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公開番号2024088792
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-02
出願番号2024064470,2022103265
出願日2024-04-12,2022-06-28
発明の名称光透過性の外側要素を備えるデュワーデバイス
出願人オメガ・エス アー
代理人個人
主分類G04B 43/00 20060101AFI20240625BHJP(時計)
要約【課題】極端な温度の環境においても携行型時計を用いることができるようにする。
【解決手段】携行型時計3の機械的及び/又は機能的コンポーネント2のためのデュワーデバイス1に関し、デュワーデバイスには、ブレスレットとケーシング4があり、ケーシング4内には、エンクロージャ5が形成されており、エンクロージャ内に携行型時計のケース6を配置することができ、少なくとも1つの固定用デバイス7が、エンクロージャを形成するするケーシングの要素のセット10a、10b、10cからケースを離
しつつ、携行型時計のケースをケーシングのエンクロージャ内にて固定し、要素のセットには、光透過性のセラミックス材料、特に光透過性の多結晶セラミックス材料、によって作られた少なくとも1つの光透過
性の外側要素10aがある。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
携行型時計(3)の機械的及び/又は機能的コンポーネント(2)のためのデュワーデ
バイス(1)であって、
前記デュワーデバイス(1)には、ブレスレットとケーシング(4)があり、
前記ケーシング(4)内には、エンクロージャ(5)が形成されており、
前記エンクロージャ(5)内に前記携行型時計(3)のケース(6)を配置することが
でき、
少なくとも1つの固定用デバイス(7)が、前記エンクロージャ(5)を形成する前記
ケーシング(4)の要素のセット(10a、10b、10c)から前記ケース(6)を離
しつつ、前記携行型時計(3)の前記ケース(6)を前記ケーシング(4)の前記エンク
ロージャ(5)内にて固定し、
前記要素のセット(10a、10b、10c)には、光透過性のセラミックス材料、特
に光透過性の多結晶セラミックス材料、によって作られた少なくとも1つの光透過性の外
側要素(10a)がある
ことを特徴とするデュワーデバイス(1)。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記少なくとも1つの光透過性の外側要素(10a)は、実質的に酸窒化アルミニウム
を含むセラミックス材料によって作られている
ことを特徴とする請求項1に記載のデュワーデバイス(1)。
【請求項3】
前記少なくとも1つの光透過性の外側要素(10a)は、実質的にアルミナ-マグネシ
アを含むセラミックス材料によって作られている
ことを特徴とする請求項1に記載のデュワーデバイス(1)。
【請求項4】
前記少なくとも1つの光透過性の外側要素(10a)は、実質的に酸化イットリウムを
含むセラミックス材料によって作られている
ことを特徴とする請求項1に記載のデュワーデバイス(1)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの光透過性の外側要素(10a)は、実質的にイットリウムアルミ
ニウムガーネットを含むセラミックス材料によって作られている
ことを特徴とする請求項1に記載のデュワーデバイス(1)。
【請求項6】
前記少なくとも1つの光透過性の外側要素(10a)は、粗い材料体を焼結することに
よって作られ、
全体的な形状が、前記外側要素の形状と同様であり、
前記粗い材料体は、実質的に酸窒化アルミニウム、アルミナ-マグネシア、酸化イット
リウム及び/又はイットリウムアルミニウムガーネットを含むセラミックス材料の粉末又
は粉末混合体によって実質的に形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のデュワーデバイス(1)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの光透過性の外側要素(10a)のビッカース硬度は、1223~
1632kgf・mm
-2
の範囲内であり、好ましくは1530kgf・mm
-2
である
ことを特徴とする請求項1に記載のデュワーデバイス(1)。
【請求項8】
前記少なくとも1つの光透過性の外側要素(10a)は、可視スペクトルにおける光透
過率が約2mmの厚みに対して約85%である
ことを特徴とする請求項1に記載のデュワーデバイス(1)。
【請求項9】
前記外側要素は、焼結と研磨の後の可視スペクトルにおける光吸収係数が65%以下で
ある
ことを特徴とする請求項1に記載のデュワーデバイス(1)。
【請求項10】
前記少なくとも1つの光透過性の外側要素(10a)は、前記携行型時計(3)の前記
ケース(6)のクリスタル(11)よりも実質的に大きい又は厳密に大きい面があるクリ
スタル(10a)である
ことを特徴とする請求項1に記載のデュワーデバイス(1)。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、携行型時計(例、腕時計、懐中時計)の機械的及び/又は機能的コンポーネ
ントのためのデュワー(Dewar)デバイスに関する。このデュワーデバイスは、光透過性
の外側要素を備える。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
電子式携行型時計のような携行型時計は、伝統的に、ブレスレットと、複数の電気又は
電子コンポーネントを含む携行型時計ケースとを備える。従来技術において、これらのコ
ンポーネントの一部が極端な温度に耐えることができず、このような温度で適切に機能し
なくなることが知られている。通常、発光ダイオードを用いた液晶表示(LCD)や水晶
振動子は、最低0℃の温度から最高約80℃(摂氏)までの温度に耐える。しかし、宇宙
や月でのミッションのような特殊な環境においては、温度が約-150℃から約+125
℃に達することがよくある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、このような極端な温度になる可能性がある環境において、携行型時計、特
に電子式携行型時計、を用いることができる必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、携行型時計の機械的及び/又は機能的コンポーネントのためのデュワーデバ
イスに関し、前記デュワーデバイスには、ブレスレットとケーシングがあり、前記ケーシ
ング内には、エンクロージャ(内部空間)が形成されており、前記エンクロージャ内に前
記携行型時計のケースを配置することができ、少なくとも1つの固定用デバイスが、前記
エンクロージャを形成する前記ケーシングの要素のセットから前記ケースを離しつつ、前
記携行型時計の前記ケースを前記ケーシングの前記エンクロージャ内にて固定し、前記要
素のセットには、光透過性のセラミックス材料、特に光透過性の多結晶セラミックス材料
、によって作られた少なくとも1つの光透過性の外側要素がある。
他の実施形態は、以下の特徴を有する。
- 前記少なくとも1つの光透過性の外側要素は、実質的に酸窒化アルミニウムを含むセ
ラミックス材料によって作られている。
- 前記少なくとも1つの光透過性の外側要素は、実質的にアルミナ-マグネシアを含む
セラミックス材料によって作られている。
- 前記少なくとも1つの光透過性の外側要素は、実質的に酸化イットリウムを含むセラ
ミックス材料によって作られている。
- 前記少なくとも1つの光透過性の外側要素は、実質的にイットリウムアルミニウムガ
ーネットを含むセラミックス材料によって作られている。
- 前記少なくとも1つの光透過性の外側要素は、粗い材料体を焼結することによって作
られ、全体的な形状が、前記外側要素の形状と同様であり、前記粗い材料体は、実質的に
酸窒化アルミニウム、アルミナ-マグネシア、酸化イットリウム及び/又はイットリウム
アルミニウムガーネットを含むセラミックス材料の粉末又は粉末混合体によって実質的に
形成されている。
- 前記少なくとも1つの光透過性の外側要素のビッカース硬度は、1223~1632
kgf・mm
-2
の範囲内であり、好ましくは1530kgf・mm
-2
である。
- 前記少なくとも1つの光透過性の外側要素は、可視スペクトルにおける光透過率が約
2mmの厚みに対して約85%である。
- 前記外側要素は、焼結と研磨の後の可視スペクトルにおける光吸収係数が65%以下
である。
- 前記少なくとも1つの光透過性の外側要素は、前記携行型時計のクリスタル(光透過
性の板状体)よりも実質的に大きい又は厳密に大きい面があるクリスタルである。
- 前記携行型時計ケースが前記エンクロージャ内に配置されているときに、前記携行型
時計ケースのクリスタルが、前記ケーシングのクリスタルに対向するように配置される。
- 前記エンクロージャは、真空下又は真空に近い状態である。
- 前記少なくとも1つの固定用デバイスが、前記ケーシングの前記エンクロージャの内
周壁に接触するように配置される。
- 前記デュワーデバイスには、前記ケーシングの外面全体に配置される干渉フィルター
がある。
【0005】
図面を参照しながら以下の説明を読むことによって、他の特徴及び利点が明らかになる
。なお、この説明は、ラフなガイドとして与えられるものであって、制限するためのガイ
ドとして与えられるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本発明の一実施形態に係る、クリスタルのような光透過性の外側要素を備える携行型時計の機械的及び/又は機能的コンポーネントのためのデュワーデバイスの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、機械式携行型時計、電子式携行型時計、ハイブリッド携行型時計のような携行
型時計3の機械的及び/又は機能的コンポーネント2のための恒温性計時デバイス1の概
略図を示している。この恒温性計時デバイス1は、以下の説明において「デュワー計時デ
バイス」又は単に「デュワーデバイス」とも呼ぶ。このようなデュワーデバイス1は、特
に、携行型時計3の機械的及び/又は機能的コンポーネント2に良好な断熱性を与えるこ
とに寄与することができ、携行型時計3のケース6が、このデュワーデバイス1のケーシ
ング4内に配置される。
【0008】
このデュワーデバイス1には、クリスタル/ガラスや裏部のような少なくとも1つの光
透過性の外側要素10aがある。以下に示しているように、このような光透過性の外側要
素10aは、同時に、良好な機械的及び熱的性質を有し、放射線に耐性があり、様々な酸
、塩基及び水が発生させる損傷に耐性があり、そして、良好な光透過性を有するような材
料によって作られている。この外側要素10aは、少なくとも可視波長を含む光放射にお
いて、透過率Yが68%以上、又はさらには85%以上、と評価される透過率を発生させ
ることができる光透過性の材料によって作られている。「光透過性の材料」という用語は
、ここにおいて、用いられる厚みと組み合わさって、前記光放射の少なくとも部分的な透
過を可能にする性質を有する材料を意味するものと理解することができる。
【0009】
このような外側要素10aは、光透過性であり耐火性のセラミックス材料、特に、光透
過性の多結晶セラミックス材料、によって作られている。この材料は、酸窒化アルミニウ
ム、アルミナ-マグネシア、酸化イットリウム又はイットリウムアルミニウムガーネット
、又はこれらの複数の要素の組み合わせによって構成していることができる。特に、この
外側要素は、粗い材料体を焼結することによって製造され、全体的な形状が、外側要素1
0aの形状と同様である。この粗い材料体は、実質的に、セラミックス材料の粉末又は粉
末混合体、そして、必要に応じてバインダー、によって形成され、このバインダーは、焼
結と研磨の後に、可視スペクトルにおいて光透過性の性質を有する。この粉末又は粉末混
合体は、実質的に、酸窒化アルミニウム、アルミナ-マグネシア、酸化イットリウム、及
び/又は酸窒化アルミニウムのイットリウムアルミニウムガーネットを実質的に含む光透
過性のセラミックス材料を含む。当然、この粉末又は粉末混合体は、特定の性質を有する
コンポーネントを得るように、必要に応じて、特定の数の少量の添加剤を含む。これらの
添加剤及びその効果は、当業者によく知られている。
【0010】
このようにして作られた外側要素10aは、当然、焼結後に可視スペクトルにおいて完
全に光透過性であり、ケーシング4のエンクロージャ5内に配置された携行型時計3のケ
ース6、そして特に、このケース6内に収容された機械的及び/又は機能的コンポーネン
ト2、を保護することに寄与する。
(【0011】以降は省略されています)

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