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公開番号2024124625
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-13
出願番号2023032423
出願日2023-03-03
発明の名称グラビア印刷用塗工紙
出願人日本製紙株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類D21H 19/44 20060101AFI20240906BHJP(製紙;セルロースの製造)
要約【課題】本発明の課題は、操業性を悪化させることなく、優れたグラビア印刷用塗工紙を製造する技術を提供することである。
【解決手段】本発明においては、接着剤としてデキストリンとスチレン-ブタジエン系共重合体を含有する顔料塗工液を原紙の少なくとも片面に塗工することによって、優れた印刷適性を備えた印刷用塗工紙を製造する。本発明においては、顔料塗工液にデキストリンとスチレン-ブタジエン系共重合体を10:90~50:50の重量比で配合する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
顔料塗工層を有するグラビア印刷用塗工紙を製造する方法であって、
接着剤としてデキストリンとスチレン-ブタジエン系共重合体を含有する顔料塗工液を原紙の少なくとも片面に塗工する工程を含み、デキストリンとスチレン-ブタジエン系共重合体の併用比が10:90~50:50である、上記方法。
続きを表示(約 540 文字)【請求項2】
顔料100重量部に対するスチレン-ブタジエン系共重合体の配合量が5重量部以上である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記スチレン-ブタジエン系共重合体の平均粒子径が0.01~0.2μm、ガラス転移温度が-60~30℃である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記顔料塗工液がクレーを含有する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記顔料塗工液がカオリンを含有する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項6】
カレンダーを用いて塗工紙表面を平滑化する工程をさらに含み、塗工紙表面のパーカープリントサーフ平滑度が1.2μm以下である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項7】
原紙の少なくとも片面に顔料塗工層を有するグラビア印刷用塗工紙であって、
顔料塗工層が、接着剤としてデキストリンとスチレン-ブタジエン系共重合体を含有し、デキストリンとスチレン-ブタジエン系共重合体の併用比が10:90~50:50である、上記塗工紙。
【請求項8】
パーカープリントサーフ平滑度が1.2μm以下である、請求項7に記載の塗工紙。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はグラビア印刷用塗工紙に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
グラビア印刷は、版の凹部分のインキを加圧下で転移する方式の凹版印刷であり、階調再現性に優れているため、写真などの図版がある雑誌、カタログ、パンフレットを始めとして商業印刷分野で広く用いられている。特に商業印刷分野で使用されるグラビア印刷用紙は、用紙自体にかける費用を削減するため、低価格で印刷適性に優れた用紙が求められている。
【0003】
グラビア印刷は凹版印刷であるため、オフセット印刷と比較して硬質の版を使用する。そのため、グラビア印刷時に版面が用紙に完全に密着しにくく、網点が正常に転移しないスペックルが発生する場合がある。このスペックルが多い場合は印刷品質の低下となる。スペックルの発生を抑制するには、グラビア印刷の版面と用紙との密着性を高めることが重要である。
【0004】
グラビア印刷の版面と用紙との密着性を高めるには、原紙の観点からは、平滑性と弾力性を高めることが効果的であり、広葉樹クラフトパルプ(LKP)の配合量を増やして平滑性を高める手法(特許文献1)や、機械パルプ(MP)を配合して弾力性を高める手法(非特許文献1)が提案されている。また、塗料配合の観点からは、塗工紙表面の平滑性を向上させて版面と用紙との密着性を高めるために、アスペクト比の高い顔料(デラミネーテッドクレー、タルクなど)を用いることが提案されている(特許文献2~3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平10-251994号公報
特開2002-088679号公報
特開2021-161595号公報
【非特許文献】
【0006】
紙パ技協誌第52巻第9号111~118ページ(1998年)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
アスペクト比の高い顔料を使用すると塗工紙表面の平滑性を向上させることができるものの、アスペクト比の高い顔料を多く配合すると塗工液(塗料)の粘度が上昇するため、調液時のハンドリングが難しく、ストリーク、スクラッチ等の塗工不良の原因になりやすい。このため、塗工層を設けるための塗工液の固形分濃度をあまり高くできないのが現状であるが、濃度を低くした塗工液(水分の高い塗工液)を用いると、塗工後の乾燥時間を長く確保する必要があり、高速での操業が難しくなる。また、塗工液の濃度を低くすると、塗工液の付着量が少なくなるという問題が生じやすくなる。
【0008】
また、カオリンなどのクレーは、塗工紙表面の平滑性を向上させることができるものの、バインダー要求量が多く、塗工液に多量のバインダー成分を添加する必要がある。
一般に、顔料塗工液中のバインダー成分を増配すると塗工紙表面の平滑性が悪化することが知られており、特に、バインダー成分として澱粉を増配すると塗工紙表面の平滑性が低下してしまう。また澱粉は、塗工液の粘度上昇を引き起こしやすく、コーターで塗工しやすい顔料塗工液を調製しにくい場合がある。塗工液の粘度上昇を回避するために澱粉の配合量を下げる、塗工濃度を低くするなどの対応が考えられるが、そのような対応をとると塗工液に十分な保水性を付与できなくなる場合がある。また、スチレン-ブタジエン系共重合体などのラテックスは、紙の平滑性を低下させにくいという特徴があるものの、塗工液への保水性付与性能が低く、顔料塗工液中の水分が選択的に紙に吸収されてしまうため、コーターで長時間の塗工を行う際に、顔料塗工液の濃縮に伴い塗工成分粕が発生しやすくなり、ストリークの原因となるなど、操業性や塗工紙の品質に影響を及ぼす恐れがある。また、保水性の低い顔料塗工液では、塗工液中の水分とともに顔料成分が紙に沈み込んでしまう恐れがあった。
【0009】
以上のような背景から、本発明の課題は、操業性を悪化させることなく、優れた印刷用塗工紙を製造する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決すべく鋭意検討したところ、顔料塗工に用いる接着剤(バインダー)としてデキストリンとラテックスを特定の比率で併用することによって、低粘度でありながら十分な保水性を有する塗工液を得ることができ、それによって、操業性を悪化させることなく、優れた印刷用塗工紙を製造することができた。
(【0011】以降は省略されています)

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