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公開番号2024091027
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-04
出願番号2022207288
出願日2022-12-23
発明の名称チェーンテンショナの制御装置
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人個人,個人
主分類F16H 7/08 20060101AFI20240627BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】テンショナの油圧を不必要に高くすることなく、チェーンの振動あるいは脈動やそれに伴う異音などを確実に解消する。
【解決手段】駆動スプロケットに巻き掛けられたチェーンが、従動スプロケットに巻き掛けられるとともに、チェーンの外周側を覆うヘッドカバーが設けられており、チェーンをチェーンの走行方向に交差する方向に押圧して張力を付与するチェーンテンショナの制御装置であって、ヘッドカバーの振動もしくはヘッドカバーが発する音を検出するセンサが設けられ、チェーンがヘッドカバーに衝突した場合に発生する振動もしくは音の周波数の判定のための基準としての特定周波数として備えており、センサによって検出された振動もしくは音の周波数と特定周波数とを比較する比較手段(ステップS2)と、比較の結果に基づいて、チェーンテンショナに供給する油圧を予め定めた圧力以上に昇圧する昇圧手段(ステップS3)とを更に備えている。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
モータと共に駆動力源を構成しているエンジンのクランクシャフトによって駆動される駆動スプロケットに巻き掛けられたチェーンが、前記エンジンのバルブを駆動する従動スプロケットに巻き掛けられるとともに、前記チェーンの外周側を覆うヘッドカバーが設けられており、前記チェーンを前記チェーンの走行方向に交差する方向に押圧して張力を付与するチェーンテンショナの制御装置であって、
前記ヘッドカバーの振動もしくは前記ヘッドカバーが発する音を検出するセンサが設けられ、
前記チェーンが前記ヘッドカバーに衝突した場合に発生する前記振動もしくは前記音の周波数の判定のための基準としての特定周波数を備えており、
前記センサによって検出された前記振動もしくは前記音の周波数と前記特定周波数とを比較する比較手段と、前記比較の結果に基づいて、前記チェーンテンショナに供給する油圧を予め定めた圧力以上に昇圧する昇圧手段とを更に備えている
ことを特徴とするチェーンテンショナの制御装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関のタイミングチェーンなどのチェーンに張力を付与するテンショナを制御する装置に関するものである。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
チェーン駆動装置におけるテンショナを制御する装置の一例が特許文献1に記載されている。特許文献1に記載された装置は、エンジン(内燃機関)とモータ(もしくはモータ・ジェネレータ)とを駆動力源として備え、エンジンを停止してモータによって走行するいわゆるEV走行(EVモード)の可能なハイブリッド車両を対象とする制御装置であって、エンジンは、排気バルブと吸気バルブとを開閉するためのチェーンに付与する張力を、油圧式のテンショナによって調整するように構成されている。
【0003】
EVモードでは、エンジンを停止しているので、そのEVモードの継続時間が長い場合には、エンジンを逆回転させる方向のトルクが慣性力などによって生じ、それに伴うテンショナが空気を吸入する可能性がある。テンショナは、プランジャを押し出す方向の圧力を生じさせる高圧油室を備えており、そのプランジャがチェーンによって高圧油室側に押された場合に高圧油室から押し出されるオイルの流れに抵抗力を付与するようになっている。したがって、テンショナはチェーンの振動もしくは脈動(あるいは波打ち)を抑制するダンパとしての機能をも有している。
【0004】
テンショナにおける高圧油室に空気が混入した場合、オイルが非圧縮性流体であるのに対して空気は圧縮性流体であるから、テンショナによるダンパ機能が低下し、チェーンの張力が不十分になったり、あるいはチェーンの振動もしくは脈動でチェーンがヘッドカバーに当接して異音が生じたりする可能性がある。高圧油室に対する空気の混入は、エンジンを停止して走行するEVモードで生じやすく、EVモードの継続時間が長いほどその可能性が高くなり、また混入する空気量が多くなる。そこで、特許文献1に記載された装置では、エンジンを始動する際のテンショナの油圧(供給油圧)を、EVモードの継続時間が長いほど高くすることとしている。すなわち、テンショナにおける油圧を高くすることにより、その内部に混入した空気の排出を促進するように供給圧を高くしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2022-71520号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の特許文献1に記載された装置では、テンショナに対する供給圧を高くすることにより、その内部に混入した空気を排出している。しかしながら、その供給圧の昇圧は、EVモードの継続時間が規定時間以上であることに基づいて実行しているために、不必要に供給圧を高くしたり、あるいは反対にテンショナに空気が混入しているにもかかわらず供給圧を昇圧できないなどの可能性がある。
【0007】
テンショナに対する空気の混入は、プランジャを引き抜く方向に外力が作用することにより生じる。したがって、EVモードの継続時間が規定時間以上であれば、テンショナの内部に空気が混入する可能性が高くなる。しかしながら、必ずしも空気が混入する訳ではない。また反対に、ハイブリッド車両の走行の仕方によっては、EVモードの継続時間が短いにもかかわらず、テンショナの内部に空気が混入してしまう場合がある。このようにテンショナに空気が混入するか否かは、EVモードの継続時間が規定時間以上であるか否かと必ずしも一致しない。そのため、EVモードの継続時間に基づいてテンショナへの供給圧を高くしたのでは、空気が混入していない状態で油圧が高くなってしまい、その結果、チェーンの張力の過度な増大やそれに起因する摩擦などによって燃費が悪化する可能性がある。反対に、空気が混入しているにもかかわらず、テンショナの供給圧が高くならず、その結果、エンジンの始動時において、テンショナによるダンパ機能が低下してチェーンが振動もしくは脈動し、それに伴ってヘッドカバーにチェーンが接触して異音が生じるなどの可能性が高くなる。
【0008】
本発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであって、テンショナの油圧を不必要に高くすることなく、チェーンの振動あるいは脈動やそれに伴う異音などを確実に解消することのできる装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明は、モータと共に駆動力源を構成しているエンジンのクランクシャフトによって駆動される駆動スプロケットに巻き掛けられたチェーンが、前記エンジンのバルブを駆動する従動スプロケットに巻き掛けられるとともに、前記チェーンの外周側を覆うヘッドカバーが設けられており、前記チェーンを前記チェーンの走行方向に交差する方向に押圧して張力を付与するチェーンテンショナの制御装置であって、前記ヘッドカバーの振動もしくは前記ヘッドカバーが発する音を検出するセンサが設けられ、前記チェーンが前記ヘッドカバーに衝突した場合に発生する前記振動もしくは前記音の周波数の判定のための基準としての特定周波数を備えており、前記センサによって検出された前記振動もしくは前記音の周波数と前記特定周波数とを比較する比較手段と、前記比較の結果に基づいて、前記チェーンテンショナに供給する油圧を予め定めた圧力以上に昇圧する昇圧手段とを更に備えていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るチェーンテンショナの制御装置では、チェーンの上側を覆っているヘッドカバーの振動あるいはヘッドカバーが発する音をセンサで検出する。その振動もしくは音の周波数と予め備えている特定周波数とを比較する。その特定周波数は、ヘッドカバーにチェーンが衝突した場合にヘッドカバーで生じる周波数、あるいはチェーンがヘッドカバーに衝突しない通常時の周波数であり、判定のための基準として用意してある。そして、検出した周波数と特定周波数との比較の結果に基づいて、昇圧手段が、チェーンテンショナの油圧を予め定めた圧力以上に昇圧する。その比較は、検出した周波数が特定周波数を含んでいる場合や、所定以上の音圧の周波数が特定周波数と共通している場合などに、同一もしくは類似の判定を行う比較である。したがって、本発明では、チェーンが一旦ヘッドカバーに衝突すると、チェーンテンショナの油圧が高くなって、チェーンの張力を増大させるので、以降、チェーンの緩みがなくなって過剰な脈動や振動を防止できる。また、チェーンを積極的に走行させていない期間が長くても、ヘッドカバーにチェーンが衝突しない限り、チェーンテンショナの油圧を増大させないので、油圧の昇圧のために不必要にエネルギを消費したり、あるいはチェーンの張力が過度に高くなってエネルギ損失が増大したりすることを回避もしくは抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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