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公開番号2024086595
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-27
出願番号2023192124
出願日2023-11-10
発明の名称車両用駆動装置
出願人株式会社アイシン,トヨタ自動車株式会社
代理人弁理士法人近島国際特許事務所
主分類F16H 61/12 20100101AFI20240620BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】異常の発生時に前進走行を保障することを可能にするものでありながら、コストダウンや車両搭載性の向上を図ること。
【解決手段】車両用駆動装置の油圧制御装置(12)にあって、第2切換えバルブ(22)は、第1切換えバルブ(21)から出力された前進レンジ圧を入力し、第1状態で第1切換えバルブ(21)からの前進レンジ圧を第4切換えバルブ(25)を介して第2油圧サーボ(92)に供給する。また、第1切換えバルブ(21)は、第2係合圧(SLUの出力圧)を入力し、後進レンジ圧出力状態で、第2係合圧を第4切換えバルブ(25)に供給する。そして、第4切換えバルブ(25)は、元圧を入力し、第2切換えバルブ(22)からの前進レンジ圧と第1切換えバルブ(21)からの第2係合圧とによって第6状態に切換えられ、第6状態で、元圧を第2油圧サーボ(92)に供給する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
係合されることで前進の第1変速比を形成する第1係合要素と、係合されることで前記第1変速比とは異なる前進の第2変速比を形成する第2係合要素と、係合されることで後進の変速比を形成する第3係合要素と、供給される油圧により前記第1係合要素を係合させる第1油圧サーボと、供給される油圧により前記第2係合要素を係合させる第2油圧サーボと、供給される油圧により前記第3係合要素を係合させる第3油圧サーボと、を有し、入力された回転を変速して出力する変速機構と、
前記変速機構を油圧制御する油圧制御装置と、を備え、
前記油圧制御装置は、
元圧を生成する元圧生成部と、
第1信号圧を出力する第1信号圧出力部と、
第2信号圧を出力する第2信号圧出力部と、
第3信号圧を出力する第3信号圧出力部と、
前記第1油圧サーボに供給する第1係合圧を調圧して出力する第1調圧ソレノイドバルブと、
前記第3油圧サーボに供給する第2係合圧を調圧して出力する第2調圧ソレノイドバルブと、
前記第1信号圧に応じて、前記元圧を前進レンジ圧として出力する前進レンジ圧出力状態と、前記元圧を後進レンジ圧として出力する後進レンジ圧出力状態と、に切換えられる第1切換えバルブと、
前記第1切換えバルブが前記後進レンジ圧出力状態で出力した前記後進レンジ圧を入力し、前記第2信号圧に応じて、前記後進レンジ圧を遮断する第1状態と、前記後進レンジ圧を通過させる第2状態と、に切換えられる第2切換えバルブと、
前記第1切換えバルブが前記前進レンジ圧出力状態で出力した前記前進レンジ圧を入力し、前記第3信号圧に応じて、前記前進レンジ圧を遮断する第3状態と、前記前進レンジ圧を通過させる第4状態と、に切換えられる第3切換えバルブと、
前記第2切換えバルブと前記第1油圧サーボ及び前記第2油圧サーボとの間に介在するように配置され、前記第1油圧サーボに供給する油圧と前記第2油圧サーボに供給する油圧とを通過させる第5状態と、前記第1油圧サーボに供給する油圧と前記第2油圧サーボに供給する油圧と少なくとも最大圧で入力された際に、前記第1油圧サーボに供給する油圧と前記第2油圧サーボに供給する油圧とを遮断する第6状態と、に切換えられる第4切換えバルブと、を有し、
前記第2切換えバルブは、前記第3切換えバルブが前記第4状態で通過させた前記前進レンジ圧を入力し、前記第1状態で、前記第3切換えバルブからの前記前進レンジ圧を前記第1調圧ソレノイドバルブに供給すると共に前記第1係合圧を前記第1油圧サーボに供給し、前記第2状態で、前記第3切換えバルブからの前記前進レンジ圧を前記第1油圧サーボに対して遮断し、
前記第3切換えバルブは、前記第2切換えバルブが前記第2状態で通過させた前記後進レンジ圧を入力し、前記第3状態で、前記第2切換えバルブからの前記後進レンジ圧を前記第2調圧ソレノイドバルブに供給すると共に前記第2係合圧を前記第3油圧サーボに供給し、前記第4状態で、前記第2切換えバルブからの前記後進レンジ圧を遮断し、
前記第2切換えバルブは、前記第1切換えバルブから出力された前記前進レンジ圧を入力し、前記第1状態で前記第1切換えバルブからの前記前進レンジ圧を前記第4切換えバルブを介して前記第2油圧サーボに供給し、
前記第1切換えバルブは、前記第2係合圧を入力し、前記後進レンジ圧出力状態で、前記第2係合圧を前記第4切換えバルブに供給し、
前記第4切換えバルブは、前記元圧を入力し、前記第2切換えバルブからの前記前進レンジ圧と前記第1切換えバルブからの前記第2係合圧とによって前記第6状態に切換えられ、前記第6状態で、前記元圧を前記第2油圧サーボに供給する、
車両用駆動装置。
続きを表示(約 970 文字)【請求項2】
前記変速機構は、前進時に係合される第4係合要素と、前進時に係合される第5係合要素と、供給される油圧により前記第4係合要素を係合させる第4油圧サーボと、供給される油圧により前記第5係合要素を係合させる第5油圧サーボと、を有し、
前記第2切換えバルブは、前記元圧を入力し、前記第1状態で、前記元圧を前記第4油圧サーボに供給し、前記第2状態で、前記元圧を前記第1調圧ソレノイドバルブに供給すると共に前記第1係合圧を前記第4油圧サーボに供給し、かつ前記第3切換えバルブからの前記前進レンジ圧を前記第2油圧サーボに供給し、
前記第3切換えバルブは、前記元圧を入力し、前記第4状態で、前記元圧を前記第2調圧ソレノイドバルブに供給すると共に前記第2係合圧を前記第5油圧サーボに供給する、
請求項1に記載の車両用駆動装置。
【請求項3】
前記変速機構は、
入力回転が入力される入力部材と、
出力回転を出力する出力部材と、
前記入力部材と前記出力部材とを連結可能な第1動力伝達経路に介在され、前記入力回転をギヤ列により変速して前記出力部材に伝達する第1変速部と、
前記第1動力伝達経路に介在され、前記入力回転を正転又は逆転して出力する前後進切換え部と、
前記入力部材と前記出力部材とを連結可能な第2動力伝達経路に介在され、前記入力回転を無段変速して前記出力部材に伝達する第2変速部と、を有し、
前記第1係合要素は、係合することにより前記前後進切換え部を正転させる係合要素であり、
前記第2係合要素は、係合することにより前記第2変速部を動力伝達させる係合要素であり、
前記第3係合要素は、係合することにより前記前後進切換え部を逆転させる係合要素であり、
前記第4係合要素は、係合することにより前記第1変速部を動力伝達させる係合要素であり、
前記第5係合要素は、係合することにより駆動源と前記入力部材とを駆動連結する係合要素である、
請求項2に記載の車両用駆動装置。
【請求項4】
前記第2変速比は、前記第1変速比よりも小さい変速比である、
請求項1乃至3の何れか1項に記載の車両用駆動装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、変速機構を油圧制御する油圧制御装置を備えた車両用駆動装置に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
例えば自動変速機等の車両の駆動力を伝達する車両用駆動装置にあっては、変速機構を油圧制御する油圧制御装置を備えており、油圧制御装置は、例えば運転席に設けられたシフトレバーの操作によって選択されたレンジ(例えばP(パーキング)レンジ、R(リバース)レンジ、N(ニュートラル)レンジ、D(ドライブ)レンジ等)に応じて、変速機構の動力伝達状態を制御する。従来、シフトレバーは、油圧制御装置に配設されたマニュアルバルブに機械的に連結されており、マニュアルバルブをDレンジに位置させるとライン圧を前進レンジ圧として出力し、Rレンジに位置させるとライン圧を後進レンジ圧として出力し、PレンジやNレンジに位置させた状態ではライン圧を遮断してそれらのレンジ圧を出力しないように構成されている(特許文献1参照)。前進レンジ圧は、前進時に係合される係合要素(クラッチやブレーキ)の油圧サーボに対して係合圧を供給するソレノイドバルブ(電磁弁)に元圧として供給され、同様に後進レンジ圧は、後進時に係合される係合要素(クラッチやブレーキ)の油圧サーボに対して係合圧を供給するソレノイドバルブ(電磁弁)に元圧として供給される。
【0003】
ところで、近年、シフトレバーの配置の自由度を向上したり、マニュアルバルブを機械的に駆動する機構を省略したりする目的で、シフトレバーの信号に応じて電気的にソレノイドバルブを制御し、マニュアルバルブと同等の機能を油圧制御装置に設ける、所謂油圧式シフトバイワイヤの構造が考えられている(特許文献2参照)。このような油圧式シフトバイワイヤの構造にあっては、複数のソレノイドバルブと、それらのソレノイドバルブによって切換えられる複数の切換えバルブとを有して、それら切換えバルブのスプール位置の組合せにより、ライン圧を前進レンジ圧又は後進レンジ圧として出力し、マニュアルバルブと同等の機能を達成しようとしている。
【0004】
しかしながら、このような油圧式シフトバイワイヤの構造にあっては、ソレノイドバルブや切換えバルブの異常により特に前進レンジ圧が出力できなくなると、変速機構における動力伝達が行えなくなり、走行不能になる虞がある。そのため、特許文献2では、フェールセーフバルブとそのバルブを切換えるソレノイドバルブを設け、前進レンジ圧を変速制御部に供給できない場合に、リニアソレノイドバルブSLUからの油圧を変速制御部に供給することが提案されている。これにより、異常が発生した場合でも前進走行の保障を行うことが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2004-69016号公報
国際公開第2015/122451号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献2のように、異常が発生した場合に前進走行の保障を行うために、フェールセーフバルブやそれを切換える信号圧を出力するソレノイドバルブを設けることは、コストアップを招くと共に、油圧制御装置の肥大化を招き、車両搭載性の悪化を招く虞がある。
【0007】
そこで本発明は、異常の発生時に前進走行を保障することを可能にするものでありながら、コストダウンや車両搭載性の向上を図ることが可能な車両用駆動装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、車両用駆動装置において、
係合されることで前進の第1変速比を形成する第1係合要素と、係合されることで前記第1変速比とは異なる前進の第2変速比を形成する第2係合要素と、係合されることで後進の変速比を形成する第3係合要素と、供給される油圧により前記第1係合要素を係合させる第1油圧サーボと、供給される油圧により前記第2係合要素を係合させる第2油圧サーボと、供給される油圧により前記第3係合要素を係合させる第3油圧サーボと、を有し、入力された回転を変速して出力する変速機構と、
前記変速機構を油圧制御する油圧制御装置と、を備え、
前記油圧制御装置は、
元圧を生成する元圧生成部と、
第1信号圧を出力する第1信号圧出力部と、
第2信号圧を出力する第2信号圧出力部と、
第3信号圧を出力する第3信号圧出力部と、
前記第1油圧サーボに供給する第1係合圧を調圧して出力する第1調圧ソレノイドバルブと、
前記第3油圧サーボに供給する第2係合圧を調圧して出力する第2調圧ソレノイドバルブと、
前記第1信号圧に応じて、前記元圧を前進レンジ圧として出力する前進レンジ圧出力状態と、前記元圧を後進レンジ圧として出力する後進レンジ圧出力状態と、に切換えられる第1切換えバルブと、
前記第1切換えバルブが前記後進レンジ圧出力状態で出力した前記後進レンジ圧を入力し、前記第2信号圧に応じて、前記後進レンジ圧を遮断する第1状態と、前記後進レンジ圧を通過させる第2状態と、に切換えられる第2切換えバルブと、
前記第1切換えバルブが前記前進レンジ圧出力状態で出力した前記前進レンジ圧を入力し、前記第3信号圧に応じて、前記前進レンジ圧を遮断する第3状態と、前記前進レンジ圧を通過させる第4状態と、に切換えられる第3切換えバルブと、
前記第2切換えバルブと前記第1油圧サーボ及び前記第2油圧サーボとの間に介在するように配置され、前記第1油圧サーボに供給する油圧と前記第2油圧サーボに供給する油圧とを通過させる第5状態と、前記第1油圧サーボに供給する油圧と前記第2油圧サーボに供給する油圧と少なくとも最大圧で入力された際に、前記第1油圧サーボに供給する油圧と前記第2油圧サーボに供給する油圧とを遮断する第6状態と、に切換えられる第4切換えバルブと、を有し、
前記第2切換えバルブは、前記第3切換えバルブが前記第4状態で通過させた前記前進レンジ圧を入力し、前記第1状態で、前記第3切換えバルブからの前記前進レンジ圧を前記第1調圧ソレノイドバルブに供給すると共に前記第1係合圧を前記第1油圧サーボに供給し、前記第2状態で、前記第3切換えバルブからの前記前進レンジ圧を前記第1油圧サーボに対して遮断し、
前記第3切換えバルブは、前記第2切換えバルブが前記第2状態で通過させた前記後進レンジ圧を入力し、前記第3状態で、前記第2切換えバルブからの前記後進レンジ圧を前記第2調圧ソレノイドバルブに供給すると共に前記第2係合圧を前記第3油圧サーボに供給し、前記第4状態で、前記第2切換えバルブからの前記後進レンジ圧を遮断し、
前記第2切換えバルブは、前記第1切換えバルブから出力された前記前進レンジ圧を入力し、前記第1状態で前記第1切換えバルブからの前記前進レンジ圧を前記第4切換えバルブを介して前記第2油圧サーボに供給し、
前記第1切換えバルブは、前記第2係合圧を入力し、前記後進レンジ圧出力状態で、前記第2係合圧を前記第4切換えバルブに供給し、
前記第4切換えバルブは、前記元圧を入力し、前記第2切換えバルブからの前記前進レンジ圧と前記第1切換えバルブからの前記第2係合圧とによって前記第6状態に切換えられ、前記第6状態で、前記元圧を前記第2油圧サーボに供給する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、異常の発生時に前進走行を保障することを可能にするものでありながら、コストダウンや車両搭載性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本実施の形態に係る自動変速機を示すスケルトン図。
本実施の形態に係る自動変速機の係合表。
本実施の形態に係るレンジ圧設定部及び係合圧供給部の油圧制御装置を示す油圧回路図。
本実施の形態に係るレンジ圧設定部の一部とトルコン還流部の油圧制御装置を示す油圧回路図。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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