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公開番号2024102391
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-31
出願番号2021094197
出願日2021-06-04
発明の名称難燃性布帛及びそれを用いた作業服
出願人株式会社カネカ
代理人
主分類D04B 1/14 20060101AFI20240724BHJP(組みひも;レース編み;メリヤス編成;縁とり;不織布)
要約【課題】難燃性に優れた布帛およびそれを用いた作業服を提供する。
【解決手段】アクリル系繊維65~90重量%及びセルロース系繊維10~35重量%を含む布帛であって、前記セルロース系繊維は、再生セルロース系繊維及び天然セルロース系繊維からなる群から選ばれる1以上であり、マグネシウム化合物が布帛全体重量に対して2.5重量%以上4.5重量%以下含む難燃性布帛に関する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
アクリル系繊維及びセルロース系繊維を含む難燃性布帛であって、
前記セルロース系繊維は、再生セルロース系繊維及び天然セルロース系繊維からなる群から選ばれる1以上であり、
前記難燃性布帛は、繊維全体重量に対して前記アクリル系繊維を65~90重量%、前記セルロース系繊維を10~35重量%を含み、
前記難燃性布帛に含まれるマグネシウム化合物が、繊維全体重量に対して2.5重量%以上4.5重量%以下であり、
前記難燃性布帛は、ISO15025-2000に基づいた燃焼性試験によって測定した、残炎時間が2秒以下、かつ残じん時間が2秒以下である、難燃性布帛。
続きを表示(約 690 文字)【請求項2】
前記アクリル系繊維は、アクリロニトリルを30~85重量%、ハロゲン含有ビニル単量体及びハロゲン含有ビニリデン単量体からなる群から選ばれる1以上のハロゲン含有単量体15~65重量%、及びスルホン酸基含有ビニル単量体を0~3重量%以下含むアクリロニトリル系共重合体で構成されている請求項1に記載の難燃性布帛。
【請求項3】
前記アクリル系繊維は、繊維内部にマグネシウム化合物を5~8重量%含む請求項1又は2に記載の難燃性布帛。
【請求項4】
前記再生セルロース系繊維は、レーヨン繊維、難燃レーヨン繊維、リヨセル繊維及び難燃リヨセル繊維からなる群から選ばれる1以上である、請求項1~3のいずれかに記載の難燃性布帛。
【請求項5】
前記難燃性布帛は、前記アクリル系繊維を65~90重量%、前記再生セルロース系繊維10~35重量%含む請求項1~4のいずれかに記載の難燃性布帛。
【請求項6】
前記難燃性布帛は、前記アクリル系繊維を80~90重量%、前記天然セルロース繊維を10~20重量%含む、請求項1~4のいずれかに記載の難燃性布帛。
【請求項7】
前記アクリル系繊維は原液着色繊維である、請求項1~6のいずれかに記載の難燃性布帛。
【請求項8】
前記難燃性布帛は、洗濯30回後のJIS K 7201-2に基づいた限界酸素指数が27以上がある請求項1~7のいずれかに記載の難燃性布帛。
【請求項9】
請求項1~8のいずれかに記載の難燃性布帛を用いた作業服。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、難燃性布帛及びそれを用いた作業服に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
消防士、並びに石油、石化、石炭鉱山、電力、溶接及び金属加工などの作業現場などの火炎の危険にさらされる環境下の作業者は、難燃性を有する作業服を求めている。難燃性を有する作業服用布帛として、様々な構成のものが提案されている。例えば、特許文献1には、40~56%の難燃剤としてアンチモン化合物を用いた難燃モダクリル繊維、5~25%のセルロース系繊維及び20~40%の難燃ビスコース繊維を含む難燃性布帛が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2010/010369号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、近年、難燃剤であるアンチモン化合物の溶出や排出による環境への影響が懸念されており、改善が求められていた。さらに、優れた難燃性を確保しつつ、作業服として繰り返し使用する点から、肌触りや風合い、洗濯耐久性の向上も求められていた。また、コストの観点からも改善の余地があった。
本発明は、上記従来の問題を解決するため、環境への影響が懸念されず、高い難燃性を有し、さらには優れた洗濯耐久性、風合いを有する難燃性布帛及びそれを用いた作業服を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題は、所定の組成を有する繊維に対して、所定量のマグネシウム化合物を含有させることにより解決できる。すなわち、本発明は、アクリル系繊維及びセルロース系繊維を含む難燃性布帛であって、前記セルロース系繊維は、再生セルロース系繊維及び天然セルロース系繊維からなる群から選ばれる1以上であり、前記難燃性布帛において、布帛を構成する繊維は、前記アクリル系繊維を65~90重量%、前記セルロース系繊維を10~35重量%を含み、前記難燃性布帛に含まれるマグネシウム化合物が、繊維全体重量に対して2.5重量%以上4.5重量%以下であり、前記難燃性布帛は、ISO15025-2000に基づいた燃焼性試験によって測定した、残炎時間が2秒以下、かつ残じん時間が2秒以下である、難燃性布帛に関する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、環境への影響の懸念が低減され、良好な難燃性、洗濯耐久性、風合いを有する難燃性布帛及びそれを用いた作業服を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の発明者らは、アクリル系繊維およびセルロース系繊維を含む布帛に、マグネシウム化合物を所定量含有させることで、環境への影響の懸念を低減しつつ、優れた難燃性が発現し、燃焼試験において残炎時間及び残じん時間が短縮されるとともに、特に驚くことに、洗濯耐久性、風合いも付与し得ることを見出した。本発明の1以上の実施形態において、「残炎時間」及び「残じん時間」は、それぞれISO15025-2000に基づいた燃焼性試験により測定することができる。本発明の1以上の実施形態において、洗濯耐久性は、ISO6330に基づいた洗濯方法を基に処理された布帛の限界酸素指数をJIS K 7201-2に基づいた方法にて測定することができ限界酸素指数が27以上となる。
【0008】
<マグネシウム化合物>
本発明の1以上の実施形態において、燃焼時に炭化層を形成しやすい観点から、難燃剤としてマグネシウム化合物を使用する。
【0009】
難燃性布帛は、繊維全体に対するマグネシウム化合物の割合が1重量%以上10重量%以下が好ましく、より好ましくは3重量%以上5重量%以下であり、さらに好ましくは2.5重量%以上4.5重量%以下である。マグネシウム化合物の割合が1重量%未満の場合、十分な難燃性が得られないため好ましくなく、10重量%より大きい場合、高い難燃性を得るために良いが、風合い、触感、繊維強度、生地強度を損なってしまう点からの点から好ましくない。
【0010】
本発明で用いられるマグネシウム化合物の粒子径は0.3μm以上、好ましくは0.3μm以上2.0μm以下、更に好ましくは0.5μm以上1.5μm以下である。粒子径が0.3μm未満であると、マグネシウム化合物粒子の表面積が増大し、紡績等の繊維加工工程において静電気発生のより加工が困難となる。粒子径が2.0μmを超えると、紡糸工程にて紡糸口金の閉塞を引き起こしてしまうために製造上好ましくない。本発明において、マグネシウム化合物の平均粒子径は、例えば、粉体の場合は、レーザー回折法で測定することができ、水や有機溶媒に分散した分散体(分散液)の場合は、レーザー回折法または動的光散乱法で測定することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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