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公開番号
2024118162
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-08-30
出願番号
2023024435
出願日
2023-02-20
発明の名称
格子状製品の製造方法
出願人
石田鉄工株式会社
代理人
個人
主分類
B21D
47/00 20060101AFI20240823BHJP(本質的には材料の除去が行なわれない機械的金属加工;金属の打抜き)
要約
【課題】圧接機や大がかりな関連装置を不要とし、製造時の電力使用量のエネルギー消費を抑制し、主部材に直交する複数本のパイプ状連結部材を交差状に固定して格子状製品を製造するための、最適な確実かつ効率のよい製法を提供する。
【解決手段】一定厚み(t)の細板状の複数本の主部材を連結部材によって一定間隔(s)に並置した格子状製品を製造する方法であって、主部材の貫通孔形成、主部材の固定櫛部材及び可動櫛部材へ保持、主部材の整列、主部材の保持、連結部材の貫設、(A)可動櫛部材による連結部材の押潰による固定、(B)主部材群のテ―ブル面移動、前記(A)及び(B)を連結部材の本数(n)分を繰り返し、格子体の外枠部形成、溶融亜鉛メッキ、以上の工程よりなる。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
一定厚み(t)の細板状の複数本の主部材を連結部材によって一定間隔(s)に並置した格子状製品を製造する方法であって、
前記複数本の主部材の側面に貫通孔を形成する工程と、
前記主部材を載置するテーブル面に対して突出又は埋没し前記主部材の厚み(t)の保持溝が前記一定間隔(s)で櫛歯状に形成された固定櫛部材と可動櫛部材であって、前記可動櫛部材は前記固定櫛部材に並設されて該固定櫛部材側へ進退可能に構成されていて、前記主部材を前記テーブル面に突出状態の前記固定櫛部材及び可動櫛部材の両保持溝に直交状に保持する工程と、
前記固定櫛部材及び可動櫛部材の両保持溝に直交状に保持された主部材の端面への当接部を有する端面整列部材によってテーブル面に載置された主部材群を整列する工程と、
前記テーブル面に載置された主部材群の上部を前記間隔(s)と同一間隔で形成された複数の保持溝を有する上部保持部材によって保持する工程と
前記整列保持された主部材群の各主部材の前記貫通孔にパイプ状の連結部材を貫設する工程と、
(A)前記整列保持された主部材群の一の連結部材に対して前記可動櫛部材を固定櫛部材側に移動し連結部材を圧縮押潰して前記各主部材の前記貫通孔の直径より大きい長径変形部を形成して該長径変形部を介して前記主部材の貫通孔に前記連結部材を固定する工程と、
(B)前記固定櫛部材と可動櫛部材をテ―ブル面から一旦埋没して主部材群を移動した後に再度前記固定櫛部材と可動櫛部材をテ―ブル面に突出して他の連結部材を前記可動櫛部材及び固定櫛部材の両保持溝に直交状に保持する工程と、
上記(A)及び(B)を連結部材の本数(n)分を繰り返す工程と、
繰り返し工程完了後、前記格子体の外周に外枠部を形成する工程と、
前記外枠を設けた格子体を溶融亜鉛メッキして格子状製品を得る工程
を有することを特徴とする格子状製品の製造方法。
続きを表示(約 190 文字)
【請求項2】
前記端面整列部材と上部保持部材とが主部材端面当接部と主部材上部保持溝部を有する単一の整列部材より構成された請求項1に記載の格子状製品の製造方法。
【請求項3】
前記主部材の貫通孔の直径が8~10mmであり、前記パイプ状連結部材の圧縮押潰された長径変形部が前記貫通孔の直径より1~4mm大きく形成された請求項1に記載の格子状製品の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、一定間隔で複数本並列された主部材と、前記主部材に直交する複数本のパイプ状連結部材によって交差状に固定して格子状製品を得る製造方法に関する。
続きを表示(約 4,000 文字)
【背景技術】
【0002】
例えば、工場やプラントなどの足場や道路、歩道のグレーチングなどには、一定間隔で複数本並列された主部材の上面を固定部材(ツイストバー)によって格子状に固定してなる金属製の格子状製品(グレーチング)が多用される。図15に示すように、この種のグレーチング100では、一定間隔に配設された複数本の主部材120に対し、ツイストバー130を直交方向に複数本配設して、プロジェクション溶接等の電気圧接により該ツイストバー130を主部材120上面から押し込んで溶接することにより製造されるのが最も一般的である(例えば、特許文献1図3参照。)。なお、符号111は外枠部材である。
【0003】
しかるに、この電気圧接は、溶接部分に大電流を流すことによって溶接部に抵抗熱を発生させて加熱するとともに、圧力を加えて溶接を行うものであるために、装置が大型化し製造時の電力使用量が増大する傾向があった。また、固定部材をプロジェクション溶接によって溶接した場合、固定部材、特に、その溶接部がグレーチング上面に突出して固定することになるため、外観性が上がらない(すっきりしない)あるいは滑りやすいつまずくなどの問題が指摘されることもあり、さらに、主部材の下部側つまりグレーチング裏面側の強度が上がらないこともあった。また、何よりも溶接機及び関連装置が大がかりとなり、エネルギー消費や段取り替え、その他騒音や飛散物などによる工場環境などの問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平8-60738号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は前記の点に鑑みなされたものであり、圧接機や大がかりな関連装置を不要とし、製造時の電力使用量のエネルギー消費や段取り替え、その他騒音や飛散物などによる工場環境などの問題を一挙に解決ないし抑制するとともに、製品の外観性を向上させることができる格子状製品を得る製造方法を提供するものである。とりわけこの発明は、主部材に直交する複数本のパイプ状連結部材を交差状に固定して格子状製品を製造するための、最適な確実かつ効率のよい製法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、請求項1の発明は、一定厚みtの細板状の複数本の主部材を連結部材によって一定間隔sに並置した格子状製品を製造する方法であって、
前記複数本の主部材の側面に貫通孔を形成する工程と、
前記主部材を載置するテーブル面に対して突出又は埋没し前記主部材の厚みtの保持溝が前記一定間隔sで櫛歯状に形成された固定櫛部材と可動櫛部材であって、前記可動櫛部材は前記固定櫛部材に並設されて該固定櫛部材側へ進退可能に構成されていて、前記主部材を前記テーブル面に突出状態の前記固定櫛部材及び可動櫛部材の両保持溝に直交状に保持する工程と、
前記固定櫛部材及び可動櫛部材の両保持溝に直交状に保持された主部材の端面への当接部を有する端面整列部材によってテーブル面に載置された主部材群を整列する工程と、
前記テーブル面に載置された主部材群の上部を前記間隔sと同一間隔で形成された複数の保持溝を有する上部保持部材によって保持する工程と
前記整列保持された主部材群の各主部材の前記貫通孔にパイプ状の連結部材を貫設する工程と、
(A)前記整列保持された主部材群の一の連結部材に対して前記可動櫛部材を固定櫛部材側に移動し連結部材を圧縮押潰して前記各主部材の前記貫通孔の直径より大きい長径変形部を形成して該長径変形部を介して前記主部材の貫通孔に前記連結部材を固定する工程と、
(B)前記固定櫛部材と可動櫛部材をテ―ブル面から一旦埋没して主部材群を移動した後に再度前記固定櫛部材と可動櫛部材をテ―ブル面に突出して他の連結部材を前記可動櫛部材及び固定櫛部材の両保持溝に直交状に保持する工程と、
上記(A)及び(B)を連結部材の本数n分を繰り返す工程と、
繰り返し工程完了後、前記格子体の外周に外枠部を形成する工程と、
前記外枠を設けた格子体を溶融亜鉛メッキして格子状製品を得る工程
を有することを特徴とする格子状製品の製造方法に係る。。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1において、前記端面整列部材と上部保持部材とが主部材端面当接部と主部材上部保持溝部を有する単一の整列部材より構成された格子状製品の製造方法に係る。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1において、前記主部材の貫通孔の直径が8~10mmであり、前記パイプ状連結部材の圧縮押潰された長径変形部が前記貫通孔の直径より1~4mm大きく形成された格子状製品の製造方法に係る。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明に係るグレーチングの加工装置にあっては、上に述べたように、一定厚みtの細板状の複数本の主部材を連結部材によって一定間隔sに並置した格子状製品を製造する方法であって、前記複数本の主部材の側面に貫通孔を形成する工程と、前記主部材を載置するテーブル面に対して突出又は埋没し前記主部材の厚みtの保持溝が前記一定間隔sで櫛歯状に形成された固定櫛部材と可動櫛部材であって、前記可動櫛部材は前記固定櫛部材に並設されて該固定櫛部材側へ進退可能に構成されていて、前記主部材を前記テーブル面に突出状態の前記固定櫛部材及び可動櫛部材の両保持溝に直交状に保持する工程と、前記固定櫛部材及び可動櫛部材の両保持溝に直交状に保持された主部材の端面への当接部を有する端面整列部材によってテーブル面に載置された主部材群を整列する工程と、前記テーブル面に載置された主部材群の上部を前記間隔sと同一間隔で形成された複数の保持溝を有する上部保持部材によって保持する工程と、前記整列保持された主部材群の各主部材の前記貫通孔にパイプ状の連結部材を貫設する工程と、(A)前記整列保持された主部材群の一の連結部材に対して前記可動櫛部材を固定櫛部材側に移動し連結部材を圧縮押潰して前記各主部材の前記貫通孔の直径より大きい長径変形部を形成して該長径変形部を介して前記主部材の貫通孔に前記連結部材を固定する工程と、(B)前記固定櫛部材と可動櫛部材をテ―ブル面から一旦埋没して主部材群を移動した後に再度前記固定櫛部材と可動櫛部材をテ―ブル面に突出して他の連結部材を前記可動櫛部材及び固定櫛部材の両保持溝に直交状に保持する工程と、上記(A)及び(B)を連結部材の本数n分を繰り返す工程と、繰り返し工程完了後、前記格子体の外周に外枠部を形成する工程と、前記外枠を設けた格子体を溶融亜鉛メッキして格子状製品を得る工程
を有することを特徴とするものであるから、以下のような効果を有する。
(あ)まず、圧接機や大がかりな関連装置を不要とするので、製造時の電力使用量のエネルギー消費を大幅に低減し、段取り替え、その他騒音や飛散物などによる工場環境などの問題を一挙に解決ないし抑制することができる。
(い)とともに、主部材の貫通孔に直交する複数本のパイプ状連結部材を交差状に固定して格子状製品を製造するものであるから、製品の表面に連結部材が露出せず、製品の外観性を向上させ、通行時の滑りやつまずきなどを回避することができる。とりわけこの発明は、主部材に直交する複数本のパイプ状連結部材を交差状に固定して格子状製品を製造するための、最適な確実かつ効率のよい製法を提供するものである。
【0010】
(う)さらに、この発明によれば、主部材を載置するテーブル面に対して突出又は埋没し前記主部材の厚みtの保持溝が前記一定間隔sで櫛歯状に形成された固定櫛部材と可動櫛部材であって、前記可動櫛部材は前記固定櫛部材に並設されて該固定櫛部材側へ進退可能に構成されていて、前記主部材を前記テーブル面に突出状態の前記固定櫛部材及び可動櫛部材の両保持溝に直交状に保持し、前記固定櫛部材及び可動櫛部材の両保持溝に直交状に保持された主部材の端面への当接部を有する端面整列部材によってテーブル面に載置された主部材群を整列し、前記テーブル面に載置された主部材群の上部を前記間隔sと同一間隔で形成された複数の保持溝を有する上部保持部材によって保持する工程を有するものであるから、複数本の主部材を効率よく確実に所定の主部材群に整列配置することができる。
(え)そして、前記(う)によって整列保持された主部材群の各主部材の貫通孔に対して、確実かつ迅速にパイプ状の連結部材を貫設することができる。
(お)同時に、主部材群のパイプ状の連結部材を貫設された主部材間の部分を前記固定櫛部材を可動櫛部材側に移動することによって圧縮押潰する工程も確実かつ効率よく行うことができる。特に、可動櫛部材の移動による連結部材の圧縮押潰に伴う主部材の変動を上部整列部材の整列溝の保持によって抑制でき、正確な格子状製品を得ることが可能である。
(か)一の連結部材の圧縮押潰による固定後、固定櫛部材と可動櫛部材はテ―ブル面に一旦埋没され、別の連結部材の固定のためテーブル面の主部材群を移動して再度突出して圧縮押潰による固定がなされ、連結部材の本数n分を繰り返すので、必要な段取り替えが不要となり、作業効率が向上し、コスト的にも有利である。
(【0011】以降は省略されています)
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