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公開番号2024093558
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-09
出願番号2022210023
出願日2022-12-27
発明の名称時計部品の加工方法および時計部品
出願人セイコーエプソン株式会社
代理人弁理士法人樹之下知的財産事務所
主分類G04B 19/06 20060101AFI20240702BHJP(時計)
要約【課題】レーザー加工でサンドブラスト加工と同様の模様を形成することができる時計部品の加工方法と、この加工方法で加工された時計部品とを提供すること。
【解決手段】時計部品の基材に対してパルスレーザーを照射することによって、基材の加工領域に複数の加工痕を形成する時計部品の加工方法であって、パルスレーザーのスポット径Rを、12.5μm以上、200μm以下の範囲で設定し、パルスレーザーの走査速度をVmm/s、パルスレーザーの周波数をfkHz、加工痕が重なる部分長さをαμmとしたときに、α=R-V/f、0≦α<Rの条件を満たすように、走査速度Vおよび周波数fを設定し、パルスレーザーを照射する照射オン時間Tonと、パルスレーザーを照射しない照射オフ時間Toffと、をランダムに設定することを特徴とする。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
時計部品の基材に対してパルスレーザーを照射することによって、前記基材の加工領域に複数の加工痕を形成する時計部品の加工方法であって、
前記パルスレーザーのスポット径Rを、12.5μm以上、200μm以下の範囲で設定し、
前記パルスレーザーの走査速度をVmm/s、前記パルスレーザーの周波数をfkHz、前記加工痕が重なる部分長さをαμmとしたときに、α=R-V/f、0≦α<Rの条件を満たすように、走査速度Vおよび周波数fを設定し、
前記パルスレーザーを照射する照射オン時間Tonと、前記パルスレーザーを照射しない照射オフ時間Toffと、をランダムに設定する
ことを特徴とする時計部品の加工方法。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
請求項1に記載の時計部品の加工方法において、
前記基材の加工領域に対する前記加工痕の総面積の割合は、65%以上である
ことを特徴とする時計部品の加工方法。
【請求項3】
請求項1に記載の時計部品の加工方法において、
前記パルスレーザーのスポット径Rは、20μm以上、80μm以下の範囲で設定する
ことを特徴とする時計部品の加工方法。
【請求項4】
請求項1に記載の時計部品の加工方法において、
前記パルスレーザーの走査経路は、平行に並んでいる
ことを特徴とする時計部品の加工方法。
【請求項5】
請求項1に記載の時計部品の加工方法において、
前記パルスレーザーの走査経路は、
各走査経路が平行に並んだ第1走査経路と、
前記第1走査経路と交差し、かつ、各走査経路が平行に並んだ第2走査経路とを備える
ことを特徴とする時計部品の加工方法。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載の時計部品の加工方法において、
前記平行に並んだ各走査経路間の間隔は、前記パルスレーザーのスポット径R以下に設定されている
ことを特徴とする時計部品の加工方法。
【請求項7】
請求項1に記載の時計部品の加工方法において、
前記パルスレーザーは、ナノ秒レーザーである
ことを特徴とする時計部品の加工方法。
【請求項8】
基材に対してパルスレーザーを照射することによって、前記基材の加工領域に複数の加工痕を形成した時計部品であって、
前記加工痕は、前記パルスレーザーの走査方向である第1方向に連なって形成され、
前記加工痕の前記第1方向に直交する幅方向の長さは、12.5μm以上、200μm以下であり、
前記加工痕の幅方向の長さと、前記第1方向の長さの比は、1:1~50である
ことを特徴とする時計部品。
【請求項9】
請求項8に記載の時計部品において、
前記基材の加工領域に対する前記加工痕の総面積の割合は、65%以上である
ことを特徴とする時計部品。
【請求項10】
請求項8に記載の時計部品において、
前記加工痕は、前記第1方向に連なって形成される加工痕と、前記第1方向に交差する第2方向に連なって形成される加工痕とを有する
ことを特徴とする時計部品。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、時計部品の加工方法および時計部品に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
文字板、ケース、裏蓋、地板などの各種の時計部品に対し、艶消し模様を形成する場合、サンドブラスト加工によって模様を形成することが一般的である。ただし、サンドブラスト加工は、模様によってメディアの種類を変更するなど、管理が煩雑である。そのため、特許文献1に記載されたように、レーザー加工によって、艶消し模様を描くことが提案されている。
【0003】
特許文献1では、装飾品表面のメッキ層の一部に、レーザー光線の照射によってハート等の艶消し模様を形成するものである。そのため、特許文献1では、レーザー光線で加工された艶消し模様が、メッキ層による鏡面部分と区別できればよいため、レーザー光線の照射条件は特に検討されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2009-78494号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、本発明者が鋭意研究した結果、単にレーザー光線を照射するだけでは、文字板全体にサンドブラスト加工した場合と同様のマット感が得られる模様を実現することが困難であった。このため、レーザー加工でサンドブラスト加工と同様の模様を形成することができる時計部品の加工方法と、この加工方法で加工された時計部品とが求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の時計部品の加工方法は、時計部品の基材に対してパルスレーザーを照射することによって、前記基材の加工領域に複数の加工痕を形成する時計部品の加工方法であって、前記パルスレーザーのスポット径Rを、12.5μm以上、200μm以下の範囲で設定し、前記パルスレーザーの走査速度をVmm/s、前記パルスレーザーの周波数をfkHz、前記加工痕が重なる部分長さをαμmとしたときに、α=R-V/f、0≦α<Rの条件を満たすように、走査速度Vおよび周波数fを設定し、前記パルスレーザーを照射する時間Tonと、照射しない時間Toffとをランダムに設定することを特徴とする。
【0007】
本開示の時計部品は、基材に対してパルスレーザーを照射することによって、前記基材の加工領域に複数の加工痕を形成した時計部品であって、前記加工痕は、前記パルスレーザーの走査方向である第1方向に連なって形成され、前記加工痕の前記第1方向に直交する幅方向の長さは、12.5μm以上、200μm以下であり、前記加工痕の幅方向の長さと、前記第1方向の長さの比は、1:1~50であることを特徴とする。
【0008】
本開示の時計部品は、時計部品の基材に対してパルスレーザーを照射することによって、前記基材の加工領域に複数の加工痕が形成された時計部品であって、前記パルスレーザーのスポット径Rは、12.5μm以上、200μm以下の範囲で設定され、前記パルスレーザーの走査速度をVmm/s、前記パルスレーザーの周波数をfkHz、前記加工痕が重なる部分長さをαμmとしたときに、α=R-V/f、0≦α<Rの条件を満たすように、走査速度Vおよび周波数fが設定され、前記加工痕の走査方向の長さ、および、前記走査方向における各加工痕間の長さがそれぞれランダムであることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
第1実施形態の時計を示す正面図である。
第1実施形態のレーザー照射装置を示す模式断面図である。
第1実施形態のパルスレーザーの走査方向および加工痕を示す模式平面図である。
第1実施形態の模様パターンを示す模式平面図である。
第1実施形態の加工痕を示す模式断面図であり、(A)はナノ秒レーザーによる加工例であり、(B)はフェムト秒レーザーによる加工例である。
第1実施形態の加工領域を示す図である。
第2実施形態の模様パターンを示す模式平面図である。
第2実施形態の加工領域を示す図である。
変形例の模様パターンを示す模式平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[第1実施形態]
以下、本開示の第1実施形態の時計1を図面に基づいて説明する。
図1は、時計1を示す正面図である。本実施形態では、時計1は、ユーザーの手首に装着される腕時計として構成される。
図1に示すように、時計1は、金属製の外装ケース2を備える。外装ケース2の内部には、円板状の文字板10と、秒針3、分針4、時針5と、りゅうず7と、Aボタン8と、Bボタン9とを備える。文字板10には、時刻を指示するためのアワーマーク6が設けられている。また、文字板10の裏側には、図示略のムーブメント等が備えられている。
(【0011】以降は省略されています)

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