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公開番号
2024101479
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-07-29
出願番号
2023005488
出願日
2023-01-17
発明の名称
歩行者保護装置
出願人
豊田合成株式会社
代理人
個人
主分類
B60R
21/36 20110101AFI20240722BHJP(車両一般)
要約
【課題】左エアバッグ若しくは右エアバッグの容積の増大を抑制できて、かつ、安定した保護性能を確保可能な歩行者保護装置を提供すること。
【解決手段】車両Vにおけるフードパネル8の後端8a近傍に配設されるとともに、それぞれ、内部に膨張用ガスを流入させた膨張完了時に、車幅方向側で並設される左エアバッグ40Lと右エアバッグ40Rとを、備え、左エアバッグと右エアバッグとが、膨張完了時に、ともに、車幅方向に沿うように配置されて、カウルの上面側を覆うカウルカバー部52L,52Rを、備える。各カウルカバー部が、膨張完了時における相互に接近する端側に、上下方向側で相互に重ねられて配置される端部領域70L,70Rを、有する。一方の端部領域70Rが、膨張完了時の内圧を、右エアバッグにおける一般領域54よりも高められるように、構成されている。
【選択図】図11
特許請求の範囲
【請求項1】
車両におけるフードパネルの後端近傍に配設されるとともに、それぞれ、内部に膨張用ガスを流入させた膨張完了時に、車幅方向側で並設される左エアバッグと右エアバッグとを、備えて、
前記左エアバッグと前記右エアバッグとが、膨張完了時に、ともに、車幅方向に沿うように配置されて、カウルの上面側を覆うカウルカバー部を、備える構成の歩行者保護装置であって、
前記各カウルカバー部が、膨張完了時における相互に接近する端側に、上下方向側で相互に重ねられて配置される端部領域を、有する構成とされ、
少なくとも一方の前記端部領域が、膨張完了時の内圧を、前記左エアバッグ若しくは前記右エアバッグにおける一般領域よりも高められるように、構成されていることを特徴とする歩行者保護装置。
続きを表示(約 260 文字)
【請求項2】
膨張完了時に上側に位置する上側端部領域が、膨張完了時の内圧を他の一般領域よりも高められるように、構成されていることを特徴とする請求項1に記載の歩行者保護装置。
【請求項3】
前記左エアバッグと前記右エアバッグとが、それぞれ、左右の一対のワイパにおいて車幅方向の中央側に配置されるワイパピボットの左右で膨張するように構成されて、
膨張完了時に下側に位置する下側端部領域が、端縁を前記ワイパピボットに隣接させるような構成とされることを特徴とする請求項2に記載の歩行者保護装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両におけるフードパネルの後端近傍に配設される歩行者保護装置に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、車両のフードパネルの後端近傍に配設される歩行者保護装置としては、車両搭載スペースをコンパクトにするために、左右で分割させて、膨張完了時に、車幅方向側で並設される左エアバッグと右エアバッグと、を備える構成のものがあった。この従来の歩行者保護装置では、左エアバッグと右エアバッグとが、それぞれ、膨張完了時に車幅方向に略沿うように配置されてカウルの上方を覆うカウルカバー部を、備える構成とされるとともに、この2つのカウルカバー部における相互に近接した側の端末相互を重ねるように膨張させて、カウルの上方を略全長にわたって覆うような構成とされていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2017-177986公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の歩行者保護装置では、左エアバッグと右エアバッグとにおける各カウルカバー部の端末相互を、膨張完了時に単に上下で重ねるように配置させるのみであることから、この端末相互が重なっている領域の保護性能を、カウルカバー部における端末以外の一般領域と略同等の保護性能とするためには、重なり量を大きく設定する必要があった。すなわち、従来の歩行者保護装置では、各左エアバッグ,右エアバッグの膨張完了時に、カウルカバー部の端末相互を大きく重ならせる必要があり、左エアバッグ若しくは右エアバッグの容積(折り畳んだ左エアバッグ若しくは右エアバッグを収納させるケースの容積)の増大を抑制して、コンパクトにする点に、改善の余地があった。
【0005】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、左エアバッグ若しくは右エアバッグの容積の増大を抑制できて、かつ、安定した保護性能を確保可能な歩行者保護装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る歩行者保護装置は、車両におけるフードパネルの後端近傍に配設されるとともに、それぞれ、内部に膨張用ガスを流入させた膨張完了時に、車幅方向側で並設される左エアバッグと右エアバッグとを、備えて、
左エアバッグと右エアバッグとが、膨張完了時に、ともに、車幅方向に沿うように配置されて、カウルの上面側を覆うカウルカバー部を、備える構成の歩行者保護装置であって、
各カウルカバー部が、膨張完了時における相互に接近する端側に、上下方向側で相互に重ねられて配置される端部領域を、有する構成とされ、
少なくとも一方の端部領域が、膨張完了時の内圧を、左エアバッグ若しくは右エアバッグにおける一般領域よりも高められるように、構成されていることを特徴とする。
【0007】
本発明の歩行者保護装置では、左エアバッグと右エアバッグとの各カウルカバー部において、膨張完了時における相互に接近する端側に配置されて、上下方向側で相互に重ねられる端部領域が、少なくとも一方を、左エアバッグ若しくは右エアバッグにおける一般領域よりも内圧を高められて配置される構成とされている。すなわち、本発明の歩行者保護装置では、各カウルカバー部において、重なっているうちの少なくとも一方の端部領域が、高い内圧を維持した状態で配置される構成であることから、カウルカバー部の全ての領域を略同一の内圧として、端部相互を重ねる場合と比較して、相互の重なり量を小さく設定しても、高い保護性能を確保することができ、歩行者を安定して保護することができる。すなわち、本発明の歩行者保護装置では、各カウルカバー部の端部領域相互の重なり量を小さくすることができ、換言すれば、カウルカバー部の長さ寸法を相対的に小さくすることができて、左エアバッグ若しくは右エアバッグの容積の増大を抑制することができる。
【0008】
したがって、本発明の歩行者保護装置では、左エアバッグ若しくは右エアバッグの容積の増大を抑制できて、かつ、安定した保護性能を確保することができる。
【0009】
また、本発明の歩行者保護装置において、膨張完了時に上側に位置する上側端部領域を、膨張完了時の内圧を他の一般領域よりも高められるような構成とすることが、好ましい。このような構成とすれば、左エアバッグ及び右エアバッグの膨張完了時において、カウルカバー部の境界部位付近(相互に重なっている端部領域)による歩行者の受止時に、まず、内圧を高く設定される領域(上側端部領域)が、下面側を下側端部領域に支持された状態で、歩行者と接触して、歩行者を受け止めることとなる。すなわち、相対的に硬く膨張している部位が直接歩行者を受け止めることから、内圧を高く設定される領域を下側で重ねる場合と比較して、歩行者の保護に必要な反力を確保しやすく、歩行者を安定して保護することができる。
【0010】
さらに、上記構成の歩行者保護装置において、左エアバッグと右エアバッグとを、それぞれ、左右の一対のワイパにおいて車幅方向の中央側に配置されるワイパピボットの左右で膨張するように構成して、
膨張完了時に下側に位置する下側端部領域を、端縁をワイパピボットに隣接させるような構成とすることが、好ましい。
(【0011】以降は省略されています)
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