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公開番号
2024179998
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-26
出願番号
2023099392
出願日
2023-06-16
発明の名称
発光装置
出願人
豊田合成株式会社
,
学校法人 名城大学
代理人
弁理士法人あいち国際特許事務所
主分類
H01L
33/10 20100101AFI20241219BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】軸上強度を向上させることができる発光装置を提供する。
【解決手段】発光装置は、フリップチップ型で紫外発光の発光素子と、発光素子の少なくとも上面を接して覆い、屈折率が空気よりも高く発光素子よりも低い封止部と、封止部を接して覆い、屈折率が封止部よりも高いレンズと、を有する。発光素子の組成傾斜層の厚さは、活性層からn型層側に向かう光と、活性層からn型層とは反対側に向かったのちp側電極により反射されてn型層側に向かう光とが、干渉によって発光素子の主面に垂直な方向において強め合うように設定されている。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
フリップチップ型で紫外発光の発光素子と、
前記発光素子の少なくとも上面を接して覆い、屈折率が空気よりも高く前記発光素子よりも低い封止部と、
前記封止部を接して覆い、屈折率が前記封止部よりも高いレンズと、
を有し、
前記発光素子は、
n型のAlを含むIII族窒化物半導体からなるn型層と、
前記n型層の主面のうち前記封止部側とは反対側の面に位置し、Alを含むIII族窒化物半導体からなり、井戸層と障壁層を有する量子井戸構造である活性層と、
前記活性層の主面のうち前記n型層側とは反対側の面に位置し、p型のAlを含むIII族窒化物半導体からなり、Al組成が前記障壁層よりも高い電子ブロック層と、
前記電子ブロック層の主面のうち前記活性層側とは反対側の面に位置し、p型のAlを含むIII族窒化物半導体からなり、Al組成が前記活性層から離れるにつれて減少している組成傾斜層と、
前記組成傾斜層の主面のうち前記電子ブロック層側とは反対側の面に位置し、p型のAlを含むIII族窒化物半導体からなるp型コンタクト層と、
前記p型コンタクト層の主面のうち前記組成傾斜層側とは反対側の面に位置し、前記活性層からの紫外光を反射するp側電極と、
を有し、
前記組成傾斜層の厚さは、前記活性層から前記n型層側に向かう光と、前記活性層から前記n型層とは反対側に向かったのち前記p側電極により反射されて前記n型層側に向かう光とが、干渉によって前記発光素子の主面に垂直な方向において強め合うように設定されている、発光装置。
続きを表示(約 1,800 文字)
【請求項2】
前記障壁層のうち最上層である層から前記p型コンタクト層までの総膜厚をd1、前記組成傾斜層の厚さをd2として、d1が、n×d1=m×λ(ここでnは発光波長における前記電子ブロック層から前記p型コンタクト層までの層の平均屈折率、λは発光波長)、mは0.55以上0.9以下、を満たすように厚さd2が設定されている、請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記組成傾斜層は、前記電子ブロック層側から順に、第1組成傾斜層、第2組成傾斜層を積層させた構造であり、前記第1組成傾斜層はノンドープまたはp型不純物ドープであり、前記第2組成傾斜層はp型不純物ドープであって前記第1組成傾斜層よりもp型不純物濃度が高い、請求項1または請求項2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記組成傾斜層の厚さは、前記第1組成傾斜層の厚さによって設定されている、請求項3に記載の発光装置。
【請求項5】
前記組成傾斜層の厚さd2に対する前記第1組成傾斜層の厚さの比は、0.4~0.7である、請求項3に記載の発光装置。
【請求項6】
前記封止部は、前記発光素子の上面に設けられ、側面には設けられていない、請求項1または請求項2に記載の発光装置。
【請求項7】
前記電子ブロック層は、前記活性層側から順に、第1電子ブロック層、第2電子ブロック層を積層させた構造であり、前記第2電子ブロック層のAl組成は、前記第1電子ブロック層のAl組成よりも低く、前記組成傾斜層のAl組成の最大値よりも低い、請求項1または請求項2に記載の発光装置。
【請求項8】
フリップチップ型で紫外発光の発光素子と、
前記発光素子の少なくとも上面を接して覆い、屈折率が空気よりも高く前記発光素子よりも低い封止部と、
前記封止部を接して覆い、屈折率が前記封止部よりも高いレンズと、
を有し、
前記発光素子は、
n型のAlを含むIII族窒化物半導体からなるn型層と、
前記n型層の主面のうち前記封止部側とは反対側の面に位置し、Alを含むIII族窒化物半導体からなり、井戸層と障壁層を有する量子井戸構造である活性層と、
前記活性層の主面のうち前記n型層側とは反対側の面に位置し、p型のAlを含むIII族窒化物半導体からなり、Al組成が前記障壁層よりも高い電子ブロック層と、
前記電子ブロック層の主面のうち前記活性層側とは反対側の面に位置し、p型のAlを含むIII族窒化物半導体からなり、Al組成が前記活性層から離れるにつれて減少している組成傾斜層と、
前記組成傾斜層の主面のうち前記電子ブロック層側とは反対側の面に位置し、p型のAlを含むIII族窒化物半導体からなるp型コンタクト層と、
前記p型コンタクト層の主面のうち前記組成傾斜層側とは反対側の面に位置し、前記活性層からの紫外光を反射するp側電極と、
を有した発光装置の製造方法であって、
前記組成傾斜層の厚さを、前記活性層から前記n型層側に向かう光と、前記活性層から前記n型層とは反対側に向かったのち前記p側電極により反射されて前記n型層側に向かう光とが、干渉によって前記発光素子の主面に垂直な方向において強め合うように設定する、発光装置の製造方法。
【請求項9】
前記障壁層のうち最上層である層から前記p型コンタクト層までの総膜厚をd1、前記組成傾斜層の厚さをd2、d3=d1-d2として、厚さd3を所定値に固定し、厚さd2を変更して、n×d1=m×λ(ここでnは発光波長における前記電子ブロック層から前記p型コンタクト層までの層の平均屈折率、λは発光波長)、mは0.55以上0.9以下、を満たすように厚さd2を設定する、請求項8に記載の発光装置の製造方法。
【請求項10】
前記組成傾斜層は、前記電子ブロック層側から順に、第1組成傾斜層、第2組成傾斜層を積層させた構造であり、前記第1組成傾斜層はノンドープまたはp型不純物ドープであり、前記第2組成傾斜層はp型不純物ドープであって前記第1組成傾斜層よりもp型不純物濃度が高く、
前記組成傾斜層の厚さは、前記第2組成傾斜層の厚さを所定値に固定し、前記第1組成傾斜層の厚さを変更して設定する、請求項8または請求項9に記載の発光装置の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は発光装置に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
III族窒化物半導体を用いた固体発光素子の紫外線の波長は約210~400nmの範囲の波長帯に対応している。特にUVC(波長100~280nm)は効率的に殺菌、除菌できることが知られており、発光波長がUVCに対応する紫外光を放射するIII族窒化物半導体LEDの需要が高まっている。紫外LEDは、サファイア基板上にAlN層を形成し、AlN層上にAlGaNからなるn型層、発光層、p型層を積層した構成である。
【0003】
特許文献1には、発光素子における半導体層の厚さをn×d=m×λ/2、ここでnは半導体層の屈折率、dは半導体層の厚さ、λは発光波長、mは整数、とすることが記載されている。半導体層の厚さをこのように設定することで、素子内部での光の干渉による弱め合いを防止し、光取り出し効率を向上させることができることが記載されている。
【0004】
特許文献2には、電子ブロック層とp型コンタクト層の間に組成傾斜層を設けることが記載されている。組成傾斜層は、AlNまたはAlGaNからなり、Al組成が電子ブロック層から離れるにしたがって減少するように構成され、電子ブロック層との界面においてはAl組成が電子ブロック層と同一の層である。組成傾斜層を設けることで2次元ホールガスの発生を抑制し、カレントクラウディングの発生を抑制することが記載されている。
【0005】
また、特許文献3には、実装基板上に実装された紫外LEDをレンズで覆い、紫外LEDとレンズの隙間を液体のフッ化炭素化合物で埋めた発光装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2004-119756号公報
特開2019-16964号公報
特開2022-108692号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1-3は発光素子から取り出される光の角度依存性(配光)に言及されていない。たとえば、発光素子の横方向(発光素子の主面に水平な方向)に取り出された光は、実際の製品において活用しにくい。そのため、素子内部構造で軸上強度(発光素子の主面に垂直な方向の光強度)を高めることが求められていた。また、特許文献1の方法では、半導体層の厚さによって直列抵抗が変化するため、駆動電圧も変化してしまう可能性があった。
【0008】
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、駆動電圧上昇を抑制しつつ軸上強度を高めることができる発光装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、
フリップチップ型で紫外発光の発光素子と、
前記発光素子の少なくとも上面を接して覆い、屈折率が空気よりも高く前記発光素子よりも低い封止部と、
前記封止部を接して覆い、屈折率が前記封止部よりも高いレンズと、
を有し、
前記発光素子は、
n型のAlを含むIII族窒化物半導体からなるn型層と、
前記n型層の主面のうち前記封止部側とは反対側の面に位置し、Alを含むIII族窒化物半導体からなり、井戸層と障壁層を有する量子井戸構造である活性層と、
前記活性層の主面のうち前記n型層側とは反対側の面に位置し、p型のAlを含むIII族窒化物半導体からなり、Al組成が前記障壁層よりも高い電子ブロック層と、
前記電子ブロック層の主面のうち前記活性層側とは反対側の面に位置し、p型のAlを含むIII族窒化物半導体からなり、Al組成が前記活性層から離れるにつれて減少している組成傾斜層と、
前記組成傾斜層の主面のうち前記電子ブロック層側とは反対側の面に位置し、p型のAlを含むIII族窒化物半導体からなるp型コンタクト層と、
前記p型コンタクト層の主面のうち前記組成傾斜層側とは反対側の面に位置し、前記活性層からの紫外光を反射するp側電極と、
を有し、
前記組成傾斜層の厚さは、前記活性層から前記n型層側に向かう光と、前記活性層から前記n型層とは反対側に向かったのち前記p側電極により反射されて前記n型層側に向かう光とが、干渉によって前記発光素子の主面に垂直な方向において強め合うように設定されている、発光装置にある。
【0010】
本発明の他態様は、
フリップチップ型で紫外発光の発光素子と、
前記発光素子の少なくとも上面を接して覆い、屈折率が空気よりも高く前記発光素子よりも低い封止部と、
前記封止部を接して覆い、屈折率が前記封止部よりも高いレンズと、
を有し、
前記発光素子は、
n型のAlを含むIII族窒化物半導体からなるn型層と、
前記n型層の主面のうち前記封止部側とは反対側の面に位置し、Alを含むIII族窒化物半導体からなり、井戸層と障壁層を有する量子井戸構造である活性層と、
前記活性層の主面のうち前記n型層側とは反対側の面に位置し、p型のAlを含むIII族窒化物半導体からなり、Al組成が前記障壁層よりも高い電子ブロック層と、
前記電子ブロック層の主面のうち前記活性層側とは反対側の面に位置し、p型のAlを含むIII族窒化物半導体からなり、Al組成が前記活性層から離れるにつれて減少している組成傾斜層と、
前記組成傾斜層の主面のうち前記電子ブロック層側とは反対側の面に位置し、p型のAlを含むIII族窒化物半導体からなるp型コンタクト層と、
前記p型コンタクト層の主面のうち前記組成傾斜層側とは反対側の面に位置し、前記活性層からの紫外光を反射するp側電極と、
を有した発光装置の製造方法であって、
前記組成傾斜層の厚さを、前記活性層から前記n型層側に向かう光と、前記活性層から前記n型層とは反対側に向かったのち前記p側電極により反射されて前記n型層側に向かう光とが、干渉によって前記発光素子の主面に垂直な方向において強め合うように設定する、発光装置の製造方法にある。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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