TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024088569
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-02
出願番号2023078798
出願日2023-05-11
発明の名称高分子量水素イオン形アルギン酸、その製造方法、リチウムイオン電池電極用バインダ、リチウムイオン電池電極合材層形成用スラリー、リチウムイオン電池用電極及びリチウムイオン電池
出願人東ソー株式会社
代理人
主分類C08B 37/04 20060101AFI20240625BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】
結着性が高く靭性も高いため、クラックや剥離・剥落のないリチウムイオン電池電極用バインダとして使用できる高分子量水素イオン形アルギン酸を提供する。
【解決手段】
重量平均分子量が500,000~1,500,000で水素イオン置換率が80~99%である高分子量水素イオン形アルギン酸。当該高分子量水素イオン形アルギン酸は、アルギン酸アルカリ金属塩またはアルギン酸アルカリ土類金属塩の少なくともいずれかを、それらの貧溶媒に分散させ、さらに酸を添加して分散状態でアルギン酸アルカリ金属塩またはアルギン酸土類金属塩の少なくともいずれかを水素イオン形にイオン交換することで製造できる。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
重量平均分子量が500,000~1,500,000で水素イオン置換率が80~99%である高分子量水素イオン形アルギン酸。
続きを表示(約 470 文字)【請求項2】
アルギン酸アルカリ金属塩またはアルギン酸アルカリ土類金属塩の少なくともいずれかを、それらの貧溶媒に分散させ、さらに酸を添加して分散状態でアルギン酸アルカリ金属塩またはアルギン酸土類金属塩の少なくともいずれかを水素イオン形にイオン交換する水素イオン形アルギン酸の製造方法。
【請求項3】
酸を添加して水素イオン形にイオン交換した後で、さらに中和剤を添加する請求項2に記載の水素イオン形アルギン酸の製造方法。
【請求項4】
請求項1に記載の高分子量水素イオン形アルギン酸を含むリチウムイオン電池電極用バインダ。
【請求項5】
活物質、導電助剤、請求項4に記載のリチウムイオン電池電極用バインダ及び水を含むリチウムイオン電池電極合材層形成用スラリー。
【請求項6】
活物質、導電助剤及び請求項4に記載のリチウムイオン電池電極用バインダを含むリチウムイオン電池用電極。
【請求項7】
請求項6に記載のリチウムイオン電池用電極を有するリチウムイオン電池。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、高分子量水素イオン形アルギン酸、その製造方法、リチウムイオン電池電極用バインダ、リチウムイオン電池電極合材層形成用スラリー、リチウムイオン電池用電極及びリチウムイオン電池に関するものである。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来、水素イオン形アルギン酸は、アルギン酸ナトリウムのようなアルギン酸塩を水に溶解させ、その水溶液に酸を添加して水不溶性の水素イオン形アルギン酸を析出させ、回収する方法で製造されてきた(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この方法では酸の作用によりアルギン酸塩の分子量が低下するため、一定以上の高分子量の水素イオン形アルギン酸を得ることができなかった。また、この方法で比較的高分子量の水素イオン形アルギン酸を得ようとすると、原料のアルギン酸塩の分子量も高いものを用いる必要があり、水溶液の粘度が著しく高くなるため低濃度の希薄溶液でのみ生産が可能であった。また、得られる水素イオン形アルギン酸も水を多量に含んだヒドロゲルとして回収されるため、乾燥工程に負荷がかかる等、生産性が低く、問題であった。
【0003】
一方、水素イオン形アルギン酸やアルギン酸塩、アルギン酸誘導体(以下「アルギン酸類」と略す)は、リチウムイオン電池電極用バインダの原料に用いることができる(例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。しかし、当該アルギン酸類の分子量が低いと、集電体との高結着性に起因し、電極のクラックや剥落が生じる問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
WO2016/052715号公報
特開平10-92415号公報
特開2001-15114号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、リチウムイオン電池電極用バインダの原料として有用な高分子量水素イオン形アルギン酸を目的とする。更に、当該高分子量水素イオン形アルギン酸を原料に用いたリチウムイオン電池電極バインダ、リチウムイオン電池電極合材層形成用スラリー、リチウムイオン電池用電極及びリチウムイオン電池を提供することを別の目的とする。
【0006】
また更に、水素イオン形アルギン酸の生産性に優れた製造法を提供することを別の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討を行った結果、高分子量のアルギン酸塩をそれらの貧溶媒中に分散させ、酸を添加して分散状態でアルギン酸を水素イオン形にイオン交換することで、高濃度で効率良く高分子量水素イオン形アルギン酸が製造できることを見出した。また、このようにして製造した高分子量水素イオン形アルギン酸を原料に用いて製造したリチウムイオン電池電極用バインダは、結着性が高く靭性も高いため、クラックや剥離・剥落のないリチウムイオン電池用電極が提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明の各態様は、以下に示す[1]~[7]である。
【0009】
[1] 重量平均分子量が500,000~1,500,000で水素イオン置換率が80~99%である高分子量水素イオン形アルギン酸。
[2] アルギン酸アルカリ金属塩またはアルギン酸アルカリ土類金属塩の少なくともいずれかをそれらの貧溶媒に分散させ、さらに酸を添加して分散状態でアルギン酸アルカリ金属塩またはアルギン酸土類金属塩の少なくともいずれかを水素イオン形にイオン交換する水素イオン形アルギン酸の製造方法。
[3] 酸を添加して水素イオン形にイオン交換した後で、さらに中和剤を添加する[2]に記載の水素イオン形アルギン酸の製造方法。
[4] 上記[1]に記載の高分子量水素イオン形アルギン酸を含むリチウムイオン電池電極用バインダ。
[5] 活物質、導電助剤、上記[4]に記載のリチウムイオン電池電極用バインダ、及び水を含むリチウムイオン電池電極合材層形成用スラリー。
[6] 活物質、導電助剤及び上記[4]に記載のリチウムイオン電池電極用バインダを含むリチウムイオン電池用電極。
[7] 上記[6]に記載のリチウムイオン電池用電極を有するリチウムイオン電池。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、リチウムイオン電池電極用バインダの原料として有用な高分子量水素イオン形アルギン酸を提供すること、当該高分子量水素イオン形アルギン酸を生産性良く製造することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

ユニチカ株式会社
シート
3日前
東ソー株式会社
ゴム組成物
1か月前
東ソー株式会社
ゴム組成物
2か月前
三菱ケミカル株式会社
積層体
3か月前
株式会社日本触媒
樹脂組成物
8日前
株式会社ナリス化粧品
構造体
2か月前
三洋化成工業株式会社
複合粒子
1か月前
株式会社日本触媒
硬化性組成物
29日前
株式会社ラボ
離型フィルム
1か月前
三菱ケミカル株式会社
樹脂組成物
3か月前
東ソー株式会社
ソールゴム用改質剤
2か月前
株式会社松風
光硬化性組成物
3か月前
大同化成株式会社
樹脂組成物
9日前
東レ株式会社
ポリエステルフィルム
10日前
東レ株式会社
ポリアミド樹脂組成物
3か月前
東レ株式会社
ポリエステルフィルム
1か月前
ユニチカ株式会社
ポリアミドイミド
1か月前
花王株式会社
乳化組成物
1か月前
アイカ工業株式会社
ホットメルト組成物
2か月前
大同化成株式会社
軟質樹脂組成物
9日前
AGC株式会社
水性分散液
3か月前
三洋化成工業株式会社
成形用樹脂組成物
1か月前
ユニチカ株式会社
多孔質ポリアミドイミド
3か月前
株式会社カネカ
樹脂組成物およびフィルム
4か月前
三菱ケミカル株式会社
成形体
2か月前
積水フーラー株式会社
硬化性組成物
22日前
松本油脂製薬株式会社
樹脂粒子及びその用途
2か月前
東レ株式会社
ポリエステル組成物の製造方法
2か月前
株式会社クラベ
耐摩耗性絶縁組成物及び電線
25日前
アキレス株式会社
塩化ビニル系樹脂フィルム
1か月前
松本油脂製薬株式会社
樹脂粒子及びその用途
2か月前
グンゼ株式会社
導電性フィルム
1か月前
株式会社スギノマシン
ゴム複合物
1か月前
帝人株式会社
樹脂組成物および光学部材
4か月前
日本ユピカ株式会社
成形材
2か月前
東レ株式会社
二軸配向ポリプロピレンフィルム
24日前
続きを見る