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公開番号2024095851
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-11
出願番号2022212794
出願日2022-12-29
発明の名称車両の変速制御装置
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人個人,個人
主分類F16H 61/04 20060101AFI20240704BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】変速ショックを悪化させることなく変速応答性を向上させる。
【解決手段】ドグクラッチの係合によってアップシフトする変速機が、動力源の出力側に連結され、アップシフトの際に変速機に入力される入力トルクを制御する車両の変速制御装置であって、アップシフトの際に互いに噛み合う第1ドグ歯と第2ドグ歯とが噛み合う。コントローラは、アップシフトの開始時に入力トルクを予め定めた量、低下させるトルク低下指示部と、変速機の入力回転数とアップシフト後の変速機の入力回転数である同期回転数との差である差回転数を検出する差回転数検出部と、アップシフトの開始後に、差回転数検出部で検出された差回転数が予め定めた値以下になった場合に、トルク低下指示部による入力トルクの低下量を減少させる差回転数調整指示部とを備えている。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
ドグ歯が噛み合うことによりトルクを伝達するドグクラッチを有しかつドグクラッチの係合によってアップシフトする変速機が、駆動力源の出力側に連結され、前記アップシフトの際に前記変速機に入力される入力トルクを制御する車両の変速制御装置であって、
前記ドグ歯は、前記アップシフトの際に互いに噛み合う第1ドグ歯と第2ドグ歯とを含み、
前記入力トルクを制御するコントローラを有し、
前記コントローラは、
前記アップシフトの開始時に前記入力トルクを予め定めた量、低下させるトルク低下指示部と、
前記変速機の入力回転数と前記アップシフト後の前記変速機の入力回転数である同期回転数との差である差回転数を検出する差回転数検出部と、
前記アップシフトの開始後に、前記差回転数検出部で検出された前記差回転数が予め定めた値以下になった場合に、前記トルク低下指示部による前記入力トルクの低下量を減少させる差回転数調整指示部とを備えている
ことを特徴とする車両の変速制御装置。
続きを表示(約 400 文字)【請求項2】
請求項1に記載の車両の変速制御装置であって、
前記駆動力源は、火花点火式内燃機関を有し、
前記トルク低下指示部は、前記内燃機関への燃料の供給量の削減によって前記入力トルクを低下させ、
前記差回転数調整指示部は、前記燃料の供給量の削減に替えて前記内燃機関の点火を遅角させる
ことを特徴とする車両の変速制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載の車両の変速制御装置であって、
前記差回転数調整指示部は、前記入力トルクが伝達されて回転する前記第1ドグ歯の回転数が前記第2ドグ歯の回転数より遅い負の差回転が生じている場合、前記差回転数調整指示部は、前記負の差回転の回転数が所定回転数のときの遅角量に対して、前記負の差回転の回転数が前記所定回転数より小さい場合の前記遅角量を大きくする
ことを特徴とする車両の変速制御装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、有段式変速機を備えた車両の変速を制御する装置に関し、特にドグクラッチの係合および解放によって変速段を切り替える変速を制御する装置に関するものである。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
車両における変速は、内燃機関などからなる駆動力源をエネルギ効率の良好な状態で運転し、また要求される駆動力あるいは制動力を発生させることを主たる目的として実行される。したがって、変速を行うことによって駆動力源などの回転数が変化し、また駆動力あるいは制動力が変化する。摩擦クラッチを備えた変速機では、変速過渡期にクラッチを滑り状態にすることにより駆動力や制動力の変化を滑らかにしてショックを解消もしくは抑制することができる。これに対して、噛み合い式クラッチ(ドグクラッチ)では、ドグ歯同士が噛み合っている係合状態と、ドグ歯同士が離れてトルクを伝達しない解放状態との二つの状態を設定し、その中間の状態はあり得ないから、変速時に駆動力や制動力の急激な変化が生じやすい。
【0003】
そこで、例えば特許文献1に記載された装置は、ダウンシフト時の入力回転数の制御として、ドグクラッチを係合させる変速指示に伴う入力回転数の変化量が、予め定めてある目標変化量より大きい場合には、次回のダウンシフト時の制御量を減少させるように構成されている。この特許文献1の装置によれば、ドグクラッチの係合タイミングが、個体差などが原因で早くなってショックが悪化するなどの事態を回避もしくは抑制できる、とされている。
【0004】
一方、ドグクラッチを係合させることによりアップシフトを実行する際に、入力トルクを制御する装置が特許文献2に記載されている。特許文献2に記載された装置では、アップシフトの過程で低速段側のドグクラッチと高速段側のドグクラッチとを、一時的に、共に係合させ、その場合に、高速段側のドグクラッチの係合の開始から終了までの間、動力発生装置から出力されるトルクの低減処理を行っている。
【0005】
なお、ドグ歯を係合させて変速を実行する場合の油圧を制御する装置の一例が特許文献3に記載されている。特許文献3に記載されている装置は、ドグ歯を有する伝動機構と無段変速機とが、入力部材と出力部材との間に並列に配置され、上流側に設けられている摩擦クラッチを係合させることにより無段変速機を回転させることのできる車両用変速機を対象としており、伝動機構が停止している状態でドグ歯を係合させる場合に、摩擦クラッチの油圧を上昇させるように構成されている。摩擦クラッチがトルクを伝達すれば、ドグ歯の入力側もしくは出力側のいずれかが回転するので、ドグ歯同士が突き当たったままとなることを回避してドグクラッチを迅速に係合させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2017-125517号公報
特開2021-063541号公報
特開2015-052394号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ドグクラッチにおける噛み合い歯(ドグ歯)は、所定の強度とするためにある程度の厚さがあり、したがってその先端面(以下、頂面と記す)もドグクラッチの回転方向で所定の幅のある面となっている。そのドグ歯同士を回転中心軸線方向で互いに接近させて互いに噛み合わせることにより、トルクを伝達できる係合状態となる。その係合の過程で頂面同士が突き当たって係合が進行しない状態を頂面干渉あるいは頂面当たりと称している。上述した特許文献3の装置では、互いに噛み合わせるべきドグ歯のいずれか一方を強制的に回転させて頂面干渉を回避している。変速機のアップシフトのように、互いに噛み合わせるべきドグ歯が既に回転していれば、特許文献3に記載されているような制御は必要がない。回転しているドグ歯を噛み合わせる場合には、特許文献1あるいは特許文献2に記載されているように、急激なトルク変化によるショックを回避するために、回転数の変化やドグクラッチに掛かるトルクを低下させている。これら回転数の差やトルクを低下させれば、ドグ歯が互いに噛み合った際の回転数やトルクの変化を緩やかにできるが、その半面、頂面干渉が生じている場合には、頂面干渉が解消されるようにドグ歯同士の位相が十分にずれるのに要する時間が長くなる。また、当然、ドグ歯同士の相対回転数を近似させるまでに要する時間および低下させたトルクを頂面干渉の解除後に元に戻すのに要する時間が長くなり、結局は、変速制御の開始から終了までの変速時間が長くなり、変速応答性が悪化する可能性がある。
【0008】
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであって、変速ショックを悪化させることなく変速応答性を向上させることのできる車両の変速制御装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、この発明は、ドグ歯が噛み合うことによりトルクを伝達するドグクラッチを有しかつドグクラッチの係合によってアップシフトする変速機が、動力源の出力側に連結され、前記アップシフトの際に前記変速機に入力される入力トルクを制御する車両の変速制御装置であって、前記ドグ歯は、前記アップシフトの際に互いに噛み合う第1ドグ歯と第2ドグ歯とを含み、前記入力トルクを制御するコントローラを有し、前記コントローラは、前記アップシフトの開始時に前記入力トルクを予め定めた量、低下させるトルク低下指示部と、前記変速機の入力回転数と前記アップシフト後の前記変速機の入力回転数である同期回転数との差である差回転数を検出する差回転数検出部と、前記アップシフトの開始後に、前記差回転数検出部で検出された前記差回転数が予め定めた値以下になった場合に、前記トルク低下指示部による前記入力トルクの低下量を減少させる差回転数調整指示部とを備えていることを特徴とするものである。
【0010】
この発明では、前記駆動力源は、火花点火式内燃機関を有し、前記トルク低下指示部は、前記内燃機関への燃料の供給量の削減によって前記入力トルクを低下させ、前記差回転数調整指示部は、前記燃料の供給量の削減に替えて前記内燃機関の点火を遅角させることとしてよい。
(【0011】以降は省略されています)

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