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公開番号2024090826
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-04
出願番号2022206964
出願日2022-12-23
発明の名称車両用駆動装置
出願人株式会社アイシン
代理人弁理士法人R&C
主分類F16H 63/34 20060101AFI20240627BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】車両用駆動装置の大型化を防ぎつつ、パーキングロック機構の作動によって生じる粉塵等の異物が回転電機等の電気的な部材に付着することを抑制する。
【解決手段】パーキングロック機構6は、動力伝達機構3又は差動歯車機構5を構成する回転体である対象回転体と一体的に回転するパーキングギヤ6Gと、パーキングギヤ6Gに係合することによりパーキングギヤ6Gの回転を規制する係合機構6Kとを備え、パーキングギヤ6Gが、コイルエンド部11eに対して軸方向第1側L1に隣接して配置されている。コイルエンド部11eにおける係合機構6Kに対向する部分を覆うカバー部材2が、パーキングギヤ6Gに対して軸方向第2側L2に配置されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ロータ及びステータを備えた回転電機と、
それぞれが車輪に駆動連結される一対の出力部材と、
前記回転電機のトルクを一対の前記出力部材に分配する差動歯車機構と、
前記ロータと前記差動歯車機構との間の動力伝達を行う動力伝達機構と、
一対の前記出力部材の回転を規制するためのパーキングロック機構と、を備え、
前記回転電機と前記差動歯車機構とが同軸上に配置された車両用駆動装置であって、
前記ステータは、ステータコアと、前記ステータコアに巻回されたコイルと、を備え、
前記ロータの回転軸心に沿う方向を軸方向とし、前記軸方向の一方側を軸方向第1側とし、前記軸方向の他方側を軸方向第2側として、
前記コイルは、前記ステータコアに対して前記軸方向第1側に突出したコイルエンド部を備え、
前記パーキングロック機構は、前記動力伝達機構又は前記差動歯車機構を構成する回転体である対象回転体と一体的に回転するパーキングギヤと、前記パーキングギヤに係合することにより前記パーキングギヤの回転を規制する係合機構と、を備え、
前記パーキングギヤが、前記コイルエンド部に対して前記軸方向第1側に隣接して配置され、
前記コイルエンド部における前記係合機構に対向する部分を覆うカバー部材が、前記パーキングギヤに対して前記軸方向第2側に配置されている、車両用駆動装置。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記コイルエンド部には、前記コイルと電源とを電気的に接続する動力線と前記コイルとの接続部分である動力線接続部が設けられ、
前記軸方向に沿う軸方向視で、前記動力線接続部と前記係合機構とが重複しないように配置され、
前記カバー部材は、前記コイルエンド部における前記軸方向視で前記係合機構と重複する部分を覆うと共に、前記軸方向視で前記動力線接続部と重複する部分が開放されるように形成されている、請求項1に記載の車両用駆動装置。
【請求項3】
前記コイルエンド部における、前記動力線接続部が設けられた領域以外の領域を一般領域として、
前記一般領域には、前記コイルを構成する導体線の配置に応じた前記軸方向の凹凸が形成され、
前記係合機構を構成する部材のうち、前記軸方向視で前記コイルエンド部と重複する位置に配置され、且つ、最も前記軸方向第2側に配置される部材を特定部材として、
前記特定部材が、前記一般領域における前記軸方向第2側に窪んだ凹部と前記軸方向視で重複する位置に配置され、
前記カバー部材は、前記凹部に対応する箇所が前記軸方向第2側に窪んだ形状に形成されている、請求項2に記載の車両用駆動装置。
【請求項4】
前記ロータの回転軸心に直交する方向を径方向として、
前記カバー部材は、前記径方向に沿う径方向視で前記コイルエンド部と重複しないように配置されている、請求項1から3の何れか一項に記載の車両用駆動装置。
【請求項5】
前記回転電機、前記差動歯車機構、前記動力伝達機構、前記パーキングギヤ、及び、前記係合機構を収容するケースを備え、
前記ロータの回転軸心に直交する方向を径方向として、
前記カバー部材は、
前記軸方向に沿う軸方向視で前記コイルエンド部と重複する部分であるカバー本体部と、
前記カバー本体部に対して前記径方向の外側に配置されて前記ケースに取り付けられる取付部と、
前記ケースに設けられた油供給部に接続される油流入口と、
油が排出される油排出口と、
前記油流入口と前記油排出口とを接続する接続油路と、
車両搭載状態で前記コイルエンド部よりも上側に配置される上側配置部と、を備え、
前記油排出口は、前記上側配置部に設けられている、請求項1から3の何れか一項に記載の車両用駆動装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用駆動装置に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
国際公開第2022/074994号には、同軸上に、回転電機(2)、遊星歯車式の減速機(4)、回転電機(2)及び減速機(4)から伝達される動力を一対の車輪に分配する差動歯車機構(5)を備えた車両用駆動装置(1)が開示されている(背景技術において括弧内の符号は参照する文献のもの。)。この車両用駆動装置(1)は、さらに、車輪の回転を制止するためのパーキングロック機構(3)を備えている。回転電機(2)のロータ(21)の径方向内側に配置されたロータ軸の径方向外側には遊星歯車式の減速機(4)の入力ギヤであるサンギヤ(41)が固定されている。また、ロータ軸の径方向外側には、ロータ(21)とサンギヤ(41)との間にパーキングロック機構(3)を構成するパーキングギヤ(30)が固定されている。ロータ(21)、パーキングギヤ(30)、サンギヤ(41)は一体的に回転し、パーキングギヤ(30)の回転を係止部材によって止めることによって車輪に伝達される回転が止められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2022/074994号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
パーキングロック機構(3)は、車両の乗員による操作によってパーキングギヤ(30)を係止する。一般的には、乗員が車両を停車させ、車輪が回転していない状態でパーキングロック機構(3)が作動するため、パーキングロック機構(3)の作動時にはパーキングギヤ(30)は回転していない。しかし、車両が停止するよりも早く、乗員がパーキングロック機構(3)を作動させてしまう場合もあり、この場合には、係止部材が回転中のパーキングロック機構(3)に接触することになる。パーキングギヤ(30)が停止している状態でも、パーキングギヤ(30)と係止部材との接触により、金属粉等の粉塵が生じる可能性はあるが、パーキングギヤ(30)が回転しているとそのような粉塵が発生し易くなる。上述したように、パーキングギヤ(30)は、回転軸に沿って、減速機(4)のサンギヤ(41)とロータ(21)との間に配置されている。ロータ(21)の径方向外側には、コイルを備えたステータ(25)が配置されており、粉塵がコイルに到達すると、コイルの絶縁皮膜に傷を付けたり、付着した粉塵によってコイルの短絡を招いたりするおそれがある。上記の文献に開示された車両用駆動装置(1)では、パーキングギヤ(30)と回転電機(1)との間にケースの開口(120)が形成されており、そのような粉塵がコイルに到達する可能性が充分に排除されているとは言いがたい。
【0005】
上記背景に鑑みて、車両用駆動装置の大型化を防ぎつつ、パーキングロック機構の作動によって生じる粉塵等の異物が回転電機等の電気的な部材に付着することを抑制することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記に鑑みた車両用駆動装置は、ロータ及びステータを備えた回転電機と、それぞれが車輪に駆動連結される一対の出力部材と、前記回転電機のトルクを一対の前記出力部材に分配する差動歯車機構と、前記ロータと前記差動歯車機構との間の動力伝達を行う動力伝達機構と、一対の前記出力部材の回転を規制するためのパーキングロック機構と、を備え、前記回転電機と前記差動歯車機構とが同軸上に配置された車両用駆動装置であって、前記ステータは、ステータコアと、前記ステータコアに巻回されたコイルと、を備え、前記ロータの回転軸心に沿う方向を軸方向とし、前記軸方向の一方側を軸方向第1側とし、前記軸方向の他方側を軸方向第2側として、前記コイルは、前記ステータコアに対して前記軸方向第1側に突出したコイルエンド部を備え、前記パーキングロック機構は、前記動力伝達機構又は前記差動歯車機構を構成する回転体である対象回転体と一体的に回転するパーキングギヤと、前記パーキングギヤに係合することにより前記パーキングギヤの回転を規制する係合機構と、を備え、前記パーキングギヤが、前記コイルエンド部に対して前記軸方向第1側に隣接して配置され、前記コイルエンド部における前記係合機構に対向する部分を覆うカバー部材が、前記パーキングギヤに対して前記軸方向第2側に配置されている。
【0007】
この構成によれば、パーキングロック機構により発生した金属粉等の異物がコイルエンド部の側に飛散した場合であっても、パーキングロック機構の係合機構とコイルエンド部との間に配置されたカバー部材によって、当該異物がコイルエンド部に付着することを回避できる。従って、当該異物によってコイルエンド部の絶縁性能が低下する可能性を低減することができる。回転電機と差動歯車機構とが同軸上に配置された車両用駆動装置では、軸方向寸法の低減が求められるため、各部材が軸方向に互いに近接して配置されることが多い。このため、パーキングロック機構を配置できるスペースも限定され、パーキングロック機構と回転電機のコイルエンド部との軸方向の離間距離が短くなることも多い。本構成によれば、パーキングロック機構がコイルエンド部に近接して配置される場合であっても、金属粉等の異物による影響を適切に低減することができる。即ち、本構成よれば、車両用駆動装置の大型化を防ぎつつ、パーキングロック機構の作動によって生じる粉塵等の異物が回転電機等の電気的な部材に付着することを抑制することができる。
【0008】
車両用駆動装置のさらなる特徴と利点は、図面を参照して説明する例示的且つ非限定的な実施形態についての以下の記載から明確となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
車両用駆動装置の断面図
車両用駆動装置のスケルトン図
車両用駆動装置の模式的な制御ブロック図
カバー部材を取り付けた状態で、軸方向第1側から軸方向第2側に向かって回転電機を見た図
カバー部材及びパーキングギヤを取り付けた状態で、軸方向第1側から軸方向第2側に向かって回転電機を見た図
カバー部材の斜視図
カバー部材を車両搭載状態での回転電機の側(軸方向第2側)から見た図
パーキングロック機構、カバー部材、コイルエンド部の関係を模式的に示す拡大側面図
カバー部材、コイルエンド部の関係を模式的に示す拡大側面図
車両用駆動装置の他の構成例を示すスケルトン図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、車両用駆動装置の実施形態を図面を参照して説明する。本明細書において「駆動連結」とは、2つの回転要素が駆動力を伝達可能に連結された状態を指し、当該2つの回転要素が一体的に回転するように連結された状態、或いは当該2つの回転要素が1つ又は2つ以上の伝動部材を介して駆動力を伝達可能に連結された状態を含む。このような伝動部材としては、回転を同速で又は変速して伝達する各種の部材、例えば、軸、歯車機構、ベルト、チェーン等が含まれる。尚、伝動部材として、回転及び駆動力を選択的に伝達する係合装置、例えば、摩擦係合装置、噛み合い式係合装置等が含まれていても良い。ただし、遊星歯車機構の各回転要素について「駆動連結」という場合には、遊星歯車機構における複数の回転要素が、互いに他の回転要素を介することなく連結されている状態を指すものとする。また、本明細書において「一体的に回転」とは、分離可能か分離不可能かは問わず一体的に回転することをいう。即ち、一体的に回転する複数の部材は同一部材から一体的に形成されていてもよいし、別部材によって構成されて溶接やスプライン結合等によって一体化されていてもよい。また、本明細書において、2つの要素の配置に関して、「特定方向視で重複する」とは、その視線方向に平行な仮想直線を当該仮想直線と直交する各方向に移動させた場合に、当該仮想直線が2つの要素の両方に交わる領域が少なくとも一部に存在することを意味する。
(【0011】以降は省略されています)

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