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公開番号2024143794
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-11
出願番号2023056677
出願日2023-03-30
発明の名称水系塗料
出願人株式会社カネカ
代理人弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
主分類C09D 151/08 20060101AFI20241003BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】海水温下での損失正接(tanδ)が小さい塗膜を提供し得る、製膜性に優れた水系塗料を提供すること。
【解決手段】特定の構成単位を含む非架橋ポリオルガノシロキサンとグラフト部とを含むグラフト共重合体(A)を含み、グラフト部が、それぞれ特定の構成を有する、第一グラフト部および第二グラフト部を含む、水系塗料とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
グラフト共重合体(A)を含み、
前記グラフト共重合体(A)は、ポリオルガノシロキサンと、当該ポリオルガノシロキサンに対して、グラフト結合されたグラフト部と、を含み、
前記ポリオルガノシロキサンは、(a)(a-1)分子内に1個以上の加水分解性シリル基と、(a-2)1個以上のエチレン性不飽和基および/またはメルカプト基と、を含有する単量体に由来する構成単位U

を含み、かつ(b)非架橋であり、
前記グラフト部は第一グラフト部および第二グラフト部を含み、
前記第一グラフト部は、(a)(a-1)分子内に1個以上の加水分解性シリル基と、(a-2)1個以上のエチレン性不飽和基および/またはメルカプト基と、を含有する単量体に由来する構成単位U

を含み、かつ(b)連鎖移動剤に由来する構成単位を含まず、
前記第二グラフト部は、(a)連鎖移動剤に由来する構成単位を含み、かつ(b)(b-1)分子内に1個以上の加水分解性シリル基と、(b-2)1個以上のエチレン性不飽和基および/またはメルカプト基と、を含有する単量体に由来する構成単位U

を含まない、水系塗料。
続きを表示(約 770 文字)【請求項2】
前記グラフト部は、前記グラフト部100重量%中、前記構成単位U

を7.0重量%~20.0重量%含む、請求項1に記載の水系塗料。
【請求項3】
前記グラフト部のガラス転移温度は25℃以上である、請求項1または2に記載の水系塗料。
【請求項4】
前記ポリオルガノシロキサンは、当該ポリオルガノシロキサン100重量%中、前記構成単位U

を0.001重量%~10.0重量%含む、請求項1または2に記載の水系塗料。
【請求項5】
前記グラフト部は、さらに、反応性乳化剤に由来する構成単位を含む、請求項1または2に記載の水系塗料。
【請求項6】
前記グラフト部は、当該グラフト部100重量%中、前記反応性乳化剤に由来する構成単位を0.1重量%~20.0重量%含む、請求項5に記載の水系塗料。
【請求項7】
前記ポリオルガノシロキサンの体積平均粒子径は、0.03μm~50.00μmである、請求項1または2に記載の水系塗料。
【請求項8】
前記グラフト共重合体(A)100重量%中、前記ポリオルガノシロキサンは55重量%~90重量%である、請求項1に記載の水系塗料。
【請求項9】
前記水系塗料は、さらに、重合体(B)を含み、
前記重合体(B)は、芳香族ビニル単量体、ビニルシアン単量体、および(メタ)アクリレート単量体からなる群より選択される1種以上の単量体に由来する構成単位を含む、請求項1または2に記載の水系塗料。
【請求項10】
前記水系塗料は、さらに防汚剤を含む、請求項1または2に記載の水系塗料。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水系塗料に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
塗料(例えば、防汚塗料)としては様々なものが開発されている。現在、塗料の主流は溶剤系塗料であるが、近年、環境保全およびや安全衛生の観点から、水系塗料への移行が急速に進んでいる。水系塗料としては、例えば、特許文献1および2に記載の技術が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2008-260883号公報
特開2007-191531号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のような従来技術は、塗膜の防汚性という観点からは、十分なものでなく、さらなる改善の余地があった。また、塗料は、製膜性に優れることが好ましい。
【0005】
本発明の一実施形態は、前記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、海水温下での損失正接(tanδ)が小さい塗膜を提供し得る、製膜性に優れた新規の水系塗料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討した結果、本発明を完成させるに至った。
【0007】
すなわち、本発明の一実施形態は、以下の構成を含むものである。
〔1〕グラフト共重合体(A)を含み、前記グラフト共重合体(A)は、ポリオルガノシロキサンと、当該ポリオルガノシロキサンに対して、グラフト結合されたグラフト部と、を含み、前記ポリオルガノシロキサンは、(a)(a-1)分子内に1個以上の加水分解性シリル基と、(a-2)1個以上のエチレン性不飽和基および/またはメルカプト基と、を含有する単量体に由来する構成単位U

を含み、かつ(b)非架橋であり、前記グラフト部は第一グラフト部および第二グラフト部を含み、前記第一グラフト部は、(a)(a-1)分子内に1個以上の加水分解性シリル基と、(a-2)1個以上のエチレン性不飽和基および/またはメルカプト基と、を含有する単量体に由来する構成単位U

を含み、かつ(b)連鎖移動剤に由来する構成単位を含まず、前記第二グラフト部は、(a)連鎖移動剤に由来する構成単位を含み、かつ(b)(b-1)分子内に1個以上の加水分解性シリル基と、(b-2)1個以上のエチレン性不飽和基および/またはメルカプト基と、を含有する単量体に由来する構成単位U

を含まない、水系塗料。
〔2〕前記グラフト部は、前記グラフト部100重量%中、前記構成単位U

を7.0重量%~20.0重量%含む、〔1〕に記載の水系塗料。
〔3〕前記グラフト部のガラス転移温度は25℃以上である、〔1〕または〔2〕に記載の水系塗料。
〔4〕前記ポリオルガノシロキサンは、当該ポリオルガノシロキサン100重量%中、前記構成単位U

を0.001重量%~10.0重量%含む、〔1〕~〔3〕の何れか1つに記載の水系塗料。
〔5〕前記グラフト部は、さらに、反応性乳化剤に由来する構成単位を含む、〔1〕~〔4〕の何れか1つに記載の水系塗料。
〔6〕前記グラフト部は、当該グラフト部100重量%中、前記反応性乳化剤に由来する構成単位を0.1重量%~20.0重量%含む、〔5〕に記載の水系塗料。
〔7〕前記ポリオルガノシロキサンの体積平均粒子径は、0.03μm~50.00μmである、〔1〕~〔6〕の何れか1つに記載の水系塗料。
〔8〕前記グラフト共重合体(A)100重量%中、前記ポリオルガノシロキサンは55重量%~90重量%である、〔1〕~〔7〕のいずれか1つに記載の水系塗料。
〔9〕前記水系塗料は、さらに、重合体(B)を含み、前記重合体(B)は、芳香族ビニル単量体、ビニルシアン単量体、および(メタ)アクリレート単量体からなる群より選択される1種以上の単量体に由来する構成単位を含む、〔1〕~〔8〕の何れか1つに記載の水系塗料。
〔10〕前記水系塗料は、さらに防汚剤を含む、〔1〕~〔9〕の何れか1つに記載の水系塗料。
〔11〕前記グラフト共重合体(A)および前記重合体(B)の合計100重量%中、前記重合体(B)は5.0重量%以上である、〔9〕に記載の水系塗料。
〔12〕〔1〕~〔11〕の何れか1つに記載の水系塗料を水中構造物に塗布する工程を含む、水系塗膜の製造方法。
〔13〕(a)オルガノシロキサン、および(b)(b-1)分子内に1個以上の加水分解性シリル基と、(b-2)1個以上のエチレン性不飽和基および/またはメルカプト基と、を含有する単量体M

、を含むポリオルガノシロキサン形成用単量体混合物を重合してポリオルガノシロキサンを得る工程1と、工程1で得られた前記ポリオルガノシロキサンの存在下でグラフト部形成用単量体混合物を重合する工程2と、を有し、前記工程1では、前記ポリオルガノシロキサン形成用単量体混合物100重量%中、多官能性のアルコキシシラン化合物および多官能性単量体の合計使用量が0.50重量%以下であり、前記工程2は、第一グラフト部形成用単量体混合物を重合する工程2aと、第二グラフト部形成用単量体混合物を重合する工程2bと、を有し、前記工程2aでは、前記第一グラフト部形成用単量体混合物は、(a)(a-1)分子内に1個以上の加水分解性シリル基と、(a-2)1個以上のエチレン性不飽和基および/またはメルカプト基と、を含有する単量体に由来する単量体M

を含み、かつ(b)連鎖移動剤を含まず、前記工程2bでは、前記第二グラフト部形成用単量体混合物は、(a)連鎖移動剤を含み、かつ(b)(b-1)分子内に1個以上の加水分解性シリル基と、(b-2)1個以上のエチレン性不飽和基および/またはメルカプト基と、を含有する単量体M

を含まない、水系塗料の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一実施形態によれば、海水温下での損失正接(tanδ)が小さい塗膜を提供し得る、製膜性に優れた水系塗料を提供することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一実施形態について以下に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、以下に説明する各構成に限定されるものではなく、請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能である。また、異なる実施形態または実施例にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせて得られる実施形態または実施例についても、本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。なお、本明細書中に記載された学術文献および特許文献の全てが、本明細書中において参考文献として援用される。また、本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A~B」は、「A以上(Aを含みかつAより大きい)B以下(Bを含みかつBより小さい)」を意図する。
【0010】
本明細書において、重合体、共重合体または樹脂に含まれる、「X単量体に由来する構成単位」を「X単位」と称する場合がある。
(【0011】以降は省略されています)

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