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公開番号
2024101635
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-07-30
出願番号
2023005647
出願日
2023-01-18
発明の名称
絶縁電線
出願人
矢崎総業株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
H01B
7/04 20060101AFI20240723BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】絶縁性の確保と柔軟性の向上とを図ることができる絶縁電線を提供する。
【解決手段】絶縁電線1は、撚線により構成された導体部10と、導体部10の外周に設けられた絶縁部20とを備え、絶縁部20は、撚られた状態で一体化された同一素材よりなる複数本の樹脂紐21で構成され、各樹脂紐21と隣接する樹脂紐21とは断面視して紐径よりも小さい特定の密着幅で接合され、複数本の樹脂紐21の撚りピッチは、導体部10の外径をxとした場合に20x以上とされている。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
撚線により構成された導体部と、前記導体部の外周に設けられた絶縁部とを備えた絶縁電線であって、
前記絶縁部は、撚られた状態で一体化された同一素材よりなる複数本の樹脂紐で構成され、各樹脂紐と隣接する樹脂紐とは断面視して紐径よりも小さい特定の密着幅で接合されている
ことを特徴とする絶縁電線。
続きを表示(約 440 文字)
【請求項2】
前記絶縁部は、前記複数本の樹脂紐が溶着により一体化され、
前記複数本の樹脂紐は、中心側となる内層と前記内層を覆う最外層とを有し、前記内層が前記最外層よりも柔軟性が高く、前記最外層が前記内層よりも融点が低い樹脂によって構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の絶縁電線。
【請求項3】
前記絶縁部は、前記複数本の樹脂紐が、前記複数本の樹脂紐以上の絶縁抵抗を有する接着剤又は粘着剤により一体化されている
ことを特徴とする請求項1に記載の絶縁電線。
【請求項4】
前記絶縁部は、前記複数本の樹脂紐が、前記複数本の樹脂紐以下のヤング率となる接着剤又は粘着剤により一体化されている
ことを特徴とする請求項1に記載の絶縁電線。
【請求項5】
前記導体部の外径をxとしした場合、前記複数本の樹脂紐の撚りピッチは20x以上とされている
ことを特徴とする請求項1に記載の絶縁電線。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、絶縁電線に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、例えば車両の電動化に伴い、電線の高電圧化及び大電流化が進んでいる。大電流化により電線は大径化しており、電線の柔軟性低下が問題となる。このような問題に対して、素線を撚り合わせてなる撚線によって電線の導体部を構成したものが提案されている(特許文献1,2参照)。
【0003】
また、絶縁部を複数本の繊維によって構成した技術が提案されている(特許文献3参照)。この技術では、複数本の繊維の一部を融点が低い繊維とし、加熱により当該繊維が溶融して、その後の冷却によって固化することで、絶縁部が形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021-7107号公報
特開2018-145457号公報
特開2018-125988号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、特許文献1,2に記載の絶縁電線は、導体部が撚線によって構成されていることから、導体部を1本の単線によって構成される場合と比較すると柔軟性の向上を図ることができる。しかし、導体部を撚線によって構成するだけでは、柔軟性の向上について充分とはいえなかった。
【0006】
そこで、特許文献3に記載の技術のように絶縁部を繊維によって構成することが考えられる。しかし、特許文献3に記載のものは、複数本の繊維のうち一部について融点が低い繊維としている。このため、融点が低い繊維に近い箇所において繊維同士の接合が強くなるが、融点が低い繊維に遠い箇所では繊維同士の接合が弱くなり易い。よって、電線全体で見ると繊維同士の接合度合いが疎らとなってしまい、屈曲時や外力が加わった場合には接合の弱い箇所で繊維間に隙間が生じてしまい、絶縁性に問題が生じ得る。
【0007】
本発明はこのような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、絶縁性の確保と柔軟性の向上とを図ることができる絶縁電線を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る絶縁電線は、撚線により構成された導体部と、前記導体部の外周に設けられた絶縁部とを備えた絶縁電線であって、前記絶縁部は、撚られた状態で一体化された同一素材よりなる複数本の樹脂紐で構成され、各樹脂紐と隣接する樹脂紐とは断面視して紐径よりも小さい特定の密着幅で接合されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、柔軟性の向上を図ることができる絶縁電線を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の実施形態に係る絶縁電線を示す斜視図である。
図1に示した構成の端面図である。
図2の一部拡大図である。
各種絶縁材料の厚さと破壊電圧との関係を示すグラフである。
絶縁部を厚肉とした絶縁電線の例を示す図表であって、比較的紐径が大きい樹脂紐を用いた厚肉仕様の絶縁電線の例を示している。
絶縁部を薄肉とした絶縁電線の例を示す図表であって、比較的紐径が小さい樹脂紐を用いた薄肉仕様の絶縁電線の例を示している。
樹脂紐の変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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