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公開番号2024093627
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-09
出願番号2022210136
出願日2022-12-27
発明の名称半導体装置とその製造方法
出願人株式会社デンソー,トヨタ自動車株式会社,株式会社ミライズテクノロジーズ
代理人弁理士法人 快友国際特許事務所
主分類H01L 29/78 20060101AFI20240702BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】複数のトレンチゲートを備えた半導体装置において、微細化に有用な技術を提供する。
【解決手段】内側トレンチ40Bの一対の端側壁42の表面粗さが、内側トレンチ40Bのうち長手方向の中間部46にある一対の長手側壁44の表面粗さよりも大きい。さらに、内側トレンチ40Bの一対の端側壁42を被覆するゲート絶縁膜34の膜厚が、内側トレンチ40Bの中間部46にある一対の長手側壁44を被覆するゲート絶縁膜34の膜厚よりも大きい。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
半導体装置(1,2)であって、
半導体層(10)と、
前記半導体層に設けられている複数のトレンチゲート(30)であって、前記複数のトレンチゲートの各々が前記半導体層の上層部に形成されている複数のトレンチ(40)のうち対応するトレンチ内に設けられている、複数のトレンチゲートと、を備えており、
前記複数のトレンチの各々は、前記半導体層を平面視したときに、少なくとも第1方向に沿って延びており、
前記複数のトレンチは、前記半導体層を平面視したときに、前記第1方向に直交する第2方向に相互に間隔を置いて配置されており、
前記複数のトレンチの各々は、前記第1方向の両端の各々にある端側壁(42)と、一対の前記端側壁の間を延びている一対の長手側壁(44)と、を有しており、
前記複数のトレンチは、前記第2方向の両端の各々に配置されている両端トレンチ(40A)と、一対の前記両端トレンチの間に配置されている内側トレンチ(40B)と、に区別され、
前記内側トレンチの前記端側壁の表面粗さが、前記内側トレンチのうち前記第1方向の中間部(46)にある前記長手側壁の表面粗さよりも大きく、
前記内側トレンチの前記端側壁を被覆するゲート絶縁膜(34)の膜厚が、前記内側トレンチの前記中間部にある前記長手側壁を被覆するゲート絶縁膜の膜厚よりも大きい、半導体装置。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
前記内側トレンチの前記端側壁の傾斜角度が、前記内側トレンチの前記中間部にある前記長手側壁の傾斜角度よりも小さい、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記トレンチでは、前記第1方向の両端部の各々のトレンチ幅が、前記第1方向の中間部のトレンチ幅よりも大きい、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記両端トレンチの一対の前記長手側壁のうち前記第2方向の外側にある外側長手側壁の表面粗さが、前記内側トレンチの前記中間部にある前記長手側壁の表面粗さよりも大きく、
前記両端トレンチの前記外側長手側壁を被覆するゲート絶縁膜の膜厚が、前記内側トレンチの前記中間部にある前記長手側壁を被覆するゲート絶縁膜の膜厚よりも大きい、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記半導体層が炭化珪素である、請求項1~4のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項6】
半導体装置(1,2)の製造方法であって、
半導体層(10)の上層部に複数のトレンチ(40)を形成するトレンチ形成工程と、
前記複数のトレンチの各々にトレンチゲート(30)を形成し、複数のトレンチゲートを形成するトレンチゲート形成工程と、を備えており、
前記複数のトレンチの各々は、前記半導体層を平面視したときに、少なくとも第1方向に沿って延びており、
前記複数のトレンチは、前記半導体層を平面視したときに、前記第1方向に直交する第2方向に相互に間隔を置いて配置されており、
前記複数のトレンチの各々は、前記第1方向の両端の各々にある端側壁(42)と、一対の前記端側壁の間を延びている一対の長手側壁(44)と、を有しており、
前記複数のトレンチは、前記第2方向の両端の各々に配置されている両端トレンチ(40A)と、一対の前記両端トレンチの間に配置されている内側トレンチ(40B)と、に区別され、
前記トレンチゲート形成工程では、前記内側トレンチの前記端側壁の表面粗さが、前記内側トレンチのうち前記第1方向の中間部(46)にある前記長手側壁の表面粗さよりも大きい状態で、前記内側トレンチの前記端側壁を被覆するゲート絶縁膜(34)の膜厚が、前記内側トレンチの前記中間部にある前記長手側壁を被覆するゲート絶縁膜の膜厚よりも大きくなるように、前記複数のトレンチゲートが形成される、半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記トレンチ形成工程では、前記内側トレンチの前記端側壁の傾斜角度が、前記内側トレンチの前記中間部の前記長手側壁の傾斜角度よりも小さくなるように、前記複数のトレンチが形成される、請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記トレンチ形成工程では、前記トレンチの前記第1方向の両端部の各々のトレンチ幅が、前記トレンチの前記第1方向の中間部のトレンチ幅よりも大きくなるように、前記複数のトレンチが形成される、請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記トレンチゲート形成工程では、前記両端トレンチの一対の前記長手側壁のうち前記第2方向の外側にある外側長手側壁の表面粗さが、前記内側トレンチの前記中間部にある前記長手側壁の表面粗さよりも大きい状態で、前記両端トレンチの前記外側長手側壁を被覆するゲート絶縁膜の膜厚が、前記内側トレンチの前記中間部にある前記長手側壁を被覆するゲート絶縁膜の膜厚よりも大きくなるように、前記複数のトレンチゲートが形成される、請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記半導体層が炭化珪素である、請求項6~9のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、半導体装置とその製造方法に関する。
続きを表示(約 4,400 文字)【背景技術】
【0002】
複数のトレンチゲートを備えた半導体装置の開発が進められている。複数のトレンチゲートの各々は、半導体層の上層部に形成された複数のトレンチのうち対応するトレンチ内に設けられている。半導体層の上層部にトレンチを形成するときにトレンチの側壁に凹凸が形成されると、トレンチゲートのゲート絶縁膜の耐圧及び信頼性が悪化する可能性がある。特許文献1は、トレンチを形成した後に、ケミカルドライエッチング法を利用してトレンチの側壁の凹凸を除去する技術を提案する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2014-053595号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
トレンチの側壁の凹凸を十分に除去すると、エッチング量が増加してトレンチ幅が拡大し、隣り合うトレンチ間の距離が短くなってしまう。このため、トレンチの側壁の凹凸を十分に除去しながら隣り合うトレンチ間の距離を確保するためには、トレンチピッチを大きくしなければならず、半導体装置の微細化が犠牲となる。本明細書は、複数のトレンチゲートを備えた半導体装置において、微細化に有用な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書が開示する半導体装置(1,2)は、半導体層(10)と、前記半導体層に設けられている複数のトレンチゲート(30)であって、前記複数のトレンチゲートの各々が前記半導体層の上層部に形成されている複数のトレンチ(40)のうち対応するトレンチ内に設けられている、複数のトレンチゲートと、を備えていてもよい。前記複数のトレンチの各々は、前記半導体層を平面視したときに、少なくとも第1方向に沿って延びていてもよい。前記複数のトレンチは、前記半導体層を平面視したときに、前記第1方向に直交する第2方向に相互に間隔を置いて配置されていてもよい。前記複数のトレンチの各々は、前記第1方向の両端の各々にある端側壁(42)と、一対の前記端側壁の間を延びている一対の長手側壁(44)と、を有していてもよい。前記複数のトレンチは、前記第2方向の両端の各々に配置されている両端トレンチ(40A)と、一対の前記両端トレンチの間に配置されている内側トレンチ(40B)と、に区別されてもよい。前記内側トレンチの前記端側壁の表面粗さが、前記内側トレンチのうち前記第1方向の中間部(46)にある前記長手側壁の表面粗さよりも大きくてもよい。前記内側トレンチの前記端側壁を被覆するゲート絶縁膜(34)の膜厚が、前記内側トレンチの前記中間部にある前記長手側壁を被覆するゲート絶縁膜の膜厚よりも大きくてもよい。この半導体装置では、表面粗さが相対的に大きいトレンチの側壁に膜厚が相対的に大きいゲート絶縁膜が被膜されている。このため、上記半導体装置では、トレンチの側壁の凹凸に起因したゲート絶縁膜の耐圧及び信頼性の悪化が抑えられている。換言すると、上記半導体装置では、トレンチの側壁の凹凸を許容しながら、ゲート絶縁膜の耐圧及び信頼性の悪化が抑えられている。このため、上記半導体装置では、トレンチの側壁の凹凸を十分に除去する必要がないので、トレンチピッチを小さくすることができる。上記半導体装置は、微細化に有用な構造を備えている。
【0006】
本明細書が開示する半導体装置(1,2)の製造方法は、半導体層(10)の上層部に複数のトレンチ(40)を形成するトレンチ形成工程と、前記複数のトレンチの各々にトレンチゲート(30)を形成し、複数のトレンチゲートを形成するトレンチゲート形成工程と、を備えていてもよい。前記複数のトレンチの各々は、前記半導体層を平面視したときに、少なくとも第1方向に沿って延びていてもよい。前記複数のトレンチは、前記半導体層を平面視したときに、前記第1方向に直交する第2方向に相互に間隔を置いて配置されていてもよい。前記複数のトレンチの各々は、前記第1方向の両端の各々にある端側壁(42)と、一対の前記端側壁の間を延びている一対の長手側壁(44)と、を有していてもよい。前記複数のトレンチは、前記第2方向の両端の各々に配置されている両端トレンチ(40A)と、一対の前記両端トレンチの間に配置されている内側トレンチ(40B)と、に区別されてもよい。前記トレンチゲート形成工程では、前記内側トレンチの前記端側壁の表面粗さが、前記内側トレンチのうち前記第1方向の中間部(46)にある前記長手側壁の表面粗さよりも大きい状態で、前記内側トレンチの前端側壁を被覆するゲート絶縁膜(34)の膜厚が、前記内側トレンチの前記中間部にある前記長手側壁を被覆するゲート絶縁膜の膜厚よりも大きくなるように、前記複数のトレンチゲートが形成されてもよい。この製造方法によると、表面粗さが相対的に大きいトレンチの側壁に膜厚が相対的に大きいゲート絶縁膜を被膜することができる。このため、上記製造方法で製造される半導体装置では、トレンチの側壁の凹凸に起因したゲート絶縁膜の耐圧及び信頼性の悪化が抑えられる。換言すると、上記製造方法で製造される半導体装置は、トレンチの側壁の凹凸を許容しながら、ゲート絶縁膜の耐圧及び信頼性の悪化を抑えられる。このため、上記製造方法では、トレンチの側壁の凹凸を十分に除去する必要がないので、トレンチピッチが小さい半導体装置を製造することができる。上記製造方法は、微細な構造を備えた半導体装置を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本明細書が開示する半導体装置が備える半導体層の平面図を模式的に示しており、複数のトレンチゲートのレイアウトを示す図である。
半導体層の上層部に形成されているトレンチの端部近傍の要部斜視図を模式的に示す図である。
本明細書が開示する第1の実施形態の半導体装置の要部断面図を模式的に示しており、図1のIII-III線に対応した断面図である。
本明細書が開示する第1の実施形態の半導体装置の要部断面図を模式的に示しており、図1のIV-IV線に対応した断面図である。
両端トレンチの長手側壁の電子顕微鏡写真である。
内側トレンチの長手側壁の電子顕微鏡写真である。
本明細書が開示する第1の実施形態の半導体装置の製造方法のうち、トレンチゲートを形成するための製造フローを示す図である。
本明細書が開示する第1の実施形態の半導体装置の製造方法のうち、トレンチゲートを形成する製造工程中の半導体層の要部断面図を示す図である。
本明細書が開示する第1の実施形態の半導体装置の製造方法のうち、トレンチゲートを形成する製造工程中の半導体層の要部断面図を示す図である。
本明細書が開示する第1の実施形態の半導体装置の製造方法のうち、トレンチゲートを形成する製造工程中の半導体層の要部断面図を示す図である。
本明細書が開示する第1の実施形態の半導体装置の製造方法のうち、トレンチゲートを形成する製造工程中の半導体層の要部断面図を示す図である。
本明細書が開示する第2の実施形態の半導体装置の要部断面図を模式的に示しており、図1のIII-III線に対応した断面図である。
本明細書が開示する第2の実施形態の半導体装置の要部断面図を模式的に示しており、図1のIV-IV線に対応した断面図である。
本明細書が開示する第2の実施形態の半導体装置の製造方法のうち、トレンチゲートを形成する製造工程中の半導体層の要部断面図を示す図である。
本明細書が開示する第2の実施形態の半導体装置の製造方法のうち、トレンチゲートを形成する製造工程中の半導体層の要部断面図を示す図である。
本明細書が開示する第2の実施形態の半導体装置の製造方法のうち、トレンチゲートを形成する製造工程中の半導体層の要部断面図を示す図である。
本明細書が開示する第2の実施形態の半導体装置の製造方法のうち、トレンチゲートを形成する製造工程中の半導体層の要部断面図を示す図である。
本明細書が開示する第3の実施形態の半導体装置であって、トレンチの両端部の平面形状を模式的に示す図である。
本明細書が開示する第3の実施形態の半導体装置であって、トレンチの両端部の平面形状を模式的に示す図である。
本明細書が開示する第3の実施形態の半導体装置であって、トレンチの両端部の平面形状を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本明細書が開示する複数の実施形態の半導体装置について説明する。複数の実施形態を通して共通する構成要素には共通の符号を付し、その説明を省略する。なお、図示明瞭化を目的として、繰り返し配置されている構成要素についてはその1つのみに符号を付すことがある。
【0009】
(第1実施形態)
図1に示すように、半導体装置1は、半導体層10を備えている。半導体層10は、特に限定されるものではないが、例えば4Hの炭化珪素層であってもよい。半導体層10は、その上面の結晶面が(0001)のSi面に対してオフ角だけ傾斜していてもよい。オフ角は、特に限定されるものではないが、例えば4°であってもよい。半導体層10は、炭化珪素層に代えて、例えばシリコン層、窒化物半導体層、酸化ガリウム層であってもよい。以下では、半導体層10の厚み方向をz方向といい、半導体層10の上面に平行な一方向をx方向といい、x方向とz方向に対して直交する方向をy方向という。
【0010】
半導体装置1は、半導体層10の上層部に設けられた複数のトレンチゲート30を備えている。複数のトレンチゲート30の各々は、半導体層10を平面視したときに、一方向(この例ではy方向であり、以下、「トレンチゲート30の長手方向」という)に沿って延びている。また、複数のトレンチゲート30は、半導体層10を平面視したときに、トレンチゲート30の長手方向に直交する方向(この例ではx方向であり、以下、「トレンチゲート30の繰り返し方向」という)に相互に間隔を置いて配置されている。このように、複数のトレンチゲート30は、半導体層10を平面視したときに、ストライプ状に配置されている。
(【0011】以降は省略されています)

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