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公開番号2024090336
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-04
出願番号2022206173
出願日2022-12-23
発明の名称プレス成形品の製造方法
出願人JFEスチール株式会社
代理人個人
主分類B21D 22/26 20060101AFI20240627BHJP(本質的には材料の除去が行なわれない機械的金属加工;金属の打抜き)
要約【課題】自動車の車体部品のプレス成形で生じるスプリングバックを抑制して、外観も良好なプレス成形品を効率よく得ることができるプレス成形品の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明に係るプレス成形品の製造方法は、天板部1と天板部1に稜線部3を介して連続する縦壁部5とを有するプレス成形品を製造する方法であって、中間天板部21と中間天板部21に中間稜線部23を介して連続する中間縦壁部25とを有し、中間天板部21に凸形状部29又は凹形状部を付与した中間成形品17を成形する第1工程と、中間成形品17の凸形状部29又は凹形状部を押し潰して前記プレス成形品を成形する第2工程とを備え、該第2工程では、凸形状部29又は凹形状部を押し潰すことで発生する材料流れにより、中間稜線部23の材料を縦壁部5側に押し出して中間稜線部23であった部位に曲げ戻しを付与するようにしたことを特徴とするものである。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
天板部と該天板部に稜線部を介して連続する縦壁部とを有するプレス成形品を製造するプレス成形品の製造方法であって、
中間天板部と該中間天板部に中間稜線部を介して連続する中間縦壁部とを有し、前記中間天板部に前記中間稜線部の延在方向と同じ方向に延在し、稜線部直交断面が凸形状又は凹形状を有する凸形状部又は凹形状部を付与した中間成形品を成形する第1工程と、
前記中間成形品の前記凸形状部又は前記凹形状部を押し潰して前記プレス成形品を成形する第2工程とを備え、
該第2工程では、前記凸形状部又は前記凹形状部を押し潰すことで発生する材料流れにより、前記中間稜線部の材料を前記縦壁部側に押し出して前記中間稜線部であった部位に曲げ戻しを付与するようにしたことを特徴とするプレス成形品の製造方法。
続きを表示(約 530 文字)【請求項2】
前記プレス成形品は、前記天板部の両側に一対の縦壁部を有するハット断面形状部品又はコ字断面形状部品であることを特徴とする請求項1記載のプレス成形品の製造方法。
【請求項3】
前記第2工程で成形したハット断面形状部品又はコ字断面形状部品の前記天板部を前記稜線部の延在方向に切断して分割し、2個のZ字断面形状部品又は2個のL字断面形状部品を取得する分割工程をさらに備えたことを特徴とする請求項2に記載のプレス成形品の製造方法。
【請求項4】
前記天板部における前記凸形状部又は前記凹形状部が付与される部位の稜線部方向片側又は両側が切り欠かれており、
前記分割工程は、前記天板部の切り欠かれた部位を切除することで前記天板部を分割するようにしたことを特徴とする請求項3記載のプレス成形品の製造方法。
【請求項5】
前記プレス成形品は、前記天板部の片側にのみ縦壁部を有するZ字断面形状部品又はL字断面形状部品であり、
前記第2工程は、前記中間成形品の前記中間天板部における前記中間縦壁部を有さない側の端部を拘束して成形を行うことを特徴とする請求項1記載のプレス成形品の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、車体部品等のプレス成形において、離型後の天板部と縦壁部とがなす角度が増大するスプリングバックを抑制し、目標に近い良好な形状を有するプレス成形品の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
自動車の衝突安全性基準の厳格化により、車体の衝突安全性の向上が進展する中で、昨今の二酸化炭素排出規制を受けて、車体の軽量化も必要である。これら車体の衝突安全性能と軽量化を両立するため、従来に比べてさらに高強度な金属板が車体に採用されつつある。至近では、1.5GPa級以上の超高張力鋼板の適用が図られている。
【0003】
これら鋼板は、強度が著しく大きいため、プレス成形時に発生する応力が大きくて、離型すると大きなスプリングバックが生じて、目標形状から大きく乖離しやすい。
そこで、従来から、スプリングバックを抑制する数多くの手段が採られてきた。
特に、パンチ肩内角が開く(天板部と縦壁部とがなす角度が大きくなる)スプリングバックに対しては、特許文献1、2のようなプレス成形方法が開示されている。
【0004】
特許文献1には、1回目のプレス成形におけるパンチ幅よりも2回目のプレス成形におけるパンチ幅を広くする方法が記載されている。2回目のプレス成形のパンチ幅を広くすることにより、1回目のプレス成形で得られた成形品の壁部に逆曲げ変形を付与できるので、スプリングバックによるパンチ肩内角の開きを低減できるとされる。
特許文献2には、パンチ側パッドが外側(ダイ側)に突出された状態で、ダイ側パッドを被加工材に押し当てながら被加工材をプレス成形する方法が記載されている。この方法では、被加工材を弛ませながら成形し、成形下死点で該弛みを押し潰すので、被加工材のスプリングバックとスプリングゴーをバランスさせることができ、スプリングバックによるパンチ肩内角の開きを防止できるとされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2007-111725号公報
特開2010-082660号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、これらの方法を用いると、スプリングバックを十分抑制できないだけでなく、外観が不良な成形品となって問題であった。
特に特許文献1の場合、プレス成形2回目のパンチ幅をプレス成形1回目のパンチ幅よりも広くするので、1回目のプレス成形で得られた成形品における天板部と縦壁部の稜線部の成形痕が目標成形品の天板部に残留しやすく、目標成形品の外観が不良であった。
また、特許文献2でも、被加工材の断面線長が目標形状より長すぎると、パンチ肩部で折れが発生しやすくなり、短いとパンチ肩部の角度が目標形状にならず、問題であった。
【0007】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、自動車の車体部品のプレス成形で生じるスプリングバックを抑制して、外観も良好なプレス成形品を効率よく得ることができるプレス成形品の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明に係るプレス成形品の製造方法は、天板部と該天板部に稜線部を介して連続する縦壁部とを有するプレス成形品を製造する方法であって、
中間天板部と該中間天板部に中間稜線部を介して連続する中間縦壁部とを有し、前記中間天板部に前記中間稜線部の延在方向と同じ方向に延在し、稜線部直交断面が凸形状又は凹形状を有する凸形状部又は凹形状部を付与した中間成形品を成形する第1工程と、
前記中間成形品の前記凸形状部又は前記凹形状部を押し潰して前記プレス成形品を成形する第2工程とを備え、
該第2工程では、前記凸形状部又は前記凹形状部を押し潰すことで発生する材料流れにより、前記中間稜線部の材料を前記縦壁部側に押し出して前記中間稜線部であった部位に曲げ戻しを付与するようにしたことを特徴とするものである。
【0009】
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、前記プレス成形品は、前記天板部の両側に一対の縦壁部を有するハット断面形状部品又はコ字断面形状部品であることを特徴とするものである。
【0010】
(3)また、上記(2)に記載のものにおいて、前記第2工程で成形したハット断面形状部品又はコ字断面形状部品の前記天板部を前記稜線部の延在方向に切断して分割し、2個のZ字断面形状部品又は2個のL字断面形状部品を取得する分割工程をさらに備えたことを特徴とするものである。
(【0011】以降は省略されています)

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