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公開番号
2024060130
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-05-02
出願番号
2022167274
出願日
2022-10-19
発明の名称
紙の製造方法、及び紙
出願人
日本製紙株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
D21F
1/00 20060101AFI20240424BHJP(製紙;セルロースの製造)
要約
【課題】新規な紙の製造方法と、この製造方法により得られる紙を提供すること。
【解決手段】溶存エア量が、1.5v/v%以下であるインレット原料を抄紙する紙の製造方法と、この製造方法により得られる紙。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
溶存エア量が、1.5v/v%以下であるインレット原料を抄紙することを特徴とする紙の製造方法。
続きを表示(約 400 文字)
【請求項2】
前記インレット原料が、脱気装置により脱気処理した白水を含むことを特徴とする請求項1に記載の紙の製造方法。
【請求項3】
紙力剤の添加量が、パルプに対して2.0重量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の紙の製造方法。
【請求項4】
消泡剤の添加量が、パルプに対して0.01重量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の紙の製造方法。
【請求項5】
得られる紙の坪量が100g/m
2
以上800g/m
2
以下であることを特徴とする請求項1に記載の紙の製造方法。
【請求項6】
パルプ全体に対して、古紙パルプを50重量%以上含むことを特徴とする請求項1に記載の紙の製造方法。
【請求項7】
請求項1~6のいずれかに記載の製造方法により得られたことを特徴とする紙。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙の製造方法と、この製造方法により得られる紙に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)
【背景技術】
【0002】
紙は、一般的に、パルプ、填料、各種助剤等の材料を、水に分散、溶解した製紙原料をインレット(ヘッドボックスともいう)から噴出し、ワイヤー上で抄き上げ、脱水、乾燥することにより製造される。このインレット中の製紙原料はインレット原料と呼ばれる。また、ワイヤー等から抜け落ちた、パルプや填料等の材料を含む排水は白く濁っていることから「白水」と呼ばれる。白水は、使用可能な材料を含み、また、廃水の量を減らすために、回収されてラインへ導かれインレット原料中に混合して再利用される。
【0003】
良質な紙を得るために、抄紙工程では種々の薬品が使用されている。これらの薬品は製紙原料を泡立ちやすくする性質があり、特にサイズ剤、紙力増強剤が発泡性増大の原因となることが多い。また古紙パルプを多用した場合、発泡性がさらに増大する場合が多い。近年、生産性効率アップのために抄造スピードが向上しており、製紙原料の温度も高くなる傾向にある。このため、製紙原料は、ますます発泡しやすくなってきている。ここで、泡を含むインレット原料を抄紙すると、品質面では泡による紙力強度低下などが生じるほか、泡によるろ水性低下や断紙による紙生産設備の停止や欠陥多発などの操業性の低下という問題点も生ずる。そのため、インレット原料には消泡剤が添加される。例えば、特許文献1には、白水中にポリシロキサンを添加することで、白水中の空気閉込めを制限する方法が開示されている。ただし、消泡剤を多用した場合、紙力・サイズ度の低下や最終紙製品の品質に影響が出る場合があるため、消泡剤使用量を制約する必要性や、またその弊害により高強度の紙力を有する紙が作れないなどの課題があった。
【0004】
特開平11-229291号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、新規な紙の製造方法と、この製造方法により得られる紙を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための手段は以下の通りである。
1.溶存エア量が、1.5v/v%以下であるインレット原料を抄紙することを特徴とする紙の製造方法。
2.前記インレット原料が、脱気装置により脱気処理した白水を含むことを特徴とする1.に記載の紙の製造方法。
3.紙力剤の添加量が、パルプに対して2.0重量%以下であることを特徴とする1.に記載の紙の製造方法。
4.消泡剤の添加量が、パルプに対して0.01重量%以下であることを特徴とする1.に記載の紙の製造方法。
5.得られる紙の坪量が100g/m
2
以上800g/m
2
以下であることを特徴とする1.に記載の紙の製造方法。
6.パルプ全体に対して、古紙パルプを50重量%以上含むことを特徴とする1.に記載の紙の製造方法。
7.1.~6.のいずれかに記載の製造方法により得られたことを特徴とする紙。
【発明の効果】
【0007】
本発明の製造方法により得られる紙は、インレット原料中の溶存エア量が1.5v/v%を超える以外は同一である製造方法により得られる紙と比較して、強度に優れている。本発明の製造方法により得られる紙は、強度に優れているため紙力剤の添加量を減らすことができる。本発明の製造方法は、自由エアの量も減らすことができるため、消泡剤の添加量を減らすことができる。本発明の製造方法により得られる紙は強度に優れているため、強度の発現しにくい古紙パルプを多く配合することができる。本発明の製造方法は、特に、強度が要求されることの多い100g/m
2
以上800g/m
2
以下の紙の製造に好適に用いることができ、また、従来の製造方法により得られた紙と比較して、低坪量で同等の強度を達成することができる。昨今の板紙市場では、安価な低坪量品でありながら、高強度を求められるケースも多くなっており、本発明の製造方法により、そのような要求に応えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は、溶存エア量が1.5v/v%以下であるインレット原料を抄紙する紙の製造方法に関する。
本発明の製造方法は、ワイヤーにおいて抄かれる直前の状態であるインレット原料の溶存エア量を1.5v/v%以下とすること以外は、従来公知の抄紙工程をそのまま用いることができる。インレット原料中の溶存エア量は、1.3v/v%以下が好ましく、1.0v/v%以下がより好ましく、0.7v/v%以下がさらに好ましく、0.4v/v%以下がよりさらに好ましい。なお、本明細書において、溶存エアとは、水中に溶解している気体を意味する。溶存エアは、温度や圧力等の変化により、微細気泡となる場合がある。
インレット原料中の溶存エア量を1.5v/v%以下とする方法は特に制限されないが、脱気装置により脱気処理した白水を、インレット原料中に含ませることが好ましい。白水は、ワイヤーを通過する等して空気と多く触れた後に回収されるため、再利用ではないピュアな製紙原料と比較して溶存エア量が多い。そのため、白水中の溶存エア量を減らすことにより、インレット原料中の溶存エア量を効果的に減らすことができる。
【0009】
本発明の製造方法で使用するインレット原料は、溶存エア量が1.5v/v%以下であればよく、その原料としては、パルプ、公知の填料、製紙用助剤等の製紙原料を特に制限することなく含むことができる。
パルプとしては、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、サルファイトパルプ(SP)等の木材の化学パルプ、グランドパルプ(GP)、リファイナグランドパルプ(RGP)、ストーングランドパルプ(SGP)、ケミグランドパルプ(CGP)、セミケミカルパルプ(SCP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)等の木材の機械パルプ、ケナフ、バガス、竹、麻、ワラなどから得られた非木材パルプ、古紙を原料とし、脱墨工程にて古紙に含まれるインキを除去した古紙パルプなど、公知のパルプを適宜配合して用いることができる。
【0010】
本発明の製造方法により、強度に優れた紙を得ることができるため、強度が出にくい古紙パルプを多く配合することができる。例えば、パルプ全体に対して古紙パルプを50重量%以上含むことが好ましく、70重量%以上含むことがより好ましく、80重量%以上含むことがさらに好ましく、90重量%以上、さらには100重量%とすることもできる。古紙パルプとしては、段ボール古紙、上白、特白、中白、白損等の未印刷古紙を離解した古紙パルプ、上質紙、上質コート紙、中質紙、中質コート紙、更紙等に印刷された古紙、および筆記された古紙、廃棄機密文書等の紙類、雑誌古紙、新聞古紙を離解後脱墨したパルプ(DIP)等を使用することができる。
(【0011】以降は省略されています)
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