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公開番号2024084216
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-25
出願番号2022198371
出願日2022-12-13
発明の名称硬化性組成物及び物品
出願人AGC株式会社
代理人弁理士法人志賀国際特許事務所
主分類C08F 222/20 20060101AFI20240618BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】基材への塗工性に優れ、低温処理で硬化可能であり、非吸着性に優れる硬化物が得られる硬化性組成物の提供。
【解決手段】共重合体1等を含む硬化性組成物。共重合体1:-NH-C(=O)-Z1を有する重合性ビニル単量体(A)に基づく単位、-OHを有する重合性ビニル単量体(B)に基づく単位、及び少なくとも1つのオキシエチレン基からなる部位を有する重合性ビニル単量体(C)に基づく単位を有し、共重合体1を構成する全単位の合計モル数に対する、前記(A)に基づく単位中のエステル基のモル数の割合(モル%)をA1、前記(B)に基づく単位中の-OHのモル数の割合(モル%)をB1、共重合体1が有するオキシエチレン基のモル数の割合(モル%)をEO1としたときに、A1<B1の場合は4<EO1/A1≦70でありA1≧B1の場合は、4<EO1/B≦70である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記共重合体1、共重合体2、又は共重合体3を含む硬化性組成物。
共重合体1:-NH-C(=O)-Z

を有する重合性ビニル単量体(A)に基づく単位、-OHを有する重合性ビニル単量体(B)(ただし、少なくとも1つの水酸基を有する芳香環を有する重合性ビニル単量体(D)を除く。)に基づく単位、及び少なくとも1つのオキシエチレン基からなる部位を有する重合性ビニル単量体(C)に基づく単位を有し、前記Z

は、少なくとも1つのエステル交換可能なエステル基を有する部位、又は隣接するC(=O)とともにエステル交換可能なエステル基を形成する部位であり、
前記共重合体1を構成する全単位の合計モル数に対する、前記重合性ビニル単量体(A)に基づく単位中のエステル交換可能なエステル基のモル数の割合(モル%)をA

、前記重合性ビニル単量体(B)に基づく単位中の-OHのモル数の割合(モル%)をB

、前記共重合体1が有するオキシエチレン基のモル数の割合(モル%)をEO

としたときに、A

<B

の場合は、4<EO

/A

≦70であり、A

≧B

の場合は、4<EO

/B

≦70である。
共重合体2:前記重合性ビニル単量体(B)に基づく単位、及び前記重合性ビニル単量体(C)に基づく単位を有する共重合体4と、イソシアナト基を有する重合性ビニル単量体(F)との反応物であり、前記共重合体4を構成する全単位の合計に対する前記単位(C)の割合が25~99モル%であり、
前記共重合体4を構成する全単位の合計モル数に対する、前記重合性ビニル単量体(F)中の重合性ビニル基のモル数の割合をF

(モル%)、前記共重合体4が有するオキシエチレン基のモル数の割合をEO

(モル%)としたときに、4<EO

/(F

/2)≦70である。
共重合体3:カチオン重合性官能基を有する重合性ビニル単量体(H)に基づく単位、及び前記重合性ビニル単量体(C)に基づく単位を有し、
前記共重合体3を構成する全単位の合計モル数に対する、前記重合性ビニル単量体(H)に基づく単位中のカチオン重合性官能基のモル数の割合をH

(モル%)、前記共重合体3が有するオキシエチレン基のモル数の割合をEO

(モル%)としたときに、4<EO

/(H

/2)≦70である。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
前記Z

が、下式(1)又は(2)で表される請求項1に記載の硬化性組成物。
TIFF
2024084216000021.tif
37
170
ただし、R

及びR

はそれぞれ独立に、アルキル基である。
【請求項3】
前記共重合体1、前記共重合体2、又は前記共重合体3が、前記重合性ビニル単量体(D)に基づく単位をさらに有する請求項1又は2に記載の硬化性組成物。
【請求項4】
前記共重合体1、前記共重合体2、又は前記共重合体3が、主鎖を構成するポリオキシエチレン鎖を有する単位(E)をさらに有する請求項1又は2に記載の硬化性組成物。
【請求項5】
前記単位(E)が、下式(E1)又は(E2)で表される請求項4に記載の硬化性組成物。
TIFF
2024084216000022.tif
23
170
ただし、n5は10~200の整数であり、X

及びY

はそれぞれ独立に、下式(3)又は(4)で表される2価基であり、R

は水酸基、メトキシ基又はエトキシ基である。
TIFF
2024084216000023.tif
32
170
ただし、Q

は2価有機基であり、Q

は単結合又は炭素数1~5のアルキレン基であり、Q

はシアノ基又はメチル基である。


が前記式(3)で表される2価基である場合、式(3)中のQ
10
は単結合であり、前記式(3)で表される2価基のQ
10
側の末端が、X

に隣接する(OCH

CH


n5
の酸素原子側の末端に結合し、


が前記式(4)で表される2価基である場合、式(4)中のQ
10
は単結合であり、前記式(4)で表される2価基のQ
10
側の末端が、X

に隣接する(OCH

CH


n5
の酸素原子側の末端に結合し、


が前記式(3)で表される2価基である場合、式(3)中のQ
10
は酸素原子であり、前記式(3)で表される2価基のQ
10
側の末端が、Y

に隣接する(OCH

CH


n5
の炭素原子側の末端に結合し、


が前記式(4)で表される2価基である場合、式(4)中のQ
10
は酸素原子であり、前記式(4)で表される2価基のQ
10
側の末端が、Y

に隣接する(OCH

CH


n5
の炭素原子側の末端に結合する。
【請求項6】
前記カチオン重合性官能基が、エポキシ基、エポキシシクロヘキシル基、アジリジン基、オキセタニル基及びビニルエーテル基からなる群から選ばれる少なくとも1つである請求項1又は2に記載の硬化性組成物。
【請求項7】
液状媒体をさらに含む請求項1又は2に記載の硬化性組成物。
【請求項8】
水を含まない請求項1又は2に記載の硬化性組成物。
【請求項9】
基材と、前記基材上に配設された表面層とを有し、
前記表面層が、請求項1又は2に記載の硬化性組成物の硬化物からなる、物品。
【請求項10】
医療用デバイスである、請求項9に記載の物品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、硬化性組成物及び物品に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
医療用デバイス、生体分析機器等の表面には、使用時に血液、細胞、タンパク質等の生体成分が接触するため、生体成分の吸着しにくさ(非吸着性)が要求される。そこで、基材表面を非吸着性材料の膜で覆い、生体成分の吸着を抑制することがある。
【0003】
従来の非吸着性材料は、生体環境下での膜の耐久性が低く、膜を硬化させる必要があった。特許文献1には、反応性シリル基を有する化合物を、加水分解後120℃で1時間熱処理を行うことで、生体環境下での高い耐久性を保持する非吸着性コーティングに関して記載されている。特許文献2には、りん酸2-(メタクリロイルオキシ)エチルを用いた、低温乾燥工程のみで容易に形成可能な生体物質付着抑制能を有するコーティング膜に関して記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2019/151265号
国際公開第2014/196650号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1における120℃の高温処理は、耐熱性の観点から多くの汎用樹脂への適用は難しい。また、基材は疎水性の樹脂基材であることが多く、このような場合、反応性シリル基の加水分解により塗工液に水が入ることで、塗工性が悪くなり、基材表面における膜の均一性が低下する。特許文献2においても、塗工液の主成分が純水であるため、上記と同様に、疎水性の樹脂基材への塗工性が悪い。
【0006】
本発明は、基材への塗工性に優れ、低温処理で硬化可能であり、非吸着性に優れる硬化物が得られる硬化性組成物、及び当該硬化性組成物を用いた物品を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下の[1]~[10]の構成を有する硬化性組成物及び物品を提供する。
[1]下記共重合体1、共重合体2、又は共重合体3を含む硬化性組成物。
共重合体1:-NH-C(=O)-Z

を有する重合性ビニル単量体(A)に基づく単位、-OHを有する重合性ビニル単量体(B)(ただし、少なくとも1つの水酸基を有する芳香環を有する重合性ビニル単量体(D)を除く。)に基づく単位、及び少なくとも1つのオキシエチレン基からなる部位を有する重合性ビニル単量体(C)に基づく単位を有し、前記Z

は、少なくとも1つのエステル交換可能なエステル基を有する部位、又は隣接するC(=O)とともにエステル交換可能なエステル基を形成する部位であり、
前記共重合体1を構成する全単位の合計モル数に対する、前記重合性ビニル単量体(A)に基づく単位中のエステル交換可能なエステル基のモル数の割合(モル%)をA

、前記重合性ビニル単量体(B)に基づく単位中の-OHのモル数の割合(モル%)をB

、前記共重合体1が有するオキシエチレン基のモル数の割合(モル%)をEO

としたときに、A

<B

の場合は、4<EO

/A

≦70であり、A

≧B

の場合は、4<EO

/B

≦70である。
共重合体2:前記重合性ビニル単量体(B)に基づく単位、及び前記重合性ビニル単量体(C)に基づく単位を有する共重合体4と、イソシアナト基を有する重合性ビニル単量体(F)との反応物であり、前記共重合体4を構成する全単位の合計に対する前記単位(C)の割合が25~99モル%であり、
前記共重合体4を構成する全単位の合計モル数に対する、前記重合性ビニル単量体(F)中の重合性ビニル基のモル数の割合をF

(モル%)、前記共重合体4が有するオキシエチレン基のモル数の割合をEO

(モル%)としたときに、4<EO

/(F

/2)≦70である。
共重合体3:カチオン重合性官能基を有する重合性ビニル単量体(H)に基づく単位、及び前記重合性ビニル単量体(C)に基づく単位を有し、
前記共重合体3を構成する全単位の合計モル数に対する、前記重合性ビニル単量体(H)に基づく単位中のカチオン重合性官能基のモル数の割合をH

(モル%)、前記共重合体3が有するオキシエチレン基のモル数の割合をEO

(モル%)としたときに、4<EO

/(H

/2)≦70である。
[2]前記Z

が、下式(1)又は(2)で表される[1]の硬化性組成物。
TIFF
2024084216000001.tif
37
170
ただし、R

及びR

はそれぞれ独立に、アルキル基である。
[3]前記共重合体1、前記共重合体2、又は前記共重合体3が、前記重合性ビニル単量体(D)に基づく単位をさらに有する、[1]又は[2]の硬化性組成物。
[4]前記共重合体1、前記共重合体2、又は前記共重合体3が、主鎖を構成するポリオキシエチレン鎖を有する単位(E)をさらに有する[1]~[3]のいずれかの硬化性組成物。
[5]前記単位(E)が、下式(E1)又は(E2)で表される[4]の硬化性組成物。
TIFF
2024084216000002.tif
23
170
ただし、n5は10~200の整数であり、X

及びY

はそれぞれ独立に、下式(3)又は(4)で表される2価基であり、R

は水酸基、メトキシ基又はエトキシ基である。
TIFF
2024084216000003.tif
32
170
ただし、Q

は2価有機基であり、Q

は単結合又は炭素数1~5のアルキレン基であり、Q

はシアノ基又はメチル基である。


が前記式(3)で表される2価基である場合、式(3)中のQ
10
は単結合であり、前記式(3)で表される2価基のQ
10
側の末端が、X
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、基材への塗工性に優れ、低温処理で硬化可能であり、非吸着性に優れる硬化物が得られる硬化性組成物、及び当該硬化性組成物を用いた物品を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明における用語の意味や定義は以下の通りである。
(メタ)アクリレートは、アクリレートとメタクリレートの総称である。(メタ)アクリロイルはアクリロイルとメタクリロイルの総称である。(メタ)アクリルアミドは、アクリルアミドとメタクリルアミドの総称である。
重合性ビニル単量体は、重合性ビニル基を有する化合物である。重合性ビニル基は、CH

=CR-で表される。Rは水素原子又はメチル基である。
単量体に基づく単位とは、単量体が重合することによって形成される該単量体に由来する部分を意味する。
本明細書において、オキシエチレン基を「EO」とも記す。
本明細書において、化学式で表される化合物、部位、基、構造、又は単位は、その式の番号を付した化合物、部位、基、構造、又は単位としても表記する。例えば、式1で表される化合物は化合物1、式1で表される部位は部位1、とも表記する。
数値範囲を示す「~」は、その前後に記載された数値を下限値および上限値として含むことを意味する。
【0010】
〔硬化性組成物〕
本発明の一実施形態に係る硬化性組成物(以下、「本組成物」とも記す。)は、下記共重合体1、共重合体2、又は共重合体3を含む。以下、共重合体1、共重合体2、及び共重合体3をまとめて「本共重合体」とも記す。本組成物中の本共重合体は1種でも2種以上でもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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