自走式移動体を設け、前記トンネルの3次元形状を計測して3次元形状データを生成する3次元レーザースキャナーを前記自走式移動体に取り付け、前記自走式移動体を前記主索に沿って移動させ、前記3次元レーザースキャナーによる前記3次元形状の計測を行ない、前記3次元レーザースキャナーで計測された前記3次元形状データと、前記トンネルの設計データとに基づいて前記トンネルの出来形の管理を行なうための管理情報を生成することを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記管理情報は、前記3次元形状データに基づく前記トンネルの断面図と、前記設計データに基づく前記トンネルの断面図とを比較した画像情報を含むことを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記トンネルの所定箇所に基準ターゲットを配置し、前記3次元レーザースキャナーは前記基準ターゲットを計測することで前記トンネルの基準点を取得し、前記管理情報の生成に先立って、前記トンネルの3次元形状データは、前記3次元レーザースキャナーの機械中心を原点とする機械座標系から前記基準点を原点とする前記トンネルの現地座標系に変換される変換処理がなされることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、掘削されたトンネルの天端部近傍の周壁面に前記トンネルの長手方向に沿って張設された主索に沿って移動する自走式移動体と、前記自走式移動体に取り付けられ、前記トンネルの3次元形状を計測して3次元形状データを生成する3次元レーザースキャナーと、前記3次元形状データと、前記トンネルの設計データとに基づいて前記トンネルの出来形の管理を行なうための管理情報を生成する情報処理装置とを備えることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記自走式移動体は、前記自走式移動体を前記主索に沿って移動させる駆動部と、遠隔制御装置と無線回線を介して通信可能に構成された通信部と、前記遠隔制御装置から前記無線回線を介して前記通信部に与えられた制御指令に基づいて前記駆動部を制御する制御部とを備えることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記主索は、前記トンネルの長手方向に間隔をおいた前記周壁面に取着された一対のブラケット間に張設され、前記一対のブラケットの一方のブラケットに、前記主索が巻き取られ前記主索の前記一対のブラケットの他方のブラケットに対して繰り出しおよび巻き取り可能なリール部が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一実施の形態によれば、トンネルの天端部近傍の周壁面に、トンネルの長手方向に沿って主索を張設すると共に、主索に沿って移動する自走式移動体を設け、トンネルの3次元形状を計測して3次元形状データを生成する3次元レーザースキャナーを自走式移動体に取り付け、自走式移動体を主索に沿って移動させ、3次元レーザースキャナーによる3次元形状の計測を行ない、3次元レーザースキャナーで計測された3次元形状データと、トンネルの設計データとに基づいてトンネルの出来形の管理を行なうための管理情報を生成するようにした。
したがって、天端部近傍は、重機や設備が存在しない見通しがよい広いスペースを確保できるため、天端部近傍に張設した主索に沿って移動する自走式移動体に搭載された3次元レーザースキャナーによってトンネルの3次元形状を効率よく計測することができ、計測作業の作業効率の向上を図りトンネルの出来形の管理を効率よく行なう上で有利となる。
また、トンネルの3次元形状の計測作業に際しては、事前に自走式移動体走行する1本の主索を張設すれば足りるため、計測作業に先立って行なう作業の簡素化を図る上で有利となる。
また、主索は、トンネルの天端部近傍の僅かなスペースを占有するに過ぎないため、トンネル内の重機や設備の邪魔になることはなく、トンネルの施工作業に影響を与えることなくトンネルの3次元形状の計測作業を行なう上で有利となる。
また、本発明の一実施の形態によれば、管理情報は、3次元形状データに基づくトンネルの断面図と、設計データに基づくトンネルの断面図とを比較した画像情報を含むものとしたので、それら2つの断面図を比較することでトンネルの施工の品質管理を的確に行なう上で有利となる。
また、本発明の一実施の形態によれば、管理情報の生成に先立って、トンネルの3次元形状データは、3次元レーザースキャナーの機械中心を原点とする機械座標系から基準ターゲットに基づいて取得された基準点を原点とするトンネルの現地座標系に変換される変換処理がなされるようにしたので、基準ターゲットを配置するといった簡単な作業でトンネルの3次元形状データを的確に取得する上で有利となる。
また、本発明の一実施の形態によれば、作業員は、自走式移動体から離れた箇所から遠隔制御装置を操作することにより簡単に自走式移動体の移動を制御でき、トンネルの3次元形状データの計測作業の効率化を図る上で有利となる。
また、本発明の一実施の形態によれば、一対のブラケット間に張設される主索の長さを任意に変えることができるので、トンネルの施工状態に対応して、3次元レーザースキャナーで計測する計測範囲をトンネルの長手方向に沿って柔軟に変更することができ、トンネルの3次元形状データの計測作業の効率化を図る上で有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
実施の形態に係るトンネルの出来形管理方法が適用されるトンネルの側面断面図であり、実施の形態に係るトンネルの出来形管理装置がトンネル内に設置された状態を示す。
図1のA-A線断面図である。
主索を支持するブラケットの変形例を示す側面図である。
実施の形態に係るトンネルの出来形管理装置の構成を示すブロック図である。
トンネルの基準断面図と実測断面図とを重ね合わせて表示した管理情報の一例を示す説明図である。
実施の形態に係るトンネルの出来形管理方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態に係るトンネルの出来形管理装置と共に、出来形管理方法について説明する。
【0009】
まず、山岳地における一般的なトンネルの施工について説明する。山岳地においては、発破工法や機械工法などの従来公知のさまざまな工法によってトンネルの掘削が行われる。
例えば、発破工法の場合には、発破作業終了後、現場作業員によりバックホウや削岩機を用いた掘削作業が行われ、発破作業および掘削作業によって発生した掘削ずりはホイールローダやダンプトラックなどの重機によりトンネルの坑外に搬出される。
掘削ずりの搬出後、鋼製支保工の建込みがなされ、ついで、切羽面近傍のトンネルの周壁面およびトンネルの床面に対してコンクリート吹き付け機によりコンクリートの吹付けがなされ、コンクリートによる一次覆工がなされる。
次に、ロックボルト挿通孔が周壁面に削孔されたのち、ロックボルト挿通孔にロックボルトが打設され地山の安定化が図られる。
また、トンネルが所定の長さ分掘削される毎に、トンネルの床面にレールが敷設され、移動式型枠であるスライドセントルをレール上で移動させ、周壁面に対向してスライドセントルを配置し、周壁面とスライドセントルとの間にコンクリートを打設することで覆工作業が行われ、コンクリートによる二次覆工がなされる。
このようなトンネルの掘削作業と覆工作業が繰り返してなされることでトンネルが施工されていく。
以下では、トンネルの掘削を発破工法を用いて行なう場合について説明するが、トンネルの掘削を機械工法などの発破工法以外の工法によって行なう場合についても本発明は無論適用可能である。
【0010】
トンネルの出来形管理は、トンネルの掘削作業後、一次覆工後および二次覆工後においてそれぞれトンネルの3次元形状を計測し、計測したトンネルの3次元形状に基づいてトンネルの出来形を評価することによってなされる。
本実施の形態では、掘削作業後、一次覆工後、二次覆工後の各段階におけるトンネルの出来形管理について、本発明が適用され、トンネル内に張設された主索に沿って移動する自走式移動体に取り付けた3次元レーザースキャナーを利用してトンネルの3次元形状を計測する場合について説明する。
(【0011】以降は省略されています)
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