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公開番号
2024094303
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-07-09
出願番号
2023219223
出願日
2023-12-26
発明の名称
耐水性紙および包装容器
出願人
王子ホールディングス株式会社
代理人
弁理士法人大谷特許事務所
主分類
D21H
19/80 20060101AFI20240702BHJP(製紙;セルロースの製造)
要約
【課題】耐水性に優れ、かつ紙基材を構成するパルプのリサイクル性に優れた耐水性紙を提供すること。
【解決手段】紙基材の一方の面に、紙基材側から、下塗り層1および耐水性層1をこの順に有し、紙基材の他方の面に、紙基材側から、下塗り層2および耐水性層2をこの順に有する耐水性紙であって、紙基材を構成するパルプの平均ルンケル比が0.51以下であり、下塗り層1および下塗り層2は、ラテックスおよび顔料を含有し、耐水性層1および耐水性層2の塗工量が、それぞれ4g/m
2
以上であり、かつ、耐水性層1および耐水性層2の合計塗工量が20g/m
2
以下である、耐水性紙。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
紙基材の一方の面に、紙基材側から、下塗り層1および耐水性層1をこの順に有し、
紙基材の他方の面に、紙基材側から、下塗り層2および耐水性層2をこの順に有する耐水性紙であって、
紙基材を構成するパルプの平均ルンケル比が0.51以下であり、
下塗り層1および下塗り層2は、ラテックスおよび顔料を含有し、
耐水性層1および耐水性層2の塗工量が、それぞれ4g/m
2
以上であり、かつ、
耐水性層1および耐水性層2の合計塗工量が20g/m
2
以下である、耐水性紙。
続きを表示(約 620 文字)
【請求項2】
紙基材を構成するパルプ原料が、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)および針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)よりなる群から選択される少なくとも1種を含有し、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)との質量比(LBKP/NBKP)が、60/40以上100/0以下である、請求項1に記載の耐水性紙。
【請求項3】
耐水性層1および耐水性層2が、同種の水系樹脂を含有する、請求項1に記載の耐水性紙。
【請求項4】
紙基材が澱粉系乾燥紙力増強剤を含有する、請求項1に記載の耐水性紙。
【請求項5】
紙基材の坪量が200g/m
2
以上である、請求項1に記載の耐水性紙。
【請求項6】
耐水性紙の耐水性層1を有する面において、接触時間30分における20℃の水のCobb吸水度が10g/m
2
以下である、請求項1に記載の耐水性紙。
【請求項7】
耐水性紙の耐水性層1を有する面において、接触時間30分における90℃の水のCobb吸水度が20g/m
2
以下である、請求項1に記載の耐水性紙。
【請求項8】
包装容器用である、請求項1に記載の耐水性紙。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の耐水性紙を用いてなる、包装容器。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐水性紙およびこれを用いてなる包装容器に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
飲料、食品等の各種容器や、食品用カトラリー(例えば、箸、スプーン、フォーク等)として、従来プラスチック製品が使用されてきたが、環境負荷低減を目的として、紙製品への転換が望まれている。
【0003】
従来、基紙の片面にポリエチレンフィルムをラミネートしたポリエチレンラミネート紙が、飲料、食品等の各種容器に使用されてきたが、再生時にポリエチレンフィルムの除去が困難であり、再生利用性に劣るという問題があった。
このような問題に対応するために、抄紙工程での性能の付与や、塗工による性能の付与により、耐水性等を付与することが行われてきた。
【0004】
また、特許文献1には、プラスチックの使用量を低減することができる包装用紙を提供することを目的として、紙基材の少なくとも一方の面に少なくとも1層のヒートシール層を有する包装用紙であって、前記ヒートシール層がアイオノマーを含み、前記ヒートシール層の乾燥塗工量が全層で2~10g/m
2
であり、前記ヒートシール層が少なくとも一方の面に2層以上形成されていることを特徴とする包装用紙が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第6580291号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載された耐水性紙は、紙基材については検討されておらず、十分な耐水性を得られない場合があった。
そこで、本発明は、耐水性に優れ、かつリサイクル性に優れた耐水性紙を提供すること、および該耐水性紙を用いてなる包装容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、紙基材の両面に下塗り層と耐水性層とをこの順に有する耐水性紙において、紙基材を構成するパルプのルンケル比を特定の値以下に制御した上で、各耐水性層の塗工量を特定の値以上に制御し、かつ、耐水性層の合計塗工量を特定の値以下に制御することにより、上記の課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、以下の<1>~<9>に関する。
<1> 紙基材の一方の面に、紙基材側から、下塗り層1および耐水性層1をこの順に有し、
紙基材の他方の面に、紙基材側から、下塗り層2および耐水性層2をこの順に有する耐水性紙であって、
紙基材を構成するパルプの平均ルンケル比が0.51以下であり、
下塗り層1および下塗り層2は、ラテックスおよび顔料を含有し、
耐水性層1および耐水性層2の塗工量が、それぞれ4g/m
2
以上であり、かつ、
耐水性層1および耐水性層2の合計塗工量が20g/m
2
以下である、耐水性紙。
<2> 紙基材を構成するパルプ原料が、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)および針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)よりなる群から選択される少なくとも1種を含有し、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)との質量比(LBKP/NBKP)が、60/40以上100/0以下である、<1>に記載の耐水性紙。
<3> 耐水性層1および耐水性層2が、同種の水系樹脂を含有する、<1>または<2>に記載の耐水性紙。
<4> 紙基材が澱粉系乾燥紙力増強剤を含有する、<1>~<3>のいずれか1つに記載の耐水性紙。
<5> 紙基材の坪量が200g/m
2
以上である、<1>~<4>のいずれか1つに記載の耐水性紙。
<6> 耐水性紙の耐水性層1を有する面において、接触時間30分における20℃の水のCobb吸水度が10g/m
2
以下である、<1>~<5>のいずれか1つに記載の耐水性紙。
<7> 耐水性紙の耐水性層1を有する面において、接触時間30分における90℃の水のCobb吸水度が20g/m
2
以下である、<1>~<6>のいずれか1つに記載の耐水性紙。
<8> 包装容器用である、<1>~<7>のいずれか1つに記載の耐水性紙。
<9> <1>~<8>のいずれか1つに記載の耐水性紙を用いてなる、包装容器。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、耐水性に優れ、かつリサイクル性に優れた耐水性紙が提供される。さらに、本発明によれば、該耐水性紙を用いてなる包装容器が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[耐水性紙]
本実施形態の耐水性紙は、紙基材の一方の面に、紙基材側から、下塗り層1および耐水性層1をこの順に有し、紙基材の他方の面に、紙基材側から、下塗り層2および耐水性層2をこの順に有する耐水性紙であって、紙基材を構成するパルプの平均ルンケル比が0.51以下であり、下塗り層1および下塗り層2は、ラテックスおよび顔料を含有し、耐水性層1および耐水性層2の塗工量が、それぞれ4g/m
2
以上であり、かつ、耐水性層1および耐水性層2の合計塗工量が20g/m
2
以下である。本実施形態の耐水性紙は、耐水性に優れ、かつリサイクル性(再離解後のパルプ回収率)に優れる。
なお、本実施形態において、耐水性層1が形成された面は、包装容器等として使用する場合に、内容物と接する面(接液面、表面)であることが好ましく、耐水性層2が形成された面は、その反対面であり、印刷が行われる面(印刷面、裏面)であることが好ましい。以下の説明において、便宜上、耐水性紙の耐水性層1が形成された面(一方の面)を、接液面または表面ともいい、耐水性層2が形成された面(他方の面)を、印刷面または裏面ともいう。
(【0011】以降は省略されています)
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