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公開番号2024100854
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-26
出願番号2024080246,2019188427
出願日2024-05-16,2019-10-15
発明の名称細胞培養基材、細胞培養基材の製造方法、及びスフェロイドの製造方法
出願人東ソー株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C12N 5/071 20100101AFI20240719BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】細胞の効率的なスフェロイド形成を可能とすると共に、細胞の生存率が高く、サイズが均質かつ任意の形状のスフェロイドを形成可能な細胞培養基材、及び該細胞培養基材の製造方法、該細胞培養基材を用いたスフェロイド内部の細胞生存率に優れるスフェロイド製造方法を提供する。
【解決手段】基材と、前記基材上に被覆された刺激応答性高分子とを有する細胞培養基材であって、前記刺激応答性高分子は水不溶性ブロックセグメント及び刺激応答性ブロックセグメントを有するブロック共重合体であり、前記細胞培養基材は下記(A)及び(B)の2つの領域を有することを特徴とする細胞培養基材。
(A)細胞増殖性及び刺激応答性を有し、面積0.001~5mm2の島状の領域。
(B)前記(A)領域に隣接し、細胞増殖性を有しない領域。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
基材と、前記基材上に被覆された刺激応答性高分子とを有する細胞培養基材であって、前記刺激応答性高分子は水不溶性ブロックセグメント及び刺激応答性ブロックセグメントを有するブロック共重合体であり、前記細胞培養基材は下記(A)及び(B)の2つの領域を有することを特徴とする細胞培養基材。
(A)細胞増殖性及び刺激応答性を有し、面積0.001~5mm

の島状の領域。
(B)前記(A)領域に隣接し、細胞増殖性を有しない領域。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、効率的なスフェロイド形成を可能とすると共に、サイズが均質かつ任意の形状のスフェロイドを形成可能な細胞培養基材、及び該細胞培養基材の製造方法、該細胞培養基材を用いたスフェロイドの製造方法に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
胚性細胞(ES細胞)や人工細胞(iPS細胞)などの多能性幹細胞は、生体の様々な組織に分化する能力(分化万能性)を持つ細胞であり、再生医療分野や創薬スクリーニングのための細胞ソースとして大きな注目が寄せられている。多能性幹細胞を再生医療や創薬スクリーニングに応用するには、多能性幹細胞から目的の細胞へと分化させる必要があるが、その際、多能性幹細胞のスフェロイド(胚様体)を形成する必要がある。また、多能性幹細胞は様々な細胞へと分化することができるが、分化後の細胞の種類によって最適なスフェロイドのサイズが異なることが知られており、サイズを制御し、さらにサイズの均一なスフェロイドを作成することが望ましい。
【0003】
スフェロイドを形成する方法として従来、多能性幹細胞が接着しない基材を用いることで多能性幹細胞に自発的に凝集体を形成させる方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この方法はスフェロイドの量産性に優れるものの、均一なサイズのスフェロイドを得ることができないという問題があった。
【0004】
サイズの均一なスフェロイドを形成する方法として、表面に微細な凹凸を設けた細胞培養基材を使用する方法が知られている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、このような微細な凹凸を設けた細胞培養基材は量産性に乏しく、大量のスフェロイドを形成する用途には不向きであるという問題があった。また、形成可能なスフェロイドは球状の形状に限られ、球状以外の形状のスフェロイドを形成することはできないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平8-140673号公報
特開2015-073520号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、細胞の効率的なスフェロイド形成を可能とすると共に、サイズが均質かつ任意の形状のスフェロイドを形成可能な細胞培養基材、該細胞培養基材の製造方法、及び該細胞培養基材を用いたスフェロイドの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、以上の点を鑑み鋭意研究を重ねた結果、特定の刺激応答性を有する領域を形成した基材によって上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち本発明は、以下の[1]乃至[12]に存する。
[1] 基材と、前記基材上に被覆された刺激応答性高分子とを有する細胞培養基材であって、前記刺激応答性高分子は水不溶性ブロックセグメント及び刺激応答性ブロックセグメントを有するブロック共重合体であり、前記細胞培養基材は下記(A)及び(B)の2つの領域を有することを特徴とする細胞培養基材。
(A)細胞増殖性及び刺激応答性を有し、面積0.001~5mm

の島状の領域。
(B)前記(A)領域に隣接し、細胞増殖性を有しない領域。
[2] 前記(A)領域が、下記(A1)及び(A2)の2つの領域からなり、前記(B)領域が、下記(B1)及び(B2)の2つの領域からなるものであることを特徴とする前記[1]に記載の細胞培養基材。
(A1)細胞増殖性領域
(A2)刺激応答性領域
(B1)基材接着領域
(B2)刺激応答性領域
[3] 前記(A)領域が、細胞増殖性の領域中に直径10~500nmの温度応答性領域が分散してなるものであるか、又は、細胞増殖性を有しない温度応答性の領域中に直径10~500nmの細胞増殖性の領域が分散してなるものであることを特徴とする、前記[1]又は[2]に記載の細胞培養基材。
[4] 細胞増殖性の領域と、細胞増殖性を有しない領域の2つの領域を有する基材と、前記基材上に形成された刺激応答性高分子を含む層を有し、前記層の平均粗さ/層厚の比が0.5以上1以下であることを特徴とする、前記[1]~[3]のいずれかに記載の細胞培養基材。
[5] 前記刺激応答性高分子が水不溶性ブロックセグメント及び90wt%を超える刺激応答性ブロックセグメントを有するブロック共重合体であることを特徴とする前記[4]に記載の細胞培養基材。
[6] 前記(A)領域がプラズマ処理領域であることを特徴とする前記[1]~[5]のいずれかに記載の細胞培養基材。
[7] 多能性幹細胞のスフェロイド形成用であることを特徴とする、前記[1]~[6]のいずれかに記載の細胞培養基材。
[8] 以下の(1)及び(2)工程を有することを特徴とする前記[1]~[7]のいずれかに記載の細胞培養基材の製造方法。
(1)細胞増殖性を有しない基材の表面に、細胞増殖性を有し、面積0.001~5mm

の島状の領域を形成する工程。
(2)基材の表面に、刺激応答性物質による層を形成する工程。
[9] 前記(1)工程において、細胞増殖性を有しない基材の表面に、プラズマ処理、UV処理、コロナ処理のいずれか、またはこれらの複数の組み合わせによって、細胞増殖性を有する領域を形成することを特徴とする、前記[8]に記載の細胞培養基材の製造方法。
[10] 前記(1)工程で用いる基材が細胞接着性を有するが細胞増殖性を有しないものであることを特徴とする、前記[8]又は[9]に記載の細胞培養基材の製造方法。
[11] 前記(1)工程が、面積0.001~10mm

の穴を有する表面保護フィルムを基材に貼付する工程を有することを特徴とする、前記[9]又は[10]に記載の細胞培養基材の製造方法。
[12] 以下の(i)~(iii)工程を経ることを特徴とするスフェロイドの製造方法。
(i)前記[1]~[8]のいずれかに記載の細胞培養基材に細胞を播種する工程。
(ii)前記播種された細胞を培養し、前記細胞培養基材上に接着した細胞のコロニーを形成する工程。
(iii)外部刺激を与えることにより前記コロニーの少なくとも一部分を細胞培養基材から剥離し、細胞のスフェロイドを形成する工程。
【発明の効果】
【0009】
本発明によって、細胞の効率的なスフェロイド形成を可能とすると共に、細胞の生存率が高く、サイズが均質かつ任意の形状のスフェロイドを形成可能な細胞培養基材、及び該細胞培養基材の製造方法、該細胞培養基材を用いたスフェロイド内部の細胞生存率に優れるスフェロイド製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の細胞培養基材の模式図(斜視図)。
刺激応答性高分子による層を有する細胞培養基材の模式図(断面図)。
本発明のスフェロイド製造方法の(i)工程後の細胞の様子を示す模式図。
本発明のスフェロイド製造方法の(ii)工程後の細胞の様子を示す模式図。
本発明のスフェロイド製造方法の(iii)工程後の細胞の様子を示す模式図。
実施例1のスフェロイドを示す位相差顕微鏡画像。
実施例2のコロニーを示す位相差顕微鏡画像。
実施例2のスフェロイドを示す位相差顕微鏡画像。
実施例4のスフェロイドを示す位相差顕微鏡画像。
実施例5のスフェロイドを示す位相差顕微鏡画像。
実施例7の細胞培養基材の原子間力顕微鏡像。
実施例8の細胞培養基材の原子間力顕微鏡像。
実施例8のスフェロイドを示す位相差顕微鏡画像。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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