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公開番号
2024095121
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-07-10
出願番号
2022212163
出願日
2022-12-28
発明の名称
アルデヒド脱ホルミル化オキシゲナーゼ(ADO)変異体およびその利用
出願人
国立大学法人神戸大学
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C12N
9/02 20060101AFI20240703BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】 特定の炭素鎖長を有するアルデヒド基質に対して高い特異性を有するように改変されたADO変異体を提供すること。
【解決手段】 アルデヒド脱ホルミル化オキシゲナーゼ(ADO)変異体であって、特異性改変部位のアミノ酸配列が改変されており、これにより、他の炭素鎖長を有するアルデヒド基質と比較して、特定の炭素鎖長を有するアルデヒド基質に対して高い特異性を有することを特徴とする、ADO変異体。
【選択図】 なし
特許請求の範囲
【請求項1】
アルデヒド脱ホルミル化オキシゲナーゼ(ADO)変異体であって、特異性改変部位のアミノ酸配列が改変されており、これにより、他の炭素鎖長を有するアルデヒド基質と比較して、特定の炭素鎖長を有するアルデヒド基質に対して高い特異性を有することを特徴とする、ADO変異体。
続きを表示(約 870 文字)
【請求項2】
前記ADOがNpADOを含む、請求項1に記載のADO変異体。
【請求項3】
前記特異性改変部位が基質結合部位を含む、請求項1または2に記載のADO変異体。
【請求項4】
前記特異性改変部位が、前記ADO変異体と基質とが結合して立体構造を形成した場合に、前記基質から約5Å以内に存在するアミノ酸部位を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のADO変異体。
【請求項5】
ADOと基質との親和性に基づいて特定される前記アミノ酸配列が改変される、請求項1~4のいずれか一項に記載のADO変異体。
【請求項6】
前記改変が、多重変異を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のADO変異体。
【請求項7】
前記改変が、ADOのアミノ酸配列において、配列番号1でアラインメントした場合にI25、V29、Q111、A122、Y126、W179、およびV185からなる群から選択される1または複数の残基に相当するアミノ酸の改変を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のADO変異体。
【請求項8】
前記改変が、ADOのアミノ酸配列において、配列番号1でアラインメントした場合にV29Y、Q111Y、A122P、Y126S、Y126T、W179R、およびV185Fからなる群から選択される1または複数の残基に相当するアミノ酸の改変を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のADO変異体。
【請求項9】
前記改変が、ADOのアミノ酸配列において、配列番号1でアラインメントした場合にV29Y/Q111Y/W179Rに相当するアミノ酸の改変を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のADO変異体。
【請求項10】
微生物であって、該微生物が持つアルデヒド基質に対して特異的に反応するアルデヒド脱ホルミル化オキシゲナーゼ(ADO)またはその変異体が導入された、微生物。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、アルデヒド脱ホルミル化オキシゲナーゼ(ADO)変異体に関する。より特定すると、本開示は、特定の炭素鎖長を有するアルデヒド基質に対して高い特異性を有するように改変されたADO変異体、およびそのようなADO変異体が導入された微生物に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)
【背景技術】
【0002】
アルデヒド脱ホルミル化オキシゲナーゼ(ADO)はアルデヒドからアルカンを作る唯一の酵素であり、燃料をはじめとしてさまざまな有用物質の生産に利用可能であり、種々の分野において応用が期待されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
そこで本開示は、特定の炭素鎖長を有するアルデヒド基質に対して高い特異性を有するように改変されたADO変異体を提供する。
【0004】
したがって、本開示は以下を提供する。
(項目1)
アルデヒド脱ホルミル化オキシゲナーゼ(ADO)変異体であって、特異性改変部位のアミノ酸配列が改変されており、これにより、他の炭素鎖長を有するアルデヒド基質と比較して、特定の炭素鎖長を有するアルデヒド基質に対して高い特異性を有することを特徴とする、ADO変異体。
(項目2)
前記ADOがNpADOを含む、上記項目に記載のADO変異体。
(項目3)
前記特異性改変部位が基質結合部位を含む、上記項目のいずれか一項に記載のADO変異体。
(項目4)
前記特異性改変部位が、前記ADO変異体と基質とが結合して立体構造を形成した場合に、前記基質から約5Å以内に存在するアミノ酸部位を含む、上記項目のいずれか一項に記載のADO変異体。
(項目5)
ADOと基質との親和性に基づいて特定される前記アミノ酸配列が改変される、上記項目のいずれか一項に記載のADO変異体。
(項目6)
前記改変が、多重変異を含む、上記項目のいずれか一項に記載のADO変異体。
(項目7)
前記改変が、ADOのアミノ酸配列において、配列番号1でアラインメントした場合にI25、V29、Q111、A122、Y126、W179、およびV185からなる群から選択される1または複数の残基に相当するアミノ酸の改変を含む、上記項目のいずれか一項に記載のADO変異体。
(項目8)
前記改変が、ADOのアミノ酸配列において、配列番号1でアラインメントした場合にV29Y、Q111Y、A122P、Y126S、Y126T、W179R、およびV185Fからなる群から選択される1または複数の残基に相当するアミノ酸の改変を含む、上記項目のいずれか一項に記載のADO変異体。
(項目9)
前記改変が、ADOのアミノ酸配列において、配列番号1でアラインメントした場合にV29Y/Q111Y/W179Rに相当するアミノ酸の改変を含む、上記項目のいずれか一項に記載のADO変異体。
(項目A1)
微生物であって、該微生物が持つアルデヒド基質に対して特異的に反応するアルデヒド脱ホルミル化オキシゲナーゼ(ADO)またはその変異体が導入された、微生物。
(項目A2)
前記ADOがNpADOを含む、上記項目に記載の微生物。
(項目A3)
前記変異体が、前記ADOの特異性改変部位のアミノ酸配列の改変を有する、上記項目のいずれか一項に記載の微生物。
(項目A4)
前記変異体が、ADOと基質との親和性に基づいて特定される、前記ADOの特異性改変部位のアミノ酸配列の改変を有する、上記項目のいずれか一項に記載の微生物。
(項目A5)
前記特異性改変部位が基質結合部位を含む、上記項目のいずれか一項に記載の微生物。
(項目A6)
前記特異性改変部位が、前記ADO変異体と基質とが結合して立体構造を形成した場合に、前記基質から約5Å以内に存在するアミノ酸部位を含む、上記項目のいずれか一項に記載の微生物。
(項目A7)
前記改変が、多重変異を含む、上記項目のいずれか一項に記載の微生物。
(項目A8)
前記変異体が、ADOのアミノ酸配列において、配列番号1でアラインメントした場合にI25、V29、Q111、A122、Y126、W179、およびV185からなる群から選択される1または複数の残基に相当するアミノ酸の改変を含む、上記項目のいずれか一項に記載の微生物。
(項目A9)
前記変異体が、ADOのアミノ酸配列において、配列番号1でアラインメントした場合にV29Y、Q111Y、A122P、Y126S、Y126T、W179R、およびV185Fからなる群から選択される1または複数の残基に相当するアミノ酸の改変を含む、上記項目のいずれか一項のいずれか一項に記載の微生物。
(項目A10)
前記変異体が、ADOのアミノ酸配列において、配列番号1でアラインメントした場合にV29Y/Q111Y/W179Rに相当するアミノ酸の改変を含む、上記項目のいずれか一項に記載の微生物。
【0005】
本開示において、上記の1つまたは複数の特徴は、明示された組み合わせに加え、さらに組み合わせて提供され得ることが意図される。なお、本開示のさらなる実施形態および利点は、必要に応じて以下の詳細な説明を読んで理解すれば、当業者に認識される。
【0006】
なお、上記した以外の本開示の特徴及び顕著な作用・効果は、以下の発明の実施形態の項及び図面を参照することで、当業者にとって明確となる。
【発明の効果】
【0007】
本開示により、特定の炭素鎖長を有するアルデヒド基質に対して高い特異性を有するように改変されたADO変異体を提供できる。また本開示により、特定の炭素鎖長を有するアルデヒド基質に対して高い特異性を有するように改変されたADO変異体が導入された微生物を提供することができ、このような微生物を利用することで、燃料や化粧品などの用途に応じたアルカンを生産するシステムを構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、本開示の一実施形態におけるADO変異体のC11およびC15アルカンに対する活性測定の結果を示すグラフである。
図2は、本開示の一実施形態におけるADO多重変異体のC11およびC15アルカンに対する活性測定の結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示を最良の形態を示しながら説明する。本明細書の全体にわたり、単数形の表現は、特に言及しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。従って、単数形の冠詞(例えば、英語の場合は「a」、「an」、「the」など)は、特に言及しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および科学技術用語は、本開示の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義を含めて)が優先する。
【0010】
以下に本明細書において特に使用される用語の定義および/または基本的技術内容を適宜説明する。
(【0011】以降は省略されています)
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