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公開番号2024085606
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-27
出願番号2022200203
出願日2022-12-15
発明の名称水系PCP/MOF分散液
出願人大原パラヂウム化学株式会社
代理人個人,個人
主分類C07F 15/02 20060101AFI20240620BHJP(有機化学)
要約【課題】
本発明は、不織布等のシート状の基材の表面にPCP/MOFを簡便な方法で均一に展延適用することができるPCP/MOF剤を提供することを主な課題とする。
【解決手段】
本発明として、例えば、多孔性金属錯体が水中で均一に分散してなることを特徴とする水系MOF分散液を挙げることができる。かかる分散液は、非イオン性および/またはアニオン性の界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルやポリカルボン酸塩)、ならびに沈降防止剤(例えば、キサンタンガムなどの多糖類)を含むことができ、更には機能性無機物(例えば、酸化亜鉛、シリカ)を含むことができる。
【選択図】なし


特許請求の範囲【請求項1】
多孔性金属錯体が水中で均一に分散してなることを特徴とする、水系MOF分散液。
続きを表示(約 770 文字)【請求項2】
非イオン性および/またはアニオン性の界面活性剤、ならびに沈降防止剤を含む、請求項1に記載の水系MOF分散液。
【請求項3】
さらに機能性無機物を含む、請求項2に記載の水系MOF分散液。
【請求項4】
非イオン性界面活性剤がポリオキシエチレンアルキルエーテルであり、アニオン性界面活性剤がポリカルボン酸塩であり、沈降防止剤が多糖類であり、または機能性無機物が酸化亜鉛、活性炭、ゼオライト、シリカゲル、二酸化ケイ素、または珪藻土である、請求項2または3に記載の水系MOF分散液。
【請求項5】
多糖類が、キサンタンガムまたはカラギナンである、請求項4に記載の水系MOF分散液。
【請求項6】
多孔性金属錯体が、20℃の水中で、少なくとも30日間、当該錯体構造が保持されるものである、請求項1~3のいずれか一項に記載の水系MOF分散液。
【請求項7】
多孔性金属錯体を構成する金属イオンが、鉄イオンである、請求項6に記載の水系MOF分散液。
【請求項8】
多孔性金属錯体を0.1~50質量%の範囲内、界面活性剤を0.1質量%以上、および沈降防止剤を0.1~5.0質量%の範囲内で含み、請求項2または3に記載の水系MOF分散液。
【請求項9】
水中に、少なくとも多孔性金属錯体、界面活性剤および沈降防止剤を加える工程、これらを撹拌混合する工程を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の水系MOF分散液の製造方法。
【請求項10】
請求項1~3のいずれか一項に記載の水系MOF分散液をシート状基材の表面に展延適用することにより多孔性金属錯体を含む、加工品。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、多孔性金属錯体の技術分野に属する。本発明は、多孔性金属錯体が水中で安定して分散してなる水系MOF分散液に関するものである。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
多孔性金属錯体は、Porous Coordination Polymer または Metal-Organic Framework(以下、「PCP/MOF」ともいう。)とも呼ばれる、金属イオンと有機配位子との配位結合を利用して人工的に合成された多孔性物質である。金属イオンが有機配位子と架橋することによって、フレームワークが構築され、このフレームワーク内の空隙が分子を取り込む空間として機能する。
【0003】
従来の多孔性物質としては、例えば、ゼオライト、シリカ、活性炭等の天然の無機的なものを挙げることができる。それぞれ、分離、吸蔵、吸着、排出といった細孔機能を有しているが、微細な細孔の制御が困難であり、細孔機能も影響を受ける。一方、PCP/MOFは、分子設計によって様々な多孔性構造のものを合成することができ、非常に複雑な構造のものや、高機能ないし多機能な多孔性物質を構築することができる。そのため、PCP/MOFは、ガス(水素、メタン、CO2等)の吸蔵、分子やイオンの選択貯蔵、異性体分離等の分離、固体触媒(酸化反応、付加反応、水素化反応等)、除放、隔離、輸送、ナノ容器、センサー等幅広い応用が期待されている。
【0004】
ところで、タバコ臭、動物臭、排泄臭等の生活臭は、家庭内や職場内、公共施設といった生活環境に溢れている。臭いによっては社会問題となることもある。高齢化に伴い排泄物の処理が問題となるが、同時に排泄臭の問題も惹起する。タバコ臭や動物臭についても、ヒトによっては耐え難いものがある。その他の生活臭にしても、生活環境において快適に過ごすためには、できれば除去することが望まれる。
【0005】
これら生活臭を除去する手段の一つとして、従来からゼオライト、シリカ、活性炭といった多孔性物質が用いられている。しかし、このような天然の多孔性物質では、比表面積が比較的小さく、十分な消臭効果があるとは言い難い。これに対し、人工の多孔性物質であるPCP/MOFは比表面積が非常に大きく、十分な消臭効果を有するのみならず、抗菌効果や抗ウイルス効果をも有し得る(例えば、特許文献1、2)。
【0006】
このようなPCP/MOFについては、表面点接着造粒法によるPCP/MOF造粒物が提案されている(特許文献3)。特許文献3に記載のPCP/MOF造粒物は、粉体接着剤等の接着剤を用いてPCP/MOFを活性炭等の担体粒子に加熱接着したものである。当該造粒物は、サンドウィッチフィルターに挟み込む等することにより、空気清浄機や車キャビンフィルターの狭着フィルター用充填剤の用途等において、有効に活用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2019-88499号公報
特開2022-9369号公報
特開2021-62322号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、不織布等のシート状の基材の表面にPCP/MOFを簡便な方法で均一に展延適用することができるPCP/MOF剤を提供することを主な課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、PCP/MOFを水中で安定的に分散することにより上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0010】
本発明としては、例えば、下記のものを挙げることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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